認めない子   作:アイらゔU

5 / 50
ネタバレ見て絶句………

だけど、大丈夫だと思ってます。

と言うか、あそこでアレになって、もしも……本当に〇亡したとしたら、あまりにも不自然で違和感があり過ぎなので。

無理矢理〇なせたかった、って感じがします。


第4話 陽東学校

「苺プロ所属! 星野ルビーです!」

 

「苺プロ所属の斎藤ひかりです」

 

「星野愛乃愛海(アクアマリン)…………です」

 

 

 

高校入学面接。

誰が一番驚かれたのか……、言うまでもない事、だろう。

 

 

陽東学校。

中高一貫高校で、日本でも数少ない《芸能科》がある学校として知られている。

但し、その芸能科は誰でも受けられると言う訳ではなく、芸能事務所に所属している証明が必要となる。

 

 

と言う訳で、今回ルビーとレイが芸能科。

アクアだけが一般科を受けた訳だ。

 

 

 

「もう今更だけど、なんでアクアは一般科? 一緒に芸能科受けたら良かったのに……」

「オレに芸能出来るだけの技能は備わってないよ、って言ってきただろ? それに裏方志望だし」

「えぇ? でも、五反田カントクの所で頑張ってるの知ってるし。技能がない? それ過小評価し過ぎてない?」

「過小評価って。それはレイ……ひかりの方だろ? いまだに何で自分にスカウト来るのか意味解ってない所とか特に。アイに、母さんに何度ツッコまれたら気が済むんだよ」

 

 

一足先に集まって談笑をしているのはアクアとレイ。

最後の最後まで、レイはアクアも芸能科を受けよう! と推していたんだけれど、首を縦に振らなかった。アイにも言って貰ったんだけど、だけど辞退。……芸能科に入らなかったら仕事が出来ない訳じゃない、と言う事で最終的にはレイの方も諦めたんだけど、何だか納得いってない様子。

 

 

「おーーーい、お兄ちゃんズ~~~!」

 

 

そこへルビーも到着。

レイはルビーの姿を見るなり、人差し指を口元へと持って行ってジェスチャー。

 

 

「ルビー。一応、僕との関係はオフレコだよ」

「あ、わかってるわかってる。ごめんごめん」

「因みに、アクアの方も。家なら兎も角、ここじゃ レイじゃなくてひかりで宜しく」

「……ああ。次からは気を付ける」

 

 

バレない様に姓も斎藤を名乗っている。星野繋がりはなるべく隠す様にして、苺プロと言う同じ事務所所属と言う所だけの関係、と言う事にしている。

 

ボロを出しそうなのはルビーだけど、アクアもまぁ大概心配になってくる。

 

 

「一番心配なのはひかりの暴走だと俺は思ってるけどな」

「なんで? って言うか暴走ってなに?? 失敬な! そんなのしたりしないよ」

「何言ってんだ。あれは、どう見ても暴走だろ? ルビーの持ち物全部にGPSつけるだの、防犯グッズメチャクチャ持たせるだの、仕舞にはオーダーメイドでルビーと俺たち分の防弾防刃防火防水絶縁機能を備えた服を作らせようとしてただの………一体何と戦わせようとしてるんだ?」

 

 

アクアは呆れながらレイ暴走の今までの経緯を語る。

アイドルの道へと進むと決めたルビー。そしてそれをさせまいとしたアクア。ルビーの意志を尊重するレイ、そして最後は母であるアイが認めて決めた。

 

険しく厳しく……何より危険が隣り合わせである芸能界。

そこへ飛び込む以上は万全の体勢で臨まなければならない……と思っていたのだが、その辺りでレイは暴走。

 

 

「あははは。もうちょっとデザインが可愛かったらくら~~ッと来てたかもね〜」

「アホか。デザインより値段を視ろ値段を。ヤベー数字並んでただろ。………ひかりはなまじ稼いでるから、なるべく人並みの金銭感覚身につけさそう、って母さんや(主に)ミヤコさんが頑張ってたのになぁ。………まぁ、あの超服以外はまともだけど」

 

 

別にレイは金銭感覚がマヒしている訳じゃない。

稼いでいても給料は義母義父である斎藤夫婦が管理しているし、小遣いも年頃の範囲内で収まっている。

その辺もレイは不満を漏らした事が無いし、寧ろ絶対に年齢の割には達観し過ぎてて、優秀過ぎて笑える程だったんだ。

なのにも関わらずのコレ、である。

 

 

「ぅぅ……、でもさ? やっぱり防犯の事だし。ルビーが心配なのだって僕だって考えてたし……」

「いや~シスコンだねー。ひかりお兄ちゃんも~」

「それにそれに……、アクアだって心配してると思うから、より良いモノなら安心して貰える。……安心して欲しいって思って……」

「加えてブラコンまで来た~~~。ほんと家族愛強過ぎるでしょっ」

 

 

あっはっは、とあっけらかんと笑うルビー。

辛辣なコメントを残しているが、ルビーもレイの事は大好きだ。最初は母であるアイを守ってくれた事に比重が大きかったかもしれないが、家族として接してきて、育ってきた今、かけがえの無い存在の1人になっている。

 

 

「まぁ、解らなくもないけど。一応、一般常識の範囲内で頼む」

「こっちのお兄ちゃんも満更じゃない、って顔してるしー」

「あー、うるさいうるさい」

「こほんっっ! もーーーこの件やめやめ! それより面接の話しよーよ! どうだったの??」

 

 

レイは、ルビーに面接はどうだったのか? とやや強引に話を切り上げて、成果を聞いた。

高校入試も重要な件。ここを堕ちてしまってはシャレにならないから。

 

 

「大丈夫大丈夫! 心配しなくて良いよ! 2人の方はどうだった?」

 

 

この中で一番学力が低いのがルビーだ。一番心配するのはシスコン関係なく、なのだが……取り合えず手応えあり、な顔をしているので一定信用に値する。

空元気の様にも見えないから。

 

因みに、お兄ちゃんズはと言うと、当然問題なし。

 

 

「僕は問題なし。テストの方も自己採点してみて確認済み」

「オレの方も。……万が一弾かれるとしたら名前のせいだろ」

「…………、そうならない事を願うよ。芸能科があるガッコーなんだし? その辺は寛容であるべき、と言うか多様性を~と言うか」

 

 

キラキラネームで苦労する話なんてネットを見れば物凄く溢れている。

よりネガティブな内容で言えば、企業面接で落とされた~なんて話もある(真偽不明)。

だから、どうしてもマイナスよりな考えをしてしまうんだけれど……、アクアの場合は絶対に大丈夫、と信じたい。

 

何せ、アクアは偏差値70の秀才。たかだか珍しい名前ってだけで学校が離す~なんてあり得ない、と。

 

 

「まーまー、お兄ちゃんの言う事も解るよ。ビックリしちゃうよね。なんせ本名はアクアマリンだし? 知る人皆、めんどくさがってアクアって呼ぶけど」

「それ、名付け親まで 本名呼び殆どしないのはどーかと思ったよなぁ……」

「まぁ、母さんだし? 深く考えてないよ」

「なんか切ないよ、それ……」

 

 

そんな兄妹たちの話が耳に入ってきた者が居た。

ただ単に横切っただけ。目的地へ行くための廊下の1つ。決して狙った訳じゃない。本当に偶然通りかかった。

 

そして――――確かに聞いたんだ。

 

 

「………あくあ、まりん?」

 

 

そして、振り返った。

後ろ姿、横顔をハッキリと視た。

 

もう大分昔の事だけど―――確かに、面影がある。残っている。

 

 

「アクア!!? 星野アクア!!? あなた、星野アクア!??」

「! ………?? だれ、だっけ?」

 

 

アクアは見覚えがある様なない様な……、兎に角名前を思い出せない。

でも、ルビーは違う。……そして、何よりレイはもっと違う。

 

 

「あ、あれだよ! あれ! ほら――――重曹を舐める天才子役!」

「9秒で泣ける天才子役!!」

 

 

物凄く懐かしいやり取り。

脳裏に何度も何度も刻み、憑依させてきたこのやり取り。最早魂にまで刻まれている、と断言して良い場面だ。

 

 

「映画で競演した有馬かな!」

「有馬って……、あーー。久しぶり。ここの芸能科だったのか」

「そう! ……良かった。ずっと、やめちゃったかと……。また、貴方にあって聞きたい事とか、色々あったから………やっと会えた」

 

 

かなは、目をぱっ、と輝かせながらアクアを視る。

 

 

「それで入るの!? うちの芸能科、入るの!?」

「いや、オレが受けたのは一般科」

「なんでよ!!」

 

 

アクアの返答に対してノンストップでツッコミを入れる有馬かな。

アクアの演技を見ていて、その演技に魅入られて、ずっと会える日を楽しみにしていた彼女だからこその反応である。

 

 

「ほら、ウチの妹が芸能科受けて、心配だからここへ」

「心配なら一緒に芸能科受けてよー、って言ったんだけどね。頑として断られて一般科に行っちゃった」

「はぁぁーー!? なにその理由! ってか、なんで断るの!?」

「いや、だって俺に芸能向いてる技能ないし。理由に関しては――――」

「ウチの兄……、シスコンだから」

「きっも!!!」

 

 

随分辛辣なセリフを吐くかなだった……が、毒舌やら口が悪いのやらは相変わらずの健在な様だ。思っていても本人の前で声に出さない様が良いに決まってるから。

 

 

「うーん、私この人昔から好きじゃないのよね」

「ちょちょ、ちょっとルビー。本人を前にキミも何言ってんの!? 聞かれたらどーする」

「十分聞かれてんぞコラ」

 

 

ヤンキー風な口調になる所も相変わらずだ。

刷り込みは完璧だとレイは実感している。何処か、懐かしさも感じているから。……懐かし過ぎるが故に、感情が全面に出てこなくて良かったと安堵もしているが。

 

 

「芸能科の先輩後輩だ。しっかりしとけよ」

「はぁ……、それはそうだね。仕方ないなぁ……。仲良くしましょ、ロリ先輩」

「イビるぞマジで!!」

「何か、すみません………。僕の方もよろしくお願いします、えっと有馬先輩。斎藤ひかりです」

「何なのこの対応の差! あまりにも寒暖に差があり過ぎて、風邪ひきそうなんですけど!!」

 

 

喜怒哀楽と表情豊かな顔をさせながらツッコミを入れるかな。

本当に元気そうだ、と何処か安心が出来た。

 

 

「って、いやちょっと待って。………貴方の方の名、もいっかい聞かせて」

 

 

アクアの方にばかり気にしていたから、その横に居るレイに関しては後回しになってしまっていた様子。

これこそが普通の感性だ、と何処か嬉しくなるのはレイである。……過小評価が過ぎる! と、何度か言われているが、やっぱりアクアやルビー、星野アイの系譜と比べたら当然こうなる、こうなる筈だろう! と何処か胸を張れる。間違ってない、と。

 

 

「あ、絶対変な事考えてる顔だ」

「ろくでもない事、だな」

「ヒドイな! 2人とも!! ……ってこほんっ。斎藤です。斎藤ひかり」

「………ひかり?」

 

 

かなは、じっ………とレイの顔を見た。

所々メイクさんにセットをして貰っているし、色々頑張ってきたから面影は……大分薄れている筈だ。じゃないと、稀代のピアニストが全国ニュースになって大変な事になるかもしれない、と苺プロは思っているからの対応。

 

なので、近親者相手なら難しいかもしれないが、幼少期の彼しか知らない様な人達には一定の効果はある筈…………なんだけど、有馬かなはかなり鋭い。

 

 

「似てる……? ひかり、ひかり、…………レイ?」

「………!!」

 

 

じっ―――――—————っと穴があくのでは? と思うくらい見られている。

これはこれで何だか恥ずかしい。

でも、見続けるのをかなは止めない。

 

 

「ひょっとして、……斎藤ひかりは芸名? 本名はレイ、だったりしない?」

「な、なんでですか???」

「昔の知り合い。……物凄く似てる……気がする」

 

 

そして洞察力が半端じゃなかった。

 

 

「じゃあ、後は同じ科同士、親交深めてくれ。俺は監督の所に行くから」

 

 

ここで、アクアがそう言ってくれたから、かなの射貫く様な視線から解放されたのである。

 

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