砂漠へ。とりまカイザーに退場願います。
ホシノらが急に砂漠に繰り出したから、興味本位で後に続いたクラフター。
その先は、荒らし兼生産拠点であった。
鉄フェンスモドキで囲った敷地内に、戦車やヘリを格納する半円形に細長い建物。 他には発着場や荒らしが詰める建物や倉庫がある場所だ。
この内、用事があるのは格納庫と倉庫だ。
時々、そこから戦車やヘリ、武器弾薬を強奪している。 やらかす度に扉や見張りを強化されるが、地下から入り込んだり、透明化ポーションで強行突破してきた。
だがそれも、と思う潮時がきたようだ。
ホシノらのお手並み拝見、あわよくば盗って来た物品の分け前をパクる。 そう高みの見物を決め込んだバチが当たった。
「基地から続々と兵士が出て来ます! 包囲される前に離脱して下さい!」
「いやぁ、気付かれちゃったねぇ」
「呑気な事を言ってないで逃げるわよ!」
「流石に全部を相手には出来ませんね〜」
「サーマルゴーグルに地雷原、過剰なまでの監視カメラの数、そしてこの戦力、私達を警戒していた?」
盗みを繰り返したツケか。
その度に強化された装備の数々が、今ホシノらを襲う。 包囲する動きも早い。
己らはエリトラで高みの見物を決め続けているものの、このままだとホシノらが殺害ないし捕縛、実験台にされかねない。
それは断じて容認出来ない。 荒らし如きが良い様に扱って良いモノなど皆無だからだ。
荒らしのモノは己のモノ、己のモノも己のモノ。
つまり土地も装備も全部クラフターのモノ。
「くくくっ。 侵入者を遂に捕まえられそうだと聞いて来てみれば、お前達だったとは」
「あなたはカイザーの理事!」
「という事は、ウチが借金してる人?」
「他にも色々やってるみたい」
「ふむ。 それくらいの知識はあるか。 まぁそっちの現生徒会長さんとは、だいぶ前にも会ったがね」
「……もう会いたいとは思わなかったけど」
まぁ良いや。 武器装備はそこそこ手に入れた。
名残惜しいが仕方ない。 こうなれば爆破だ。
他の基地をアテにすれば良い。 最悪、 他の地区から盗れば良い。 ゲヘナとかトリニティとか大きいし。 レッドウィンターなんか広大だ。 何かしらあるだろう。
「この際だから聞こっか。 カイザーは、どういう理由で砂漠にいるのかな? お宝探しでもしてるって噂だけど」
「ウチを襲った人達は、皆アンタらが糸を引いてるって情報も掴んでるのよ!」
「理不尽です。 説明して下さい〜!」
「借金を回収するのが目的でないなら、何の為に動いているのですか?」
「色々怪しい。 全部吐いて貰う」
「答える義理はあるかね? 今の状況を理解していないようだな」
取り敢えずは……クラフターの1人が地下に降りると、予め組んであったレッドストーン回路にスイッチを入れる。
忽ち赤光が走り、TNTに届いて点滅開始。
「それよりこの騒ぎだ。 今までの損害賠償に加えて、借金の信用ランクも落とさせて貰う。 それから、あの忌々しい建築魔共による損失も上乗せして……ん!?」
「うん?」「ん」「なに!?」「なんですか」
ドカンと幾発。
間も無く爆発に次ぐ爆発。 基地は地下から持ち上がった爆風と白煙に飲み込まれる。
全ては1瞬。 砂漠にまたも詰まらぬクレーターが出来上がる。 埋め直しするか、再利用するべきか。 頭が整地や建築に切り替わるのも一瞬だ。
「馬鹿な馬鹿な馬鹿なー!?」
「俺達の家があああ!!」
「盗みに飽き足らず爆破までしやがった!」
「り、理事! 基地が消えましたあああ!?」
「見れば分かる!? くそっ!」
取り敢えず残党狩りだ。
それからだ。 クレーター漁りも。
「うへぇ、例の人達の仕業としか思えないね」
「そうね。 これには同情するわ」
「因果応報」
「う〜ん……全てを失った訳じゃないですし」
「借金の総額が……いいえ。 何だかこうも派手だと、逆に踏み倒せそうな気がしてきました。 あはは……」
各々地上に降りる。
エリトラを外し、プレートを着込む。
軍事部も頃合いを見て駆けつけた。 目に付く荒らしから攻撃している。
ニコイチ戦車も持ち出していた。 性能面が不安定らしいが、榴弾が歩兵の群れを吹き飛ばしているあたり、普通に使えそうだ。
「て、敵襲ーッ!!」
「理事! ここは危険です! 撤退を!」
「おのれええええ!! またしても! 許さんぞ! 許さんからなぁ、マインクラフター共おおッ!!」
逃げて行く。
その先は別の荒らし拠点だ。
追撃はしない。 ギリギリまで絞る。 絶滅させるには時期尚早。
「……助かったけど、砂漠にいる理由は分からず終いだったねぇ」
「基地も木っ端微塵です。 証拠になりそうなモノも同時に消えているでしょう」
「はあぁ〜……徒労に終わったわ」
「帰ろう。 帰ればまた、次があるから」
「そうですねぇ。 皆さんお疲れ様でした〜」
クラフターは剥かれた大穴に集る。
役立ちそうな鉄屑や砂を収集する。
そして、次の事を楽し気に夢想する。
破壊に続く創造。 次は何を建てようかな?
更新常に未定
ユメ先輩、来たら立ち位置どうしよう(殴