シンフォギア×TIGAー星を結ぶ少年ー(AI絵あり)   作:トライダー

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第十八話 ウルトラマン(AI挿絵追加)

  ☆

 

 

 

 

 迫り来る月の欠片に皆が絶望する中、まるでそんな皆の心を照らすように、眩い光が辺りを包んだ。

 

「――な、なんだよ?! この光……」

 

「暖かい……これはまるで――」

 

「エクスドライブの光……」

 

 目を背けたくなる程の眩い光、しかし自然と恐怖や不快感は感じなかった。響達にはその光に覚えがあった。今自分が纏っている皆がくれた歌の力、今感じている光はあの時の感覚とよく似ていた。

 辺りを照らした光が一点に収縮し、人の姿を形作っていく。

 その時、この街の人々は巨人を見た。

 

「あれは……巨人?」

 

「巨人だ……」

 

「光の……巨人……?」

 

 果然とする者。絶望しひざまづく者。どうにか生き延びようと逃げ出そうとする者。

 それら全ての人が、その巨人の姿に思わず見惚れていた。

 

『デュアッ!』

 

 力強い雄叫びと共に巨人が拳を天へと突き出すと、光が収まり、崩壊したカ・ディンギルの側に高さ五十メートルはある巨人の姿が鮮明に映り出された。

 銀と赤と紫の三色の体、胸には金のプロテクターと青い宝玉、尖った特徴的な頭部には透明なクリスタルを埋め込まれていた。

 

「なぁ翼……あれって……」

 

「ええ、間違いないわ……あの時の”光の巨人”よ」

 

 初めて”光の巨人”を見た人々が驚きを隠せないでる中、奏達だけは違った。

 二年前のあの日、命の危機にあった翼達を救った光の巨人。あの時は光に包まれていて姿を確認出来なかったが、今浴びているこの暖かさは、間違い無く二年前のあの日自分達が浴びた光と同じものだった。

 

(なんでだろう? わたし、あの巨人を知っているような……)

 

 それはあの日、大怪我で意識が朦朧としていた響も同じだった。

 月の落下、そして突如現れた謎の巨人。そんな摩訶不思議な状況にも関わらず、自然と人々は恐怖を感じず、エクスドライブを上回る神々しく暖かい光に魅了されていた。

 

「ティガ……まさか本当に貴方が目覚めるなんて……」

 

「了子さん?」

 

 フィーネがその光景に惚けていると、巨人がアクションを起こした。

 無言で月を見上げていた巨人は、両手を前に突き出しクロスさせ、それを水平に開いた。巨人の胸の宝玉に光が集まっていく。

 

『デュアッ!』

 

 《ゼペリオン光線》

 

 巨人が腕をL字に組んだ瞬間、空間がスパークした。

 目を覆う程激しい閃光に響達は思わず目を覆った。巨人の右腕から放たれた“光線”は真っ直ぐ雲を貫き、宙を越え、数秒と経たずにその先にある月の欠片を撃ち抜いた。

 そして訪れる轟音。自分達の真上で起きる巨大な爆発に皆は身を屈めた。

 

「――な、何が起こったんだ……?」

 

「……あ! み、見て!!」

 

 弓美が空を指差す。誰もが見上げたその先、さっきまで確かに存在していた巨大な月の欠片が――完全に消滅していた。

 

「……あいつが、やったのか……?」

 

 クリスの声が震える。

 

『……………………』

 

 朝焼けの空を背景に、光の巨人がゆっくりと顔をこちらへと向けた。

 その顔は人間のそれとは異なり、感情を読み取ることはできなかった。

 けれど、あの優しい口元が――

 まるで「大丈夫」と微笑みかけているような気がしてならなかった。

 

 静かに、静かに、巨人の身体が光の粒子となって空へと溶けていく。

 残されたのは――本当の戦いの終わりを知らせる、穏やかな沈黙だけ。

 

「……消えちゃった……」

 

 胸に手を当て、ぽつりと呟いたのは立花響だった。

 月の落下は阻止され、世界は救われた。

 それでも、現実味を持てずにいる自分がいた。まるで夢を見ていたかのように。

 

「お姉ちゃーんっ!」

 

「ユウくんっ!」

 

 そのとき、誰かの声が響いた。

 駆け寄る影――小さな身体が、笑顔でこちらへと手を振っていた。

 

「ユウ! 心配かけさせやがっ――どあっ?!」

 

 我先にと駆け寄った雪音クリスだったが、その肩を横から押し退けた翼が、先に彼を抱き止めた。

 

「……ああ、ユウ……もう、心配させて。もうお姉ちゃんから離れたらダメよ?」

 

「えへへ、ごめんなさい」

 

「てんめっ! なに横取りしてやがんだよ!!」

 

 ぷいっと頬を膨らませて抗議するクリスに、翼が口元を緩めながらそっぽを向く。

 ――どこか懐かしく、愛おしい。そんなやり取りが戻ってきたことに、誰もが微笑を浮かべていた。

 

 だが、ユウはその輪を抜け出し、まっすぐにフィーネのもとへと歩いていった。

 

「まさか、お前が……本当に?」

 

「フィーネさん。ぼくは……信じてるよ」

 

 ユウの声は小さく、けれどどこまでも澄んでいた。

 

「人はきっと分かり合える。一つになれるって。だって――人は、“光”になれるから」

 

 ユウは体の崩壊を始めているフィーネの手を握った。その手は暖かく、見た目よりもずっと大きなものに感じた。

 

 フィーネの唇が、ふとゆるむ。

 

「ほんと……あなたは、彼にそっくりだわ……」

 

 その呟きに、ユウは小首をかしげた。

 

「え?」

 

 フィーネは空を見上げ、懐かしむような目をした。

 

「私と同じ研究をしておきながら、あの人は……常に光り輝いていた。このどうしようもない世界の中でも、あの人はずっと希望に満ち溢れていた。だから“彼”は……私ではなく、あの人を選んだのでしょうね」

 

 その横顔には、悔しさでも、嫉妬でもない――寂しさと、微かな憧れが浮かんでいた。

 風鳴弦十郎は、フィーネのその言葉に黙って頷いた。

 彼もまた、星乃大吾という男をよく知っていた。あの男は、どんな苦難の中でも決して諦めず、いつも希望の火を胸に灯していた。だからこそ、人を諦めていたフィーネには、あまりにも眩しすぎたのだ。

 だがそのフィーネの表情には、もはやかつての憎しみも、冷酷さもなかった。

 ただ、どこか安らぎすら感じさせるような、優しい瞳。

 それを見たユウは、ぱっと満面の笑みを咲かせた。

 

「ぼく達、頑張る! だから、未来を楽しみにしてて? 次にフィーネさんが目を覚ますときには、もっといい未来が待ってると思うから!!」

 

 フィーネの手を握ったユウの言葉に、響もそっと寄り添う。

 

「ユウくんの言う通りですよ」

 

 響は、二人の手に自分の手を重ねた。

 

「どこかの場所、いつかの時代、あなたが蘇るその時には――伝えてあげてください。世界をひとつにするのに力なんていらないってこと。言葉を越えて、わたしたちはきっと心をつなげられるってこと。そして、わたしたちは未来に手を伸ばせるってこと――」

 

 その声には、確かな決意と、まっすぐな願いが宿っていた。

 

「……わたしには、伝えられないから。了子さんにしかできないから!」

 

 しばしの静寂が流れた。

 そして――フィーネの瞳が、すっと和らいでいく。

 その色が、彼女の本来の人格――櫻井了子のものへと戻っていった。

 

「……はぁ、本当にもう……調子の狂う子達ね」

 

 呆れたように微笑んで、了子はユウと響をそっと引き寄せ、優しく抱きしめた。

 

「胸の歌を……そして、光を信じなさい……」

 

 その声は、母が子に最後に遺すような、優しさに満ちていた。

 そしてフィーネ、いや了子の身体は次の瞬間、塵となって空の彼方へと消えた。その姿に長い間共に居たニ課の面々やクリスは、櫻井了子の最後に涙を流した。

 

 

 

 

 

  ☆

 

 

 

 

 

  戦いは――終わった。

 

 もちろん、世界から全てのノイズが消え去ったわけではない。

 装者たちの使命が幕を下ろしたわけでもない。

 けれど、人の心を操り、憎しみに火を灯していた“あの者”の計画は、完全に潰えた。

 

 そして、誰かの絶望を希望へと変えた少女たちは、今、束の間の休息を手にしていた。

 

 

 

 新生・特異災害対策機動部二課――その片隅にある、とある部屋。

 もとは物置だったというその空間は、現在「尋問室」として簡易的に運用されていた。

 

 その中央に、並べられたパイプ椅子が二脚。そこに座るのは、並ぶにはあまりにも対照的な二人の姿だった。

 

「むー……」

 

「お、おいユウ。くっつきすぎだっての……!」

 

 片方の椅子にちょこんと座っているのは、黒髪ポニーテールの少年・星乃結。

 隣に座るクリスにぎゅうっと抱きつきながら、向かいに座る人物たちを可愛らしくも鋭い視線で睨みつけていた。

 

「ほ、星乃くん。そんなに警戒しなくても……」

 

「そうよ? 別にとって食べたりしないから」

 

 困ったように笑うのは、藤尭朔也と友里あおい。

 この場に集められたのは、雪音クリスの処遇についての話し合いのためだった。

 

 確かに戦いは終わった。だが、彼女がこれまでに関わってきた事件の数々を考えれば、正式な確認と処分の検討は避けられない。

 民間人のユウが居るのは、クリスが尋問室送りにされると聞いて居てもたってもいられず忍び込んできたからだ。

 

「うー……クリスお姉ちゃんは、ぼくが抱きつくと嫌?」

 

「い、嫌じゃ……ねぇよ?」

 

 頬を染めながら、照れ隠しで声を荒げるクリス。

 けれど潤んだ瞳で見上げてくるユウの表情に、どうしても手を振り払うことができなかった。

 

「えへへっ! クリスお姉ちゃん大好きっ!」

 

「お、おう! うへ……うへへへへ〜……」

 

 嬉しさが込み上げすぎて、クリスは思わず鼻血を垂らしそうになる。

 すかさず、友里がティッシュを差し出して止血処置を施した。

 

「……机、汚さないでよね? いまうち予算が無いんだから」

 

 苦笑いしながら、彼女はぼそりと呟く。

 

 この部屋が倉庫であった名残は未だ色濃く、そして今の二課もまた、表立って胸を張れる状態ではなかった。

 櫻井了子の裏切りにより、上層部からの信用は地に堕ち、予算は大幅に削減。

 椅子一つ、机一つが貴重な“資産”となっていた。

 

「元々煙たがれていたけど……最近は特に酷いな」

 

 そう零した藤尭に、友里が眉を寄せてぴしゃりと言い返す。

 

「子供たちの前でぼやかないの! 今、司令が上層部を説得してくれてるんだから、大人しく待つ!」

 

 「待たせたな、二人共――それと、クリスくん」

 

 堂々とした声と眼差しが部屋を満たす。だがその視線がひとつの影に落ちた時、僅かに眉が動いた。

 

「…………なんでユウがここに居るんだ?」

 

「「あ、あはは……」」

 

 藤尭と友里は、苦笑いを浮かべて目を逸らした。

 弦十郎や緒川ですら気づかないほど気配を消せるユウの“忍び込み”を、まさか本気で咎めるわけにもいかず、二人は曖昧な笑みで誤魔化した。

 

 しかし弦十郎は深く追及しなかった。彼は静かに頷くと、用意された椅子に腰を下ろし、クリスへと視線を定める。

 

「…………まあ丁度良い。クリスくんの処分が決まった」

 

 その一言に、空気が一気に張り詰める。

 

 クリスは小さく息を呑み、姿勢を正した。

 ユウはその手をぎゅっと握りしめ、彼女の隣で固く眼を閉じていた。

 

「雪音クリス。君の犯した罪は決して小さなものではない。たとえ君が利用されていたのだとしても――それは免罪符にはならん。力を持つ者には、それ相応の責任が伴う」

 

「ああ……分かってるよ」

 

 声は震えていたが、目は逸らさずにいた。

 覚悟を決めたその眼差しに、弦十郎は一拍置いてから続けた。

 

「――とはいえ、君は未成年の子供だ。現行の法律に照らしても、大きな刑罰を科すことはできない。さらに君は、貴重な装者としての能力を持っている。よって、君には“保護観察”という形で、国際奉仕活動に従事してもらうことが決まった」

 

「……え?」

 

 思わず声が漏れた。

 視線を泳がせるクリスに、弦十郎は改めて言い直す。

 

「君には、我々の正式な一員として、ノイズの脅威から人々を守る活動をしてもらう。拒否は……認められん」

 

 それは――事実上の「赦し」であった。

 

「よ、良かったねっ! お姉ちゃん!!」

 

 隣から抱きつくように飛びついたユウの声が、部屋の空気を一気に和らげた。

 

「い、良いのかよ……そんなんで?」

 

「言っておくが、これは“奉仕活動”だ。給料は出んぞ? まあ、最低限の生活は保証してやるがな」

 

 冗談めかしたような言い回しに、クリスはふっと肩の力を抜いた。

 心のどこかで覚悟していた――イチイバルの剥奪、あるいは一生を牢獄で過ごす結末。

 だが、与えられたのは“償いながら人を守る道”。

 それは彼女にとって、願ってもないことだった。

 

「これからは、オレの部下という立場になる。今までのような勝手な行動は許さん。……覚悟しておけ」

 

 厳しくもどこか温かい眼差しを向ける弦十郎に、クリスは真っ直ぐに頷いた。

 その目に満足した弦十郎は「よし」と話を切り上げると、今度はユウの方を向いた。

 

「ではユウ。今度は君の話だ」

 

「ぼく?」

 

 突然の名指しに、ユウはぱちくりと瞬きをして首を傾げた。

 

「ああ。ユウの“身柄”についての問題だ」

 

 その言葉に、場の空気が一変する。

 

「ユウの身柄……って、なんのことだよ?」

 

 不穏な空気を感じ取ったクリスが、警戒するように眉をひそめる。

 弦十郎は重々しい表情のまま、言葉を続けた。

 

「ユウ。君の身柄が今、米国政府の管理下にあることは知っていたか?」

 

「……うん。知ってるよ」

 

 皆が目を見開く中、ユウは静かに、観念したように頷いた。

 

 ――星乃大吾。

 ユウの父であり、かつて米国政府に命を狙われた宇宙飛行士。彼の死後、息子であるユウとその母・茜は、米国の監視対象となった。

 大吾が残した何かを、彼らが知っているのではないか――そんな疑念を抱いた政府は、彼らの“自由”に枷を与えた。

 ただ、体が弱く療養を要する母・茜だけは、日本への帰国が許され。ユウはそのまま、米国の監視施設で一人、育てられることになった。

 

「その人たちが、一年に一度だけお母さんに会わせてくれるって……そう約束してくれたんだ」

 

「……それで、日本に?」

 

 弦十郎が確認するように問う。

 

「うん。お母さんに会うために、日本に戻ってきた。……でも、その日、ノイズが出てきて……」

 

 母との再会を果たし、再び米国へ戻ろうとしていた矢先。突如現れたノイズによって、ユウの乗る車は襲撃され、監視役のエージェントたちは命を落とした。

 逃げ惑う中で再会したのが、立花響だった。

 あの日から、ユウの運命は大きく動き出したのだった。

 

「……だから、本当はぼく、すぐ帰らなきゃいけないのに……。でも、お母さんと離れるのが寂しくて……それで……」

 

「もういいんだよ、ユウ。……ありがとうな」

 

 ユウの小さな肩をクリスが抱き寄せた。

 

「さて――ここからが本題だ」

 

 弦十郎の声が再び、場の空気を引き締める。

 

「ユウ。君の身柄は……オレが――いや、我々“二課”が預かることになった」

 

「……えっ?」

 

 思わず漏れた驚きの声は、クリスとユウ、同時だった。

 

「ほんと? ぼく……ここに居ていいの!?」

 

「ああ、そうだ。だが、米国にはもう戻れない。元いた場所にある荷物は、持って来ることができない。……それでも構わないか?」

 

「うんっ!」

 

 答えに一切の迷いはなかった。

 もちろん、米国に置いてきたもの――父との写真や思い出の品――もある。

 だが、本物の母と再会し、そして父の形見であるティグの紋章は、ここにある。

 今、自分の居るべき場所は、ここだと――そう心が告げていた。

 

「わーい! これでもっと一緒にいられるね、クリスお姉ちゃん!」

 

「お、おう……!」

 

 嬉しさを隠せず飛びついてくるユウに、クリスは頬を赤く染めながらも、しっかりと抱きしめ返した。

 二人の処分が決まると同時に、二人に新たな居場所が出来た。それが嬉しくてユウはクリスの手を繋いで飛び上がった。

 

「……でも、意外ですね。ここまで上手く事が運ぶなんて」

 

 言葉の裏には、ほのかな驚きと警戒がにじんでいた。

 しかし弦十郎は、わずかに苦笑しながら肩をすくめて答える。

 

「ああ、オレもそう思ってる。正直、今回の“ウルトラマン”騒動で、上層部はかなり混乱していたようだ。だからこそ、その隙を突いて、オレの方で都合のいいように話をまとめさせてもらった。……ユウの件についても、な」

 

 弦十郎の声音には、静かな意志が込められていた。

 

「“あちらさん”――米国政府は、了子くんの一件や、大吾の真実について、これ以上触れられたくなかったらしい。問い詰めてみたら、案外すんなり事が進んでな」

 

「……運が良かった、って事でしょうか?」

 

「さぁな。だが、オレは“あの子達が必死に守り抜いた平和”に対する、ささやかなご褒美だと思うことにしてる」

 

 その言葉に、藤尭は静かに頷いた。

 誰かが戦い、血を流し、命をかけて守った日常がある。

 ならば、少しぐらい運が味方しても――罰は当たらない。

 

「でも、“ウルトラマン”……ですか、上層部もその名前を使ってるんですね?」

 

「分かりやすい名前は必要だからな」

 

 あの日、夜空を駆け、巨大な月の欠片をたった一撃で砕いた“存在”。

 街にいた誰かが彼をそう呼んだのがきっかけだった。

 「ウルトラマン」――その名は瞬く間に広まり、今や世界中で共有されるようになっていた。

 録画された映像がアップされ、専門家たちが検証を始め、メディアが取り上げ……。

 もはやその存在を「作り話」と笑う者はいなかった。

 

「アレは、味方なんでしょうか……? 了子さんは、アレについて何か知っていそうな雰囲気でしたが……」

 

 ふと漏れた問いに、弦十郎はしばらく黙ったまま、遠くを見つめる。

 そして、静かに口を開いた。

 

「了子くんか……。いや、思い出していたんだよ。彼女が最後に言った言葉を」

 

 ――胸の歌を……そして、光を信じなさい……。

 

 その声を思い出すたび、弦十郎の胸には、あの一瞬だけ確かに“フィーネ”ではなく、“櫻井了子”だった彼女の姿がよみがえる。

 

 あれは、願いだったのか。

 後悔だったのか。

 あるいは、未来への希望だったのか。

 

「“光”……確か、大吾もよく同じことを言ってたと思ってな」

 

「……大吾さんが、ですか?」

 

「そうだ。あいつは聖遺物の研究と並行して、“人の心から生まれる無限のエネルギー”を探していた。それをあいつは“光”と呼んでいたよ」

 

 人の心に宿る強さ、信じる力、希望。

 それらが生む“何か”を、彼は確かに信じていた。

 

「聖遺物には、人の心に影響を与える性質があるらしい。だから大吾はそこに目を付けた。人の内側に、未来を変える力があると……そう信じていたんだ」

 

「まさか、了子さんが最後に言った“光”って、それのこと……?」

 

「分からん。だが、あの了子くんが、何の意図もなく言葉を残すとは思えない。……きっと、何かを託したんだろう」

 

 彼女がどんな思いで最後の言葉を伝えたのか今では分かる者は居ない。しかし彼女が何の考えもなく無意味なことを発するとはとても思えなかった。

 

 

 

 

  ☆

 

 

 

 

 決戦から二週間後。あれだけの騒動があったにも関わらず、人の適応力とは凄まじく、街の人々はいつも通りの日常を取り戻そうとしていた。

 

「とうとう出発だな、翼……」

 

「ええ……」

 

 翼達は空港へと集まっていた。状況が落ち着いてきた為、前々から決定していた翼の海外行きがついに決まったのだ。

 マスコミが押し寄せる事を避ける為、見送りには少人数のみで行う事になり、今この場にいるのは、同行する緒川と奏、そして見送りに来たユウの三人だけ。響達も見送りを考えたが、翼達の意図を汲み遠慮する事にした。

 

「でも良いの奏? 私の都合で海外に着いて来なくても……」

 

「水臭いこと言うなよ! リハビリなんてどこでも出来るし、寂しがりやなお姫様の隣には、あたしが居てやらないとな!」

 

「もう、奏ったら」

 

 これから翼には戦う事以上に大変な試練が待っている。そんな彼女を少しでも支えようと奏も同行を希望した。彼女にとっても慣れない海外でのリハビリは大変だろうが、二人なら乗り越えられると信じていた。

 

「お姉ちゃん、行ってらっしゃい! 新しい世界でのお姉ちゃんの歌、楽しみにしてるよ!」

 

「ありがとう、ユウ」

 

 翼は荷物を置くと、ユウの体を抱きしめた。

 

「あなたが居てくれたから、今の私があるわ」

 

「ぼくもだよ。翼お姉ちゃんのおかげで、ぼくは今ここにいるんだ」

 

 あの日、ユウが帰ることをごねた時、翼が誘ってくれなければそのまま帰されていたかもしれない。そうなれば今自分はここおらず、響達やクリスとも仲良くなる事はなかった。

 

「ねぇ、出発の前にもう一度だけ甘えても良い?」

 

「うん、なぁに?」

 

「もう一度だけ、“おまじない”をして欲しいの。そしたらきっと私、頑張れるから」

 

「うん! 良いよ!」

 

 翼が好きな笑顔で答えたユウは、彼女の頬に口付けをした。短くついばむようなものではなく、会えない分の寂しさを埋めるように、長く長くキスをした。

 

「ぼく、翼お姉ちゃんが大好き。これから大変な事がいっぱい起きると思うけど、忘れないでお姉ちゃんは一人じゃないよ、ぼく達がいつも応援してるから!」

 

「ええ、私も大好きよユウ……」

 

 お返しにユウのおでこに口付けすると、二人はおでこを突き合わせて笑い合った。

 別れとは悲しいもの、しかしそれは希望の未来のための旅立ちなのだ。それが分かっているユウは、翼が好きな笑顔を見せながら手を振り、三人が乗る飛行機を見送るのだった。

 

 

 

 

  ☆

 

 

 

 

 翼が日本を去って数日後。響達の私生活もようやく落ち着きを取り戻していた。

 

「みんな、おっはようっ!」

 

「おはようビッキー!」

 

「おはようございますわ」

 

「おはよう。朝から元気ね〜」

 

 未来との登校の途中、創世達を見つけた響は、大きな声で挨拶をし皆もそれを返した。

 カ・ディンギルの出現によって元の校舎は跡形も無く破壊されてしまった。しかし政府が付近の廃校となっていた学校施設を買い取る事によって復活を果たす事ができた。といえ元は廃校舎、その内装は埃まみれで、外層には幾つものツタが巻き付いている始末。少しでも復学を早める為に、生徒の皆で大掃除を手伝っているのだ。

 

「………………」

 

ふと響たちは、少し後ろを歩いている弓美の様子に気づいた。

 

「ちょっと、歩きスマホなんかしてたら危ないよ?」

 

 未来が注意するも、弓美は手元のスマートフォンから目を離さない。

 

「ってか、そんな真剣に何見てるの?」

 

 問いかけに、弓美は興奮気味に振り返った。

 

「何って、ウルトラマンよ! ウルトラマン!!」

 

「「「「うるとらまん……?」」」」

 

 揃って首を傾げる響たち。

 

「あんた達知らないの?! もうっ、現代っ子なら最近のトレンドくらい知っておきなさいよね!」

 

 呆れたように弓美が画面を差し出すと、そこには見慣れない、しかしどこか懐かしい映像が映っていた。

 

 それは――あの日、月の欠片が落ちてきた空の下。

 眩い光とともに現れ、絶望の象徴を一閃で消し去った“巨人”の姿だった。

 

「これって……あの時の巨人さん……だよね?」

 

 響が呟くと、弓美は力強く頷いた。

 

「そうよ。まさにその時の映像。ネットに上がってるの。いろんな人が撮ってて、視点も角度も違うんだけど、これは特に綺麗に撮れててさ!」

 

 画面には、巨大なシルエットが空を仰ぎ、眩い閃光を放ち、月の破片を撃ち落とす決定的瞬間が映っていた。

 

「すごい……やっぱり、あの巨人さんが……助けてくれたんだ」

 

「“ウルトラマン”って……この人の名前?」

 

「そうそう! 誰かがそう呼んだのがきっかけで、もうネットじゃその名前で定着しちゃってるの。“光の巨人”とか“救世主”とか呼ばれてるけど、やっぱりウルトラマンって響きが一番ヒーローっぽくない?」

 

 弓美は目を輝かせながら語る。

 動画のコメント欄には、驚きと混乱、希望と不安が入り混じっていた。

 「彼は誰なのか」「どこから来たのか」「本当に味方なのか」――

 真偽を疑う声もあれば、崇めるような言葉もあった。

 

「この方は……味方なのでしょうか?」

 

 詩織が小さく呟く。

 

「決まってるじゃない! あの時、あたし達を助けてくれたんだよ?

 まるでアニメのヒーローみたいにさっ!」

 

 興奮気味の弓美とは対照的に、創世は腕を組みながら少し眉をひそめる。

 

「でも……あの力。ちょっと怖くなかった?」

 

 言葉に詰まるように、全員がしばし沈黙する。

 確かに、“助けてくれた”という事実はある。

 だが、その力の規模、その神秘性は――理解を超えていた。

 それでも、あの日のことを思い出せば、恐怖以上に感じたのは確かに“安堵”だった。

 

「……でも、あの時、あの人が来てくれなかったら、私たち……」

 

 そう言ったのは響だった。

 

「……あー、もう一度見てみたいな〜!」

 

 昼休み。校舎の裏手にある中庭で、弓美がスマホを見ながらぼんやりと呟いた。

 

「何言ってるの? もうあんなのが出て来る事態なんて、ゴメンだよ」

 

 創世が即座に眉をひそめて言い返す。

 

「せっかくビッキー達が掴んだ平和なんだから、のんびりしてなきゃもったいないよ」

 

「それは分かってるけどさ……。でも、せっかくアニメみたいな展開が起きたんだし、またドカーン! と派手なことが起きたりして……な〜んて。ちょっと思ったりも、する……かも?」

 

 どこか呑気に、けれど目をきらきらと輝かせて語る弓美。

 

 ――次の瞬間。

 

「アホなこと言ってんじゃねえ!」

 

「きゃっ!? あいたっ!」

 

 乾いた音とともに、弓美の頭にチョップが落とされた。

 

 振り返ると、そこにはリディアンの制服に身を包んだ少女――雪音クリスの姿があった。

 

「お前らはもっと、平和のありがたさってやつをちゃんと噛みしめとけっての!」

 

 ふてくされたように腕を組みながらも、その声音にはどこか優しさが滲んでいた。

 

「じょ、冗談だってば……! そんな本気で怒んなくても……」

 

 頬を押さえてしょんぼりする弓美に、クリスはふんっとそっぽを向く。

 そんなやり取りに、響はくすりと微笑んだ。

 騒がしいけど、懐かしい。

 弓美も、創世も、詩織も――

 みんなが“いつもの自分”に戻っている。

 あの日々の中で、一度は失いかけた“日常”が、こうして少しずつ戻ってきているのだ。

 

「……でも、クリスもすっかりウチの生徒だね?」

 

 ふと未来がクリスの制服姿を見て、そう声をかけた。

 

「うん! クリスちゃん、すっごく可愛い!!」

 

「なっ……!? ジロジロ見んなっての!!」

 

 急に褒められ、全員の視線を一身に浴びたクリスは、顔を真っ赤にして身を捩る。

 たじたじとしながら、髪の毛をいじる様子に、皆は思わずくすくすと笑った。

 ――雪音クリスは今、新生リディアン音楽学院に通っている。

 二課所属の装者であるという立場上、これは“監視”という名目での通学ではあったが――

 その実、彼女に少しでも普通の日常を与えたいという、弦十郎や仲間たちの想いが込められた配慮だった。

 

「って言うかアタシは先輩だぞ?! 敬語使え敬語!」

 

「まったく、相変わらずツンデレなんだから。ここまでのツンツンは、最近のアニメでも中々いないわよ」

 

 弓美が肩をすくめて笑うと、創世も小さく頷く。

 

「まぁ、その“デレ”も、相手は私達じゃなくて――」

 

「お姉ぇちゃーん!!!」

 

 突如、遠くから少年の声が響いた。

 

 振り返れば、坂道の向こうから全速力で駆け降りてくる少年の姿。ローラーシューズのタイヤを唸らせながら、ユウがこちらへと向かって勢いよく滑ってくる。

 

「ユウくんっ!!」

 

 響が笑顔で両手を広げ、彼を迎えようと一歩前に出る。

 

「ユウく――のへっ!?!?」

 

 だが、次の瞬間。

 

 ドンッ!!

 

 横から飛び出したクリスが響を突き飛ばし、その代わりにユウをがっしりと受け止めた。

 

「ユウ〜〜! そんなにお姉ちゃんのとこに来たかったのか? 可愛いやつめぇ〜!!」

 

 頬をすりすり、満面のデレ顔でユウを抱きしめるクリス。

 

「えへへ、クリスお姉ちゃんおはよ!」

 

 本当は響を目指していたはずだったが、クリスにぎゅっと抱きしめられてすっかり上機嫌になったユウは、ふやけた笑顔で挨拶を返す。

 クリスはクリスで、そんなユウの反応にさらに嬉しそうに頬を寄せる。

 

「ちょっとぉ!? クリスちゃんずるいよぉ!」

 

 背中に砂をつけながら立ち上がった響が抗議の声を上げる。

 

「るせぇっ! 一番最初にハグするのは、お姉ちゃんの特権なんだよ!!」

 

「ずるーい!」

 

 クリスと響の間にユウを挟み、二人は本気で言い争いを始めた。

 

「いやしかし、あのきねクリ先輩をデレさせるなんて、ユーユーってばやるわね」

 

「そうだね」

 

「こ、小日向さん? なんだか笑顔が怖いような……」

 

 そんな三人のやり取りを、未来は全く笑っていない笑顔で見つめていた。彼女の周りに渦巻く黒いオーラの迫力に三人は怯える。

 

「未来お姉ちゃん、おはよ」

 

 朝の空気がまだ少し冷たい登校路。

 どこからかふわっと現れた小さな影が、不機嫌そうに腕を組んでいた未来に駆け寄り、ぎゅっと抱きついた。

 

「〜〜〜〜っ!! スーーーーッ……うん! おはよう、ユウくん!」

 

 未来の表情が、まるで花が綻ぶように一瞬で和らぐ。

 頬を赤らめながら、抱き返したその姿は、完全に姉というよりも……保護者、いや、それ以上かもしれない。

 

(いま匂い嗅いでたよね?)

 

(うん、バレないようにそっと嗅いでた。……って、あの子の将来が恐ろしいわ)

 

(羨ましいですわ……)

 

 そんな事をしていると、ようやく落ち着きを取り戻した響達は、ユウの服装がいつもと違う子に気がついた。スカートとキュロットの違いはあるが、それは間違いなく自分達と同じリディアンの制服だった。

 

 

【挿絵表示】

 

 

「ユウくんその格好は?」

 

「あれ? おじさんやクリスお姉ちゃんから聞いてない? ぼくも今日からリディアンに通う事になったんだ!」

 

「ええっ!? ユウくんが?!」

 

 現在ユウの身は二課によって保護されている。彼らが見守りやすいようにと、同じように二課が管理しているリディアンに通わせるのが一番だと判断し、特例で決められたのだ。

 

「でもリディアンって女子校だよね? 大丈夫なのかな?」

 

「うん、理事長さんや、ぼくの担任の小等分の先生は反対してたみたいなんだ。だからおじさんと一緒に挨拶に行ったんだ。そしたらOKだって」

 

「「「ああ〜……」」」

 

 皆は納得したように頷いた。スカートがキュロットにリデザインされているが、その姿は女の子にしか見えないぐらい可愛かった。恐らく先生達も、男の子という事で警戒してしたのだろうが、このビジュアルなら文句も無かったのだろう。

 

「ねぇねぇ! この制服似合ってる?」

 

「う、うん! 凄く似合ってるよ!」

 

「えへへ! これからもよろしくね、未来()()()()!」

 

「ちょっ!? ユウくん?!」

 

「え? 何その呼び方?」

 

「前に未来お姉ちゃんとデートした時に、制服着てこの呼び方してあげたら喜んでくれたんだ!」

 

「「「へぇ〜……」」」

 

 三人はジトーとした目で焦る未来の方を見た。

 

「みんな違うからね?! あの時は響や翼さんに感化されて――」

 

「おい、お前ぇ……どお言う事だぁ?」

 

「未来って結構良い趣味してるよね?」

 

「だから誤解だって! って言うかあの日は響だってユウくんの女装楽しんでたじゃん!」

 

「お前ら……やっぱりお前らみたいな変態集団をユウに近づけるわけにはいかねぇ!!!」

 

 クリスはユウを背中から抱き上げると、皆から距離を取った。

 

「ちょっとぉ! あたし達は関係ないでしょ?!」

 

「お前らの視線も、ちょっと熱っぽいの気づいてんだからな!」

 

「「うっ!」」

 

 決して否定出来ない図星を突かれた創世と弓美は推し黙った。しかし勘の鋭い詩織は気がついた。

 

「何故それを? もしや雪音先輩も同志なのでは?」

 

「うっ!?」

 

 自らもそうだから気がついたのでは? 詩織に図星を突かれたクリスの肩がピクリと震える。

 

「そんな、それなのに独り占めなんてズルい!」

 

「そうだー! 私達にも抱っこさせろー!」

 

「ええい! 近づくなっ!」

 

「わーい、ぐるぐるー!!」

 

 ユウを取り返そうとする響達から、抱っこしたまま逃げるクリス。登校の事を忘れて戯れているうちに、この後全員で遅刻し怒られる事になるのだが、皆はそんないつも通りの日常を楽しんだ。

 この平和は決して長くは続かない。それでも彼女達は、今この時を全力で楽しむのだった。

 

 

 

  ☆

 

 

 

「う〜! 結構さぶいな」

 

 その晩ユウは、現在棲家としている学生寮の屋上へと来ていた。

 屋上の手すりに捕まったユウは、そのまま夜空を見上る。彼の頭上には満天の星が広がっていた。キラキラと宝石のように散らばる星々の真ん中に、一際大きな黄金の衛星である月が目に映った。

 あの戦いで欠けた月は、散らばったチリや細かいカケラを辺りに舞わせ、まるで土星の輪のような形を作っていた。

 

「綺麗だなぁ……」

 

 うっとりと星空を見つめるユウは、懐からティグの紋章を取り出した。

 

「お疲れさま。それとありがとう、ぼく達の世界を守ってくれて」

 

 ユウの言葉に反応するようにティグの紋章は淡い光を放ち点滅する。その光は、かつてこの街を照らしたような強いものではなく弱々しいものだった。

 巨人(ティガ)として顕現する程の大きなエネルギーの消費よって、紋章は力の殆どを失っていた。

 

「――うん。今はゆっくり休んで? でもやっぱりキミに頼っちゃったね。出来ればぼく達人間の力で解決したかったのに……ぼく、何も出来なかったな」

 

 ティグの紋章は再び点滅した。

 

「“ぼくが頑張ってたから力を貸したんだ”って? えへへ、ありがとう! ぼくもっと強くなるね、キミに相応しいように、たとえキミがいなくても大切な人達を守ってあげられるように!」

 

「ユウくーん!」

 

 紋章を握りしめ心に強く誓った時、後ろの方から呼ぶ声が聞こえた。振り向いてみると、響と未来がこちらに手を振りながら近づいてくるのが見えた。

 

「お姉ちゃん達どうしたの?」

 

「響が急に夜空を見たいって言い出してね」

 

「いやー! なんて言うか女の勘? と言いますか、今空を見たらいい事がありそうだな〜って思ったんだ! そしたらユウくんも居るんだからやっぱりラッキーだよ!」

 

 夜空を見る為に持って来た大きめの毛布を広げると、ユウを間に挟む形にして三人でくるまった。流石に三人では狭いかと思ったが、小柄な二人とユウなら丁度良く、その分互いの体温を感じる事が出来て暖かかった。

 

「わっ! ユウくん冷た〜い。だめだよまだ夜は冷えるんだから」

 

「えへへ! どうしても星が見たくて」

 

 そう言うとユウは、今にもこぼれ落ちて来そうな星達に手を伸ばした。

 

「……こうやって星空を見てると、少しでもお父さんに近づけるような気がするんだ」

 

「そっか、ユウくんのお父さんってあそこに行ったんだよね? 凄いなー!」

 

「うん! だからぼく、いつか(あの場所)に行ってみせるんだ! お父さんが見た景色を見て、それでお父さんが見れなかった未来をぼくが紡いでいくんだ!」

 

 目を輝かせ未来を夢見るユウの姿は希望に満ち溢れていた。そんな少年が眩しく、そして愛おしく感じた未来と響はより強く身を寄せ合った。

 熱った三人の肌には冷たい夜風が心地良く感じた。

 

 

 

 

 

 

 

  ☆






 これにて無印編終了となります。
 皆様の評価や感想やお気に入りなどに支えられ、ここまで進めることができました。ありがとうございます。

 装者とティガの共闘などはG編からを目処にしています。
 次回からのG編は、ある程度は書けていますが、もう少し書き溜めしてからの投稿を心掛けたいので、次回の投稿はいつも以上に日が空いてしまうと思いますが、楽しみに待ってくれている人が一人でも居てくれるなら頑張ってみようと思いますので、是非楽しみにしてお待ち下さい。

 よろしければ感想・評価などよろしくお願いします!


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