アルたちを主役とした68業務日誌ネタを入れたくなる時がありますが、本編とはズレるので、タイミングが難しい……。
「プロトコル再実行ッ! チャージ開始ッ!」
「またレールガンの充電を始めました!」
「あんな怒ってるとこ、見た事ないよ!?」
「お姉ちゃん、あの子はアリスじゃない!」
「だ、だれ……アリスちゃんを返して!」
我想う。 故に我あり。
クラフターは考える葦である。 キヴォトスにおいて我々は脆弱だが創造手であり、本質を違えぬ探究者である。
翻って今、創造手は破壊者と対峙している。
見ればみる程に荒らし行為だ。 何様のつもりだろうか。 建造物の一角を破壊しておいて反省の色もない。 何なら全てを破壊し尽くすぞと言わんばかりに電磁砲を構えている。 破壊の為の創造物であれ荒らしに使役されて良い道理は無い。
「クラフターさん! アリスちゃんを助けて!」
ユメの悲痛が背後より聞こえた。 変わらず生徒を庇うように盾を構えている。 創造手は首を縦に頷いて理解を示した。
防御の為の創造もあると。 それ自体に攻撃性は皆無でも守手がいると。 ユメは体を張り相手と我々に教えているのだ。
けれど言動と行動の暴力が全ての者は社会も法も教育も理解しない。 協調性無き連中は力無き者の言う事は聞けぬ悲しき獣なのだ。 良くも悪くも本能に忠実。 故に体罰は必要悪だと首を捻る。
捻りつつ手足を捻る。 足を踏み込み剣を振る。
「妨害確認、充電失敗……!」
寄らばアリスが砲身を振り回す。 鈍重な見た目を怪力のままに。 創造手はユメに倣い左手の盾で防ぐ。 防ぐも威力のままに吹き飛ばされた。
「なんですかその変な飛び方!? どこまでも王女を馬鹿にして!」
「どう殴られたら、そんな飛び方を!?」
「知ってたけど変態だ!」
手足を空中でジタバタしながら次の手を練る。 インベントリとアイテムスロットを素早く行き来する。
俊足のスプラッシュを足元で割りながら損害を推し量る。 恐らく討伐は出来る筈だ。
様子が変とはいえ帯電クリーパーのように威力が増されてはいない。 電磁砲は既存の通りだ。
なら恐れは要らない。 不思議の葦のアリスは倒せる敵である。 潰す。 得心の創造手は地を駆けた。
「先程より速い!? 再演算……!」
懐に再度潜り込む。 驚愕してるも反応が鈍い。
そのまま反撃を待つのも馬鹿らしいので、創造手は剣を振るう。 盾代わりとなった電磁砲が両断され爆発する。
「くっ!?」
「レールガンが真っ二つに!」
「よくやった建築魔!」
「これで無防備の筈です!」
勿体無いが1度は直せた。 何とでもなる筈だ。 このまま荒らしに使役されて被害が拡大するより断然良い。
創造手、残心の構え。 これで分かったろう。
壊す側も壊される側に成り得るのだと。
「アリスちゃん! ううん、誰かは分からないけど、もうやめよう! 何かでクラフターさんと喧嘩してるなら、一旦やめよう? お話ししないと解決しないよ!」
「要請を拒否! かの者共は我が王女を侮辱しました! 俗世からの消滅で償って貰います!」
「そこまで!? クラフターさんは何をしちゃったの!? きっと何かの勘違いだよ!」
ユメとアリスがハァンハァン鳴き合う。
さても創造手は斬る。 迷う事なしに。
「ッ!?」
「説得中に攻撃しないでえええ!?」
「アリスううう!?」
地面に倒れたので頭部に金床を落としてやる。
溶岩はやらない。 電磁砲を溶かしたくない。
「脳天からいったあああ!? そして地面にめり込んだあああ!!」
「あ、あああ……なんで? どうして……?」
眠ったか。 先生といい、村人はどこでも寝る。
それが荒らしなら永眠して貰いたいところだ。
「これ夢とか勘違いとかじゃなくない?」
「とにかくアリスを医務室へ!」
取り敢えずカボチャを被せるクラフター。
前の通りにすれば中立に戻るかと思っての事だ。
あいや不足か。 牛乳バケツをひっくり返す。
「やっぱコイツらが1番頭がおかしい!?」
「ぶ、文化圏の違いだから……」
「どこの文化か教えてくださいよ!?」
村人共が無防備なアリスに群がった。
剥ぎ取りでもなく何処かへ運ばれていく。 これは今度こそアレだろうと。
繁殖で子供が生まれる瞬間に違いない。
立ち会うべくクラフターはついて行くのだった。
後書き
更新常に未定。