クラフターの性格や倫理観は個体差がありますが、ダン飯主人公のイメージみたいに瞳孔開いた笑顔で村人と交流して欲しい時があります(謎
トリニティ生に君は卵生なのかい?(ニチャア
的な純粋に頭がおかしいと思われそうな疑問を投げかける展開をクラフターがやるかやらないかで言えば、やるような人側だとも思いますし(妄
さても今回。
ミレニアムに戻り本編を進ませねば。
げぇむ開発部の部屋にユメがいた。 取り敢えず腰を曲げてお辞儀。 マルチの癖だ。
「あっ、クラフターさん! アリウスの時はありがとう! みんな喜んでるよ!」
「噂をすれば。 話に聞いたよ、トリニティで活躍したんだってね! ゲームのシナリオに出来そうだから、是非詳しく!」
「幽霊や怪物もいたと聞きます。 どのような姿でしたか? キャラデザインの参考になればと思うのですが」
「妖精さんは凄いです! 勇者です! ノーヒントの1周目で隠しダンジョンを攻略してトゥルーエンドに到達する偉業です!」
「う、うん……本当に主人公みたい……」
相変わらずの村人共だなもし、というのが開発部への見解である。
桃は騒がしく緑は冷静に興味を忍ばせ、アリスは無邪気を隠さず、ユズは縦長チェストに身を隠す。 対するユメは堂々と牛胸揺らす馬である。
部屋は散らかり、窓は布で日光を遮断。 それが閉塞感の印象をより濃くしていて悩ましい。
「ユメ先生も頑張ったんだよね! エデン条約とか、降伏文書がどうこうとか!」
「ううん。 もう1人の先生と、先に頑張っていたクラフターさんがいたから。 私は何も出来なかったよ。 アリウス自治区の存在も、クラフターさんがいなかったら気が付かなかったもの」
「ご謙遜を。 確かにユメ先生は遅れたかも知れませんが、恐れずに介入したんです。 シャーレの勇気と優しさは称賛されて良いと思います」
さても此処に来たのには理由がある。
壊れた端末の返却だ。
取り敢えず桃に渡したら、甲高い絶叫と震える体で応対される事態になる。
「ああああッ!!? 行方不明になっていた私のゲームパットがああああ!!?」
思わず後ずさる。 いけない。 起爆動作か。
村人の種類は多く脅威の底が知れない。
「見事に壊されたね。 彼等の事だから、かまどに入れたり水に沈めたりして遊んだんじゃないかな?」
「遊び方間違えてるよ!? というか、人の物を勝手に持っていかないで! どんな神経してるの!?」
「勇者は人の家を勝手に調べます!」
「アリスちゃん、本当にしちゃ駄目だよ?」
「げ、原型はあるから直せるかも……」
ユメが手帳で筆談。 直せないのかと。
クラフター、首を横に振って答えた。
鉄インゴットを入れたら耐久値が回復するかと試行して失敗したと。 電磁砲のようにいかない。 ままならないものだ。
「クラフターさんは直そうとしたみたい」
「アリスちゃんのレールガンを直せたのに、ゲーム機は直せなかったんだね」
「仕組みも違うだろうし、仕方ないよ」
「魔法みたいな直し方をするのに!?」
「ライフアップとヒーリングは違います!」
「エ、エンジニア部に修理……頼む?」
「戦艦作りで忙しそうだから、ここはヴァリタスを頼らせて貰おう!」
「それじゃあ、みんなで行ってみようか」
周囲の鳴き合いを見るに、どうやら桃の爆発衝動は沈静化したようだ。
かと思えば、ユメに引率されて皆はぞろぞろと部屋を出ていくではないか。
クラフターは感心して頷いた。 クリーパー誘導か。 有難い。 不発とはいえ危険を遠ざけてくれたユメに感謝する。
陰湿な汚部屋とはいえ立派な作品の1つ。 爆破解体は忍びない。
とはいえクラフターもそぞろついて行く。
どうしてかユメを1人にしておくのは忍びない。 普段のやらかしからして、面白い現象が起きそうだし。
「チョンマゲが練り歩いてるううう!!?」
入室した先。 またも桃は叫ぶ。
視線の先はレッドストーントーチを頭に刺した球型機械。 ガストを小型化、模倣したような見た目で、触手が下部から生えているのがそれらしい。
加えてここを棲家にする村人3名と先生までいれば興奮も仕方ない。 特に前者。 機械蔓延るミレニアムだが、このセンスは村人も初見か。 我々としては先を越せた喜びが勝る。 その称賛が受けれそうなこの場に仮置きした我々は、やはり正しかった。
「ユメ先生に開発部、ようこそヴェリタスへ」
「やっほー! 建築魔も一緒だね?」
「あれ、ここでシャーレの先生集合?」
「別件があると聞いてたけど、その丁髷ロボについてだったんだね?」
「そうなんだユメ。 何か知らないかって」
「驚かせましたね。 これらはそこの建築魔がミレニアム学区の郊外から持ち込んだモノです」
「これで全部じゃなくて、まだまだいたよ」
資源がそうであるように、技術や創造の発見と開発も早い物勝ちの競争だ。
消耗する資源と違う点は、共有こそすれ、発表すれば歴史に己を刻める名誉にある。
建物もだが、俗世に己が生きた証を打ち立てるそれら行為は、マインクラフターにとって生命活動と同義に近い。
勿論、娯楽としても様々に物作りをしてきた。
けれど村人や家畜のように命あるモノを残さない我々は何を残すのか。 答えは至極単純。建物や技術、道具や芸術だ。 そして世界そのモノと関わり創造し後世に伝える。
技術と建物を同志が覚えて世代を繋ぐ。 朽ちた者は死なず。 ただ消え逝くのみ。
最近は嬉しい誤算もあったが。
その理の回廊に村人が混ざった事だ。 彼等は建造物や文化を改修し、受け入れ、独自解釈と生活基盤を含ませながらも我々の遺産となる作品群を継承してくれている。
最早、村人と我々は互いに一部。 未だ反発も謎も多いが、これでも巡り会えた奇跡には感謝している。
略:人と技術の巡り会い人生。
「どうも立ち入り禁止になってる廃墟から拾ってきたみたい。 今のところ害はないけど、個性的なデザインだからね……先生にも来てもらって、情報を集めてるんだ」
「でもここまで手掛かりなし。 ひと通り調べたけど、電源ボタンはおろか接続ポートすら見つからない。 建築魔の発明か何かかなとは疑ったけど、筆談で当人達には否定された。 航空障害灯みたいな棒を刺したら動き始めたらしいけど」
「ユメ先生もご存知ないですか?」
「ごめんね。 でもクラフターさんは何か知っているかも。 聞いてみるね」
そう思ってる間にアリスが機械に近寄る。
負けじと此方も寄ろうとするも、ユメの手帳が視界を遮った。 邪魔だ。 どけ。 やはり所詮は村人。 別種の存在だ。
「この機械について、何か知らない?」
知らぬ。 クラフター、苛立ちのまま首を振る。
此処に暮らす村人にも説明はした。 落ちていたモノにトーチを刺したらペット化したから村人に自慢しているところだ。
回復には腐肉ではなく鉄インゴットを使用。
レシピ含めて攻撃力や体力値が未知であるし修理コストが地味な高さなので傷付けないで欲しいとお辞儀を繰り返して念を押す。
「どうかなユメ先生。 なんていってる?」
「ええと、ヴェリタスのみんなに説明したって」
「うーん、建築魔が嘘を付くと思えないし」
「部長に聞くしかないのかなぁ。 確か、オカルトとかそういうの好きだったし」
「オカルトかぁ……建築魔が現れてからというものの、そういう手の話は多くなったよね」
「もしくは副部長とか?」
「居ない人の事を話しても仕方ないですよ」
ただし疑問は同じく。
鞍のようにクラフト方法が不明だ。 狼のようにスポーンするなら分かるが、今までコレが自然に動いている様を見た事がない。
そんな謎ペットをアリスは囚われたように凝視し続けては小声でハァンと鳴き始めた。
「アリス……見たことあります」
「アリスちゃん?」
刹那、ペットが唐突に黒煙を上げた!
いけない。 何が引金になったのか。 攻撃を受けた訳でもなしに。
クラフター、急いで鉄を喰らわせる。 いや駄目だ。 耐久値が回復しない。
「えっ!? 急に煙が!」
「故障? アリスちゃんの影響?」
「あ、アリスは何もしてません」
「みんな下がって! 私の後ろに!」
異変にユメが盾を構えて警戒。
周囲の村人も危険を感じてかユメの背後に回り込む。 普段はヒィンヒィン鳴く癖に、いざ有事になると逃走せず、庇ったり観察する勇気は認めたい。
盾を過信するのは危険だと諌めたいものの。
「動かなくなっちゃった……」
「発火したり爆発しなかっただけ良かったよ」
トーチを抜いたり刺したりもする。
駄目だ。 完全沈黙だ。 アリスが破壊したか。
アリスは通常村人より攻撃力があるのを知り得ている。エンドでエンダーマンを何体殴り倒せるか見てみたい。
「アリス、理解できません……」
「アリスちゃんは悪くないよ。 近寄った時に、たまたま壊れるタイミングだったんだよ」
「クラフターさんも分からないみたい」
「うーん、やっぱり不思議な機械だなぁ。 もうこのまま解体して、中身を見てみるか」
「あっ、思い出した! 私のゲームパットも診てくれないかな? 建築魔に弄ばれて無惨な姿にされたんだよ!」
「お姉ちゃん、このタイミングで私的な事を頼む? 不穏な空気を払拭してくれるのは嬉しいけど」
また桃が騒がしい。
それでも遂見やるの、我々が返却した耐久値皆無の端末を取引に出している。 よせば良いのに、此処の村人は物好きなのか平然と受け取っている。
まぁ好きにすれば良い。 趣味趣向は人の勝手。 迷惑じゃなきゃ良いというのもクラフターである。
「うわぁ、これで何をやったんだか」
「ゲーム機そのものの修理なら、エンジニア部に頼む方が良いと思いますが」
「アッチは空中戦艦に忙しそうだからさ! 直すまではいかなくても、中身のデータが無事かどうかだけでも確認して欲しいんだ!」
「じゃ、メモリが無事なのを祈っといて」
「あ、やってくれるんだ……」
興味がペットから壊れた端末に移ってしまう。
ガッカリした。 同じ壊れモノになった途端、価値は端末の方が上なのか。
燻る不満を溜めるばかり。 所詮は己と他人。 雑食と草食。 思惑とは違っていく。 そんな理解されぬ苦難も時に愛そう。 マルチとはそうして平和の維持がされてきた。 というか村人相手に荒ぶるのも馬鹿馬鹿しい事であるし。
「取り敢えずメモリを抜いて、私たちのPCで読み取れるかチェックして……あれ、妙なのが……」
「文字が勝手に画面に走る! まさかコンピュータウイルスでも入ってた?」
「謀りましたね開発部ッ!」
「知らないよ!? 知ってるなら、そこの建築魔たちでしょうが!?」
部屋の端末が赤く染まり、文字が浮く。
それは見覚えある雑言であった。
『マインクラフター! 私《key》は帰ってきましたよ! 多少想定外でしたが、無名の司祭の要請に応えるため、王女の元へ、そして復讐すべきあなた達の元へ!』
もう帰って良いかな?
クラフターは項垂れ溜息漏らす。
やはり村人と分かり合えないんじゃないかなと思ってのことだった。
後書き
更新常に未定。モチベが……
キャラ崩壊してるのは今更感……