お久しぶりです。
その都合、元の書き方、或いは面白く書けるか不安がありますが、進めていけたらと思います。
アリウス自治区が混沌と化します。
駆け足気味。あまり同様の場所で足踏は良くないと思い。けれどマイクラクロス要素も考えねばならぬ難しさ。
「ここがアリウス自治区……アズサちゃんの母校がある場所、なんですか?」
「追放されたアリウス派閥が隠れ住む場所。 トリニティ総合学園の恥部。 つまり■■■■という事です!」
「こんな時までナニ言ってるのよ!? 友達を助けに来たんでしょ!」
ある者は村人について行き。
ある者は地下鉄を辿り。
ある者は彼等の後に続く先。
三者三様のハァンが場を攪拌する。
陽の当たらぬ地下墓地の奥の底。 秘匿されし貧困村を見つけてしまったのだ。 いや規模としては町に近い。 質素ながらも建物が並んでいる。 全体は暗くも、統一された建材と建築様式で整えている。 クラフターは先ず加点して頷いた。
間違いなく見学対象だ。 順次評価するに値する。 欠点あれば改修したい。 クラフターはそうして生きている。
「補習授業部のアズサとかいったな!? 建築魔がいるのは百歩譲って許すが、何故我々万魔殿だけでなく風紀委員会まで案内したんだ!」
「余裕がない。 今は一刻も惜しい。 攫われたアツコを助けないといけない。 救世主もそう思ってくれた、アビドスからも沢山の人や戦車がやって来ている」
「虎丸は要らなそうで何よりです。 というか、こんな場所に持ち込めないでしょう。 彼等はどうやって搬入したのか知りませんが」
「イブキ知ってるよ! 積木みたいに組み立てたり、右手を振るだけでポンと出るの!」
「うぅ……こんな傷つけ合う光景、苦手よ」
「スクープ! スクープです! 写真のフィルムが足りないですね!」
問題なのは、この様な僻地でも銃撃戦が行われている事にある。 跳弾が容赦なく建物を傷つけている様はどこであれ気分が悪い。
特に色付きガラスが用いられた窓のある、城モドキへの攻撃が激しい。
そこを中心に村人が包囲していて、何とか中に入ろうと悪戦苦闘。 ゾンビが村人のいる建物に押し入ろうとしている様を彷彿とさせてくる。
「死体、じゃなく患者が沢山ですね。 どこか廃屋を確保し、臨時の救護所を設営します」
「はい。 この地には救護が必要です。 これ以上の被害を防ぐ為にも、私自らが現場に赴きましょう」
「"ミネが壊して騎士団が治す"の、救護騎士団まで来ましたよ!?」
「早速盾でその辺のアリウス生を殴り倒してるううう!? 冗談も大概にして下さい!」
が、建物側は堅固。 入口や窓に木製の椅子やら机やらを詰めて壁とし、その隙間を銃眼として利用。 外に向けて撃ちまくっていた。
互いに抵抗が激しい。 一進一退。 膠着状態続く。 それ以上の進撃はない。
「ヒナ委員長。 万魔殿の密約に私たちが巻き込まれる筋合いはありません。 余計な問題が増えるだけです。 トリニティとの関係もありますし、ここは素直に調印式の会場に戻って予定通りの警備を続けた方が良いかと思います」
「アコ。 会場は正義実現委員会と、SRTの子たちが抑えてるから十分。 それよりアリウスの分隊を追った先生が気がかり」
「私はアコちゃんの意見に賛成だ。 でも先生に死なれて化けて出られて、あ、足とか舐められても困る! チナツはどうだ?」
「……既に越権行為です。 ですが、瑕疵を突く形にすれば何とでも。 何にせよ退路は確保します。 万魔殿もトリニティも関係なくです」
それもじき終わる。
軍事部が戦車を持ち込んだ。 それで攻撃ないし突撃すれば、木製の即席バリケード程度木っ端微塵。 あとは中にいるらしい地主、あいやボスの解体ショーだ。
「リーダー。 アズサが誘導して人が雪崩れ込んでる。 トリニティとゲヘナだけじゃなく、装備と動きからしてSRT、アビドスの救世主までいる」
「凄いですねぇ。 人生は虚しいそうですし、この後に何が起きても仕方ないと思えますねぇ……でも戦車なんて、どうやってアリウスに持ち込んだのでしょうか?」
「まさか自ら来てくれるとは……この戦力ならバシリカの防衛線を突破出来る! アツコ待っていてくれ、もう少しだ……!」
クラフターは基本的に村人同士の問題に介入するのを嫌う。
何かを得られるクエストなら割り込むが、得られる価値と苦労が見合わない場面が多い。
何よりいちいち筆談する暇があるなら建築に木こりに炭鉱にと趣味と人生に費やしている。
けれど不毛に建物が破壊される光景は気分が悪くなるから終わらせたいし、元々の目的である泥棒は始末しなければならない。 その為なら村人の利用や始末の幇助は合理性を伴う通過点だ。
「……歴史の闇に葬られたアリウス派の潜伏先。 まさかカタコンベの先とはな」
「シスターフッドの前身であるユスティナ聖徒会が彼等を憐れみ、この地に匿ったのでしょうか」
「今こそ正義を実現する時です! コハルさんは既に現地入りしています! 我々も続くべきです!」
「なんでこんな事になったんスかね……」
それ以上に……欲しい。 この土地を。
貧困街をテーマにしていながら、妙な勿体無さを改修したい。 その為に地主を消す。 通常であれば非難轟轟の非道も、相手が荒らしなら話は別だ。
「……私たちSRTは、基本的に市民間の私的な紛争には介入しません。 リン連邦生徒会長代理も、自治区内における問題は各学校に任せると会見したばかりです」
「基本の話だ。 教範に縛られる内はベテランにはなれない。 何よりカヤ防衛室長……都合を付ける側の要請は無視出来ない。 学園存続の為にも」
つまり殺す。 暴力は合法化され正義となる。
地主も泥棒も。 賊軍許さん慈悲は無い。
そして財産は官軍のクラフターのものだ!
「戦車だ! 戦車が来たぞーッ!」
「アビドスの! 救世主様発祥の地からだ!」
地を戴くべく戦車が城モドキに吶喊。
同軸機銃と主砲を撃ちまくり、机や椅子のバリケードを吹き飛ばす。
やはり火力。 やはり暴力……ッ!
村人の手こずりも暴力が全てを解決する!
「正門が破れた!?」
「今だ! みんな突っ込めーーッ!!」
「突撃! 突撃しろーーッ!!」
「マダムを倒せ!」「制圧するんだ!」
「この内戦にケリをつけろ!」
レジスタンスが最終防衛線を突破。
マダム派の拠点バシリカに軍事部突入の報。
硝煙の霧へ、村人問わず斬り込んでいく。
忽ち白煙の向こうで閃光が瞬いていく。
「うへぇ。 ユメ先輩がいるって聞かなかったら、おじさんは寝ていたよぉ」
「私だって来なかったわよ!?」
「ん。 ここに金目のモノはなさそう」
「火事場泥棒は駄目ですよ!?」
「みなさ〜ん、張り切っていきましょ〜!」
さぁ地主解体ショーの始まりだ。
「うわあああ!!?」
「戦車が突っ込んで来やがった!」
「なんでこんなのがあるんだよ!?」
「決まってる! マインクラフターだ!」
戦車を組み立て搭乗、雑多な障壁を破壊して建物の中に突入したは良いが、中にも相当数の残党がいて抵抗してきた。
投擲された火炎瓶や手榴弾で装甲が焦げる。
小銃が唸り耳障りな音を表層で響かせる。
「救世主様に続けーーッ!」
「銃も装備も性能も此方が上だ!」
「最早マダム派は形骸! 勝つぞ!」
「私たちには救世主様がついてるもの!」
ただそれだけだ。
対戦車兵装もなく、徹甲弾や工作爆弾や地雷もない。 恐らくは作る為の余裕も材料も尽きている。
対して此方は随伴歩兵と化した村人がいる。 軍事部も野次馬もいる。 キヴォトス人が馬鹿にしてきた我々の粗悪なクラフト銃や装備の数々も、今や同等以上の威力を発揮出来ると自負している。 最早荒らしに勝ち目はない。 蹂躙するばかりだ。
「この裏切り者共め! 救世主なぞと笑わせるな、いつからアリウスは奴らの奴隷と成り下がったんだ!」
「そっくり返す! お前達はマダムの言いなり人形だ! それを倒してやろうってんだよ!」
「恩知らずめが! 挙句に憎いトリニティとゲヘナまで誘い込みやがって! 仮に私たちを倒して何になる!! 今度は奴らに蹂躙されるだけだと何故分からないんだ!」
「"全ては虚しいものだ"。 そうだろう!」
「ッ、呪詛だ……この世の全てを呪ってやる、未来永劫呪ってやるぞ、マインクラフタァァァァァッッ!!」
煩い。 荒らしは即刻黙らっしゃい。
そう引金を引けば、豪快な音と共に榴弾が放たれた刹那、爆音と白煙が建物を支配する。
この際だ。 建物の損傷も厭わない。 修復は後々すれば良い。 先ずは掃除が優先だ。
「リーダー! あれ地下室への、至聖所への階段じゃない?」
「榴弾の炸裂で、隠れていたのが露呈したみたいですね……へへへ、隠してたのがバレるなんて虚しいですね」
「急げ! シャーレの先生も来てくれた、必ずアツコを助けるんだ! アリウススクワッド、往くぞ!」
何やらまた甲高いハァンが聞こえた気がするが、探している余裕はない。
纏わりつく荒らしを砲塔で振り払い、自らも上半身を乗り出して負傷のスプラッシュポーションを投擲。 残党と対峙した。
「これ以上行かせるな……ッ!」
「マダムがアツコからロイヤルブラッドを搾取し"崇高"に至れば! 貴様なんか! 貴様らなんかぁ!」
鬼気迫る勢いで飛び掛かってくる荒らし。
クラフターはフルエンチャントのダイヤ剣を振り回してノックバック。 周囲の味方村人も銃撃すれば、随時動かなくなっていく。
なのに数が減るどころか増えていく非常識。
「なんだコイツら……!?」
「幽霊!? けど銃が効けば撃ってもくる!」
「ウィンプルを被っているが、今のシスターフッドとは違う!」
「というか、ハイレグにガスマスクってなんだ!? 痴女じゃないか!」
「い、いや……大昔、トリニティを統括していたユスティナ聖徒会はああいう格好が正装だったらしい……」
「なんで!? 凄い際どいよ!?」
「ミメシス……! この期に及んで!」
ヴェックスみたいな奴まで出てきた。
変なお面を装備するのは、ここらの村人と共通しているも、頭巾を被り食い込みの凄そうな、機能美溢れる服を着ている。 それに銃で武装して攻撃までしてくる。 強い。
地主はエヴォーカーだとでもいうのか。 だとすればここは洋館だったのかも知れない。 思えば何かそんな気がする。
「なんで今頃……!」
「条約が締結される場で、誰かが歪曲して宣言したのかも知れない。 約束事の履行の為、彼女たちが顕現したのかと」
「くそっ、マダム派め! 節操のない!」
「あら、でも素敵な修道服では? あの角度からして、恐らく下着は着けていない……まさかシスターフッドの裏の顔、過去の秘密があんな破廉恥な姿とは。 驚き過ぎて、わたくしも制服を脱いで覚悟を決めてしまいました♪」
「誰だお前!?」「ここにも痴女が!?」
倒しても何もドロップしないし。
霧のように消えるばかりで損をする。
これは早く召喚主であろう地主を倒さねば。
「数が多過ぎる!」
「これじゃ罠に飛び込んだものだ!」
「アリウススクワッドは!?」
「独自に至聖所に突入したようです!」
「外は外で手一杯。 こっちには来れないか」
けれど今いる村人だけでこの場を抑えるのは困難ではなかろうか。 そう思っていた時、それは来た。
「守護天使参上! なんちゃって」
壁を突き破り、鶏のボス格が現れた!
それも素手1発での壁破壊である!
クラフターは戦慄と共に身を震わした。 効率強化エンチャントを施したダイヤツルハシですら1撃とはいかないのに。
「セイアちゃんとナギちゃんをちょっと困らせたかっただけなのに、大変な事になってきたから助けに来ちゃった⭐︎」
見た目に似合わず凶悪な村人だ。
雰囲気からして敵対してないのが唯一の救いである。 笑顔が悪魔の嘲笑に見えてしまうものの。
同時にクラフターは、鶏について改めて学びたいと思った。 空を飛べない代わりに得たのがあのパワーではなかろうかと。
「ティーパーティの美園ミカ!」
「我々に協力していたパテル派の首長!」
「味方なのか? なぜここに!」
「シャーレの先生たちに頼まれたの。 アズサちゃんのお友達が死んじゃいそうだから助けて欲しいって。 それにアリウスとは和解したくて話してきたんだもん。 ここで動かなかったら、救いがなかったら……あんまりじゃんね」
鶏ボスが短機関銃と拳を振り回し、ヴェックスモドキ相手に無双する。
多少被弾して服が擦れ、傷だらけになろうとも勢い止まらず暴れ散らす。 我々の戦車より戦果を出している。
クラフターは思った。 鶏の屠殺をボス達に見せてはいけない。 逆襲される。 無力に思えた家畜系村人への認識を改めねば。
「聖歌隊室に陣取って、敵を足止めする!」
「ベアトリーチェのいる至聖所へは救世主様にお任せします!」
「救世主? なら、私は皆の為に……祈るね」
村人が小さくハァン合唱を始めた。
銃声と爆音に紛れて殆ど聞こえない。 別に聞きたい訳じゃない。 ハァン語なんて理解できる筈がないからだ。
けれど普段と違う気がして───クラフターは見つけた。 村人式ジュークボックスらしき装置を。
そこにこの地で手に入れた"Kyrie"というタイトルのレコードを組み込んでみる。
直ぐには動かない。 仕方なく叩いてみれば、埃が舞い上がり、刹那にはガリガリと音を鳴らし再生が始めた。 この手に限る。
「これは……Kyrie?」
「"主よ憐みたまえ"」
ここの地上でも聞いた、透き通った虚しさと切なさ、救いが調和する音楽だった。
クラフターは満足気に頷く。 あのキチレコじゃなくて一先ず安心したのだった。
後書き
更新常に未定
クラフトしなきゃ……心境描写も。
キャラが纏まってないと大変。
書くの難しく。この先どうなるのか……。