マイクラアーカイブ   作:ハヤモ

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前書き
ミレニアムから離れアビドスでの会話風景。


発展と発見

 

 

「うへぇ、アリウスは魔の手に堕ちたかぁ」

「ん。 今じゃ彼等の軍事拠点にもなってる」

「他の自治区と違い、歓迎されているのが不幸中の幸いでしょうか。 トリニティとしては黒歴史を掘り返された形となり痛手だったかと思いますが、その特異な立地とメディアの目もあり、これ以上の迫害や関与は困難でしょう」

「悪の元締めを倒して、長年の呪縛から生徒を解放したそうですからね〜。 これからは明るい未来が待ってますよ〜」

「犯罪者を追跡している内に自治区を救った英雄扱いだなんて、誰が信じるのかしらね……」

「アビドスもそうして救われたようなものだよぉ。 認めたくないけれどね……!」

「私も彼等に救われた。 そこは感謝する」

「オアシスも復活しました。 今では花火を打ち上げる祭り日もあります」

「アビドスもまだまだこれからですね〜!」

「砂漠を何処に退けているのかは謎よね」

 

 

今なお様々なバイオームから村人が流入し、文化が入り混じるままに発展を続けるアビドス。

最近は軍事部がアリウスに本拠地を移したが、代わるようにアリウスの一部村人も入ってきて、益々賑わいを見せている。

 

 

「頼りないけど、権力だけならあるシャーレのユメ先ぱ……先生も現地入りして方々の平和条約の締結に関与したからねぇ。トリニティに限らず他の自治区も手を出せないよ。 出すって事は、連邦に弓を引くようなものになるかな」

「弓……彼等はまだ使ってる」

「音がしませんから。 使い慣れているのもあるかと思います」

「剣も使ってますよぉ。 最近はナイフも使っているみたいですねぇ」

「戦いにだけじゃなく、料理にも使ってるのを見たわ。 興味さえあれば、何でもやる奴らよね」

 

 

砂漠の砂漠化が叫ばれて久しいが、硝子とTNT名産地に変わりなく、開拓地が広がるに連れて遺跡の発掘や統一感の無い建築様式が目立っている。

良く言えば自由。 悪く言えば混沌か。

けれど、そんな無計画性もクラフターは愛した。 多くの建築物により形成される都市は我が子の様に可愛い。 例え不器用に成長したとしても、立派にならなくても、その活気を見るだけで元気が湧いてくるから。

 

 

「料理? うどんを作ったのは知ってるけど」

「最近は他にも作ってる。 柴大将の影響でラーメンを再現しようとしてるし、他にもトリニティのスイーツや、ゲヘナの給食部で修行してるみたい」

「作業台の上に材料置いた瞬間に出来るのもあれば、かまどに放るだけで出来るのもあるみたいですが。 その差は相変わらず謎のままです……」

「食材も、出来るだけ自分たちで作ろうとするので、職人気質といいますか、1度嵌ると拘りが凄いみたいですねぇ」

「地上では小麦畑のビルが建ち並ぶし。 アビドスの地下じゃ矯正局送りになるような不良を労働力に、牛や豚、鶏や兎なんかを育てているって噂よ」

 

 

ただ、昔に襲撃してきた荒らし集団ことカイザーPMCなる脅威は未だ残る。

それと、砂漠を泳ぐ鯨だか蛇みたいな大型モンスターと何度か交戦した。 高層ビルを横にしたようなデカさとヤバさで、その癖に俊敏で砂の中に潜るので討伐が困難だ。 市街地への被害も懸念されている。

幸い縄張り意識があるのか、一定の範囲から出たと聞かないが、何れ到達する際に備えて始末したい。 周囲の遺跡とか其奴のドロップ品が気になるのであるし。

 

 

「どこにでもいるねぇ。 苦情の数以上に」

「撃たれて死んでも生き返る。 排除は困難」

「建物や技術格差を見ると沈静化するとの報告もありますが、一時凌ぎにしかなりません。 やはり筆談による交渉が現実的です」

「ですが、彼等が筆談に応じてくれることで初めて意味がありますから……」

「珍しい物とか見せれば靡くわ。 効果はないけど、ゲルマニウムブレスレットとか」

 

 

遠く離れた場所には黒曜石の塊まである。

先人の仕業なのは一目瞭然。 何を隠したかと中身を暴けば、あら不思議。 車輪付きTNTキャノンであった。

見知らぬ素材と見た目なので、たぶん村人製である。 使い方もまるで分からない。 だけど解体には惜しいからと封印したとみる。 取り敢えず松明を差しまくっておいた。 落ちている物は我の物。 領有権云々は大事。

 

 

「それより他の自治区から連絡あるかな?」

「ちょ、大切な事でしょ!?」

「まぁまぁセリカちゃん。 今は話が通じ合う同士で交渉するのが先だよぉ」

「……そうね。 うぅ、アイツらがもっと私たちと会話する意欲があれば!」

「ん。 最悪は暴力で語るべき」

「え、えーと……苦情を除いた大きな話ですとハイランダー鉄道学園からです。 アビドスの発展に伴い、自治区内外の移動を容易にする為に線路敷設、新駅の建設、放棄された横断鉄道の再利用の提案などがあります」

「……ハイランダー鉄道学園」

「土地は持たず、代わりに路線を自治区としている鉄道運営に特化した学園だねぇ。 発展するアビドスに接続して、自治区と権限の拡大を狙う意図があるのかも」

「だとしても、損する話でもないかに思えます。 更なる発展と利便性向上の為、是非ご一考ください」

 

 

他には舟だか箱だかの一部を掘り当てたという報告まである始末。

砂漠なのに舟とはこれ如何に。 そこにオアシスでも存在していたのか。 それか舟に見えるだけの遺跡ではないか。

この砂漠は変な物が色々あるから面白い。

もしかしたらピラミッドより楽しいかも。 理不尽な罠もあるまい。

 

 

「そういえばユメ先生は今、どこ勤務かな?」

「ミレニアムのゲーム開発部の手伝いに向かったようですよ」

「そっかー。 治安は良いだろうし、部活の名前的にも平和そうだから心配要らないねぇ」

「ん。 ユメ先生を信頼するべき」

「おじさんは心配なんだよぉ。 なにせドジっ子で騙されやすい人だから」

「けれど親近感が湧くのよね」

「そして誰よりも優しいですよね〜」

「そうそう……って、何を言わすのかな!?」

 

 

他の自治区も楽しい事はあるようだが。

ミレニアム辺りは廃墟が広がるし。 そこでも謎のアレコレが手に入ったと聞いた。

つい足を運びたくなるが、ここは我慢。 そのぶん、ここを楽しもう。

 

砂漠には砂漠の風が吹く。

砂漠の砂漠化の音がそうだろうと思った。




後書き
更新常に未定。
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