ONE PIECE 荒ぶる暴獣の猛威   作:ウェイブロック

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☆激化する「ワノ国」の運命をかけた大一番!!


第12話〝百獣海賊団VS11人の侍〟

「ハァ…ハァ……!!」

 

「くッ……!」

 

「ッツ……」

 

「く…錦えもん……!」

 

「カン十郎!!よそ見すんな!!」

 

「ムハハハ!!」

 

 苦痛がなかなか治まらない錦えもんをカン十郎が気にかけずにはいられなかった。

 そんな彼を注意する傅ジローの隙を見逃さないクイーンが素早く駆け込み、傅ジローとカン十郎に棍棒を猛烈な勢いで叩き込む。

 

「「グァ!!」」

 

「ムハハハ!!」

 

「!!くッ!」

 

「オオオ!!」

 

 そんなクイーンにしのぶが素早くクナイを投げネコマムシが斬りかかるも、クナイを棍棒で弾かれ俊敏な動きでネコマムシの斬り付けを避けられ、ネコマムシにも棍棒を強く叩き込まれた。

 

「ぬゥ!……ううッ⁉」

 

「ハァー…ハァー……!」

 

「ハァー…こ、こりゃ……」

 

 クイーンの強烈な攻撃によって傅ジローとカン十郎とネコマムシも受けた箇所に最悪骨を折れさせられた程の痛みを感じ、顔を歪めざるを得なかった。

 しかも、それだけではなく棍棒で叩き込まれた箇所から高熱が広がり、全身に焼けるような痛みが生じていた。

 

「ムハハハ!!どうだ⁉これこそがオレのウイルス作品――〝ミイラ〟!!」

 

「最終的には干からびて腐った植物のような姿になるのが目標なんだが、まだそこまで行き着いていないから未完成なんだがな!!」

 

「ハァー…傅ジロー、すまぬ…拙者がヘマを犯して……ハァー……」

 

「ハァー…それよりさっさとこいつを倒すぞ……!」

 

「ハァー…カン十郎こそすまんな……拙者が不甲斐なく……!」

 

「ハァー…ハッ、肉ダルマが何をほざいちゅーな……」

 

 ウイルス作品を誇示するクイーンに錦えもん達が苦しみながら歯を食いしばる。そんな中でネコマムシがこぼした言葉をクイーンは聞き逃さなかった。

 

「……肉ダルマ〜〜?」

 

「「「⁉」」」

 

 その瞬間クイーンの陽気な雰囲気が一変したのに錦えもん達はハッとして構える。

 

「……ナメんなよ!!」

 

「……オレの身体はな!!痩せるとモテすぎるからあえて痩せないだけだ!!」

 

 そして、クイーンが大げさにそう語り出した。ただ、その内容が実にズレてる事により錦えもん達も呆気に取られざるを得なかった。

 

「――そういうてめェらこそ!!」

 

「たった11人でオレ達に勝てると思いやがる頭のバカ具合!!」

 

「弱ェ身の程知らずと見た!!」

 

「ムハハハ!!オレが見た中でも類を見ねェバカの中のバカだ!!」

 

 だが「百獣海賊団」を打ち倒そうとするおでん達の意気をクイーンがバカにし出す。そんな侮辱を受けて錦えもん達は――驚く事に笑みを浮かべた。

 

「――フフッ、確かに拙者達は……侍の器ではないバカどもだな」

 

「左様!――ただのチンピラ、こそ泥、ゴロツキ……それがオレ達だ」

 

「ワシに限っては――猫だしな」

 

「――ムハハハ!こいつら!自覚してんじゃねェか!情け「だが!!!」ねー…!!」

 

 錦えもん達がそのように自嘲する事にクイーンも吹き出すも、錦えもんが突然声を張り上げる。

 

「だが、しかし――そんな拙者達をおでん様は自らの侍として引き上げてくれた!!!」

 

「ああ、その感謝を決して忘れは――せぬ!!!」

 

「――引き上げさせた拙者達が不甲斐ない戦いをする訳にはいかぬ……!!!」

 

「左様!――おでん様からの恩に報いるために我らは……お前を斬る!!!」

 

「……」

 

 錦えもん達は自身達とおでんの絆に関して語り出し、しまいにはクイーンに向けてその宣言を出す。その宣言はおでんへの謝意を込められている故に確固たるものになっていた。

 そのように気迫に溢れる錦えもん達の前では並の敵ならば宣言通りに斬られるであろう……だが

 

「――誰を前にそうほざいてんだ?てめェら」

 

「「「!!」」」

 

 今錦えもん達が相手にしているのは〝災害〟と恐れられる大海賊だ。

 ただならぬ雰囲気が漂ってきたクイーンの姿に錦えもん達はさらに身を引き締める。

 

「……どうやら、少し調子に乗らせてしまったようだな……」

 

 クイーンはドスのきいた声でそう呟き――なんと、棍棒を投げ捨てた。

 

「「「!!」」」

 

 その行為を戸惑いながらも好機とみた錦えもん達は素早く彼を斬りかかろうと駆け込むが――

 彼らは軽く見たのだ。クイーンの底力を……

 

「ハッ!」

 

「「「!!?」」」

 

 錦えもん達は驚愕する事になる。

 何せ、クイーンはその外見にそぐわない俊敏な動きで駆け込んできたからだ。

 

「オラァ!!」

 

「ぐァ!!」

 

 錦えもん達が驚愕する間もなくクイーンが錦えもんの目前に現れ、〝武装色〟を込めた拳を彼の腹に強く叩き込んだ。

 その強烈な一撃により勢いよく吹っ飛ばされた錦えもんの姿に動揺する残りの4人に続いてクイーンが更なるパンチを食らわし続けた。

 

「オラオラオラァア!!」

 

「うが!!」

 

「ぎゃ!!」

 

「ニ゛ャア!!」

 

「ああッ!!」

 

 クイーンの強烈なパンチにより錦えもん達は吹っ飛ばされ地面に倒された。しかも、負わされた大きなダメージにより起き上がれず伏せざるを得なかった。

 だが、そんな彼らに対してクイーンはまだまだ――攻撃を続けるつもりだ。

 

「まずは1人だ……!」

 

「!!錦えもん……!!」

 

 クイーンはまず錦えもんに対してさらに重い拳を叩き込もうとする。

 

「〝無頼男(ブラキオ)ー」

 

「ぐゥ……!」

 

 攻撃が迫ろうとしてくるのを受けて錦えもんはすぐ逃げ込もうとするものの、ダメージによりその動きは鈍かった。すなわち、彼はこのままクイーンの拳を身に受けるしかなかった。

 

「ー〝鉄槌(マルティーリョ)〟!!!」

 

「……!!!」

 

 轟音と共に大地が揺れた。

 

 

「くッ!!」

 

「おお……!!」

 

「うぐ……」

 

「ぬぬ……」

 

「はァ…はァ……」

 

「……フン」

 

 燃え広がる森の中で苦悶するアシュラ童子と雷ぞうと河松とイヌアラシと菊の丞の5人をキングが冷たく見下ろす。

 そしてキングが菊の丞に対して炎を纏わせる刀で斬りかかろうとし、それに気付いたアシュラ童子が彼を救おうと駆け込むが……

 

「……かかったな」

 

 それはアシュラ童子を誘う罠だった。キングは5人の中で最も強いアシュラ童子をまず片付けようとしたのだ。

 キングの剣筋が菊の丞から自身に変わった瞬間、罠だと気付いたアシュラ童子はその斬り付けを刀で辛うじて受け切った。

 

「……ッツ!!」

 

 だが、刀そのものを止められても炎は止められない。襲いかかった炎により更なる火傷を負わされてしまったアシュラ童子が後ろに引く。

 もはや傷だらけになったアシュラ童子達を見下ろすキングが口を開く。

 

「……身の程を知らねェバカどもじゃ、オレには勝てねェ」

 

「うるせェ!!オレ達を倒していねェくせに偉そうにしてんじゃねェよ!!」

 

「左様!!拙者達を倒しきれないにも関わらず、得意気にするとは……笑いものでござる!!」

 

「カッパッパ……炎に囲まれるなんて河童の拙者にとっては貴重な経験になろう!!」

 

「犬である拙者にとって炎など恐れず!!」

 

「ふふッ、むしろ私達の覚悟を燃え盛ってくれています……!!」

 

 勝ち誇ったように言い張るキングに向けてアシュラ童子達は啖呵を切ってみせた。そんな姿勢にキングは目を細める。

 

「……そうか、なら――さっさとかかってみるがいい」

 

「……!!言ったな!!」

 

 そして彼はアシュラ童子達に対して不遜に挑発する。その態度に憤慨したアシュラ童子達はキングの周囲に散らばり、そこから全員猛烈な勢いで斬りかかろうとする。

 

「「「オオ!!!」」」

 

「……フン!」

 

 全方位からの一斉攻撃に対してキングは冷静に刀を猛烈な勢いで振り回す。

 その振り回しによってアシュラ童子達は攻撃を防がれた上に炎にかざされ、体勢を崩してしまった。その隙を見逃さないキングは彼らを1人ずつ斬っていった。

 

「ぐが!!」

 

「ぬゥ!!」

 

「ぐ……!!」

 

「がッ!!」

 

「あァ!!」

 

 キングの炎を纏う斬撃を身に受けたアシュラ童子達が苦悶しながら後ろに下がる。

 そんな中でやはり炎に囲まれる状況に参ったのか動きが鈍くなってきた河松に目を付けたキングが素早く刀を彼に猛烈な勢いで振り下ろした。

 

「河松!!」

 

「!しまった!!――がッ!!」

 

 菊の丞が河松を助けに向かおうとするものの、河松がキングの斬撃を直で受けてしまった。しかもそれだけに留まらず、キングの振り下ろした剣が続いて菊の丞にも振り向かう。

 

「ッ!!く……ああ!!」

 

 その斬り付けに対して菊の丞は刀で防ごうとし、しかし炎の方を真っ先に受けた。

 

「……2人」

 

「河松!!菊の丞!!てめェェェエ!!!」

 

 倒れていく河松と菊の丞の姿にアシュラ童子は怒りのままにキングに斬りかかる。キングはアシュラ童子の斬り付けを刀で受け止め、そして彼の腹を強く蹴った。

 

「!!がッ……」

 

 その強烈な一撃によりアシュラ童子が吹っ飛ばされるもすぐ起き上がり、キングを睨みつける。そんな彼を見るキングはため息をつく。

 

「――面倒だ……纏めて焼き尽くしてやる」

 

 キングがそう呟きながら上方に掲げる刀に今までの炎とは異なるマグマのような炎が纏っていく。

 

「……!!」

 

 その炎を見て強い危機感を感じたアシュラ童子は4人を守るためにあえてキングの元へ駆け込む。

 

「オオオオ!!!」

 

「〝火龍(かりゅう)ー」

 

 自身に向かって駆け込んでくるアシュラ童子を目にするキングはそれでも冷静に刀を振り下ろす。

 

「ー(ドン)〟!!!」

 

「……!!!」

 

 燃え広がる森に爆発が起こった。

 

 

「すげえ……!!」

 

「ああ!これが――キングさんとクイーンさんか!!」

 

「……父上……」

 

 「百獣海賊団」とおでん達による激しき戦いの舞台の近くに存在する巨大な岩の上に子供達がいた。

 その子供達はただの子供ではない。「百獣海賊団」の次代を担う事になるであろう者達なのだ。

 カイドウの息子スサノオはもちろんヤマトとフドウとジャックとハッテンを含む子供達は次代の海賊として「百獣海賊団」と侍達の戦いを目に焼き付こうとしていた。

 ほとんどの子供達は〝百獣のカイドウ〟はもちろん1対5という不利な状況にも関わらずに圧倒的な強さをみせる〝火災のキング〟と〝疫災のクイーン〟に目をキラキラさせた。

 だが、その中には戦いを真剣に見る子供達もいた。

 まず〝火災のキング〟の息子達、フドウとハッテンだ。彼らは真剣な目つきで父の戦いを凝視していた。

 

「――兄上……」

 

「ああ!……オレ達もあんな風に強くなってみせる……!!」

 

 フドウとハッテンは父の雄姿に感動を覚え、改めて〝火災のキング〟を目標に定めた。

 そんな兄弟をフドウと犬猿の仲のジャックがチラ見する。そして戦いに視線を移す。

 

「……オレもあのようにスサノオさんを支えてみせる……!!」

 

 ジャックも同じくキングとクイーンの雄姿にその決意を抱いた。

 続いてカイドウの娘ヤマトもまた真剣な目つきで戦いを凝視していた。その姿にスサノオ――オレは目を少し見開く。

 

「……ヤマト、真剣に戦いを見ているんだな」

 

「うん……!だって、私はお父さんの娘でお兄さんの妹だもん!だからこそ見なきゃ……!」

 

「そうか」

 

 ヤマトは〝百獣のカイドウ〟の娘という立場ゆえに彼らの戦いをちゃんと見ようと努めていた。

 そんな妹の姿勢につい口元が緩んだオレだが――

 

「……ん?」

 

 ふと〝見聞色の覇気〟で何かに気付く。様子が少し変わったオレにヤマトは首を傾げる。

 

「どうしたの?お兄さん?」

 

「……少し気になる事ができた」

 

 その問いかけに対してオレがそう呟いたのを受けてますます疑問を抱いたヤマトだが、戦場から響いた轟音にビクッとし反射的に振り返った。

 ヤマトが視線を戻したら、そこにはスサノオがいなくなっていた。

 

 

「うおおおお!!!カイドウゥゥゥゥ!!!」

 

「ウォロロロロ!!!おでんゥゥゥゥ!!!」

 

――光月おでん

 

――カイドウ

 

 この2人の戦いは熾烈を極めていた。

 

 おでんは自身の卓越する〝流桜〟と磨いた剣術〝おでん二刀流〟でカイドウに挑むものの、強大な〝龍〟の力で振り払われ空から地へ叩き落とされる。

 だが芯が強き彼はくじけず、すぐに起き上がり空を浮遊するカイドウに再び挑む。そしてまたしても振り払われる。何度も繰り返しだ。

 

 だが、周辺にも衝撃波が響き渡る2人の〝覇王色〟での激突がその戦いがただ事ではないのを証明していた。

 といえ、さっきから同じ事を何度も繰り返されている。こんな形勢じゃもはや決着がつけないのでは――その戦いを見ている者達が揃ってそう考え始める。

 だが、その瞬間だった。ついに――戦いの転換点が訪れた。そうついにだ。

 

「ハァ……ハァ……斬りてェのはお前の首一つ!!」

 

 再び地に叩き落とされたおでんはそれでも負けじと威勢よくそう言い放ち、そして自身の愛刀を握る両手――否、身体に持てる全ての力、そして〝流桜〟を込める。

 

 ――そして、大きく飛躍する。

 

「――〝おでん二刀流〟……」

 

 その時におでんが放つ斬撃が戦況を変える事になる。

 

「〝桃源十拳〟!!!」

 

「!!!!」

 

 おでんが猛烈な勢いで振った二刀がカイドウの腹を十文字に深く斬り刻んだ!!!

 

「む、無敵の……!!」

 

「カイドウ様が斬られた!!?」

 

 その光景に海賊達が目を丸くし口を大きく開けて驚愕した。

 無理もない。いかなる攻撃だろうが――傷を負う事がなかった無敵である筈のカイドウの肉体が傷を負わされたのだから……

 

「オォ………!!」

 

 おそらく今までのとは比べられない程の痛みにカイドウは白目を剥き、空から地へ堕ちていった。

 そこで龍のから元の姿へ戻り、地面に手をつきながら血を吐いたカイドウに対しておでんはトドメを刺そうとする。

 

「二度と来るな!!「ワノ国」へ!!!」

 

 

「こりゃやばい!!」

 

 カイドウとおでんが激闘を繰り広げるそばで身を潜めるある老婆はカイドウがトドメを刺されそうとする事態を受けて素早く動き出そうとし――

 

「――今何をしようとした?黒炭ひぐらし」

 

「!!?ス、スサノオ!!?」

 

 その瞬間、その肩に手をかけられた。

 老婆――黒炭ひぐらしが何かをしようとして、それをスサノオ――オレが止めたのだ。

 何かをしようとしたのか分からねェが、ババアの様子から親父達の戦いを邪魔しようとしたのだと察したオレは彼女を睨みつけ肩にかける手に力を入れた。

 

「親父の戦いの邪魔は許さねェぞ……?」

 

「は!!?し、しかし……!!!」

 

 親父の邪魔を許さねェ故にオレがババアにそう威嚇すると彼女は動揺し親父達とオレに視線を素早く動かし続ける。

 ――このままではカイドウが負けてしまう。だからこそ助けなければ……!!!

 そう焦るババアに向けてオレはしかしニヤリとする。

 

「――お前、あの男を誰だと思ってんだ?」

 

 不敵に笑うオレがそう言いながら視線を移す。

 

「――〝百獣のカイドウ〟だぞ?」

 

 胸を張ってそう言い張るオレの目には辛うじて起き上がろうとする親父の姿が映されていた。

 おでんが二刀を猛烈な勢いで振るおうとするのに対して起き上がった親父は金棒を振ろうとする――

 

 

 

 

 

 その場に重い音が響いた。

 

 

 

 

 

「なッ……!!?まだこんな力が……!!?」

 

「――ウオオオオ!!!」

 

 ――おでんの斬りつけを親父の金棒が止めた!!

 その事態におでんが驚愕する一方で親父の筋肉が青筋を立てて脈動し、そのまま目前のおでんを体ごと吹っ飛ばした。

 

「ぐわあああああ!!!」

 

 吹っ飛ばされたおでんが凄まじい勢いで飛ばれ続け、しまいに地に叩きつけられた。

 

「おでん様!!?」

 

「おでん様――ッ!!」

 

「く……!!?うわああああ!!!」

 

 そんな主君の危機に別の場で戦っていた侍達がつい気を取られてしまった。もちろんその隙を突かれる事で侍達が倒される事になる……

 

 ――そして〝百獣のカイドウ〟と光月おでんの戦いはついに終わりを迎えようとする……

 

「おおお!!!まだ、まだなんだよォ……ここで……倒れる訳には……!!!」

 

「……」

 

 さっき吹っ飛ばされたのに加えて親父の猛攻を受けてきたおでんの身体はもはや満身創痍だ。

 それでも戦意を激しく燃やす――負けたら、「ワノ国」が完全に蹂躙される事になってしまう。そうはさせないためにここで倒れる訳にはいかねェんだ!!!

 そう自身を奮い立たせてみせるおでんの姿にカイドウは感嘆する。

 

「――光月おでん……お前は強ェ、確かに強かった……」

 

 カイドウはおでんの強さを心から賞賛した。故にこれからの事を残念に思わずにいられなかった。

 だが、それでも物事は進むものだ。

 

「だが――これで終わりだ!!」

 

 意を決したカイドウがそう宣言する。

 その途端に2人揃って武器を握る手、身体に力と〝覇気〟を込める。おそらく――今までより、それも限界までに引き出した全力を。

 

「――〝桃源…」

 

「――〝雷鳴…」

 

 そして――カイドウとおでんは互いに駆け合いながら赤黒い稲妻を形作る〝覇気〟を込める武器を目前の相手に向けて――猛烈な勢いで振り抜いた!!

 

「ー十拳〟!!!」

 

「ー八卦〟!!!」

 

 2人がそれぞれ放った一撃の激突がその地を大きく揺るがした――

 

 

 

 

 

――そして……

 

――「百獣海賊団」と11名の侍達の闘いは……

 

――〝百獣のカイドウ〟の勝利により幕を下げた

 

「極悪なる11名の侍達は3日後!!大衆の面前にて!!」

 

「〝釜茹での刑〟に処す!!!」

 

 

 ワノ国最強の侍達との戦いに親父達は勝利した。

 何より親父が勝ったのだ。彼の肉体に傷を負わせたあの光月おでんに。

 そういうかっこいい姿を拝めたんだ。だからこそオレもヤマトも心から喜んだ。

 

「リュドドドド!!すげェよ、親父!!やはり親父こそが最強だ!!」

 

「ウォロロロロ!!そうだ!!このオレこそが最強だ!!当然の事だァ!!」

 

「すごいよ!お父さんの体を傷つけられたおでんって侍もすごいけど、その侍に勝ったお父さんがすごくすごい!!」

 

 オレ達は和気藹々と勝利を喜び合った。

 なお親父の腹にはおでんからの刀傷がはっきり残されているが、今となってはもはや名誉の傷だろう。

 親父も光月おでんを真正面から倒せたからこそ満喫できたようだし、オレも親父の勇姿を拝めたので良い気分だ。




☆〝百獣のカイドウ〟率いる「百獣海賊団」大勝利!!
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