今回の話に出てくる軍事部は、皆が皆同じ思想なのではありません。
たまたまこういうクラフターだった、という話となります。
十人十色とお仕置き
ホシノらが儀式を始めたから、クラフターは興味を持って見学。
手順としては湧いた新人を1ヶ所に詰め込み、その後にハァン独奏。 特に面白味も無く苦痛な空間が作り出された。
暫くして、新人を空き部屋へ分散。 大人しく座る者もいれば、忙しない者、談笑する者等様々だ。
これに何の意味があるのか。 最初こそ首を傾げたが、次の瞬間、クラフターの脳裏に電流走る。
遂に本来の用途で稼働するのだと。
そうかそうか。 やっとであるか。
クラフター、理解し笑顔で頷きを繰り返す。
1を知り10を知る。 言葉による相互理解の手段を得たからと、何でも頼ってはいけない。
「入学式を終えましたが、これからどうなるのでしょうか。 先生もいませんし」
「皆、承知の上。 最悪、あの人達を先生に据えよう。 頼めば面倒くらい見てくれる筈」
「ありゃ反面教師だからねぇ。 駄目、絶対。 今だって碌な考えしてないと思うよぉ」
製鉄所の試作だ、コレは。
村人を集結させて擬似的な村を創り出し、アイアンゴーレムがスポーンするよう仕向けているのだ。
クラフターは空間を有効活用すべく、一部を鶏小屋にしていたが、既存の建物とは本来あるべき姿でいて欲しいとも思っている。
ただ先人として言わせて貰うと、扉が足りない。
「連邦生徒会に要請はしたんですよね?」
「勿論。 でもいつも通り、返信ないんだぁ」
「ユメ先輩には頼まない?」
「今、勉強中で忙しいみたいでねぇ。 そうでなくても、来たところで解決しなさそうだからさぁ」
「あはは……それもまた、付き合いが長い故の信頼、ですよね」
いっそ我々が手を加えよう。
庭の隅に扉を大量に並べ立てれば、邪魔にはなるまい。 軍事部が戦車やヘリを駐機させてるが、扉程度は些細だ。
ただ兼ね合いがある。 人の庭や摩天楼、屋上を我が家の様に扱い始めた軍事部だ。 その領域に立ち入ると銃床で殴打される。 苦情を述べても暴力を振るわれる。
伺いを立てる為に同志が向かった。 その様子を窓越しに眺めとく。
「ん。 新入生達が外見て騒いでる」
「戦車やヘリくらいで騒ぐなんてね。 いくらアビドスが廃れてるからって、そこまで珍しくはないでしょ〜」
「違います! あの人達の喧嘩です!」
早々殴り合ってる。
暴力は全てを解決するとしたが、こんな交渉を客観すると空虚でしかない。
向こうは見られてるのに気付いてか、全体に対して念話を演説の如く垂れ流す。
この暴力世界において如何に軍事部の地位が上か。 それでいて如何に遠慮していて配慮しているか。 我々がいなければ荒らしに蹂躙されるのは貴様ら愚民だぞと。
挙句に兵器への熱意を語り始めた。 それ今と関係ない。 何故扉を設置して良いか駄目かの話を抉るのか。 そう反撃した同志は撃たれてしまった。
交渉決裂。 最近は益々厄介だ。 何方が荒らしか分からない。
「ゼロ距離で撃ったああ!?」
「そんな、ヘイローのない人間に!」
「でも撃たれた人は煙になって消えた……あれ、校舎から出てきた。 いつの間に移動したの?」
「入学式くらい、大人しく出来ないかなぁ」
曰く兵器群は唯の金属ではない。 生物なのだ。
吸気。 燃焼。 排気。 これら手順は生命の呼吸そのものだと。
円筒。 回転軸。 軸受。 固着具1本に至るまで全ての部品は細胞の様に振動している。
金属光沢は冷酷に見えるが、力を加えれば熱が迸り、強固に思える表面は道端の丸石1つで傷付くほど純真。
兵器とは、精密な繊細さと力強さを兼ね備えた生命。 だからこそ、軍事部は造るにも敵対するにも持ち得るべき柔軟な発想で挑戦する事を心掛けている。
それこそが最上の精神世界なのだ。 他の住居建築とした基本的創造力を否定しないが、この喜び勇む栄光の道を妨げたり水を差す行為は止めて貰おう。
略:畑違い。
「生き返った? ううん、まさかね」
「ああ……この先が不安です。 新入生の方が覚悟がありそうです」
「今更入学を後悔しても遅い。 郷に入ったら郷に従うべき」
「こんなじゃなかったんだけどねぇ!? おじさん、ちょいと黙らせてくるね」
騒動に興奮した村人達のハァンが、庭にまで響き渡る。 何を言っているかは相変わらず不明だが、好意的ではない筈だ。
本と羽ペン、看板でも無しに言葉は伝播しない。
だが軍事部は演説を聞き入れられたと勘違いしている。 虚実。 虚栄。 消化する脚光。 大手を振って愉快な腰振りを披露する。
「ちょいと君達ぃ……静かにしよっか」
そこに管理人ホシノによる雷撃が落ちた。
より具体的には撃鉄が何度も落ちた。 片手拳銃でパンパンされたのである。
建物から距離があるのに、かなりの命中精度だ。 軍事部も、その手腕と暴力の合わせ技に沈黙して唸るしかない。
斯くして、騒動の下手人共は黙らされた。
新人達は別の意味で騒めている様子だが。
「今回は大目に見るけど、次は大目玉だから」
「……あの子が、ゲヘナがマークしてた?」
「暁のホルス。 そう呼ぶ者がいる」
「体育館の隅で昼寝してるだけの、だらしない先輩だと思ってたけど。 違うみたいね」
果たして真の道化は誰なのか。
手慰みに松明を作りつついじけるのであった。
更新常に未定
色々な人がいるよね……
ゲーム軸に合わせるよう進めたい……
でもクラフト要素が低めに。 意識しなきゃ。