マイクラアーカイブ   作:ハヤモ

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前書き
あかん、兎の前に時計じかけの花の方が……。
SRTとカヤ、カイザーはともかく、ミレニアムのケイやデカグラマトン、クロコの話などキヴォトス滅亡の危機多過ぎィ!
混乱のままに時系列が前後するかも。
それはそうと、文の書き方やネタに悩み。


ミレニアム/名も無き神々の王女AL-1S
逃亡者と地下都市


お疲れ様です。 ゲマトリアの黒服と申します。

 

先日の手腕、お見事でしたよ先生。

あなたは仰られた大人の責任を果たし、アリウスの生徒達を救う事が出来ました。

我々としてもベアトリーチェを回収出来ましたし、今後の参考になる事象を観測出来ました。 改めて感謝致します。

マインクラフターの皆様も、新鮮な土地を手に入れた事で納得されているかと。

荒療治は想定内に収まり、我々としても結果に大変満足しております。

 

クククッ……ええ、取引は果たされました。

これからも宜しくお願いしますね、先生?

 

……おや。 おやおやおや。 ご不満で?

ですが大人の責任という足枷を自らに付けたのは、あなた自身である事を努努お忘れなきよう。

 

それは私が頼んだ訳ではありません。

外す為の鍵も、あなた自身が管理しています。

我々の意志が干渉できる領域ではありません。

 

オーパーツであるシッテムの箱、あなたの命を削る大人のカードもまた然りです。

 

どうかご自愛ください。

使い過ぎたとき、無理をしたとき。

あなたは我々側に着く事になるでしょう。

 

助けが欲しい時は仰ってください。

その時には、対価を払って貰いますが。

 

砂漠で渇く者に水を与える。

代わりに一生奴隷として働いて貰う。

そうした、世の中に溢れる理です。

 

まぁ……2年前、ユメ先生がそうならなかったのは理解に苦しみましたがね。 そこは常識の外にいる者達の干渉故でしたが。

 

ふむ。 やはり断りますか。

 

では、どこまで耐えられるか見せて貰うだけ。

次の仕事をご紹介します。

 

ミレニアムサイエンススクール。

───AL-1S、アリスをご存知ですか?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ミレニアムサイエンススクール自治区。

その地で晴れやかに浮かぶ空中戦艦から一転、アリウスから逃亡した下手人は暗黒の地下を掘り進む。

松明の節約で、来た道は闇に呑まれるばかり。

それでも下手人は止まらない。 手癖であろう。

 

 

「ゲーム開発部による一連の騒動から随分と経つけれど。 答えは出たかしらヒマリ」

「ええリオ。 AL-1S、アリスの正体。 それは無名の司祭が崇拝するオーパーツであり……」

「遥か昔の記録に存在する『名も無き神々の王女』」

「同じ解釈になったようですね」

 

 

私刑逃れの地下生活。

良物件の数々は軍事部に奪われた。 インベントリの都合、回収を諦めた物資も拠点ごと鹵獲されたに違いない。

屈辱に涙と泥が手に滲む。 されど因果応報。

善悪を問われたら、悪いのは下手人である。

だが諦めも悪いのがクラフターだ。 足を洗う暇があれば次の土地を狙うだけ。 その情熱のままに地下を掘り進めている。 意欲だけなら無邪気であった。

 

 

「つまり、あの存在の本質は」

「ええ。 アリス、あの子は」

 

 

しかしクラフターはその苦難も愛した。

掘りながら思う。 次こそは。

 

 

「世界を終焉に導く兵器」

「かわいい後輩ですよね♪」

 

 

考え直せば悪く無い。

このまま地下を拡張して己だけの世界を始めるのも素晴らしい案だ。

なんだか楽しくなってきた。 過去は水に流して前を向く。 笑顔だ。 既に涙は枯れている。

 

 

「……何を言っているの?」

「リオこそ、一体何を言っているのですか」

「そう。 じゃあ同盟はここでお終いね」

「そうですね。 同盟ではなく休戦でしたが」

 

 

インベントリ一杯の丸石を吐き捨てながらツルハシ振るう。 鉄鉱石が手に入ったら、かまどで精錬。 石のツルハシやシャベルを鉄に変えて効率を上げていく。

金は耐久値がなさ過ぎるので保管。 願わくばダイヤが欲しいが深度的に浅く微妙なところか。

 

 

「同盟を解除した以上、貴女をこのまま帰す訳にはいかないわ」

「まぁそうでしょうね。 あなたならそうすると思っていました」

 

 

昔を思い出す。

サバイバルを始めた頃。 左右も分からぬままに拳を奮い空腹に甘んじた日々。 石炭や鉄をスタック一杯に持ち帰れた喜び。 木のツールが石に鉄にダイヤにグレードアップしていき、エンチャントで更に強化する喜び。

建築とは別の原点回帰が今ともとれる。 己は大切な基礎を疎かにしていたのかも知れない。

 

 

「AMAS、ヒマリを捕えなさい」

「それが噂の、あなたのおもちゃですか」

 

 

……更に言えば泥棒は悪い事ではないか。

でも戻ったら同志に捕縛されて黒曜石に幽閉されてのリスキル三昧。 だから熱り冷めるまで逃げるが吉。 クラフターは詳しいんだ。

 

 

「自分と意見が違うと気付くや否や、躊躇なく行動するその姿。 久々に見ましたが相変わらずですねリオ。 その点は建築魔と共通する部分がありますよ」

「私は合理的な手段を用いているだけよ」

「合理的。 貴女が好む言葉です。 そうした語らいこそ、あの者達にするべきでしょうに」

 

 

そうこう掘り進める悪しきクラフターだったが、やがてボコリと大空洞に出てしまう。

そこでの光景にクラフターは一瞬唖然とし、次の瞬間には歓喜のままに腰や腕、首を振りまくる!

 

 

「リオ様。 お取り込み中に申し訳ありません。 建築魔が要塞都市エリドゥに侵入しました」

「あら。 貴女が予算を横領して建築していたセーフハウスの話ですか? そしてメイド姿の彼女は専属のC&Cでしょうか?」

「……こうした事態は予測出来ていた。 直ぐにAMASを向かわせて排除するわ」

「あら、話を逸らす気ですか」

 

 

凄い! 凄いぞ!

地下に大都市が広がっている!?

 

なんたる絶景か!

人工物なのに風光明媚すら感じるセンスに脱帽し称賛する他ない!

 

アビドスの地下も似たものだが、ここは都市計画がハッキリしている。

道が整然とし建材も統一されているのは当然として、合理的配慮の欠如を感じさせない創りではないか。

 

負けた。 完全敗北だ。

同志が見たら高評価して走り回るに違いない。

 

高層ビルが建ち並び、けれど村人はいない。

いやいる。 車輪を付けた機械群が。 アレを村人と呼んで良いのか分からないが、生物と機械の境界より自我の有無の判別が困難故に。

 

 

「トキ、貴女もよ。 武装を解除します」

「イエス、マム」

 

 

機械群が土埃を成してやって来る。

出迎えまでいるとは。 サービス精神旺盛だ。

 

……最も、銃撃までは要らないと思ったが。




後書き
更新常に未定
アリスの正体が判明し、ネルvsトキが繰り広げられる話に限らず、どこまで原作添いであるべきか否か……。
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