マイクラ要素に悩む……。
年末?予定は仕事パターン(虚
エンジニア部作業室。
クラフター好みの空間と村人、内装工事中の空中戦艦の大元の地。
ここに客人が来たので、休憩がてら注目を向ける。 ハァン語は相変わらず不明だが、最近はそうでもないのもある。
「なるほど、だいたい把握できたよ。 新しい仲間に、より良い武器をプレゼントしたい……と。 彼等は剣と弓矢という原始的な武装が多いからね。 ミレニアムに対する侮辱にも捉えられかねない。 気持ちは分かるつもりだよ」
「違うからね!? 建築妖精の事じゃなくてアリスの武器についてだからね!?」
「アリス、弓矢も好きです。 でも剣はもっと好きです。 武器は見た目ではありません。 性能です。 それで何度も世界を救ってきました」
「アリスちゃん。 ややこしくなるから、ここは任せて欲しいな?」
ここの村人が翻訳機を寄越したからだ。
村人の言語を文字に出力するツールだ。
時計と違い手に持つ必要はあるものの、お陰で筆談が減少して助かっている。 本と羽ペンより圧倒的な効率化。 量産の暁には本などあっという間に紙吹雪かも知れない。
「どちらにしても、エンジニア部に来たのは素晴らしい選択だね。 ミレニアムにおける勝敗というのは、優れた技術者の有無に大きく左右されてしまうものだ。 そっちの方に私達がこれまで作ってきた試作品が色々と置いてある。 そこにあるものであれば、どれを持って行っても構わないよ」
「やった! ありがとう先輩!」
手元の硝子細工に文字が浮く。
武器を貰いにきたらしい。
見やれば、確かに。 同志がAL1 Sと呼ぶ個体は武器を所持しない。 翻訳にも信頼度を見た。
「やあ……1年生のヒビキだよ。 良ければ私が、何か良いものを見繕ってあげる」
「では、この青白く輝く剣を下さい! いつかの世界で邂逅した、マスターな剣に似ています!」
「建築妖精の武器が混ざってる……!?」
早速興味を引いたはダイヤの剣だ。
お目が高い、と思った。 それは畜産効率を上げる為のエンチャントが付加されている。
具体的にはドロップ増加だ。 牛肉や豚肉が多めに手に入る。 牧場の土地や時間を有効に使うには欠かせない。 武器というより農具である。
因みに荒らしには効果がない。 銃火器や弾丸のドロップ率に変動が見られなかった。 よって火薬の増産は見込めない。 残念だ。
それと奇妙な報告もある。
二足歩行の犬や猫とした、頭部に輪の無い者に使用すると、死なないまでも尻尾が無駄に増えるなどして悶絶されるばかりとなった。 翻訳機には殺害を懇願する言葉が繰り返し表示された。 印象深かったが故障を疑っている。
取り敢えず牛乳を飲ませたら治った。
様々であるが、ドロップしないし有用性は見出せなかった。 これなら闇市の鶏モドキの方が良いなと思う。
クラフターは必要なら躊躇なく殺生沙汰を起こすが、初心者でなし、無駄な耐久値の擦り減らしは忌避する傾向にある。
「他の方が良いかな……」
「ではこの、輝く弓にします!」
「アリス、銃にしてよ、お願いだから!?」
次に見られたのは弓だ。
インフィニティと耐久のエンチャントがされている。 矢が1本でもあれば、耐久値の限り無限に打てるものだ。
酷使する者にとっては神器の1つともいえる、必然的に辿り着くエンチャントスタイルであるから、興味を引くのも理解出来た。
ただ、銃世界のキヴォトスで活かすのは玄人でも難しい。 1発放つ間に100発撃ち返されるようでは分が悪い。 残念だが村人に使い熟せるとは思えない。 我々でさえ素直に鹵獲銃の方を好む者もいる。 特に軍事部。 悔しい話だ。
「こ、これはどう、アリス?」
「拳銃? うん、弓矢より絶対良いって」
「見た感じ、多分だけど……これまでに戦闘経験は無いはず……」
「その言葉は否定します。 アリスは建築妖精と共に人類を27回救い、魔王軍との46回に渡る戦闘を行い、3桁を超えるダンジョン探索を行ってきました。 経験値はそれなりに豊富です」
「それは、凄いね……でもいい加減にお願いするよ、こっちの世界に戻ってきて……?」
なので経験値をエンチャントに変える際、弓矢に当てず、代わりに防具に注ぐ。
最近は銃にも当てる。 最初は付加出来た事に驚きもしたが、今は慣れた。 弾倉交換や携行は面倒なのであるし。
「とにかく、銃器を使用した経験は……あまり無さそう。 そういう人にはやっぱり拳銃が良い……これはプラスチック製だから軽いし、反動も少ない……そういう意味でも、色々と初心者に優しいはず……それに、何より……この銃にはミレニアム史上、今まで存在しなかった機能が搭載されている」
「な、何それ?」
「何か聞く前から凄そう……いったいどんな機能なの?」
「それはね……Bluetooth機能だよ。 音楽鑑賞やファイルの転送まで可能な拳銃。 調べた限り、そんなものは存在しなかった。 もちろん、スモモ機能も搭載。 乗り場のICパネルにタッチして、交通機関を利用する事も出来る。 それにNFC機能も付いているから、コンビニペイだって使えちゃう」
「凄い気がするけど、店員の人がびっくりしちゃうよ!」
「大丈夫……建築妖精のほうがよっぽどの事をしてるから」
「妙な説得力があるのは何故!?」
唐突に翻訳機に侮辱された。
我々が何をしたというのか。 建造物を蔑ろにする連中に物を説かれたくはない。
「そういえばアリスちゃんはどこに……」
「あっ。 あそこ。 大砲を見てる……?」
気分を害するままに別の方向を向くとAL1Sがキャノンモドキを見つめている。
アレは……良い物だ。 間違いない。
クラフターは頷きを繰り返し、機嫌を回復。 やはり創造物に対する理解者がいる事実は、心が洗われるよう。
「ふっふっふっ、お客さん、お目が高いですね」
「え、えっと……?」
「説明が必要なら、いつでもどこでも答えをご提供! エンジニア部のマイスター、コトリです! あなたがアリスですね。 ゲーム開発部、4人目のメンバー!」
クラフターは天井を見上げて感涙する。
村人も捨てたものじゃないと。
どれも銃と爆弾を振り回す輩では無い。 こうして創造し、物を評価する者も確実にいるのだ。
「あ、コトリちゃん久しぶり。 ところでアリスちゃんが見てるこの大きいのは何? まるで大砲、みたいだけど」
そして客人側もある程度の理解を示す。
それに応対する作り手の図。 クラフターが好む情景がここにあった。
「良い質問ですねミドリ。 これはエンジニア部の下半期の予算、その内の約70%近くをかけて作られた……エンジニア部の野心作、宇宙戦艦搭載用レールガンです! 大気圏外での戦闘を目的として開発された実弾兵器! これはミレニアム史上、明らかに類を見ない初の試みです!」
「宇宙戦艦って……まさか、セミナーを騒がせてる構造物のコト!?」
世界とはこうであるべきだ。
創造物は正当に評価され、議論し、実行する者達が世界を作り上げて欲しい。
訳もわからず建物が破壊され、杜撰な真似をされ、一々我々が直したり成敗せずに済む平和な世の中だ。
それはどんな理想郷か。 夢物語か。 だとしても望む。 クラフターはいつだって作り手である。 間違っても破壊の美学に囚われた片手落ちではない。
「そうです! いつものように我々技術者の足を引っ張るのは、いつの世も想像力や情熱の欠如ではなく予算と理解を示さない上層部……ですが今回、天の配剤ともいうべきか、降って湧いた彼等建築妖精の力でもってして建造が叶いました!」
「す、凄い……! 周囲の迷惑も考えずに突き進む様は、建築妖精に通じるよ!?」
「……とはいえ、今度は内装に予算が必要で」
「駄目じゃん! 計画の段階で分かるでしょ!」
「浪漫を分からないなんて、これだからモモイは」
「バカだ! 頭良いのにバカの集団がいる!」
翻訳機が隙を突き、暴言を示す。
また誤訳だろう。 たぶん。
都合の良い方に考える。 作る。 手を動かす。
どうしても駄目なら始末する。 作り直す。
そうしてきたし、これからもそうするだろうという自信がある。 体現なのだ。
それこそが我々だ。 マインクラフターだ。
更新常に未定
クラフト要素が。これからが。難しい(殴
革新的……! ハァン翻訳……!
されどクラフターの都合……!
良いお年を。