ONE PIECE 荒ぶる暴獣の猛威   作:ウェイブロック

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第141話〝暴獣海賊団VSバシレウス〟

今まで侵略をその強大な力で防衛してきた〝バシレウス〟――

だが、それが今――中枢として建てられた城に帆船が強引に押し込まれてきたという衝撃な形であるといえ侵入を許してしまった。

もちろん、その事態に対してもいつものように対応しようとした――筈だった……

 

 

「邪魔だぁ!!」

 

「「「うわぁぁぁぁぁ!!?」」」

 

 城に押し込んだ帆船から降りてきた侵入者――オレ達暴獣海賊団は立ち向かってきた兵士達を何の事はなく吹っ飛ばしてやった。

 

「つ、強い!!何だアイツらは!?」

 

「今までの海賊とは違うぞ!?」

 

 今まで侵攻しようとしてくる海賊を撃退してきた自身達でも止められない暴獣海賊団の猛威に動揺せざるを得ない兵士達に海賊達が堂々と言い放つ。

 

「当然だよ!僕達をただの海賊とはみない事だよ!!」

 

「ふふっ……スサノオさんが率いる海賊団ですから止められないのも是非に及ばず……ですよ」

 

「――まぁ、我らの強さを見極めれない時点で程度が知れるがな」

 

「さっさとどけ……!!」

 

 思いのままに言い放つ海賊達にしかし反論するどころか反撃さえもできず――ただ兵士達が気持ちのいいように吹っ飛ばされていった。

 そういう調子でオレ達が駆けていくうちに――ある扉の前に辿り着いた。その扉は実に豪壮で――一目で目当ての場所だと分かる程だ。

 

「オラァ!!」

 

 そう判断したオレはその扉を容赦なく蹴飛ばした。

 その頑丈な扉があっけなく飛ばされたのに伴いオレ達がすぐその部屋内になだれ込んだ。そこには……

 

「「「…!!」」」

 

 いかにも厳粛な会議室で――4人も席に座していた。

 ――それこそがオレ達目当ての〝バシレウス〟評議会であった。

 彼らは突如のオレ達の登場に顔色を変えたが――その中の1人の変化は特に激しかった。

 

「き、貴様らは!!?」

 

 そう――〝サンモン〟でオレ達に強烈な苦味をまんまと味わせられたハイレインである。

 その経験を持っているからこそ彼は目前に展開された状況に動揺せずにはいられなかった。そしてその姿に気付いたオレも含み笑う。

 

「――よぉ!!また会ったな!ハイレイン!!」

 

「ま、まさか!?このオレを追ってここまで来たのか!?」

 

 このオレに名を呼びかけられた途端にハイレインはその可能性を思い浮かんでしまう。

 ――仮にそうだとしたら、自身の失態があまりにもとんでもない状況を招いてしまった事になってしまう。

 そう考えたからこそ彼は顔を青くしてしまう。

 

「――ギャハハハハハ!!ハイレイン!!とんでもねぇ事をしてくれたな!!」

 

 そんなハイレインをドッザは容赦なく嘲笑った。

 ――だが、そんな彼を今度はギーランが叱り付けた。

 

「笑う場合か!!貴様!!これは〝バシレウス〟の存亡に関わる程の危機だ!!!」

 

 彼は能天気に笑うドッザはもちろん今自身達が身を置かれる状況を認識する為にあえてそう言い放ちながらオレ達に対して身構えた。

 

「っ…」

 

「はいはい」

 

 その言葉にハイレインは激しき苦悶の表情を浮かべ、ドッザはだらしなくも動こうとする。

 

 ――ただ……

 

「……うむ」

 

 その一方でレグラヴァリマは立ち上がるどころか、微動だにせず――ただオレ達を凝視していた。

 

 ――とにかく……

 

「貴様が船長だな!?」

 

 オレ達の立ち振る舞いとハイレインの反応からそう判断したギーランがそう確認してみた。それに対してオレは率直に答える。

 

「おう!!オレが暴獣海賊団の船長――〝暴獣のスサノオ〟だ!!!」

 

 その堂々な名乗りを受けてギーランは言葉を続ける。

 

「なら――貴様に要求したい事がある!!それは――……!!?」

 

 オレ達と何としてでも交渉を試みようとする彼だが、すぐ止められる事になる。

 ――フドウがギーランに対して剣を勢いよく振り下ろそうとしたからだ。

 突如の事に一瞬固まった彼だが、すぐその剣を自身の剣で受け止められた。ただフドウの力は半端ではなく、それ故に彼の足が圧し沈められた。

 

「き、貴様!?」

 

「我らが貴様らの要求を聞く筋合いはない」

 

 自身の要求――否、言葉を聞かずに襲い掛かってきた海賊に怒りをみせるギーランにフドウが冷静にそう言い放った。

 その言葉に相槌を打つかのようにオレもニャリとする。

 

「リュドドド!!その通り!!オレ達はテメェらを叩き潰しにやってきた!!!」

 

「「「…!!!」」」

 

 その勢いがある宣言によって、その場に緊張感が走らされた――

 

「ハイレイン様!?皆様!?」

 

 ――そして、その場に兵士達がなだれ込んできた。

 その中にはミラがいて、彼女がハイレインを含む評議会の身を案じた。

 

「無事ですか!?レグラヴァリマ様!!」

 

「ギーラン様!!」

 

「ど、ドッザ様……!」

 

 もちろん彼女以外の者達も評議会の身を案じた――

 実は彼女達こそが評議会メンバーのそれぞれの側近である。その者達が今の事態を受けて兵士達を率いて自身の主達の元に参ってきたのだ。

 

「ギーラン様……!今すぐそちらに!!」

 

 その中のギーランの側近らしき黒い長髪をまとめる誠実そうな青年――バイヨンが主の姿を目視した途端に素早く駆けた。

 

「貴様ぁ!!その方から離れろ!!」

 

 そのままフドウに対して手に持つ槍を突き刺そうとする――が

 

「させぬ!!」

 

「させねぇよ」

 

 そんな彼の目前にシシリアンと明日郎が回り込んだ。

 

「き、貴様ら!!」

 

 突如の邪魔にバイヨンがイラつくが、それを2人は気にせず――

 

「オレがコイツをやるから、お前はザコ共な?」

 

「何だとぉぉぉ!!こ奴はオレがやる!!貴様は兵士達を相手するがいい!!」

 

「何だとコラ」

 

 何と自身が戦う相手を巡ってケンカを始めたのだ。自身をナメてると受け取れる事態にバイヨンも怒りを爆発させてしまった。

 

「――貴様らぁぁぁぁぁ!!ナメるなぁぁぁぁぁ!!」

 

「こうなったら――早い者勝ちだ!!」

 

「負けぬぞぉぉぉ!!」

 

 だが、その激昂をやはり気にしない明日郎とシシリアンはそう話に折り合いを付け――そして激突しようとした……

 

 もはや騒々しくなったその場だが――その中で笑みを浮かべる者がいた。

 

「ハッ!!――プポォ!!テメェらも動け!!」

 

「っ!!――は、はい!!」

 

 その事態を面白く傍観していたドッザは自身の側近であるハゲの中年男性――プポにそう命じ、自身は――オレに飛びかかった。

 

「!」

 

「ギャハハ!!――テメェはオレと――……!?」

 

 どうやらオレと戦うつもりらしいドッザだが――そんな彼が勢いよく振り下ろした大斧をオレの前に回り込んだヤマトが金棒で受け止めた。

 

「いや!お前の相手はこの僕だ!!」

 

「あ゛ぁ゛!?」

 

 不敵な笑みを浮かべながらそう宣したヤマトと顔を歪めたドッザが激突しようとするのを目視したプポが慌ただしくなる。

 

「お、お前達!ドッザ様を助け――……!?」

 

 だが、ドッザ救出に動けようとする彼らの前に――うるティとページワンが立ち塞がった。

 

「そうはいかないごわす!!」

 

「このオレ達が相手だ!」

 

「っ!!」

 

 そんな2人とプポ達も戦わざるを得なくなった……

 

 ――そして……

 

「クソッ!!――ミラぁ!!」

 

「え、えぇ!!わ、分かっております!!」

 

 それぞれ戦いが発生したのを目視したハイレインはすごく激しき苦悶の表情を浮かべていて――そして何かを決意したのかその表情を引き締めらせ、自身の側近であるミラに強く声を掛ける。

 同じように苦悶の表情を浮かべていた彼女も突如声を掛けてきた彼の姿勢からその意図を勘付き、顔を引き締めらせる。

 

 ――そう、実はハイレイン達の立場はかなり悪くなっているといえるだろう……

 何せ、〝バシレウス〟議長の座に就く為に彼らが実行した作戦が失敗した事で手柄を手にできなかったどころか――逆にヴィザの戦死というあまりにも大きな損失を出す羽目になってしまった。

 これでは議長の座が望めそうにもなくなってしまった故に――諦めざるを得なくなり……せめて自身達の立場への損害を減少させようと考えた彼らだが……

 

 そこに何と暴獣海賊団が〝バシレウス〟の本拠地までにも攻め込んできたのだ。

 たかが海賊風情が自身達を追ってきただけで〝バシレウス〟にこうまで被害を与えられるとは――もはや悪夢であるといえよう。

 ……まぁ、暴獣海賊団が〝バシレウス〟に攻めてきた理由は確かにハイレイン達の件も含まれるが……その基は別にある。

 だが、それを知る由もない者達はハイレイン達の失態が襲来を招いて、それで大きな被害を被ってしまったと考えても仕方がないだろう。

 ――そして、その責任は……ハイレイン達にあると考える事になるのだろう。

 その可能性を発想した――してしまったハイレイン達は自身達が更なるツケを払うのを避ける為にすぐ実行を起こす事にした。

 そして実行しようとするのはもちろん――

 

「――スサノオォォォォォ!!!」

 

 ――今の事態の元凶である暴獣海賊団の船長を倒すという事であった。

 確かに敵陣の大将であるスサノオが倒されば暴獣海賊団を撃退しやすくなるかもしれない――そして、それを行うのがハイレイン派の者でなければならない。

 さもなければ……ハイレイン達の未来は――もはや真っ暗だろう。

 その事実を理解しているからこそ――ハイレインの気迫は……凄まじかった。

 

「お前はぁぁぁぁぁ!!このオレがぁぁぁぁぁ!!」

 

 何としてでもスサノオを倒してみせるという意思を強く固めた彼が雄叫びを上げながら――オレの元に駆け向かった。

 その姿勢にオレもつい目を見開きながら気を向けるのに対してハイレインは「アレクトール」を起動させる。

 

 ――〝サンモン〟での戦いで奴の実力は分かってる。

 

 ――奴は強い。だから、最初から手加減はなしだ。

 

「倒すぅぅぅぅぅぅぅ!!!」

 

 ――必ず、この男を倒してみせる!!

 

 ――オレ達の平穏の為に……!!

 

 悲壮で強きその決意を抱いたハイレインがオレに挑んでみせた――

 

 

 

 ――が

 

「……!!?」

 

 そんな彼に突如何かが飛びかかってきた。

 

 ――ジャックだ。

 彼がオレを護衛する為にハイレインの前に立ち塞がったのだ。

 ――そして、ジャックも激しき気迫を放っていた……

 

「――スサノオさんを倒すとほざいたか!?――テメェ如きが!?」

 

 ――彼はハイレインが言い放った内容に激怒したのだ。

 オレの事を敬愛しているジャックはその言葉を聞き逃す訳にはいかず、目下の男を塵一つ残さずに叩き潰そうと固く決めたのだ。

 

「チィィィ!!邪魔するな!!」

 

「ほざけ……!!テメェ如きが……頭高ぇんだ!!」

 

 突如の邪魔に怒りをみせるハイレインとジャックが激突しようとした――

 

「ハイレイン様!?」

 

 そんな状況にミラ達は主を支援しようと慌ただしく動き出す――が

 

「おっと♪」

 

「…」

 

「!?な、何よ!?あなた達!?」

 

 突如その前にヴァニカとゼノンが姿を現した。突如の事にミラもイラつきをみせるが、ヴァニカはそれを気にせずに高揚していてゼノンも不気味な程に冷静だった。

 

「アッハ♪――私と戦おうよ!!」

 

「……ここで終わりだ」

 

「ぐ……!!」

 

 自身にも邪魔が入ったのも含めて物事が完全に思いのままに進んでいないという事実にミラも焦り――怒りを感じずにはいられなかった……

 

 ――そして……

 

「……随分と余裕そうだな?」

 

 オレは――この期に及んでも座しているレグラヴァリマと向かい合っていた。

 今あまりにも不測の事態に陥っているにも関わらずに奇妙な事に余裕のある態度をしている彼女にオレも眉をひそめた。

 そんなオレにレグラヴァリマは不敵な笑みを浮かべる。

 

「ふふっ……いや何――こういう面白いものはなかなかだからな」

 

 ますます不気味さを増したその態度にオレは笑みを浮かべ――

 

「……リュドドド、それはつまり――」

 

 そして「神武」を構える。

 

「別に叩き潰されても構わねぇって事か?」

 

 あえて挑発めいた姿勢を取るオレの姿に彼女はしかし笑みを浮かべ続ける。

 

「――いや、それは私の側近が許さぬようだ」

 

「!」

 

 そう呟かれた途端にオレの前に突如2人が姿を現してきた――そう、レグラヴァリマの側近である。

 聡明そうな青年――イヴェルクと小柄ながら強気な女性――ノウムは主を守る為にオレを排除しようとする。

 

「この方には手を出させぬぞ」

 

「頭高いぞ……!海賊めが……!」

 

 その2人がオレに容赦なく襲いかかろうとする――が

 突如それを防いだ者達がいた。それは――

 

「――スサノオ様には手出しさせん……!」

 

「さよう……!」

 

「わし達が相手や……!」

 

 ――河松とイヌアラシとネコマムシであった。

 彼らがオレへの攻撃を防いで、そのまま2人を相手しようとした。

 

「…?」

 

 だが、気のせいか――彼らがオレを守ったまではいい。ただ、その調子は何か……積極的に感じられた。

 あの3人はオレの事を嫌っている筈――だからこそ、その姿勢には矛盾を感じざるを得なかった。

 オレがそう訝しげにすると――小紫が近寄ってきた。

 

「――心配無用ですよ……彼らは真剣なんです」

 

「!――どうやら、何かがあったらしいな?」

 

 3人の主である彼女はその事情を把握しているらしく確信染みた笑みを浮かべていた。その笑みからそう勘付いたオレに小紫も笑みを深くし――

 

「えぇ――こ奴らは私達に任せて……スサノオさんはあ奴を」

 

「――おう!ありがとな!」

 

 その進言に従う事にしたオレは率直に礼を述べた。その礼を受けて小紫も微笑み――しかし、一瞬レグラヴァリマに視線を向けて僅かだが眉をひそめた……

 それを辛うじて目視した事で彼女の胸内を勘付いたオレは笑みを浮かべ――

 

「――リュドドド!!気にすんな!!このオレがアイツに惹かれる事はねぇよ!!」

 

 ハッキリとそう言ってやった。

 ――どうやら、このオレがレグラヴァリマに興味を持っている事を小紫が気がかりになっているようだ。

 奴に興味を持つのは〝バシレウス〟最強だと聞いたからに過ぎねぇ。

 

「……っていうか!ケバいアイツなんかよりお前の方が――」

 

「――キレイだぜ……」

 

 そう言い放ち、柔らかく微笑んだオレに小紫もつい頰を赤くせざるを得なかった。

 

「〜!!――し、集中しましょう!集中!」

 

 彼女は照れ隠しに自身の戦いに集中しようとする。それにオレは苦笑しながら気を引き締めらせ――改めてレグラヴァリマと向かい合った。

 

「お前の側近は見ての通りになったようだが……!?」

 

「……そうらしいな――妾も動くとしようか」

 

 オレがそう挑発したの受けてレグラヴァリマは不敵で――しかし、どこかイラつきがあるかのような笑みを浮かべながら立ち上がった……

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