数字はなるべく書きたく無い(逃避
「この音は……」
「砲撃です! 数キロ離れた場所に多数の榴弾兵を確認! 狙いは便利屋の方ですが詳細確認中です!」
TNTキャノンの音ではない。
となれば荒らしの砲撃。 ビル壁が弾け、道路が砕ける。 ここまでの規模は未経験だ。
「……確認しました! 所属はゲヘナ風紀委員会! 1個中隊の規模です!」
「なんですって!?」
「アビドス自治区に武力介入?」
「こんなの許されません! 迎撃しますよ〜!」
アルとカヨコは道路に寝始めた。
アルに限っては白目を剥いている。
こんな時に呑気なものだ。 志を同じくしてか、ハルカとムツキがそれぞれ引き摺ってビル陰に収まる。
「目標沈黙」
「よし。 歩兵、第2小隊まで突入。 目標を確保して直ちに撤収だ。 アコ行政官の指示とはいえ、建築魔の本拠地に長居はしたくはないからな」
荒らしの足音が押し寄せる。
だが良くも悪くも市街地だ。 道路を主軸に真っ直ぐ展開するしかない。
クラフターは慌てず騒がず、溶岩バケツを道路にぶちまけ、なんちゃってネザーの情景を作り出す。 軍事部も陣地放棄や撤退の際、嫌がらせの1つにする事がある。
丸石の壁と違い破壊は出来ない。 どうしても通りたいなら地道に土などで埋め進むか、水バケツで冷やさねばならない。
どちらも面倒で、前者は作業中にマグマダイブの恐れがあるし、後者は丸石や黒曜石が路上に作られて激しく邪魔をする。
「うわ熱っ! 溶岩を撒いたのか!?」
「いやいやどうやってよ!?」
「これくらい……あっちいい!?」
「ゲヘナの風呂より熱いんじゃ無理ィ〜!」
相手を見る。 足を止めて狼狽えている。
いくらキヴォトス人でも、流石に抵抗があるようだ。 リスポーン出来たとしても、アイテム全ロストはしたくない。
「矢が飛んでくるぞ! 隠れろーッ!?」
「ひっ! 燃えてる!?」
「銃弾と違って、見えるのがこんなに怖いなんて思わなかったよ……!」
足が止まった隙に弓矢で射抜く。
一部の矢は溶岩に擦り、火矢となる。
奴らは転げ回り、戦意を失い隠れていく。
「怯むな! 建物でも路地にでも回り込んで、向こう岸に行けば良い! 榴弾兵は砲撃で援護を……おいどうした! 応答しろ!」
だが相手も馬鹿じゃない。
回り込んででも荒そうとしてくる。 何故その執念を創造に活かせないのか。 コレが分からない。
故に分からすつもりで……同志が砲兵陣地で剣を振り回した。 安全な場所から一方的に荒らすなんて許さない。 その面白そうなミニキャノン砲は全て没収だ。
「……どうやら、やられたようです」
「〜〜ッ! 区画を包囲中の全隊は突撃!! 損害だけ出して帰れると思うな〜!」
四方八方から荒らしが走ってくる。
新手のモンスターハウスかな。 ここは地上で苔蒸した丸石もスポブロもチェストも無いが。
「あの人達を援護。 アビドスを護れ!」
収容所の方向からは味方らしき新入生が。
そのまま両陣営の波がぶつかり、激しい銃撃戦が繰り広げられる。
「ちょっと! 見てないで戦いなさいよ!」
「こんなとき、言葉が伝わらないのは不便」
「今度ハンドサインでも決めますか〜?」
「そうですね。 いう事聞くか分かりませんが」
このまま観戦しようかと思ったが、どうも新入生は数も練度も負けている。 比較的強いシロコ達もいるものの、放置すれば忽ち全滅しそうなので助太刀致す。
向こうは数も装備も練度も勝っていながら、何かに焦っている。 その所為で多少の隙が生じている。
纏まっている場所に毒のスプラッシュを投擲すれば、あっさり全員悶えるし、建物の上から溶岩を垂らしたり金床を落とせば、面白い様に狼狽える。
「う、上からも攻撃だぁ!」
「溶岩の滝、金床落とし!? え、砂も!?」
「人道無視! 連邦法違反反対ッ!」
「他校の自治区攻めてる私達も違反だよ!」
「ば、ばか! 前からも攻撃が来るんだぞ!」
「もうダメだ、任務は失敗だぁ!」
「便利屋の回収は諦めて逃げろーッ!」
「おのれ陸八魔アルッ!!」
やがて瓦解。
追撃すると荒らし主導者の元へ辿り着く。 見たところ3人だ。 1人は何故か半透明だが。 中途半端な透明化ポーションもあるものだ。
「壊滅ッ!? 建築魔相手に壊滅!? 1個中隊が壊滅だなんて!? 数も圧倒的に違った筈だぞ! こんな、こんなのって……!」
「さて、この状況。 どうしますか行政官」
「ふふ、正直侮っていました。 ゲヘナでの仕事を放ってでも攻めたのに……」
ダイヤ剣を振り翳し前に出た。
交渉も同情もない。 情状酌量の余地無し。
荒らし死すべし慈悲は無い。
覚悟は良いか。 己は出来ている。 その刹那。
「アコ。 これはどういうこと?」
前に蝙蝠翼の白毛モフモフが舞い降りた。
荒らしに対し、何やら捲し立てている。
「ひ、ヒナ委員長!? 何故こちらに!?」
「用事が早く済んだ。 それで、説明して。 勝手に部隊を動かして他校の、それも建築魔の本拠地とされる自治区に乗り込んでいる、このワケを」
クラフターは思う。 羊毛を刈れるだろうかと。
休戦し、モフモフに鋏を近付ける。
3個位得られるならそうだろう、と思った。
更新常に未定
ゲヘナシロモップ達の運命は……
モチベが……面白味が……(苦