ONE PIECE 荒ぶる暴獣の猛威   作:ウェイブロック

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☆ようやく事態が収束した広場では…


第180話〝ゼロに〟

 オトヒメ王妃が〝地上への移住〟と〝人間との共存〟に向けての演説を行おうとしたところで恨みと怒りに囚われるあまりにその理想を認めない魚人達によって混乱が生じてしまった。

 だが、その混乱は〝暴獣のスサノオ〟率いる「暴獣海賊団」、そして「魚人島」の新たな意思によって収まられた。

 

 ――そして今

 その広場の中心でスサノオ――オレ達とオトヒメ達が対峙していた。

 

「――お客様なのにここまで我々を助けていただき、心より感謝申し上げます……!!」

 

 オトヒメ達はさっき自身達が窮地に陥ったところを救助したオレ達に感謝を込めて頭を深く下げた。

 それもその筈。さっき生じた事態は「魚人島」の危機といってもいい程だった。

 にも関わらずに部外者である筈のスサノオ達がわざわざ動いて収束させてくれたんだ。頭が上げられない思いなんだろう。

 そのために真摯な姿勢を示すオトヒメ達に対してオレが話しかける。

 

「いや、気にすんな。オレ達にとってもあんた達との外交は重要だからこそそれを途絶えさせないために動いただけだ」

 

 オレは何の事はなくそう言い放った。

 そう、世間的に悪名高い「百獣海賊団」と外交を結んでくれている「リュウグウ王国」の存在が重要な故にその救助に動いたのも別に苦ではない。

 ……まァ、理由はそれだけじゃねェだろうがな。

 それはとにかくと気を切り替えるオレは()()に視線を向ける。

 

「それより今はあいつらだろう?」

 

「……ええ、そうですね」

 

 オレがそう言うとオトヒメは険しい表情で深く頷き、それに真剣な視線を向ける。そこには混乱を引き起こした張本人――ホーディ達が縛り付けられていた。

 その者達の姿を目にする人々はざわめく。

 

「あれがオトヒメ王妃を殺そうとした奴らなのか」

 

「なんと恐ろしい形相だ……」

 

 ホーディ達は気絶している上に拘束されているために何もできない状態の筈だが、それでもその狂気じみた形相に人々は恐怖に慄かずにはいられなかった。

 人々が怯えた目でホーディ達を凝視する状況だが、そんな中でホーディ達に対しての憂いを帯びた目も存在していた。

 

「――「魚人街」の問題を放置したせいでこのような者達が出てしまったとは……!!」

 

「ああ、見て見ぬふりした報いだな」

 

 ホーディ達を凝視する右大臣と左大臣は苦虫を噛み潰したような表情を浮かべた。

 ……「魚人街」とは元々孤児院などを中心とした巨大福祉施設だったが、次第に荒廃して「魚人島」のはみ出し者達が集まるギャングと海賊の無法地帯と成り果てた。

 やがて管理者の手に負えなくなり、ついには国からも見放されてしまった。

 そんな街を長らく放置していたが、それが今のような惨劇を招く事に繋がるとは。その事実に右大臣と左大臣は自分達の失策に歯を食いしばらずにはいられなかった。

 

「……!!」

 

 そして、オトヒメはホーディ達を前に苦悶の表情を浮かべていた。

 彼女はホーディ達を襲ってしまった悲劇、そして自身が追い求める理想と目の前に展開された現実の差に苦渋の思いを抱かずにはいられなかった。

 だが、何かを決意したのか顔を引き締めるオトヒメがホーディ達に近付こうとする。

 

「……オトヒメ王妃、そやつらに近付くのはよす方がよろしいかと」

 

「!」

 

 そんなオトヒメをジンベエが険しい表情で声をかける。

 その制止を受けてオトヒメが真剣な顔を向けてくるのに構わずにジンベエは続ける。

 

「そやつらにも手を差し伸べようとするあなたの意思は確かに尊い」

 

 なんと、オトヒメは自分の命を奪おうとしたホーディ達をも救おうとするつもりだ。その意図を察したジンベエはその高潔さを賞賛する。

 ――だが

 

「ですが、やはりあなたの命を奪おうとした者達に近付かせる訳にはいかないのです」

 

「ましてや、これ程の狂気に囚われるんじゃ……!!」

 

 ジンベエはホーディ達に視線を向けながら重々しくそう言い張る。その目元には苦悩の色が浮かんでいた。

 確かに彼らはオトヒメ王妃の命を奪おうとした者達だが、元を辿ればジンベエ達が人間への憎しみをいつまでも捨てなかった故にこんな風になったのならば、ジンベエ達にこそ非はある。

 その事に関してはホーディ達に申し訳なく思っている。

 ……だが、暴走するあまりに王妃の命を奪うという暴挙に出かけたのならば、そのままにする訳にはいかない。ましてやその心が完全に憎しみに蝕まれていればかえってだ。

 そう考えたジンベエはまだ危険性があるホーディ達にオトヒメを近付かせる訳にはいかないと判断し、彼女に自制するように促した。

 

 ――そして、その懸念が正しいと証明されるかのように

 

「……クク」

 

 不気味な笑い声がその場に響いた。

 その声に人々が素早くその源に視線を向けると気を失っていた筈のホーディ達が邪悪に笑っていた。

 

「随分と言ってくれるな〜このオレ達、選ばれし者に向かってよ……!!」

 

「!!貴様ら、まだそのような事を……!!」

 

 さっきのジンベエの言葉を耳にしたのかホーディがそうちゃかすが、その内容から彼らはまだくじけていないんだと察したジンベエが険しい表情を浮かべ、詰め寄ろうとする。

 その瞬間にホーディが鬼気迫る表情を浮かべる。

 

「そうだ!!オレ達は終わらん!!」

 

 ホーディがまだ内に秘める狂気を吐き出すようにそう吠える。そしてその咆哮に触発されて他の者達も同じく声を上げる。

 

「人間に復讐するボカァン!!」

 

「人間を呪え!!」

 

「人間を殺せ!!」

 

「人間を裁くのは我らだ!!」

 

「「「……!!」」」

 

 企みを潰されて拘束されているのにそれでも執念をのぞかせるホーディ達の姿に人々は戦慄する。

 人間から何も受けていないのにも関わらずに恨みと怒りに囚われるその姿に人々は恐怖を覚えた。だが、その狂気に陥った姿が恐ろしいのはもちろんだが……

 

 ――もしかしたら、自身達もこうなってたかもしれない。

 

 思い返せば、さっき署名を燃やそうとした人間に対して人々は怒りを爆発させて激しき嫌悪感を抱いた。

 その事を思い返した人々はホーディ達の姿からあり得たその可能性を突きつけられ、背筋が凍りついた。

 だが、そんな人々の胸内を知ってか知らずかホーディがさらに吠える。

 

「オレ達は世界の中央「魚人島」を腑抜けたお前らから奪い取り!!!」

 

「人間どもを暗い海の底へ引きずり下ろし!!!」

 

「魚人こそが〝至高の種族〟である事を思い知らせてやー…」

 

 だが、その時だった。その場の空気が重くなったのは。

 

「「「!!?」」」

 

 突然の重苦しい空気に人々は戦慄した。それこそ勢いよく吠えていたホーディ達も冷や汗を流し、目を丸くし口を開けた程だ。

 

「な、何だ!?これは!?」

 

「お、おお……!?」

 

 その空気に人々が恐怖し混乱する。だが、そんな中である者達は違う反応をみせる。

 

「これは……!」

 

「――スサノオさん!?」

 

 ジャックとキサメがその空気の正体に見当ついたのか目を見開き、素早くスサノオに視線を向ける。

 何せ、これはおそらく……〝覇王色の覇気〟だ。そうなるとその場でその〝覇気〟を放てる者といえばスサノオしかいない。

 そう考えた2人はスサノオを見たが、本人――オレは〝覇王色〟を放っていなかった。それどころか目を丸くしていた。

 

「「……!!?」」

 

 その姿にジャックとキサメが戸惑うが、それをよそにオレは驚愕した。

 だが、それもその筈。オレの目に映るものはさすがに理解を遥かに超えるものだったからだ。それこそが――

 

「――アマノム……!!?」

 

 そう漏らすオレの視線先にはアマノムを抱っこする小紫の姿があったが、そのアマノムはご機嫌斜めで……そして、なんと――

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ()()()()()()()()()()()()()()()()()

 

「だ〜…」

 

 それはまさに〝覇王色〟の如き〝圧〟を放つアマノムの姿にオレは肝を潰された。

 

「だ〜…」

 

「アマノム……!!」

 

 そんなアマノムを抱っこする小紫も同じくその事実に驚愕する。

 だが、それも一瞬。素早くご機嫌斜めになっている我が子をあやそうとする。

 

ねんねんころりよ♪おころりよ♪

 

ぼうやはよい子だ♪ねんねしな♪

 

 優しい微笑みを浮かべる小紫は子守唄を歌いながらアマノムをゆっくり揺らしてその背中を優しく一定のリズムでトントンと叩く。

 別に今までアマノムがご機嫌斜めになった事がない訳ではない。かつてお気に入りのおもちゃを壊されたなどの他愛ない事でアマノムが機嫌悪くなった事がある。

 そんなアマノムをほとんど小紫があやす事でその機嫌が収まった。だからこそ小紫はいつものようにアマノムをあやす事で今までにない程の不機嫌を収まらせようとするが――

 

「だァ〜」

 

 アマノムの機嫌がいつまでも収まる様子をみせなかった。その事に小紫は眉を微かにひそめながらも笑顔をみせてアマノムをあやし続けるが、それでも変わらない。

 

「アマノム?一体何が気に入らないんだ……!?」

 

 そんな状況にオレは訝しげにし、その疑問を抱く。

 小紫の寝かしつけを受けるアマノムの機嫌が収まらない訳がない。つまり、それ程にアマノムの機嫌を損ねた事がここで起こったといえる。だが、一体それは何なんだ?

 その見当がつけないオレだが、そこで気付く。アマノムがある方向――ホーディ達がいるところを睨みつけている事に。

 

「「「あ、あ……!!」」」

 

 ついさっきまでは狂気じみたホーディ達が今は襲いかかってきたアマノムからの強き〝圧〟によりすっかり怯えていた。

 

「そういう事か……!!」

 

 その光景を目にしたオレは苦虫を噛み潰したような表情を浮かべる。

 どうやら、ホーディ達の狂気がアマノムには凄まじく不快だったらしく、自身の気分を損ねたホーディ達に対して威嚇したようだ。

 

 ……その威嚇の程が常軌を逸しているが。

 

 そもそも事態が一応収束できたといえ、まだ危険性があるホーディ達の姿が目に入らないようにオレはアマノムを少し遠くへ遠ざけた。

 だが、どうやら感覚が人よりすごく鋭かったらしいアマノムがホーディ達の気持ち悪い気配を感知してしまった事で機嫌を激しく損ねて強き〝圧〟を放ったんだろう。

 

「その〝圧〟はそうだが、まさか遠くにいる者の気配を拾い取れるとは――アマノム、お前って奴は……!!」

 

 我が子の秘めた高いどころではない強大な素質にオレもつい舌を巻いた。

 といえ、今はアマノムの機嫌だ。そう考えたオレはすぐ小紫の元に近寄る。

 

「おう!!アマノム!!随分とご機嫌斜めだな!?」

 

「だ〜」

 

 オレはアマノムに向けて朗らかな笑みを浮かべながらからかってみた。

 実は小紫がいない時にアマノムの機嫌が悪くなった場合はオレがあやしてやっている。そうしたらアマノムが機嫌を直して笑ってくれたものだ。

 だから今、小紫だけではなくオレもアマノムをあやしているからさすがにその機嫌を直すんだろうと思った。

 

 だが……

 

「う〜…」

 

「「……!!」」

 

 アマノムの機嫌が収まる様子がなく、相も変わらずに強き〝圧〟を放っていた。

 ……否、よくみれば一応〝圧〟が少し弱まっているように感じられる。親からの寝かしつけによる効果が少なからずあったようだ。

 それでもホーディ達の気配が余程不快だったらしく未だにご機嫌斜めのままだ。

 

ぼうやのお守りは♪どこへ行った♪

 

「まいったな……!」

 

 そんな我が子の姿にオレと小紫は笑みを消さずとも苦慮せざるを得なかった。そしてアマノムの強き〝圧〟によってその場が混乱としていく。

 

「(アマノムを連れてここから離れるか……!?)」

 

 その状況を受けてオレがそう考え始める時だった。

 

「ー〜♪」

 

「「「!!?」」」

 

 その場に歌が、それも陽気なムードで響いた。

 今の状況に似つかわしくない響きだったためにその場にいる人々が困惑しながらも素早くその源に視線を向けると

 

「「「!?」」」

 

 そこにはなんとリュウボシとマンボシが歌いながらおどけていた。

 

たーのっしいなー♪たのしいな――♪何でもないぞ♪歌おうアマノーム〜〜♪

 

アッカマンーボ♪アッカマッンーボ♪見ろっ♪アマノムっ♪

 

 何を血迷ったのか、どう考えても大変な状況なのに2人の王子がおどける事実に人々は呆然とした。

 

「王子!?何してるんですか!?」

 

 もはや混乱を極まった事態にたまらずに咎めるような声が上げられるが、それに構わずに2人は続ける。

 

ダンスは♪たーのしっい――なラシド〜〜♪

 

アッカマッンーボ♪何でもないっ♪マンボー♪

 

 ――そして

 

「ー〜♪」

 

「「「!!」」」

 

 そこに新たな歌声が響いた。

 しらほしも歌い上げていた。

 

アマノム♪だいじょうぶだよ〜♪

 

 しらほしが必死な顔でまだ荒削りなところがあるといえ可愛らしい歌を響かせる。

 そんな彼女にリュウボシとマンボシが合わせておどける。

 

「「「いやな事はもうないよ〜♪アマノム〜♪」」」

 

 ついさっきまでは混乱とする状況の筈がリュウボシとマンボシとしらほしの歌唱によって何か形容しがたい状況と化した。

 そんな状況に人々が呆気に取られる中で3人の母であるオトヒメは目を見開いた。

 

「……!!(そうか、あなた達は……!!)」

 

 気が狂ったとしか思えないような3人の所業の意図を察したオトヒメは得心がいった表情を浮かべる。

 それをよそに3人は歌いながら、チラッと兄フカボシを見る。その視線に気付いたフカボシは汗を流す。

 

「あ…いや……」

 

 弟達と妹が自身に何を求めるのかを分かっているフカボシがそれをお断りしようとするが、その反応を目にする3人は歌唱の勢いをさらに増した。

 

「「「歌おうよ〜〜♪」」」

 

「……!」

 

 そんな3人の勢いに迫られてフカボシは固まる――が、やがて腹をくくったのか真剣な表情を浮かべ、そして

 

「…〜♪」

 

 歌い出した。

 

アマノム〜♪怒るなんてやめて〜♪

 

 あんまりやらない事をする故か妹と同じくぎこちない体勢で歌うフカボシだが、その歌声はなかなか悪くはなかった。

 そうしてフカボシとリュウボシとマンボシとしらほしの四兄妹がその広場で歌を披露した。そんな子供達の所業によってあれ程の重苦しい空気が漂っていたその場はいつの間にか奇妙な空気が広がっていった。

 

 ……だが、その場が和むようにもなっていた。

 

 ――そして

 

「ぎゃはは!」

 

「「「!!!」」」

 

 その朗らかな笑い声がその場に響いた。

 強き〝圧〟を放つ程にご機嫌斜めだった筈のアマノムが今は満面の笑みでパチパチと手を叩いていた。

 その姿を目にした人々はその時にその場を襲っていた〝圧〟が消えている事に気付く。

 

「あ……空気が軽くなっている」

 

「あ〜良かった……」

 

 それによって人々はようやく一息ついた。そしてオレと小紫も我が子の姿に安堵を覚えながら微笑んだ。

 

「……楽しめたのね。アマノム」

 

「だー!」

 

 小紫が優しくそう言うとそれに応えるようにアマノムが朗らかに笑って手を掲げた。そんな姿に歌っていた四兄妹もアマノムに向けて朗らかな笑みを浮かべる。

 

「笑った……!」

 

「わ――ぁ!それは良かったマンボー♪」

 

「そうそう〜♪怒るなんて性に合わないからソラシド〜♪」

 

「機嫌を直して何よりです……!」

 

 四兄妹はシャレにならない程にご機嫌斜めだったアマノムが明るく笑みを浮かべる姿に胸を撫で下ろした。

 実はしらほしとマンボシとリュウボシとフカボシはその場に及ぼす〝圧〟を放つ程に機嫌を損ねたアマノムを笑わせるために歌っておどけたのだ。

 その甲斐はあってホーディ達の気持ち悪い気配に不快感を覚えせられたアマノムもその温かい想いを受けてようやく機嫌を直せたのだ。

 アマノムが朗らかに笑うのにつれて四兄妹も朗らかに笑い、和気藹々とするようになる。

 そんな状況に今までの事態で疲労していた人々も癒されていく。そしてオトヒメも感慨深くしていた。

 

「(フカボシ、リュウボシ、マンボシ、しらほし……!!よくやったわ……!!)」

 

 我が子達が何のために歌っておどけたのかを察したオトヒメはその活躍に感極まった。

 

「……よし!!」

 

 しばらく感激していたが、何かを決意したオトヒメは気を引き締め、そして人々の方に向き直す。

 

「――皆さん!!」

 

「「「!!」」」

 

 突然張り上げられたその声によって人々はオトヒメに視線を向ける。人々の視線をしっかり集めたオトヒメは人々に向けて腕を広げ、そして高らかに言い出す。

 

「見ましたか!!?」

 

「〝魚人〟と〝人魚〟の子供と〝人間〟の子供が種族が違うのに関わらずにあんな風に笑い合うこの光景を!!!」

 

「「「……!!」」」

 

 オトヒメが言い放ったその事に人々はハッとし、子供達の姿を改めて凝視する。

 確かに種族が違って、しかも確執があるのにも関わらずに子供達が負の感情もなく笑い合っている。そんな光景を目の当たりにする人々も内に何かが込み上げた。

 子供達を感慨深く眺める人々に向けてオトヒメが続ける。

 

「〝人間〟に思うところがあるのは分かります!!!」

 

「ですが!!!恨みと怒りに囚われ心を歪まされ!!!暴走してこの素晴らしい光景を消していいんでしょうか!!?」

 

「「「!!!」」」

 

 その主張に再びハッとした人々は今度はホーディ達に視線を向ける。恨みと怒りに心を蝕まれた故に暴走した挙句に囚われの身になった者達に。

 そのあり様に顔を激しく歪める人々にオトヒメが真剣な表情で言い張る。

 

「今こそ〝恨みと怒り〟に溢れる過去より未来に目を向ける時なのです!!!」

 

「そのために、もはや我が身を滅ぼすまでに膨れ上がってしまった過去を……」

 

 そこまで言い張ったオトヒメが一旦息を整え、そして全てを込めて言い放つ。

 

「ゼロにしましょう!!!」




☆今こそ未来を蝕む過去を断ち切る時!!
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