ダイジェスト気味。
サンクトゥム攻略は、魔王城に攻め込むには他5つを攻略しないと行けない王道的展開。
それも目標が復活したから再戦展開もあり、それらを1つずつ書くとマンネリ化が加速しそうなので、ダイジェスト気味に進めます。
面白味のある場面を摘みつつ、クロコとの出会いまで行けば、少しは物語に緩急が……とは思いつつ、作者の文才不足が全ての原因。
「ではシャーレ主導による、サンクトゥム攻略作戦を開始します。 持ち得る全戦力を投入、同時総攻撃を敢行。 敵の防衛線を突破し、塔を破壊してください」
エリトラを羽織り夕暮モドキの下、クラフターはやれやれうんざりだと首を振った。
突如として出現した6つの塔はスポブロの役割を果たし、魑魅魍魎が跋扈し始めたのだ。
規模としてはゾンビイベントの比ではない。 いつかどこかで見たモンスターが村人と交戦している。 ビル影や中にまでは把握出来ない。 これではTNT砲撃ができようはずもない。 クラフターは建造物への二次被害を嫌う。
「ゲヘナ、ミレニアム、トリニティ、百鬼夜行、レッドウィンター、山海経、D.U.など、各地の自治区は襲撃に備えてください。 5つのサンクトゥムを各個撃破後、第6サンクトゥムに全員で挑みます。 以上が作戦の全貌です。 既にマインクラフターが交戦中ですが、その隙を縫って臨機応変に行動してください……シャーレの先生方、お願いします。 ここからが正念場です。 どうかキヴォトスを……お願いします」
「うん。 それじゃ、行こっか」
最近は村人共々忙殺の日々。 空が赤く化物の跋扈。 益体なくも異様な現象だ。
だが楽しい。 ワクワクする。 これまでの分析で、スポブロの癖に最初から塔の形態をする虚妄は、もう我々にトラップタワーを作れと誘っているとしか思えない。
あいや、そう思考誘導を行うアレこそ正に『トラップタワー』と形容すべき違法建造物であろう。
禍々しい見た目でありながら建築家としての意欲を刺激してくるとは。 けしからん。 製作者とは是非にも懇意になりたい。
問題は未制御な件だ。 やたら高い塔の癖に水流エレベーターでモンスターを上げて落とし、弱らせる事をしていない。 それか水が使えないネザーのブレイズ相手のように、ピストンで押し潰し……いやそうじゃない。 そもそもスポーンしたモンスターを下界に垂れ流しているのは容認できない。 迷惑千万という話なのだ。
元の世でも制作に失敗してそうなったり、起動させたまま放置されて、タワー周辺の時空間が歪むトラブルはあった。
アレらはその誤ちを犯している。 このままではキヴォトスに時空間異常が発生しても不思議に思わない。 そうなれば最悪、この世界中の土地を丸ごと放棄する羽目になる。
建築家として冒険家として、クラフターとしてそんな災難は回避したい。
やはり度し難い存在だ。 上手く改造すれば有益そうなだけに残念である。
「ユメ先生は故郷のアビドスへ。 少しでも地の利がある方が有利だからね」
「わかったよ! ホシノちゃんも、みんなも私が守るよ!」
「遊園地はSRTとヒナがいる。 独自でもある程度は大丈夫かな。 余力があったら、私も向かおう」
それにしても、と首を傾げた。
なぜ突然にこんな事になったのかと。 化物の目的は何なのかと。 あいやただ村人や我々を襲う以上の行動原理はないにせよ。
村人もまた、ゾンビを前にした時のように逃げ惑い、建物の中に駆け込んでいる。
戦う者もいるが、それはクラフター側もだ。
軍事部が本拠地を置くアリウスが再度戦場になってしまうも、飛んで日に入り燃えるアンデッドの如き。 訓練されたアリウス生と駐在する戦車やヘリが客を歓迎。 銃撃の暴風が吹き荒れる。 制圧は時間の問題だろう。
駆けつけた友軍にネメシス同様、股間が食い込むようなピッチリ服装がいた際は混乱した様だが。 愉快犯の素質がある村人は要警戒であろう。
「サクラコさん!? その破廉恥な格好は一体?」
「これは最後のユスティナ聖徒会長が残した礼装。 これが私の覚悟です。 これまで続いてきた憎悪の連鎖を断ち切り、禍根を未来に持ち込ませず、新しい時代を切り拓く為に……」
「それが覚悟なのですか!? その破廉恥な格好が!? それが本当にシスターフッドが引き継いだ聖徒会の意志なのですか!? 歩く度に後ろが気になって仕方なさそうな、下着も履いてないであろう圧倒的布地面積の少ないギリギリラインのハイレグレオタードが!?」
「ああ、サクラコ様……」
「私たちの罪をお赦しください……!」
それはそうと、後でくれないだろうか。
装備してみたい。 どんな効果があるのか気になるところであった。
さても本来のサンクトゥムタワー周辺。
カイザー相手の防衛線ごと放置されたアイアンゴーレムは各々独自に動き回り、手当たり次第に万歳突撃、敵を攻撃してくれている。
飛び道具相手に強くは出れないが、囮としての能力は十分である。
さて、我々は遊撃班として動くべきか……そう判断しかけた、その時である。
いた。
ユメが故郷の砂漠で、ホシノの面々と共にいる。 対峙するは白い大蛇だ。 口から凄まじい威力のレーザーが放たれるも、その盾で全員を庇い防ぎ切っている。
「嘘っ!? ユメ先生、ビナーの攻撃を防いだの!? 岩も粉々にする高出力だよ!?」
凄い。 近くの同志はダイヤ装備でも蒸発しかける程のダメージを負っているのに。 ただ牛のような胸を揺らし馬のように鳴く鶏肋ではなかった。
「ホシノちゃん、お待たせ! 皆も大丈夫?」
「うへぇ〜、ユメ先輩に助けられる日が来るなんて、おじさんも歳だなぁ……もう私の助けはいりませんね」
「ええ!? そんな事ないよ! 寧ろ今すぐ助けて欲しいかな! 私、戦えないよぉ!」
「冗談ですよ」
かと思えばヒィンヒィン鳴き始めてしまった。
そうかそうか。 やはりユメはそういう奴だ。
その無様を見てホシノは微笑んでいるが。
一方、別方面に視線を這わす。
遊園地ではアバンギャルド君Mk.3が暴れ散らしている。 前より俊敏で隙がない。 アイアンゴーレム何体分の戦力であろうか。 今度作り方を学びたいところ。
「なんなんだ、このダサいロボットは!?」
「仲間のアバンギャルド君です! Mk1は会長、2はヴェリタスが改造、そしてこの3はユズ専用機です! フレーム単位で入力できるユズの動体視力に合わせて特注されたコントローラーで操作ができるんです! まさに最強のゲーマー『UZQueen』の専用機なのです!」
「えっと……」
「うぅ、プレッシャーが……」
「ユズならできる! 自分を信じて!」
「そうだよ! 私たちも信じてる!」
作れても有人機であれば、あそこまでの腕を披露できるか怪しいが。
クラフターの知らない世界は広がるばかりだ。
「各自治区の防衛戦及び5つのサンクトゥムの破壊は、マインクラフターの協力で完了しつつあります。 最後はD.U.にある6つ目のサンクトゥムに総攻撃を開始。 合図をお待ちください先生」
「うん。 リンちゃん、お願いします」
「……はい!」
とりあえずスポブロの塔を勿体無いと思いつつ、制御出来ぬなら放置も出来ず。
村人もやたら攻撃的だから再利用も難しいと判断した同志たちにより破壊活動は進行。
ツルハシやらシャベルやらで崩されては、いよいよ残りは1つまで追いやる。
「残るは中心部の第6サンクトゥムだけ!」
「全戦力を集結。 おそらく、これが最後の戦いになるでしょう。 周辺にいるクラフターにも出来るだけ参加を呼びかけてください」
「待ってください! 新たな大きなエネルギー反応! これは……ペロロ!?」
「……はい?」
刹那、それがトリガーかのように突如として巨大ペロロが現れた。
ビル並みの大きさがあるが、色は白くなく暗い色。 星空をペロロの形にしたような幽玄さをも併せ持つ。
やっていることは目からビームを放ち、都市を破壊する荒らし行為だが。 既知の敵だとウィザーに似ている。 色もそれっぽい。
「アズサちゃん、アレって……」
「ああ。 間違いない。 あれは……」
「「ペロロジラ!!」」
「巨大怪獣がD.U.シラトリ区に上陸!」
まぁ荒らしなら討伐するしかない。
ペロロの形だからと特例にはしない。 村人避けの特急呪物になり得る逸材だが、我々に牙を剥き、挙句に建造物に被害を出す存在はお呼びではないのだよ。
そんな訳で。
駆けつけてきたペロロガスキーなヒフミとアズサ共々、これと戦っていると。
カラフルな見た目の村人戦隊がやってきた。 その装飾は寿司なる料理である。 あのオイナリサンの仲間だ。 だとして何故そんな見た目なのか。 アリウスの友軍といい、キヴォトスには色んな村人がいるなと思うばかりだ。 取り敢えずベイクドポテトを食いながらお辞儀しておく。
「巨大化には我々回転ジャーの出番だ!」
「先生、合図を!!」
「行くよ!! 無限回転寿司戦隊・カイテンFX Mk.インフィニティ!!」
「この展開、大丈夫……?」
「格好良いから大丈夫」
「そういう問題なんですかね……?」
遂には巨大ロボットがスポーン。
ペロロジラと戦い始めた。 どちらも見た目に気になるところはあるが、ビル並みの存在同士が殴り合っているのは大迫力である。
アレも欲しい……格納に困るが、実利より見た目を優先したいと思わせてくれる!
「おお、映画で見た事あるぞ!」
「な、なにを見せられてるんでしょうか」
「すっごーい! お寿司ロボットだー!!」
忘れていた童心の熱意が蘇るようだ。
学ばされるな、村人には。
「ペ、ペロロジラ倒れました!」
「……さ、最後のサンクトゥム消滅!」
「成功……したんだよね?」
「虚妄のサンクトゥム攻略完了ですね」
「やりましたよリン先輩!」
「クラフターの活躍もあって早かったよ」
しかしまぁ、各地が派手に壊れた。
何とかしないと。 いっそ更なる躍進を。 前より素晴らしい街に建て替えしようかしら。
「アユム、モモカ……お疲れ様」
「先生もお疲れ様でした!」
「ほんとね〜どうなるかと思ったよ」
「ですが、まだ終わっていません。 この現象の原因究明と破壊されたシラトリ区の再建も手配しなければ。 仕事は山積みですよ」
「ま、まぁひとまずは一件落着で」
「そうですね……先生、お疲れ様でした」
「うん。 リンちゃんもお疲れ様、ありがとう」
刹那、グニャリと何かが歪んだ……気がした。
何かがどうなったかのような、時空間異常の際に似た、不快で不思議な感覚。
周囲を見る。 原因はかまどか、ペロロ消滅の反動か。 ドロップ品が原因なら速やかに回収するなり処分しなければなるまい。
が、視線に止まったのは黒い村人で……。
「あれは……シロコ?」
アビドスの生徒、シロコだった。
あいや少し成長した姿である。
「……んっ」
こちらに気づくやお辞儀される。
釣られて此方もお辞儀。 互いにポテトを食べる。
大人化とは。
小麦を大量にキメたのかな、と思った。
後書き
更新常に未定