シンフォギア×TIGAー星を結ぶ少年ー(AI絵あり)   作:トライダー

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第三十四話 石の神話

  ☆

 

 

 

 

 ――久良々島・地下――

 

「大変だ……大変だぁッ!?」

 

 暗い石の洞窟の中を三人の男達が駆け抜ける。彼らの服装は、作業着にヘルメット、背には簡易工具。この鉱山作業員であることは一目瞭然だった。

 石の廊下を凄まじい形相で駆け抜ける彼らは、まるで恐ろしい何かから逃げているようであった。

 

「何なんだよアレはッ?!!」

 

「分んねぇよ! とにかく社長に報告を――」

 

 そこで彼らは止まった。文字通り()()()()のだ。

 背後から浴びせられた青白い閃光。それを浴びた次の瞬間、男たちの身体はまるで時間そのものを凍結されたかのように硬直し、やがて皮膚を覆うように“石”が這い出した。

 

「……う、あ……」

 

 声にならない呻きだけが、最後の抵抗として喉の奥から漏れる。皮膚、筋肉、骨――あらゆる組織が音もなく鉱物化し、人間という存在がただの“鉱石の彫像”へと変貌していく。

 

『グルルルルゥ………………』

 

 “石”となった男達へと、舌なめずりをしながら巨大な影が近づく。

 まるで巨大な岩山のような影、石に変えられながらも意識が残っていた男達は、その影が大口を開けて自分達を喰らうのをただ見ている事しか出来なかった。

 

 

 

 

  ☆

 

 

 

「むー、退屈ー!」

 

 艶やかな黒髪を振り乱しながら、星乃結はソファの上で手足をバタつかせていた。傍らには、既に終わらせた宿題のプリントと、投げ出されたペンが転がっている。

 

「仕方ないでしょ、謹慎中なんだから。ほら、いい子にして」

 

 マリアが苦笑しながら、結の頭を優しく撫でた。彼女の手のひらに触れる黒髪は柔らかく、暖かかった。

 

「むー……ありがとう、マリアお姉ちゃん」

 

 頬を膨らませながら、結は机に突っ伏した。

 ――無断外出、しかも行き先は東北。しかも怪獣と怪獣の激突のど真ん中。

 その行動に最も怒ったのは、特異災害対策機動部二課の司令・風鳴弦十郎だった。

 

「しかし叔父様も……あの可憐な髪に、拳を落とすなど。傷んだらどうするつもりだったのか」

 

 そうぼやいたのは風鳴翼。ユウの黒髪を愛でるように指先ですきながら、どこか本気で心配そうな口調で言う。

 

「仕方ねぇだろ、あれはおっさんの“ケジメ”ってやつだ。にしてもさあ……」

 

 奏が噴き出しそうになりながら、手で口を覆った。

 

「どっちも同じくらい痛がってたのには笑ったな。結の頭、鋼でも入ってんじゃないの?」

 

 確かに――とマリアも頷いた。あの時、弦十郎が拳を振り下ろした瞬間、「いてて……」と頭を抱えたのは結だけではなく、弦十郎自身でもあった。

 その異様な光景は、一瞬緊張感を和らげ、皆に笑顔をもたらした。

 

「あたし達だって、コイツが間違った事や悪い事をしたらちゃんと叱ってやらないとな。それが“お姉ちゃん”ってもんだろ?」

 

「そ、そうね奏! ユウ、本当にあの時は心配したんだから! もう勝手に出て行っちゃ駄目よ!」

 

「うん……ごめんね、翼お姉ちゃん。でもぼく、どうしてもあの場所に行きたかったんだ。だって、あそこは――翼お姉ちゃんたちと、初めて出会った思い出の場所だから」

 

「許すッ!!!」

 

「「おい」」

 

 心を鬼にしようとした翼だったが、ユウが自分との思い出を大事にしてると分かった途端に手のひらを返した。そんな彼女の様子を奏とマリアは、呆れた様子で見ていた。

 

「皆さん、ここに居ましたか」

 

「緒川さん? 何かあったのですか?」

 

「はい、()()()ですが状況が変わりました。司令から装者達に召集が掛かっています」

 

 その言葉を聞いた途端、緩んでいた翼達の眼差しが真剣なものに変わった。

 装者である翼、そして奏達もその後に続き弦十郎の待つ司令室を目指した。

 

 

 

  ☆

 

 

 

「皆、集まったようだな」

 

 司令室に集う装者たちの顔ぶれ。学園から戻って来た響たちと、先に潜水艦内にいた翼たち、そして作戦オペレーターたちが勢揃いする。

 

「はい! 朔夜さん、あおいさんもどうぞ!」

 

「ありがとう、星乃くん」

 

「星乃くんが、淹れてくれたお茶は美味しいから、嬉しいわ」

 

「えへへ〜! おかわりもあるからね!」

 

 クリス達がやって来るまでの時間、ただ待ってるのも退屈だったユウは、現在仕事中のオペレーター達に温かい飲み物を差し入れしていた。

 潜水艦内で過ごす事も多いユウは、彼らのお手伝いを兼ねてお茶だしや雑務を手伝う事が増えていた。

 

「――さて、集まってもらった要件だが……久良々島の鉱山地帯で、作業員の行方不明事件が相次いでいる」

 

「……行方不明、ですか?」

 

「ああ。調査に向かった職員までもが帰ってこない。調査団を組み、島を調査した結果、地下に大規模なエネルギー反応があると判明した」

 

 友里がモニターを切り替えると、サーモグラフィーが示す地下の異常な熱源が赤く浮かび上がった。

 

「オッサンは、そいつがゴルザの反応だって言うのか?」

 

「可能性は高い。先日の戦いで受けたダメージを癒すため、ゴルザは地下に潜伏していると見て間違いない。今こそ決着の時だ」

 

 先日のウルトラマンとの戦いでゴルザのダメージが大きい事は予想できる。ならばそのダメージが回復してしまう前に勝負をかけたいと考え、この数日間常にゴルザの行方を探っていた。

 

「そこで、自衛隊との共同作戦が決定した」

 

「共同作戦って……?」

 

「自衛隊は《N2装備》の使用を決定している」

 

「N2装備ッ!? 政府は地形を塗り替える気ですか!」

 

 翼が驚くのも当然だった。N2装備とは自衛隊が保有する武器のなかで、最大級の破壊力を持つ兵器である。しかしその威力故に、地図を描き直さなければならないほど地形を吹き飛ばす危険性も高く、その上ノイズ達には効果が薄いとされ現在封印されている兵器である。

 

「民間の避難は完了済みだ。鉱山地帯を一気に爆破してゴルザを仕留める。その後、もし奴が生き延びていたら……今度は《S2CA》で仕留める」

 

 絶唱のエネルギーを一つにまとめた切り札。その名が口にされると、響たちは僅かに表情を引き締めた。確かにそれならば瞬間的にだがエクスドライブを上回る火力を叩き出すことが出来る。

 自衛隊と二課の最大の攻撃を連続で叩き込み、弱っているゴルザにトドメを刺すと言う作戦だ。

 

「……気にいらねぇな、政府の奴らはコイツの事なんだと思ってやがんだよ」

 

 作戦の効果の事は分かったが、納得は出来ていなかった。ゴルザを倒す為とはいえ棲家を吹き飛ばされる民間人や、絶唱の負担に襲われる響の事など何も考えていない作戦に、クリスは不機嫌そうに小さく呟いた。

 

「えへへ〜心配してくれてありがとう、クリスちゃん!」

 

「ばっ……バカ言ってんじゃねぇよ! 誰がお前なんか心配したかっての!」

 

「クリスお姉ちゃん、優しい〜!」

 

「ユウまで……やめろ、頭を撫でるんじゃねぇ!」

 

 しかしそう言いながらも本気で嫌がってるわけではないのか、ユウの手のひらの感触にクリスの口元はふやけていた。

 

「師匠、わたしなら大丈夫です! 今回の作戦、絶対に成功させて見せます!」

 

「響くん……ありがとう」

 

 誰よりも人の命を重んじる響の言葉に、弦十郎は深く頷いた。そしてその意思に応えるように、潜水艦は久良々島へ向けて静かに出航した。

 だが、ミーティングを終えた後、残された二人は静かに呟いた。

 

「……また、わたし達は……」

 

「お留守番、デスか……」

 

 戦えないという現実。調と切歌の目に、ほんの僅かな悔しさが揺れていた。

 

 

 

 

   ☆

 

 

 

 

「ありったけを持ってこい!」

 

 現場の指揮官が声を張り上げると、即座に数名の作業員が動き出す。全員が防爆仕様の防護服を身にまとい、分厚い手袋で慎重に抱えるのは、頑丈な黒いコンテナ。その中に収められているのは、長さが二の腕ほどもある細長い円筒状の物体――N2爆弾である。

 小型化されているがこの採掘場を吹き飛ばすには十分の威力、男達はそれを容赦なく所々に設置していく。

 

「爆破準備、整いました!」

 

「よし、全員の退避が済み次第、ここを爆破する!」

 

 現場の緊張感は極限に達していた。防護服の男たちは、緊迫した様子で続々と退避を始める。

 だが、そのとき一人の副官が声を上げた。

 

「しかし隊長、今回の作戦は二課との共同作戦であったはず。彼らはまだ到着しておりませんが……?」

 

「当然だ。奴らが来てからでは遅い。ゴルザは――自衛隊(オレたち)だけで処理する!」

 

 副官は目を見開いた。

 

「で、ですが、作戦では――」

 

「これ以上、“突起物”の連中に手柄を持っていかれてたまるかッ!」

 

 隊長と呼ばれた男は、血走った目で副官を睨みつけた。焦りの色が隠せない。

 ノイズを倒す力を持たない彼らの仕事は主に時間稼ぎ、仲間達の命を犠牲にしても、大きな手柄は全て二課の者達に持っていかれてしまう。

 突起物と揶揄されている彼らも、櫻井了子の一件以降肩身を狭くしていたが、ノイズに対抗出来る組織というのはそれだけで価値が大きく。既にある程度の地位を取り戻している。

 だからこそ今回の怪獣騒動は彼らにとってチャンスでもあった。シンフォギアが手も足も出なかったと言う怪獣、しかも、奴らには“位相差障壁”がない。ならば、自衛隊の兵器が通用する。今この瞬間、自分たちの武力で怪獣を葬ることができれば、立場も、予算も、信頼も取り戻せる。

 

「……ゴルザの位置はどうだ?」

 

「依然、活動の兆候はありません。爆破地点で休眠状態を保っていると見られます」

 

「N2爆弾、起動完了しました!」

 

「よし――爆破だ!」

 

 赤い警告灯が点滅を開始した。採掘場全体に仕掛けられた爆弾が、一斉に起動状態に入る。そして――次の瞬間、久良々島の大地が爆音と共に閃光に包まれた。

 真っ赤に燃え上がる火柱、火の粉が舞い、地響きが島中を揺らす。まるで地獄の釜の蓋が開いたかのような、壮絶な爆発だった。

 

「……やったかっ!?」

 

 爆破の衝撃が収まった後、隊長と呼ばれた男は簡易基地から飛び出し、双眼鏡で爆破ポイントを覗き込んだ。

 闇のような黒煙が空を覆い隠し、その真下は地下深くまで抉れて巨大なクレーターと化していた。

 

「調査隊を向かわせろ。ゴルザの死骸を確認し、回収するんだ!」

 

 完全に消し飛んでいれば、それでもよかった。だが、例え肉片の一つでも残っていれば、それは自衛隊にとって大きな軍事研究材料となる――。

 そのはずだった。

 

「……なんだ? まだ爆弾が残っていたのか?」

 

 掠れるような地鳴りに、指揮官が眉をひそめる。だが、違う。これは爆弾によるものではない。

 微かな揺れが、次第に確かな振動へと変わっていく。まるで、何か巨大なものが地の底からこちらへと歩み寄ってくるような、圧倒的な質量の予感――。

 

 そして、

 

『グルアアアアアアアアアアァッ!!!』

 

 凶暴な咆哮と共に、大地が爆ぜた。

 隆起した地面が突如として割れ、爆心地に設営されていた自衛隊の簡易基地がそのまま地割れに呑まれる。

 割れた大地の中から現れたのは、巨大な影――いや、“怪獣”だった。

 

「な、なんだコイツは……!? ゴルザ……じゃ、ない……?」

 

 その異形の姿を前に、兵たちは凍りついた。

 四つ足で大地を這い、岩山のような背中には、鋸のような背鰭が幾重にも重なっている。

 前傾した獣のような頭部には、鋭くそびえ立つ一本角――その巨体は、資料に記録されたゴルザとはまるで異なる。

 

 《岩石怪獣ガクマ》

 

『グルアアアアアアアアアアァッ!!!』

 

 ガクマは怒り狂っていた。

 自身の縄張りとしていた場所を吹き飛ばされ、餌である岩石を砕かれ、自らも高熱の爆発に包まれて。

 ガクマは怒り狂っていた。

 怒りに任せ辺りの気配を探った。そしてこの地上に餌となる生命体が集まり何かをしているのを感じた。

 そしてガクマは、目の前のこの餌達が自分の餌場を壊したのだと本能的に察した。

 

『グルアアアアアアアアアアァッ!!!』

 

 咆哮と共にガクマの口から青白い光線が放たれた。

 自衛官達が慌てて退避すると、その背後にあった重機が光線を浴び瞬く間に石へと変わった。

 

「な、なんだ?! か、身体が……」

 

「動かな………………」

 

 そして重機同様光線を回避し切れなかった、自衛官達の身体も同じように石へと変わった。

 そんな彼らへと近づいたガクマは、その大きな口を開いた。

 

「人を……いや、石を喰ってる……?」

 

 ガキゴキボギ……と石となった人だけでなく、その後ろにある石化した重機すら当然のように砕き、食していた。

 作業員達がどうやって姿を消したのか分かった。彼らもまたこの怪獣に石にされ食われてしまったのだろう。

 一体どうやって石を主食にし、あの巨体を運用しているのか理解が及ばないが、それも当然であった。

 カレらは人の理解が及ばない超常の怪物、怪獣なのだから。

 

「……くっ! 全員退却しろ! 怪獣を刺激せず直ぐにここから離れるんだ!」

 

 指揮官は必死に叫び、部下たちが誤って発砲しないよう制止する。下手に攻撃すれば、全滅は免れない。

 だが、事態はそれすらも許さなかった。

 ガクマは重機を噛み砕き、咀嚼し終えると、新たな獲物である、生身の人間たちに視線を移した。

 口元が光を帯びる。再び、あの石化光線が放たれようとする。

 その時、上空から黄色い閃光が飛来した。

 

 

 

  ☆

 

 

 

「怪獣の上空に到達しました」

 

 翼、響、クリスを乗せたヘリは、現在久良々島の上空を飛んでいた。

 島へと向かっている途中、怪獣への爆破攻撃が行われたのを見た彼女達は、慌ててヘリへと乗り換え現場を目指した。

 

「なんでアタシらの到着を待たなかったんだよ!」

 

 ヘリの中でクリスが怒鳴る。怒気と焦りが混じる声は、無線の向こうにいる弦十郎へと向けられていた。

 

『その件については、今あちらさんに問い合わせてる途中だ。しかし、ゴルザやメルバ以外にもこんな奴がまだ居たとは……』

 

「N2装備の攻撃を受けてあれだけ動けるなんて、いったいどんな生命力をしているんだ?」

 

 N2爆弾をくらったガクマの体は、黒く焦がしており岩のように強固そうな外皮は所々ヒビ割れていた。

 しかしそれでも自衛隊を薙ぎ払う余裕さをもつ怪獣の姿に恐ろしさを覚えていた。

 

「でも、それでもわたし達は戦わないと!」

 

『その通りだ。いけるか響くん!』

 

「はいッ!」

 

「任せたぞ立花!」

 

「アタシらの力、全部託したからなっ!」

 

「うん、行ってきますッ!」

 

 翼とクリスの手を強く握り返すと、その手を離し響はヘリから飛び降りた。

 既に二人の絶唱のエネルギーを蓄えた響が目指すのは、N2爆弾によりヒビの入ったその頭部の大角だった。

 響は両腕のガントレットを重ね一つにすると、ドリルのように高速で回転させる。

 

「《S2CA・トライバースト》ッ!!!」

 

 次の瞬間、三人の絶唱が結晶化したフォニックゲインが、虹色の光となって響の拳に宿る。まるで流星のように光り、ガクマの角めがけて巨大化した拳が突き刺さる。

 鋭い破壊音――それはまるで、幾千ものガラスを砕くような音だった。

 音は低く重く、そして静かにすべてを終わらせた。

 

『グル……ア……ア…………』

 

 崩れ落ちる巨体。

 倒れたガクマは、もう二度と動かなかった。

 

 

 

  ☆

 

 

 

 討伐を終えた二課の面々が久良々島に降り立った頃、巨大な怪獣――ガクマの亡骸が、まるで島の一部であるかのように横たわっていた。

 

「はえ〜おっきいデスぅ〜」

 

 切歌が素直な感想を漏らす隣で、調がそっと腕を組む。「……これが怪獣……」という呟きには、どこか現実離れしたものを受け止めきれない戸惑いがあった。

 

 ユウは黙って、その巨体に近づくと、そっと手を添える。砕けた岩肌のような皮膚からは、既に生命の鼓動は感じられなかった。

 

(この怪獣も……ユザレさんが言ってた、闇を浴びた生き物なんだ)

 

 禍々しい何かがまだ微かに残っている――その気配に、少年は肌を粟立たせた。これほどの巨体をも支配する邪神の力。その存在は、ユウにとって想像を絶する脅威だった。

 

「今回の一件が、一体どれだけの被害を出したか……」

 

 誰かが呟いたその言葉に、すかさず怒号が飛ぶ。

 

「ええい黙れ! 怪獣の駆除は我々に一任されている! 余計な口出しはしないでもらおうかッ!」

 

 遠巻きに見守るマリア達の背後では、弦十郎と自衛隊の指揮官が激しく言い争っていた。任務完了のはずが、空気にはどこか棘が走っている。

 

「……ったく、何であんなくだらないことで言い合ってるんだか」

 

 奏が呆れたように肩をすくめた。 

 

「無理もないでしょう。今の自衛隊は立場が弱い……少しでも存在価値を示したいのです」

 

 緒川の冷静な解説に、クリスは舌打ちだけを返した。

 

「チッ……見てて気持ちいいもんじゃねぇし、もう行こうぜ?」

 

「クリス先輩の言う通り。こんな大人の争い、ユウの教育にも良くない。ユウ、帰るよ!」

 

「はーい!」

 

 調に呼ばれたユウが笑顔で手を振る。その手を振り下ろした瞬間だった。

 再び激しい地響きが彼らを襲った。

 

「うわぁっ?!」

 

「な、何だッ!?」

 

 突如起こった地震に皆が足を取られる。振動は次第に強まり、まるで何かが此方へと向かって来ているかのようだった。

 

「こ、この振動は……まさかッ!!?」

 

 つい先程感じたものと同じ地響きに、自衛官達の表情が次第に青ざめていった。

 

『グルアアアアアアアアアアァッ!!!』

 

 地面を覆っていた土砂が吹き飛び、巨大な岩山が獣の雄叫びを上げながらせり出した。

 頭部のツノが一本ではなく二本と言う違いはあるが、その姿は間違いなく今そこで倒れている死体と同じ姿のガクマだった。

 

『グルアァッ!』

 

 《ガクマβ》の口から青白い石化光線が放たれる。慌てて退避した事で響達に被害は無かったが、ガクマβの目的は彼女達では無かった。

 石化光線はその背後の《ガクマα》へと放たれ、一瞬にして怪獣の死体を本物の石の塊へと変えた。

 ガクマβは自分と同等のサイズの好物へと、近づくと石となった怪獣を喰らった。

 

「共喰い……だとッ?!」

 

 狂気的にも見える光景に、弦十郎すら戦慄していた。

 本来生き物というのは繁殖をし、一族を増やしていくのが当たり前である。

 しかし怪獣は普通の生物の常識では計り知れない。

 怪獣は組織だったものでは無く、“個”と言う存在を大事にしている。自分と言う“個”がどれだけ力を増し生きながられる事しか考えていない、だからこそ例え同族であってもその体を食し自らの力へと変えるのだ。

 

「こ、この世界は……一体何時から怪獣の世界になったんだ…………」

 

 自衛隊の指揮官が唖然とした表情でただ力無く膝をついていた。

 自分達の持つ最大級の武器を使い、ようやく一体を倒したかと思いきや新たな怪獣の出現。

 もしや既にこの世界は怪獣まみれになっていて人類のする場所など無いのでは無いか?

 彼だけではなく、その場に居る全員が、そう思わずにいられなかった。

 

『グルアァッ!』

 

 そうこうしている間に食事を終えたガクマβの視線が、此方へと向いた。あれだけのメインディッシュを平らげても物足りないのか、はたまた食後のデザートのつもりなのか、ガクマβは響達の方へと向かって来た。

 

「――わたし達が行きます! 皆んなは、早く避難を!」

 

 響、翼、クリスの三人がペンダントを手に詠唱を開始する。しかし彼女達の美しい歌に対し、聖遺物が反応する事は無かった。

 

「な、何でだよッ!?」

 

「絶唱の反動か……私達の体の負担に反応した聖遺物が、制御をかけているのか」

 

 翼の言う事は当たっていた。

 負担を減らしているとはいえS2CAは絶唱、彼女達に掛かる負担や疲労はゼロでは無い、使用した後に無理して戦闘を続ければクリス達の体が持たないと判断した聖遺物が変身を拒んでいるのだ。

 

「くそぉ! 全員退避だ! 今すぐここから離れるんだッ!」

 

 N2爆弾もシンフォギアも無い今では戦うだけ被害が広がるだけだ。一人でも多く生かそうと指示を出す弦十郎だったがもう間に合わない、ガクマの巨体が既に目前へと迫り、彼らを照らす太陽を覆い隠し巨大な影を落とし込んでいた。

 

(いくよ、ティガ)

 

 ガクマの常識では測れない生態に皆が絶句していた時、既にユウは行動を起こしていた。

 皆の視線から外れるように死角に周り、自衛隊の簡易テントの裏に隠れると、その手に持ったスパークレンスを開かせた。

 石化光線を放とうとガクマβが口を開いた瞬間、眩い光が辺りを包み込む。

 

『グルァッ?!!』

 

 次の瞬間、地面を突き上げる衝撃と共にガクマβの巨体が宙に浮き、弧を描いて吹き飛ばされる。光の柱はやがて人の形を成し、その中心から現れたのは――

 

『デュアッ!』

 

 光の巨人、ウルトラマンティガ。

 

「ウルトラマンっ!」

 

 響が叫んだ時には、ティガは既に構えを取り、地に転がるガクマβの動きを鋭く見据えていた。

 その巨体を起こしながらも、ガクマβの視線はティガではなく、その背後に居る人間たちに向いていた。獣のように食欲に従い動く怪獣の意志。それを察したティガは、迷うことなく人々の前に立ちはだかる。

 

「ここはウルトラマンに任せて、私達は避難を急ぎましょう」

 

 マリアの静かな声に、クリスが悔しげに叫ぶ。

 

「なっ! だ、だけどよぉ!」

 

「マリアの言う通りだ雪音、戦えない私達がこの場に居ても邪魔になるだけだ」

 

 翼の言葉に、クリスもまた歯を食いしばる。その拳が震えているのは、無力感と悔しさのせいだった。

 

『グルァッ!!!』

 

 吠えながらガクマβが突進する。ティガは両腕でそれを真正面から受け止め、反動を利用してその巨体を持ち上げ、前蹴り一閃。怪獣を響たちから引き離すように大地へと叩きつけた。

 さらにティガはその背へと飛び乗り、連続の手刀を背中へと叩き込む。

 

『デュア! チャァッ!』

 

 打撃のたびに背鰭が火花を散らすが、それでもその頑丈な岩肌は砕けない。ティガは渾身の力で腕を振り上げ、次の一撃で砕かんとした――その瞬間、ガクマβの背中から電流のようなエネルギーが放出され、ティガの体を強く弾いた。

 

『ァアっ?!……』

 

 振りかぶっ不意を突かれ体勢を崩したティガを狙い、ガクマβが青白い光線を放つ。

 だがティガは華麗にジャンプし、体操選手のような華麗な動きで宙を舞い、ガクマβの背後へと回り込み背後をとった。

 振り返るガクマβが再び口を開く前に、ティガはその顎を掴んで強引に閉じると、続けざまに膝蹴りを喰らわせる。ガクマの頑丈な背中とは違い、口元から胴体にかけては柔らかいのか、そのたびに苦悶の咆哮が空へと響き渡った。

 

『グルァッ!』

 

 ガクマβの背鰭が発光し、放たれた電撃が再びティガを押し返した。

 その隙を見逃すはずもなく、ガクマβは地を蹴った。四足を巧みに使い、地面を抉るような勢いで突っ込んでくる。その頭部の双角が、まるで悪魔の角のように光を放つ。

 

『……アアァッ?!』

 

 ティガは回避が間に合わず、右大腿部に角を深々と突き立てられた。悲鳴を上げ、膝をついたその巨体に、ガクマβが体当たりを仕掛ける。

 頭を差し込んだまま、獰猛に持ち上げ、ティガの身体を宙に舞わせて後方へと叩きつけた。

 地響きを立てて転がるティガに、ガクマβはさらに詰め寄る。足を庇いながら立ち上がったティガの脇腹へ、鋭利なツメが薙ぎ払うように切りつけられた。

 たたらを踏みながら下がるティガ。その一瞬の後退が命取りとなった。ガクマβの口が開き、例の石化光線が放たれる。

 

『グッ……デュ、アァッ……!』

 

「ああっ! ウルトラマンがっ!?」

 

「石に、なっちゃう……」

 

 切歌と調が叫ぶ。彼女達の言う通り、光線を喰らったティガの足元が石に覆われ、膝、胴体、胸へと一瞬にしてその面積を増やしていく。

 

『グルアァッ!!!』

 

 ガクマβは石となるティガを砕こうと、再び二つのツノを突き出し突進を繰り出す。

 膝、腹部、胸元へと侵食は進み、今にもカラータイマーに達しようとしていた。

 その時、ティガは額のクリスタルの前で腕を組んだ。

 

『ンーーーーーーハァッ!』

 

 両腕を勢いよく放つと、ティガの体が赤一色に染まり盛り上がった筋肉と迸るエネルギーが、身体中の岩石を吹き飛ばした。

 両拳を握りしめ向かってくるティガにガクマβは背鰭から電流を放つが、《パワータイプ》となったティガは怯む事なく頭部を殴りつける。

 

『グルァッ?!!』

 

 パワータイプの重い一撃に目をチカチカさせつつも、再びツノでの攻撃を仕掛けようと、こちらに向かって来る。

 しかしティガは片手でそのツノを掴み、ぴたりと動きを止めた。

 

『タァッ!』

 

 パワータイプの剛力が炸裂する。手刀が唸り、ガクマβの誇る二本ツノを見事にへし折った。

 唖然としたガクマβの首を抱え上げ、ティガは巨体をぶん回す。ジャイアントスイングの動きに空気が唸り、風が巻き、ガクマβは遠くへと放り投げられた。

 

『グ……ルァ……』

 

 もはや立ち上がる気力も残っていない。ぐらつきながら地に膝をついたガクマβへ、ティガはとどめを刺すべく両手を構えた。

 

『デャッ! ハーーーァッ……デュアッ!!!』

 

 ティガは両掌のエネルギーを胸の前で集めると、まるでハンドボールのように豪快に投げ飛ばした。

 

 《デラシウム光流》

 

 全てを断ち切るように放たれた光の奔流が、一直線にガクマβの頭部へと命中する。

 高密度のエネルギーの洪水を浴びた怪獣は、その場に凍り付いたように動きを止め、やがて石と化し、音もなく崩れ去った。

 

 ――ガクマβ撃破。

 

『――デュアッ!』

 

 勝利を手にしたティガは、青空を仰ぐと静かに両腕を広げて天へと舞い上がっていった。

 残された大地には、再び平和が戻りつつあった。

 

 

 

 

  ☆

 

 

 

 

 ガクマ達の討伐後、二課の一行は現地での簡易調査を済ませ、再び潜水艦へと帰還していた。

 

「皆、ご苦労だったな。全員怪我なく無事で何よりだ」

 

 司令官・風鳴弦十郎の労いの声が、司令室に静かに響いた。しかし、それを受けた装者たちの表情は、浮かないままだった。

 

「……アタシらは、何もしてねぇよ」

 

 クリスが小さく呟く。その横では、調と切歌も項垂れていた。

 

「先輩達はまだマシデスよ。あたし達は変身すら……」

 

「うん。今回もまた、ウルトラマンに助けられちゃったね……」

 

「……ああ。カレが現れなければ、我々も……あの鉱山の作業員たちと同じ末路を辿っていたかもしれん」

 

 その声音には、痛切な無力感が滲んでいた。前回のゴルザ・メルバ戦、そして今回のガクマβ戦。どちらも彼女たちは思うように戦えず、命を守れたのは「光の巨人」の手によるものだった。

 

「……君達の気持ちはよく分かる。オレ達は認識を改める必要がある、怪獣はノイズ以上の人類の天敵であり、恐ろしい脅威であると」

 

 通常兵器が通じるならどうにでもなると、上の人間の中には高を括っていた者もいただろう。

 しかしそれは大きな間違いである。N2兵器と絶唱のエネルギーで漸く一体を倒す事が出来る程の耐久力。そして今回のガクマの出現により、怪獣は決して少数では無く数多くがこの地球上で眠っていると言う事がわかった。

 ノイズ以上の脅威である怪獣達に対抗する為には、今まで固まってしまっていた人類の価値感を大きく変える必要があると弦十郎は考えていた。

 

「でも、はっきり分かった事もありますよ! やっぱりウルトラマンさんは、わたし達を助けてくれてるんです!」

 

「響の言う通りね。ウルトラマンは私達を守ってくれている。それが何故なのかは分からないけど、もしかするとカレは怪獣達から私達人類を守る為に現れて、未来へと導いてくれているのかも知れない」

 

 響の言う事にマリアも強く頷いた。

 ネフェリム、ゴルザメルバ、そしてガクマ、どれも自分達がピンチに陥った時にウルトラマンは助けに来てくれている。彼が自分達を助ける為に現れているのは、最早疑いようのない事実だった。

 

「……そうだな。オレはこれから上に掛け合ってみるつもりだ。ウルトラマンは敵ではないと、怪獣達と共に戦う心強い味方だとな」

 

 弦十郎の心強い言葉に装者達は頷いた。弦十郎の言う事を疑う者は、もうこの場所には一人も居なかった。

 

「じゃあじゃあ! ウルトラマンさんに名前を付けてあげましょうよ!」

 

「名前って、ウルトラマンはウルトラマンじゃねぇのかよ?」

 

「いやいや、ウルトラマンはなんて言うか……種族名? 人間に人間さんって言ってるみたいな? それか、苗字……かなぁ?」

 

 よく分からない理屈を並べる響だったが、彼女の提案は皆同意しているようだった。

 

「でもなんて呼ぶデスか? 大きい人デスから……ウルトラ我Rぃ刃ァッなんてのはどうデスか!」

 

「いやいや、ここは日本男児らしく、ウルトラ三座右衛門と言うのは如何だろうかっ!」

 

「そんなダサいのヤダ!」

 

「「だ、ダサい……」」

 

 ユウにはっきりと言われ、独特なセンスを持つ切歌と翼は崩れ落ち膝をついていた。ユウとしても、友人に変な名前を付けられるかどうかの瀬戸際なので必死である。

 

「でも確かあのユザレって人は、“ティガの巨人”って言ってたよね? もしかしてそれが巨人の名前なのかな?」

 

「調の言う通りです。前回ゴルザ達によって破壊された遺跡を調査していますが、その中で“ティガ”と呼ばれる単語が数多く見られました。恐らくそれがカレの名前なのでしょう」

 

 調がタイムカプセルでのユザレの言葉を思い出し、ナスターシャも同意し調査の記録を思い出した。

 

「うん! マムさんの言う通り、《ウルトラマンティガ》それがカレの名前だよ!」

 

「ウルトラマンの名前はもう要らないんじゃないのか?」

 

「そんな事ないよ! せっかく皆んなが付けてくれた名前なんだから大事にしよ! きっとティガも気に入ってると思うから!」

 

 カレの活躍を讃え世界中の人々が自然と付けた名前、ユウは紋章の中で眠るカレが、その名を気に入っている事を知っていた。

 

「ウルトラマンティガか……よし、その名を大々的に発表しよう。明確な名があった方が、親近感が湧くからな」

 

 数日後、光の巨人の名――《ウルトラマンティガ》は、世界中のメディアを通じて広まり、人々の記憶に刻まれていくことになるのだった。

 

 

 

  ☆

 

 

 

「……皆気を張っていましたが、その心持ちは決して穏やかなものでは無いでしょうね」

 

 ミーティングを終え、それぞれの部屋へと戻っていった装者たちの背中を見送りながら、ナスターシャは静かに呟いた。

 

「無理もないさ。それだけ今回の怪獣騒動が、彼女たちにとって強い衝撃だったということだ」

 

 久良々島での激闘――ウルトラマンティガの活躍により勝利を収めたとはいえ、自分たちは何もできなかった。絶唱すら拒まれる状況で、ただ守られるだけだったあの時間。それは装者としての誇りを揺るがすものだった。

 司令室に残っていたのは、もはや大人たちだけだった。画面に残る戦闘記録は既に停止していたが、その余韻は未だ空気に色濃く残っていた。

 

「……やはり、この計画を進める必要があるか」

 

 弦十郎は一つの分厚いファイルを手に取り、机上に置く。表紙に刻まれているのは太字のタイトル――《シンフォギア強化計画》。

 かつてゴルザとメルバの戦いを経て痛感した、自分たちの無力さ。そこから立ち上がるための一歩として立案されたものだったが、現実は容易ではなかった。

 

「問題は山積みだ。何よりも……力を持つ者に、更なる“力”を与えることのリスクだ」

 

 シンフォギアは本来、人間の限界を超える力を少女たちに与える装置。それをさらに強化するというのは、単純な話ではない。副作用、精神的な圧力、暴走の危険――そのどれもが、彼女たちの心と体を蝕みかねない。

 

「あの子たちなら、力に溺れることはないと信じているが……」

 

 それでも、司令官としての不安は拭いきれない。いや、だからこそ彼は思案し続けているのだ。

 

「もちろん、努力は致しますが……期待はしないでください。私の知識と技術では、これ以上のシンフォギアの強化は難しいです」

 

 ナスターシャが目を伏せる。聖遺物に関して世界屈指の知識を持つ彼女でさえ、現状のシンフォギアの拡張には限界を感じていた。

 皮肉にも、それが可能なのは、かつて世界を滅ぼそうとした女――フィーネだけだ。

 だが、もう彼女はいない。そして、その意思を継ぐ者も見当たらない。行き詰まった計画の現実に、弦十郎はただ机上の書類を見つめるしかなかった。

 

「せめて……我々の持たない発想と、知識を持つ者が居てくれれば……」

 

 ナスターシャは呟く。勿論そんな人は、“今”の日本政府には居なかった。

 

 

 

 

  ☆

 

 

 

 

「ねえねえ! 今日のネットニュース見た?」

 

「うん見た見た! ウルトラマンがまた現れて、どこかの島で怪獣を倒して、たくさんの人たちを助けたんだって!」

 

 朝の光が差し込む通学路。制服姿の少女たち――弓美、創世、詩織の三人は、いつもより早口に弾む声を交わしながら、学園へと向かっていた。

 

「わたくしも今朝のテレビで見ましたわ。ついにウルトラマンさんのお名前が決まったそうですのよ。“ウルトラマンティガ”って」

 

「ウルトラマン……ティガ。うーん! やっぱカッコイイわ! ユウくんも好きだよね、ウルトラマン!」

 

「うん、ぼくティガ好き!」

 

 笑顔で答えるユウの姿に、弓美は満足した様に頷く。

 

「うんうん、やっぱりウルトラマンは良いよねぇ! まさにヒーロー……“救世主”って感じっ!」

 

「もう、気持ちは分かるけど、早くしないと遅刻しちゃうし置いて行くよ?」

 

「あっ! ま、待ってよぉ〜!」

 

 ウルトラマンの存在に興奮し熱を高める弓美をよそに、未来達は学園を目指し歩き進める。弓美もまた友人達に置いていかれない様に慌てて後を追いかけた。

 

「………………」

 

 そのすぐ近く、誰も目を向けない裏通りの暗がり。

 そこに一人、影のように沈む人物がいた。壁に背を預け、全身を黒いローブのような布で覆い隠している。フードは深く、顔どころか性別すら判別できない。しかし、ただ一つ――その者の体から滲み出す怒気だけは、周囲の空気すら震わせるほど濃かった。

 彼の、あるいは彼女の視線は、手にした一枚の新聞に注がれていた。そこには誇らしげに掲げられたティガの写真と、「人類の新たな守護神」などという派手な見出しが躍っている。

 

「ウルトラマン……ティガ……ッ!」

 

 男とも女とも判別出来ない声で呟いた後、新聞を恨めしそうに握りつぶした。

 その怒り燃える姿に反応する様に、“青い炎”が手のひらから溢れ出し、新聞を跡形も無く消し去った。

 新聞が燃え尽きると同時に、ローブの人影もまた、その場から完全に無くなっていた。

 

 

 

 

 

 

 

  ☆






 《ガクマ》
 久良々島の地下に生息していた岩石怪獣。超古代に“闇”を浴び怪獣となり、餌である石を食べて生息していた。
 物体を石へと変える《石化光線》を持ち、封印から目覚めた後、鉱山の作業員を餌へと変えていた。
 現在αとβの二種類が確認されているが、まだ別個体がいる可能性も高い。この怪獣の出現が、世界に怪獣が複数存在する事を裏付けた。



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