今年が終わる前に、もう少し足掻き。
けれどスランプの中。
倫理観がマイルドだったり、オリジナル展開の無さは良くないとも思いつつ。
躁鬱、虚無感への苦悩。腹がずぅんとなる…
クロコちゃんさぁ、酷いよ。
何で荒らしって認知させちゃうの。 悲しいじゃん。
ユメが知ったら泣いちゃうと思うけど、俗世はそういうモノだよ。
そろそろ次の段階に上がらないとね。 村人風に言えば"大人になる"という事なのだろうね。
それでもキヴォトスをくれて、邪魔をしないなら強盗も先生の生死も問わないのにな。
なのに何でこんな真似しちゃうの?
アビドスの遺品を丸ごと鹵獲した挙句、散々に建物を破壊して次元にまで干渉されたら、もう君のこと助ける道理が無くなっちゃうよ。
嗚呼。
もう殺すしかなくなっちゃったよ。
でも良いよね。
君達の土地は我々が引き継ぐから。
by.BAD Time Line
「ミドリはアリスに話し方を教えて! 私は学生証の方を何とかしてくる!」
「ちょ、ちょっと待って! はぁ、会話かぁ」
顔面の差が皆無な村人の片割れ、剽軽な桃が快活に部屋を飛び出し、残るは比較的静謐な緑と元全裸のAL1Sである。
何やら思惑顔であるが、やがて様々にアイテムを見せた。 用意が良い。
「……アリスちゃん、私たちが作ったゲームやってみない? 酷評されちゃったけど、テキスト表示で進行するから、会話の勉強になるかもだし」
「肯定。 アリスはゲームをやります」
箱型端末の前にやや平たい箱が置かれると、AL1S共々コウモリ似の装置を渡される。
何やら小さなボタンやレバーが付着したポチポチだ。 クラフターは首を傾げた。
「あなた達もやってみて! 気に入ってくれるかは分からないけど、テキストを読めるなら、ゲームも出来るんじゃないかな?」
ハァンと鳴かれ、よく分からないままに端末から機械音。 端末正面に文字や絵が表示されていく。
「タイトルから分かるかも知れないけど、このゲームは童話テイストで、色彩豊かな王道ファンタジーRPGなの。 といっても色々な要素を混ぜてたりするんだけどね」
クラフター、よく分からないままに視聴。
コスモス世紀2354年、人類は劫火の炎に包まれた……と文字が浮かぶ。
理解が出来ぬままBボタンを押せと指示されたから、同様の記号が印字されたボタンを押してみた。
〈GAME OVER〉と浮かび上がる。
クラフターは眉間に皺を寄せた。
「!?!?」
AL1S共々奇妙な感覚に襲われた。
近いものは親近感。 次に理不尽。
同時に既視感。 これに類似した光景をクラフターは何度も見てきた。
「……シナリオライターのお姉ちゃんが、予想出来る展開ほど詰まらないものはないからって、こうしたの。 ここは指示に従わずAボタンなんだけど……改めて見ても、この部分は酷いと思う」
死亡メッセージだ。
目の前が真っ赤に染まり、遺品を撒き散らし、死因が浮かぶ嫌な瞬間。
思わずインベントリを開く。 物はある。 体力は減っていない。 状態異常もないことに安堵の息を吐く。
「ため息を吐くのも分かるよ」
「も、もう1度始めます……」
これは村人の臨死体験装置だ。
それをやらせてくる意図まで読めないが、もしかしたら我々の目線で親睦を深めようとした試みなのかも知れない。 キヴォトス人は我々のように安易に死ぬ事が無い。 死が疎遠である。 故にこうした装置で安全に、擬似的に体感をしようと試みているのだろう。
「再開……テキストでは説明不可能な感情が発生しています」
「それはね、"怒りと困惑"だよ」
だが指摘をしたい。 判断ミスによる死はあるにせよ、死因表示が欲しい。
後の改善や反省に役立つ。 例え不愉快な指摘となろうとも理不尽な死への対抗策になる。
「そのまま進むと、RPGの花である戦闘が始まるよ」
改めて画面を見やる。
野生のプニプニが現れた! と表示された。
ぷにぷに、という生物の絵もまた、既視感のあるものだ。 元の世界でいうスライムに酷似する。
既知の通りなら深部で跳ね回るだけの有象無象。 大小の差があり、ガストに迫る大きさもいるが、攻撃されると分裂し、最小ともなれば体当たりされても痛くない。 動きは単純で、これに殺される経験は滅多に無い。
「緊張、高揚、興味」
「Aボタンを押して。 今度は大丈夫」
「Aボタン……秘剣つばめ返し:敵に対して2回攻撃をする」
画面から閃光や小気味良い音が聞こえたと思えば、次の瞬間、またしても赤字が浮かびあがった。
「!?!?」
なんと殺された。
スライムに負けるとは情けない。 クラフターの面汚しとまで罵倒しないが。
村人からすれば、あんなのでも脅威に映るのだ。 この世界の村人はゾンビばかりに怯えない。 無理なら取り敢えず逃げろとは訴えたいが。
「思考停止、電算処理が追いつきません」
思えばキヴォトス人が死なず、なのに銃火器で武装しているのは、そうした脅威から身を守り、進化してきた結果なのではあるまいか。
「序盤から理不尽だよね……クソゲー扱いされちゃうのも、改めて納得するしかないというか。 プニプニもフッ、とか笑うし」
「さ、再開します……!」
クラフターは多くの経験を得て、新たな建築様式やエンチャントを形にしてきた。
そのように、キヴォトス人も形にしてきたのだ。 その姿が今を蔓延る者共である。
この臨死体験装置は、或いはキヴォトス人が過去を忘れぬようにと追体験する装置でもあるのだろう。 であれば納得もいく。
「!?!?」
「頑張ってアリスちゃん! これもアリスちゃんの為なんだよ、たぶん……!」
新しい形の本と羽ペンだ。
生徒手帳とした紙媒体に限らない。 こうした端末で表現する事も可能なのだ。
見聞するばかりではなく、実際に体験してこそ得られる経験もある。
そんな当たり前のようで忘れかけていた事を、彼等は教えてくれた。
クラフターは隣人と共に頷いた。
我々は生きている限り学徒であると。
生死を往復し、過去と経験を今に積み、未来へ繋げていくのだと。
その事を、改めて学ばされるのであった。
後書き
更新常に未定
進まぬ……スランプ感を否めず。
クラフトもしてないですしね……。
思考がぐるぐる。心が引っ掻かれた、そんな何かがまとわりつく不快ともいえぬ虚無。ばにたすばにたす。