ONE PIECE 荒ぶる暴獣の猛威   作:ウェイブロック

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☆〝ビッグ・マム〟と「海軍」に目を付けられたスサノオは今ー


第11話〝悪魔の実そして決戦へ〟

 屋敷の一部屋で親父と向かい合うオレはあるものを見つめた。

 

「親父!!こ、これが……」

 

「ウォロロロロ!!そうだ!!これこそが――」

 

 オレは親父が見せたものに感激せずにはいられなかった。

 だが、それも当然だろう。何せ――

 

「〝悪魔の実〟だ!!!」

 

〝悪魔の実〟――

 

〝海の悪魔の化身〟、〝海の秘宝〟と呼ばれて一口でも食べた者に実に宿っている特殊な能力を手に入れる事ができる不思議な果実だ。

 

 それを手にするには努力、金、何より――運が必要だと聞いたが、それ程のものが今オレの目の前に存在している。

 

「これをオレに!!?」

 

「おう!!!――しかし、まさか()()()を手にできたとはなァ。本当に運がいい!!!()()はお前が食べるべきだ!!!」

 

 その事から親父が〝悪魔の実〟をオレに与えてくれたんだと察したオレが驚愕し、その様子に親父も朗らかに笑い――そして意味深な笑みをも浮かべた。

 

「!オレが食べるべき〝悪魔の実〟……一体何の能力なんだ?」

 

「ウォロロロ!!それは食べてみての楽しみだ!!安心しろ!!悪いものでもねェ!!むしろ、ものスッゲェ力だぜ!!!」

 

 その際に親父が言い放った言葉からその実の能力は一体何なんだろうと疑問に思うオレだが、親父の保証により考えるのをやめて実を食べるのを決意する。

 

「じゃあ食うか!!頂きま〜す!!」

 

 オレはさっそく実を食べた――が

 

「ッ……クソマズッッッツ!!!」

 

「ウォロロロ……分かるぜ……!」

 

 実の予想をはるかに超えるマズさにオレも顔を激しく歪めずにはいられなかった。そんなオレに親父も一応共感を示した。

 ヴッ……クソマズイだと聞いたが……これ程とは!!!

 あまりのマズさにより食べた実を吐き出したくなったオレだが――

 〜〜吐き出したいが……なんとか飲み込めなければ……!!!

 それでもオレは我慢して実をなんとか――飲み込んだ。あのマズイものを辛うじて食べきれた事に涙目ながらも一息ついたオレはふと気付く。

 ――自身の中に熱いものが込み上げてくる事に。

 

「……!お、オオオオ!!?」

 

 ――さらに、その何かが膨れ上がるのにつれてオレの肉体にも異変が生じた。

 まず、オレの肉体が少しずつ大きくなり――さらに全身に深紅の鱗が覆われていき――しまいには翼と尻尾が生えてきた。

 その一部始終を眺めた親父が高笑いする。

 

「ウォロロロロ!!!……実に勇ましい姿になったんじゃねェか!!!」

 

 やがて、高まった熱がおさまってきたオレは身体に違和感を感じるのと視界が変わったのもあって自身を凝視してみる。

 

「!!!これって……もしかして――もしかしなくても――」

 

 そしてたまげた。

 

「今オレは〝竜〟になったのか!!!」

 

 そう――オレは今、深紅の〝竜〟に変身したのだ。

 自身が得た力の正体に驚愕したオレに親父は声をかける。

 

「それでどうだ?〝深紅の竜〟――〝ミラバルカン〟の力を得た気分は?」

 

「……アハハハハ……」

 

 驚きのあまりにしばらく目を大きく見開いたオレだが、やがて笑い出した。

 

「アハハハハ!!……リュドドドド!!〝竜〟か!!――最高だ!!!」

 

 オレは〝竜〟という自身にとってアタリだといえる能力に感極まった。

 実は親父の〝龍〟の力に憧れてて似たような力を得ればなと考えていたのでこれは嬉しいサプライズだ。

 

「リュドドド!!翼も尻尾もちゃんとあるし……体全体で暴れてみたいぜ!!!」

 

 オレはそう雄叫びを上げてその場を揺るがした。翼を大きく広げたその様は実に雄々しくて風格があった。

 

――こうしてスサノオは〝深紅の竜〟……〝ミラバルカン〟の力を得た

 

 

それから――

 

「リュドドドド!!!」

 

「あはははは!!!」

 

 竜に変身したオレは背にヤマトを乗せながらある洞窟内を飛び回っていた。

 

「どうだ!!?気持ちいいだ!!?」

 

「うん!前に空を飛び回ったのも気持ち良かったけど、この中を飛び回るのもいいね!!」

 

 オレが感想を求めるとヤマトは朗らかに笑いながらそう答える。そう――前にヤマトを乗せて空を飛び回ってみたのだ。

 空から眺める天地の景色は実に魂が震えたな……

 その時を懐かしむオレはそろそろ充分だなと考え、空から降り立った。背から降りたヤマトはオレに笑顔を向ける。

 

「ここは何というか……城の中に城があるみたいだね!!」

 

「リュドドド……確かにな、親父の城にぴったりだ」

 

 その言葉にオレは頷き、周りを見渡しながらそう呟く。

 今オレ達がいるのは――

 「百獣海賊団」の本拠地「鬼ヶ島」であった。

 その地に構える屋敷の建設には約5年かかったが、ようやく完成できたのでオレ達が正式に住み始めたのだ。

 「鬼ヶ島」の外観は角の生えたドクロの形をした巨大岩に狐の石像と灯籠などを飾る豪華なもので内部では豪華な城が建てられた。そんな外観と内部を合わせての豪華っぷりはいずれ「海賊王」になるカイドウにふさわしいと思わせられる程だといえる。

 その出来栄えにオレも満足する。

 

「うん!しかも、「白舞」と「希美」の改造も順調に進んでいるようだし……例の計画は無問題だな!!」

 

「?例の計画……?」

 

 それに伴ってオレは例の計画を思い出し、その進捗についても満足する。そんなオレの呟きを耳にしたヤマトが首を傾げる。

 その様子にオレは片眉を上げる。

 

「ん!……それは後の楽しみかな!!リュドドド!!」

 

「……分からないけど……楽しそうだからいっか!あははは!」

 

 そうオレ達は和気藹々とする。

 そんな様子を上階から見下ろす影がいた。

 

「……ウォロロロ……」

 

 カイドウである。彼は我が子達が朗らかに笑う状況に微笑んでいた。そんな彼の元に――

 

「――カイドウさん」

 

「ん、おお。キングか」

 

 キングが姿を現した。カイドウにある男に関する事を報告するために。

 

「ヒョウ五郎だが――」

 

「おう」

 

「勧誘を蹴ったから痛めつけた。それでも折れなかったのでとりあえず「囚人採掘場」に送っておいた。あと、奴の妻と子分達を始末した」

 

ヒョウ五郎――

 

ワノ国一のヤクザの大親分として知られる侠客である

その腕は確かで黒炭オロチも彼に従属を迫ったが、仁義と情に厚く理不尽な暴力と不条理な権力に屈しない男である故に拒んだ

オロチは従属を迫り続けるのを蹴り続ける彼にとうとう見切りをつけ、その身柄をカイドウに預けてしまったのだ。カイドウもその強さにより彼を勧誘した。もちろんその勧誘をも彼は拒んだ

それ故に使者として来たキングによって瀕死状態に追い込まれてしまった。それでも屈しないために「囚人採掘場」に送られる事になった

しかもそれだけに留まらず、彼が連行されていくのを止めようとした彼の妻と大勢の子分を殺されてしまった

 

 キングが自らその悲劇を引き起こしたにも関わらずに淡々と報告した。その内容にカイドウは

 

「そうか……勧誘を断るんなら、しょうがねェな……!」

 

 そう呟き、酒を飲む。

 

 

「――カイドウを討つぞ!!!」

 

 光月おでんは――5年間も褌一枚で踊り続けてきた。

 嘲笑と軽蔑に晒されても踊った――「ワノ国」を守るために――黒炭オロチとの約束を信じて……

 だがオロチからそんな事は知らぬと嘲笑われ、それどころかヒョウ五郎とその妻達に起こった悲劇を知らされてしまった。

 おでんはヒョウ五郎達の事を想って慟哭した。そして、その宣言を口にした。

 そう――光月おでんはついにカイドウを討つと決意したのだ。

 

――時は夕刻

 

立ち上がった光月おでんとそれに従う家臣団……人々から後に「赤鞘九人男」と呼ばれる侍達は真紅に色づく太陽に炎のように赤く照られながら「ワノ国」を支配しようとする怪物……〝百獣のカイドウ〟を討ち取りに向かっていった

 

――しかし、彼らの決起はある男によって危機に瀕しようとしていた

 

 

「鬼ヶ島」――

 

『おでんの奴がこれからお前を討ちに向かっているそうだ!!』

 

「――ウォロロロ……ようやくか」

 

『……大丈夫なんだろうな?もしも―…』

 

()()()?……もしも何だ?」

 

『あ……い、いや……』

 

「――オレを誰だと思ってんのか?」

 

『か、カイドウ様です!!!最強無敵のカイドウ様です!!!』

 

「フン……ならば、泰然自若としていろ」

 

『あ、ちょ――』

 

 オロチからおでんが動き出し

たという情報を受け取った親父も応えようと立ち上がる。

 

「……親父」

 

 そんな親父にそばで座しているオレは声をかける。

 

「何だ」

 

「――頑張れよ」

 

 親父の事は信じているが、少し気になってしまったオレは親父に向けてその言葉をつい送った。

 息子からの思わぬ言葉に親父も固まった――が、すぐ満面の笑みを浮かべた。

 

「――ウォロロロロ!!!おう!!お前らも見てろ!!オレ達の戦いをなァ!!!」

 

――〝百獣のカイドウ〟と彼率いる「百獣海賊団」もまた光月おでんと「赤鞘九人男」を返り討ちにしようと戦いに向かっていった

 

 

「ワノ国」 兎丼――

 

 カイドウの寝首を掻くつもりで動くおでん達は「鬼ヶ島」への道筋としてそこを進めていた。

 そして――そこでの森を抜けた彼らは驚愕する。

 

「「「……!!」」」

 

「想定外だ……!!」

 

 おでんはそう言うしかなかった。

 何せ、村どころか人さえもいない筈の地には見渡す限り人がいた。それもただの人々ではない――向かおうとした「鬼ヶ島」にいる筈の「百獣海賊団」だった。

 海賊達は全員武器を構えておでん達に凶悪な笑みを向けた。

 そんな事態から導き出される結論――それはおでん達の決起がカイドウ達にバレたという事であった。

 その事実に驚愕せずにはいられないおでんだが、すぐ意識を切り替えて羽織を脱ぎ捨てて臨戦態勢に入る。家臣達もまた笠を捨てて同じく臨戦態勢に入る。

 そしておでんは巨大な岩に巻き付く巨大な青龍――カイドウを見据え、口を開く。

 

「――周到すぎやしねェか⁉なぜ分かった!!あの無人島で酒を飲んで寝てるお前の首を斬りに行くところだった!!兵力戦を想定してねェ!!」

 

「お前の城にスパイでもいるのかもな。ウォロロロ……新しく建ったばかりのオレの屋敷を戦場にしたくねェんで……出向いてやったまでだ……!!」

 

 おでんが投げずにはいられなかったその疑問にカイドウがからかうようにそう答えた。その内容におでんは表情をますます険しくする。

 

「ッ……全てウソだったんだな!!カイドウ!!!」

 

「そうさ……ウォロロ、全てウソだった」

 

「あの時オレ達は分が悪いと踏んだ――お前が帰還し、ヒョウ五郎と手を組めば……ワノ国中の侍と侠客がオレ達の敵に回る。まだ部下も少なかったオレ達には苦しい勝負になっただろう……」

 

 おでんが怒りのままに怒鳴ったのをカイドウが気にも留めず5年前の背景を語り出す。

 その時の形勢から考え得られるその可能性にカイドウもさすがに面倒だと考えざるを得なかった。

 仮に戦いになったとしても最後に勝つ自負はある。だが侍の強さを考えるとせっかく集めた大勢の部下を失い「百獣海賊団」に甚大な損害を与えられる危険性も否定できなかった。

 だからこそ、あの時あんな手段を取らざるを得なかった――個人の感情は置いといて……

 

「あの時お前が何の犠牲にも通じねェ……前評判通りのイカれた男だったなら……ウォロロロ!!!」

 

「――だがお前は誰も傷つかねェ方法を選んだ……!!」

 

 ――そして、おでんの選択が物事を進めた。カイドウ達にとって良い方向に……

 その事実を語るカイドウは続いてある2人の事をあげる。おでんと同じような者達の事を。

 

「ニューゲートやロジャーは確かにそんな海賊だった。強ェがどこか甘い奴ら……!!!」

 

「「「……」」」

 

 白ひげもロジャーも強い――それはそりゃ強かった。にも関わらず弱者に手を差し伸べる理解できない奴ら。

 なのに白ひげは〝世界最強の海賊〟、ロジャーは「海賊王」と讃えられた。全く本当にムカつく野郎どもだ。

 

「お前も同類よ!!バカは踊り続けた!!裸になって笑われ蔑まれながら!!ウォロロロロ!!お前にもう「光月」の威厳も何もねェ!!」

 

 だが、おでんは違う。

 白ひげとロジャーと同じ甘い奴ながらも彼らのような圧倒的な強さを持っていない――またはた白ひげのように事態を把握して的確な判断を下すのも――ロジャーのように力でゴリ押しさえもできていないからこそ〝バカ殿〟なのだ。

 全く哀れなるものだ。

 カイドウからの嘲笑に対しておでんは――

 

「あの日の判断はアレで良かった――話を未来へ進めようぜ」

 

 しかし動揺も何も態度を変えず、静かに刀を抜く。

 そんな彼の姿勢を受けてカイドウも獰猛な笑みを浮かべる。

 

「ウォロロロ!!そんなに死に急ぎてェか!!なら殺してやる!!――行くぞ野郎ども!!!」

 

「「「オオ〜〜ッ!!!」」」

 

「……行くぞお前達。背中は任せた」

 

「「「応!!!」」」

 

――今ここに「ワノ国」の運命を決する闘いが幕を上げた

 

 

 カイドウの元へ駆け込む光月おでんの目前には刀――斧――槍――鉄砲――武器だらけ。

 たった10人というあまりにも心強くない戦力を虫けらのように潰そうと凶悪な笑みを浮かべる海賊達に対しておでんはしかし怯まず、二振りの愛刀〝天羽々斬〟と〝閻魔〟に〝流桜〟を込め、そして猛烈な勢いで振るう。

 

「「「!!!」」」

 

 その一振りに数十人の海賊が一気に吹っ飛ばされた。

 その事態に他の海賊達が衝撃を受ける一方でおでんの後ろを預かる9人の侍も当然の事だと平然と動く。

 

「おでん様に続けェ!!!」

 

「「「ギャア〜〜!!!」」」

 

 彼らもまた刀に〝流桜〟を込め、勢いよく振るう。

 その一振りにも大勢の海兵達が吹っ飛ばされ倒されていく。

 

「待て待て!!これが〝侍〟!!?強すぎねェか!?」

 

「怯むな!!こっちにゃ数がいる!!!」

 

 〝侍〟の予想を越える強さに海賊達は驚愕し、中には腰が抜けた者がいる程だ。

 といえ、それでも10人というやはり心強くない事実に対して海賊達は数という利点がある。さらに〝百獣のカイドウ〟とその腹心2人もいるんだ。だから負ける筈がない!!

 そう自分を奮い立たせる海賊達はおでん達に何としてでも攻撃を加えようとする。

 

「!!」

 

「へへ」

 

 そんな中でおでんの頭を狙撃銃で撃とうとする海賊がいた。

 こういう闘いでは敵軍の頭を討ち取れば、それだけで勝ちなんだよ!いくら強くても、所詮ただの人間だ!自身でも討ち取れる!

 そう凶悪な笑みを浮かべた海賊がいざ狙撃銃の引き金を引こうとする。

 もっとも、そんな攻勢におでんは気付いてて対応しようとする。だが、結局狙撃銃の引き金が引かれる事はなかった。

 

「うわ!!」

 

「⁉――誰だ!!」

 

「勝手ながら!!助太刀させて頂きます!!」

 

 突然狙撃手が倒れたと同時に忍装束の美女が姿を現す。

 おでんの問いかけに対して彼女は海賊達にクナイを放ちながら自らの素性を明かそうとする。

 

「お忘れかと存じますが昔、スキヤキ様の在りし日に……」

 

「!?しのぶか⁉」

 

「!!はいッ!!わたすです!!」

 

 だがその姿、そしてその言葉によっておでんの頭にある少女の事が浮かび、その名を口にしてみた。彼に覚えられてた事に感激しながら肯定したしのぶは続いて事情を説明する。

 

「再び光月の世になる事を信じ城に仕えてきましたが――「光月」の忍者軍は……福ロクジュは……!!ついにオロチに寝返りました!!わたすはおでん様に仕える日を夢見てたので、もう城にはいられません!!」

 

「……バカ殿を信じられなかった者を責められやしない!!」

 

「……!!」

 

 忍者軍の方針を知ったおでんはそれでもそう言うと彼の事情を知るしのぶも歯を食いしばる。それでも彼の意思を汲んで口をつぐむしかない。

 

「こっちは茨の道だぞ!!しのぶ!!」

 

「――お供します!!!」

 

 雷ぞうから覚悟を問いかけられた彼女も迷いなくおでん達についていく決意を固めた。

 

――こうして「ワノ国」を救うために11人の侍が立ち上がった

 

――錦えもん

 

――傅ジロー

 

――菊の丞

 

――雷ぞう

 

――カン十郎

 

――アシュラ童子

 

――イヌアラシ

 

――ネコマムシ

 

――河松

 

――しのぶ

 

――そして……光月おでん

 

この11人が「百獣海賊団」を前にして怯まず立ち向かった

海賊達も彼らの強靭な強さを思い知らされるであろう

――しかし、侍達もまた思い知らされる事になる

〝新世界〟に悪名を轟かせる海賊達の強さとその恐ろしさを

 

「ぬゥ!我らが進み続けるのにつれてこやつらが強くなってきたな……!!」

 

「――弱い者を前面に配置したな!!」

 

 おでん達が進み続けるうちに海賊達の粘りが強まり、進み具合も鈍くなった。

 「百獣海賊団」は力のある者を中心部に配置し、そこからの周囲に少しずつ実力が低い者を配置し続け、最終的に実力が最も低い者達を前方に配置しておいたのだ。

 さらに――

 

「ッ……倒した者が起き上がってくるぞ!!」

 

「チッ……うっとうしいな!!こやつら!!」

 

 倒された海賊達が致命的なダメージを負わなかった故にか起き上がってきた。しかも、侍達の強さに戦意をさらに高揚させてる始末だ。

 

「――だとしても!!押し通るのみ!!」

 

「「ああ!!」」

 

「道を開けておく!!」

 

 それでもおでん達は力に物を言わせて海賊の軍勢を強引にかき上げる。

 ――だが

 

「――ムハハハ!!」

 

「ッ!?ぐがぁぁあ!!?」

 

「⁉錦さん!!」

 

「何だ、あの瘴気は⁉」

 

 突然錦えもんが勢いよく吹っ飛ばされる。傅ジローが彼の身を案じる中、カン十郎とネコマムシとしのぶは錦えもんを吹っ飛ばした敵に対して武器を油断なく構える。

 

「うゥ…ぐゥ!」

 

「……!毒⁉」

 

 吹っ飛ばされた錦えもんは辛うじて起き上がりながら、その身の一部――叩かれた箇所を抑えながら苦しんでいた。その様子を目にした傅ジローは毒かと勘付く。

 ――そして彼らの前に現れたのは……

 

「ムハハハ……」

 

 瘴気を放ってる棍棒を手にする丸くずんぐりとした巨大な体型をする海賊――クイーンだ。

 

百獣海賊団大看板

〝疫災のクイーン〟

 

 ――その一方で

 

「あ゛あ゛!!」

 

「アシュラ童子!!」

 

「炎!!?」

 

 突然森が燃え盛り、その炎に身の一部を焼かれたアシュラ童子が痛みに叫ぶ。雷ぞうと河松とイヌアラシと菊の丞はそんな彼の身を案じながら森を燃やした張本人に武器を抜かりなく構える。

 そんな彼らが相手にしているのは……

 

「フン……」

 

 炎を纏わせてる刀を手にする背中から黒い巨大な翼が生えて背面から炎が噴出する黒ずくめの海賊――キングだ。

 

百獣海賊団大看板

〝火災のキング〟

 

 ――そして

 

「〝熱息(ボロブレス)〟!!!」

 

「!!!」

 

 おでんの目前に巨大な火炎が迫った。

 

「フン!!」

 

 だが、それに対しておでんは動じず――斬り裂いた。

 

「……」

 

 険しい顔を上げるおでんの目先には――

 

 

 

 

 

 空を浮遊するカイドウの姿があった。

 

百獣海賊団総督

〝百獣のカイドウ〟

 

「ウォロロロ……始めようぜ、オレ達も」




☆海賊と侍の戦いの火蓋が切られる!!
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