カイザーPMCの基地、再び……の前に。
便利屋68登場。
ゲームシナリオ通りだと、考えずに済む分は楽なのですが……作風的に変化をつけたくもあり。
でも味変でマズくなるのも嫌だな等、悩みもありつつの進行。
「今日からここが、便利屋68の事務所よ!」
アビドス市街地の街灯工事をしていたら、甲高いハァンが聞こえて振り返る。
派手な服の角付きを先頭に、コウモリ羽を生やす白髪、悪戯好きそうな小柄、気弱そうな紫が群れを成す。
ビルとビルに挟まれた、地味で小規模な雑居ビル前で騒いでいる。
雑居といってもクラフターが世界に合わせて想像(創造)しただけなので、明確な用途はないが。
「1棟丸々、好きに使って頂戴!」
「ありがとうございます、アル様!」
「小さくても一応は新築のビルを、1フロアどころか全部タダ同然の家賃で使えるなんて。 例の人達が建てたのが理由らしいけど」
「それってつまり〜、何の保証も無いって事じゃん! 突然床が抜けるとか、面白い事が起きるかもね!」
着々と村人の増加を感じる。
そうして街は独自に発展していくのだ。 閑散とした区画も、やがて活気に満ちるだろう。
「そ、そんな事ないわよムツキ。 業者が入って水道とか電気は通ってるし。 ただ、利用してみた感想を家賃代わりに提出する必要があるだけで」
我々が開拓した面積に対し、人口密度は低いから、移住される余裕は全然ある。
各区からの文化流入、融合も期待している。
「それって、モルモット扱いなんじゃ」
「きゃはは! 半分騙されてるって!」
「許せない許せない許せない……アル様をこんな酷い目に遭わせるなんて……今から不動産屋さんを爆破してきます」
「待ってハルカ、違うのよ! えーと、そう! あえて乗ってあげたのよ! 互いにWin-Winの関係になる為にね!」
「そうでしたか! 失礼しました!」
「モノは言いようだね……」
「面白いから良いじゃん!」
目前の村人の様に、どことなくコウモリみたいな連中とか、鶏な羽を生やす奴とか、獣耳とか、見た目が異なる者同士が混ざり合うのは想像するだけで面白い。
元の世じゃ、良くて服装や色の違いだった。
しかも総じて似た顔だ。 ハゲだし。 此方の方が鮮やかで景気が良い。
「……それで。 ここアビドスで、どんな仕事をする予定なの?」
「ふふふ。 大手から依頼があったのよ。 違法に勢力を拡大するアビドス高等学校を襲撃して欲しいのだと」
「違法? 悪党退治って事ですか?」
「ゲヘナの廃墟にいるような子が多いのかも。 実際、そっち方面から来た子もいるみたいだし」
改修工事に戻りつつ思う。
こうした善性の村人ばかりなら良いのにと。
隙あらば乱射だ爆破だと好きに荒らす者が多過ぎる。 気が気ではない。
機械人や獣人なら銃を持ってないから安心だと油断すれば、意外とそうでもなかったりする。
「仕事は仕事。 情報を集めて攻めるわよ」
「既に地元のヘルメット団が何度か攻撃してるみたいだけど。 例の人達も参戦して、戦車をアッサリ撃退、逆襲されて拠点を棄てたみたい」
「もしかして結構ヤバいんじゃない?」
「わ、私は……アル様に従います!」
この者達も或いは。 芽を摘むべきか。
いやいや。 クラフターは首を振る。 何もしてない者を攻撃する行為こそ、荒らしのソレである。 落魄れてはいけない。
「ふふふ……な、何とかなるわ!」
「根拠無くても、前向きで良いね!」
「はぁ……1年生の多くは場慣れしてないみたいだし。 生徒会を無力化すれば或いは分からないよ」
「邪魔する者は、みんな消しますから……」
何やら空元気な雰囲気だ。
いけない。 溌剌としなければ深淵に呑まれそうだ。 こんな時はラァメンでも食して元気になろう。 そうしよう。
「取り敢えず腹拵えしましょうか。 600円以下で食べれる場所を探すわよ」
「家賃の分、浮いたんじゃないの?」
「まさか社長……」
「違うわよ!? 傭兵雇う金とかあるでしょ!」
折角だから、この者達も連れていこう。
飯は皆で食えば親睦も深まる。
「アル様、ツルハシを持った人が来ました」
「へっ? 一瞬だけツルハシ見えたけど……」
「本を渡された。 何か書いてある」
「この人がラーメン奢ってくれるんだって。 やったじゃん!」
「え、えぇ? 知らない人が突然……でも純粋な好意は受け取らないと失礼……?」
疑心暗鬼を生ず。
交渉すべきか。 エメラルドや金のインゴットを出して振ってみる。 上に投げてもみる。
余計に混乱された。
結局、コウモリ羽が生えたカヨコという村人と筆談し、何とか落ち着くに至る。
「……あなた達が何を考えてるのか分からない。 けれど好意は受け取る。 ありがとう」
クラフターは村人を店に連れつつ空を仰ぐ。
村人の事を、我々はまだまだ知らない。
理解は遠い。 けれど歩み寄る他ないのだった。
更新常に未定
クラフター、気持ちを裏切られそう(暗黒微笑