とても励みになります!
物語進めねばという焦りもありますが、同時に質が落ちて詰まらなくなっているのではという不安も……
新たな門弟を祝福し、鉄斧以外も譲渡しようとしたマインクラフターだが、次の瞬間には不快になった。
期待する展開と異なったからだ。
「斧なんて持って。 たった1人で襲撃?」
「ち、違うんです! たった今渡されて!」
原因は知り得ている。
チビと緑頭の乱入が要因だ。
刹那の驚愕のまま、新人はハァンと斧を投げ落としやがった。
クラフターは目を疑った。
事故ではない。 故意だ。 間違いない。
「あー……コイツらか。 受け取る方も悪いと思うんだけども」
「ホシノちゃん、虐めちゃ駄目だよ」
「違いますよ。 でも廃校寸前の高校に来る物好きだなんて、怪しいでしょう」
善意の拒絶。 好機の投棄。 期待の裏切り。
然しものクラフターも不機嫌だ。 進物を目前で投棄されては気分が悪い。
「どこの生徒? 所属と名前は?」
「わ、私は……」
それも仕方ないか。
クラフターは切り替え斧を回収、諦観した。
所詮は村人。 此方は作り手。 扉の枚数でハァンと歓喜する者とでは住む世界が違うのだから。 上下の基準を設けるのも愚行だった。
昔の己なら、斧で頭をカチ割っただろう。 天誅下すべき闇として。 マルチで生かれぬ無礼として。 そうして気分を晴らした。
今としては荒ぶるのも馬鹿らしい。 耐久値と有名度下がるし。 腹も減って損をする。
「別に年上でも容赦しないけど。 それくらい知ってるでしょ。 私達の事を調べてたなら」
「そ、そういう目的で来た訳では」
「待ってホシノちゃん。 この校章……」
ハァンハァン鳴き合い始めたのが良い例だ。
やはり別種だ。 村人らしいとも思える。
「はい。 私もアビドス自治区の学生で……それとまだ中学生です。 もうすぐ卒業ですが」
「ちゅ、中学生? 私より先輩に見えるけど」
「ホシノちゃんは、そのまま可愛いままでいて欲しいなぁ」
「どう言う意味ですか?」
「わ、悪い意味じゃないよぉ」
「あ、あはは……」
乾いた笑いを背に、クラフターは切り替えた。
やりたい事は山ほどある。 構ってられない。
元の世界と接続し、物資の調達に幅が出来た。 創造の自由が増し、出来る事は多い。
砂漠で遺跡の発掘や修復だけでは満足出来ない。 遠征したい。 建築したい。 己の証を打ち立てたい。
ついては問題とも向き合わねば。 加速すべきは荒らし対策である。
この世界、荒らしの徒党が多過ぎる。
軍事部と共に遊び呆けても良いが、賊軍に反省の2文字は無い。 あれば存在しない。 下手な矯正の試みは世界の崩壊を招く。
力で黙らすか、黙らされるか。 結局、暴力の基本は2択に尽きる。 他の世もそうだった。
「……思い出した。 それ、私立ネフティス中学校の校章だよね。 でもおかしいな。 ネフティスの本社は自治区の外に移転してだいぶ経つし、たしか学校も廃校って……」
「……私が卒業したら廃校になります」
「そんなぁ」
元の世も。 ネザーもエンドもだ。
振り返れば破壊と殺しが蔓延り殺伐していた。
地下渓谷でスケルトンに射抜かれての落下。
巨大な浮遊クラゲなガストに空爆されてのマグマダイブ。 エンダーマンに背中から接触されての奈落逝き。
荒らしによるウィザー召喚による都市部崩壊。 グロウストーンを巡っての殴り合い。 敵対したゾンビピッグマンの擦り付け。 ゲートの破壊工作。
1歩違えば切り刻まれていたのは善良に満ちた世界とクラフターだった。
悔し涙に滲んだ視界は数え切れない。
怪物に殺されるだけでも憤慨ものなのに、同志が劣等感に支配されて無差別破壊を始めた時は胸が締め付けられた。
「私立ネフティス中学校。 ネフティス企業傘下の超エリート校。 ネフティスの後継者が残ってるとは聞いてたけど、なるほどね……君だったんだね、十六夜ノノミさん」
「ッ!」
「わぁ、凄い子がいたなんて……」
「いや、そこは把握しておいて下さいよ」
けれど、とクラフターは前を向く。
そうした苦難に立ち向かい、創造力で乗り越えてきたではないかと。
至極単純。 今回もそうするだけなのだ。
「最後に物見遊山でもしに来たの? かの高名な悪徳企業ネフティスのお嬢さんが、私たちの学校に何の用? それか街で好き勝手してる連中に興味を持った?」
「わ、私は……」
「回答によっては、ヘイローの無事は保証出来ないよ」
「ホシノちゃん、そんな言い方は駄目だよ」
「ごめんなさい、私は……」
この想いが伝播したか。
鳴き合っていた新人は逃げる様に駆け出した。
そうか。 そうしなさい。 クラフターは止めない。 村人の勝手だ。 新たな門出だ。
素手から始める木こり。 それも学びだ。 大いに学んで欲しい。
苦労を強要する気は無い。 段階を踏んでこそ理解する喜びがある。 最初から全てを得ていたら詰まらない。
「言い過ぎちゃいましたね」
「戻ってくるよ。 そんな気がするな」
「また根拠の無い自信を」
あの村人に学ばされた。
楽に走らず、常に学徒であるべきだと。
銃。 戦車。 皆が与えてくれる知識の様に。
互いの存在を赦す寛容な世界。 驕らず昂らず。 逸り誤らず。 けど必要以上に怯えず生きる。 助ける。 そして創る。 そうして世界と心身は満ちていく。
「で、なんでコイツらは恍惚としてるんですか!? 今のやり取りの何処に何を感じてるんですか! 怖いんですけど!?」
「この人達にも後輩がいるんだなって」
「それこそ、どういう意味ですか!?」
「ホシノちゃん、それはね……」
その限り創造主は常なる高みを目指せる。
停滞なき創造。 何と甘美な響き。
「いつか分かるよ」
我想う。 故に我あり。
クラフターよ、大志を抱け。
更新常に未定
今回も薄味な展開に危機感ありつつ。