ONE PIECE 荒ぶる暴獣の猛威   作:ウェイブロック

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☆未来のために大きく表明されたその主張ー!!


第181話〝新たなる未来の予兆〟

「ゼロにしましょう!!!」

 

 オトヒメが多くの魚人と人魚に向けてはっきりと言い放った。未来に進むためにもはや自らを滅ぼすまでに膨れ上がってしまった過去を消そうと。

 

「「「……!!!」」」

 

 その主張を堂々と表明された人々はその壮大な内容につい動揺させられたが。

 

「……確かに。いつまでも憎しみ続けるのはなァ」

 

「ええ、そりゃ人間に思うところがない訳じゃないんだけど……」

 

 しかし、人々はその考えに対して肯定的な姿勢をみせ始める。

 ……人間からの仕打ちに関しての事には不満がない訳ではない。そんな感情をまだ持っている人々だが、その視線がホーディ達に向けられる。そう、恨みと怒りに囚われるあまりに狂気に陥ってしまった者達に。

 そのあり様を目にする人々は顔を歪める。

 

「でも、あんな風にはなりたくないな……!!」

 

「ええ!憎しみに飲まれて私じゃなくなるのはもっとイヤよ!!」

 

 ホーディ達のような末路を辿りたくないと考える人々は最終的にその結論に至る事になる。

 意を決した人々がそれを吐き出すように声を上げる。

 

「「「――過去をゼロにしよう!!!」」」

 

「恨みと怒りしかもたらさない過去はもういらない!!」

 

「ああ!それより未来に目を向ける方が余程いい!!」

 

「「「オレ/私達自身のために!!!」」」

 

 人々は恨みと怒りに溢れる過去を離脱して未来に進むという決意を固めた。

 その宣言にオトヒメは感極まり、つい涙を流した。

 

「皆さん……!!」

 

 今、確かに「魚人島」は新しい道を歩み始めようとしていた。その事実にオトヒメは感激せずにはいられなかった。

 

 ――その一方では

 

「……!!ざ、ざっけんな!!」

 

 縛り付けられているホーディが鬼気迫る表情を浮かべながら吠える。

 さっきアマノムからの強き〝圧〟を身に受けた故にすっかり怯えたホーディ達だが、過去を捨てて未来に進めようとする人々の姿勢を目にした事で狂気が再燃したのだ。

 

「てめェらは魚人と人魚の怒りを――恨みを捨てるのか!!!」

 

「人間どもに虐げられた先人達の無念を捨てるってのか!!!」

 

 ホーディは怒りに震え、しかしなぜか焦燥感に駆られながら怒鳴りつけた。

 だが、それもその筈。ホーディ達にとって今目の前で展開されたのは自分達を形作った根本的なもの――〝恨みと怒り〟そのものが消えようとするともいえるのだから。

 自身の存在意義が失われようとする恐怖に駆られたホーディはそれをなんとかしてでも止めるために死に物狂いで怒鳴りつけるが……

 

「「「……」」」

 

 そんなホーディ達の姿勢に人々は顔を歪めるものの、彼らの姿を視界に入れないように視線をそらす。

 そんな人々の態度にますます恐怖と焦燥感に駆られたホーディ達は勢いを増して怒鳴りつけてみせる。

 

「先人達の無念に背を向けるてめェらは腑抜けだァ!!!」

 

「「「……」」」

 

 だが、それでも人々から視線を向けられる事はなかった。その事がホーディ達の胸を締め付けた。

 

「ぐ!こ、この――「ホーディさん」……!!」

 

 それを認められないホーディがさらに何かを言おうとするところでその凛々しい声が響いた。

 ホーディ達が視線を向けるとオトヒメがジンベエに警護される形で近寄ってきていた。その姿を目視した途端にホーディ達の目が血走る。

 

「オトヒメェェェェ!!!恨みと怒りを消そうとしやがるクソアマがァ!!!」

 

「……」

 

 全てを邪魔した憎き元凶に対してホーディ達はありったけの力で罵倒する。それをオトヒメは険しい表情で静かに受け止める。

 

「……オトヒメ王妃」

 

 警護係としてオトヒメにお供したジンベエはその聞くに耐えぬ内容に顔を歪め、彼女に気遣わしげに声をかける。

 

 ――やはり、ホーディ達に近付けるべきではなかった。

 

 そう考えたジンベエはオトヒメをその場から引き離そうとする。

 だが、そんなジンベエにオトヒメは微笑みを向ける。それは弱々しいものではなく、確固たる決意が宿るものになっていた。

 

「大丈夫よ」

 

「!!」

 

 オトヒメは物怖じせずにそう言い放った。その姿にジンベエも思わず固まった。今の彼女には彼も一瞬でもひるまざるを得なくなった迫力が存在したからだ。

 そんなジンベエをよそにオトヒメは顔を引き締め、改めてホーディ達に顔を向ける。ホーディ達の方は大分罵倒した故に今は息を切らしていた。

 そんな彼らを前にオトヒメは真剣な表情で口を開く。

 

「……あなた達は」

 

「〝恨みと怒り〟を拠り所にしている」

 

「だからこそ、〝恨みと怒り〟が消える事で〝自分〟が失われるのを恐れているんですね……!」

 

「「「ッツ!!」」」

 

 ホーディ達の心の内を読み取って実情を理解したオトヒメがはっきりそう指摘する。それを受けてホーディ達は顔を激しく歪める。

 彼らは憎き女にそう指摘された事に屈辱を感じたが、その内容は腹立つ事に的中しているために否定できず唸るしかなかった。

 顔に青筋を走らせて唇を噛みしめるホーディ達にオトヒメは毅然とした態度を変えずに続ける。

 

「それは違います」

 

「確かに今までの生き方を突然変えさせられる事になるのを受けて戸惑うのは分かります」

 

「ですが、あなた達はまだ若くて……そして知らないだけなんです」

 

「これからたくさんの新しい事を知って生き方を変えても遅くはないのでしょう」

 

 そう語るオトヒメがそこでホーディ達をしっかりと見て、しかし優しい微笑みを向ける。

 

「〝恨みと怒り〟がなくても、未来に向けて生きる素晴らしさをあなた達に教えてあげるので怖がる事はありませんよ……!!」

 

「「「!!!」」」

 

 なんと、オトヒメはホーディ達が自分の命を奪おうとしただけに飽きずにひどく罵倒してきたのにも関わらずにそれでも手を差し伸べようとしていた。

 どんな事をされようとも決して変える事はなかったその姿勢にホーディ達もさすがに唖然とせざるを得なかった。

 

「……な」

 

 辛うじて口を開いたホーディが掠れた声を振り絞る。

 

「何でてめェはそこまで……!!?」

 

 ホーディは動揺しながらもその疑問を口にする。

 「魚人街」で恨みと怒りを教え込まれながら生きてきたホーディ達にとっては敵対する者達を叩き潰すのが普通だった。ましてや命を奪おうとしたのではかえってだ。

 そんな彼らだからこそオトヒメの態度を心から理解できなかった。むしろ理解できない故に恐怖を覚えてしまった。

 そんなホーディ達の感情を感じ取れたのかオトヒメは苦悶の表情を浮かべる。だが、直後に真剣な表情になって口を開く。

 

「――さっきも言いましたが、私達は未来に進むために過去をゼロにしてみせます!!」

 

「だけど、だからってあなた達の事を消すつもりはありません!!」

 

「あなた達もまた過去の犠牲者で、そして「魚人島」の民なのだから」

 

「そんなあなた達を見捨てたら、私達はいつまでも……」

 

「いつまでも未来に進められないのですから……!!」

 

「「「……!!!」」」

 

 堂々とそう言い放つオトヒメの姿勢にホーディ達は圧された。

 彼らは理解したからだ。目前の女が本気で自分達を救うつもりなんだと――

 

「「「……!!〜〜ッ!!」」」

 

 その強き意志にホーディ達の胸内がぐちゃぐちゃになった。

 自分の信念、〝恨みと怒り〟による復讐こそが正しいと信じていた筈がオトヒメの信念に圧されてつい――ついだが、()()()()()()()からだ。

 その厳然たる事実に打ちひしがれてもうこれ以上何も言えず俯いたホーディ達をオトヒメが静かに凝視する。

 

「……」

 

「――オトヒメ王妃」

 

「!」

 

 そんなオトヒメにジンベエが声をかける。視線を向けるとジンベエが真剣な表情で言う。

 

「こやつらを牢に入れますので」

 

「……ええ、分かったわ」

 

 知らされるその事をオトヒメは拒まず了承する。

 そう、ホーディ達は今回の混乱を引き起こした上に王妃を暗殺しようとした。そんな彼らを最終的にどうするにせよ、まずは刑を受けてもらわなければならない。

 静かに連行されていくホーディ達をオトヒメは眺める、その姿が見えなくなっても視線をそらさずに見続けた。

 

「……」

 

 それからもオトヒメは真剣な表情で静かに立ち続ける。

 

 だが、そんな彼女の元に

 

「「「母上様〜!!」」」

 

「!まぁ!」

 

 響くその声にオトヒメは暗い顔を明るくする。

 彼女にとっての愛しい子供達、フカボシとリュウボシとマンボシとしらほしが満面の笑みでオトヒメの元に飛びかかってきた。

 そんな子供達をオトヒメが優しく受け止めると四兄妹が興奮しながらオトヒメに向けて口を開く。

 

「お母様!私たちの歌、良かった?」

 

「「良かったんですよね!?母上様!」」

 

「母上様……!私達はうまくやれたんでしょうか……!?」

 

 四兄妹はさっきの事態への自身達の対応に関して胸を躍らせながら母に伺ってみた。

 その結果として今のような状況になった故に自信があるものの、微かに不安があった。そんな我が子達の姿にオトヒメは朗らかな微笑みを向ける。

 

「――ええ!よくやったわよ!あなた達は」

 

「「「!」」」

 

 オトヒメが笑みを浮かべながらそう言い放った。

 母からの賞賛を受けて四兄妹の顔が明るくなるのにオトヒメは笑みを深める。

 

「まさか、歌ってあげる事でご機嫌斜めなアマノム君を落ち着かせるなんてね!!」

 

「うん!歌えば、おこったアマノム君も笑うんだと思って」

 

「ええ!どんな時だろうが、やっぱり歌が一番ですから!!」

 

「そうそう〜!歌うと気分が良くなるから〜♪」

 

「アマノム君が落ち着いてくれて何よりです」

 

 四兄妹が取った対応に関してオトヒメが心から賞賛すると四兄妹が照れくさくも誇らしげにする。

 機嫌を損ねてしまったアマノムを落ち着かせるために、そして再び混乱としてしまった事態を収束させるためにもとっさに行動したが、その事を母に褒められるとやっぱり胸がいっぱいになる。

 歓喜する四兄妹にオトヒメは優しく微笑む。そうしてオトヒメ達は和気藹々と親子の団らんする。

 

 そんなところに

 

「――オトヒメ王妃」

 

「!」

 

 新たに声をかけられる。オトヒメが視線を向けるとそこにはスサノオとアマノムを抱っこする小紫が立っていた。

 その姿を目にしたオトヒメは微笑む。

 

「あら!スサノオさん、小紫さん!アマノム君は大丈夫だった?」

 

「ああ!あれだけ機嫌が悪かった筈がすっかり直しやがったんだ」

 

「ええ、その子達が助けていたたいたおかげです」

 

「だー!」

 

 まず挨拶を送ったオトヒメは続いて気がかりなアマノムの具合を聞くとスサノオと小紫が朗らかにそう回答する。しかもアマノムが笑みを浮かべて手を掲げた。

 その内容、何よりその可愛らしい姿にオトヒメも笑みを深める。

 

「それは良かった!私達の問題のせいでアマノム君が機嫌悪くなってしまって本当に申し訳なかったんだから……」

 

 そこまで言ったオトヒメがふと苦悶の表情を浮かべる。

 そうなのだ。四兄妹が止めてくれたから良かったものの、自身達が解決できていなかった問題が赤ん坊にも悪しき影響が及ぼしかけていたのだ。

 その事実にオトヒメは苦渋の思いを抱かずにはいられなかった。そんなオトヒメの姿に小紫はすぐ真剣な表情になる。

 

「……いいえ。確かにこの子の機嫌を損ねたのはあなた達かもしれない」

 

「しかし、その機嫌を直してくれたのもまたあなた達ですよ」

 

「それに私達の方だってあなた方をとんでもない目に遭わせかけたんです。だから気にする事はありませんよ」

 

「ああ!!小紫の言う通りだ!!そこまで思い詰める事はねェ!!」

 

「!……スサノオさん、小紫さん……!!」

 

 小紫がそう指摘し、気にしないように促した。続いてスサノオも同じようにそう言い張る。

 ご配慮してくれたようなその姿勢にオトヒメは感謝を覚え、頭を深く下げる。

 その時に小紫が呟く。

 

「それに、今回の件は私にとっても勉強になれたのですから……」

 

 重々しくそう言い張る小紫の顔は真剣ながら物思いにふけていた。

 

 

 「魚人島」で生じた事態を目の当たりにした小紫――私は考えさせられる事になっていた。何せ――

 

「……(〝恨みと怒り〟が未来を阻む……か……)」

 

 私にとって「魚人島」を襲いかかった問題は他人事ではなかったからだ。

 それもその筈。私の故郷、「ワノ国」も〝恨みと怒り〟によって惨劇に見舞われる最中なのだから。

 その始まりは先祖が犯した罪により血が繋がるといえ無関係な筈の子孫を「ワノ国」の民が生き過ぎた正義で迫害した事に起こる。

 もはや正当性が損なわれる程に度を過ぎた迫害により恨みと怒りが生まれ、それが惨禍を招いてしまった。そしてそこからさらに広げられた波紋に私も巻き込まれて怒りを抱くまでに至った。

 「ワノ国」で生じた〝恨みと怒り〟による暗い巡り合わせに関して私は「魚人島」での件を目にした影響で改めて思案してみる事になった。

 

「……」

 

 ――「ワノ国」を滅ぼす野望を、そして民への怒りを捨てるつもりはない。

 

 自身が持つ怒りに対してそう考えた私だが……

 

 ――だが、いつまでも「ワノ国」に怒りを抱き続けるのだろうか?

 

 一方でその怒りを持ち続ける事そのものに対して私は初めて懸念を感じた。

 

 ――私は「光月家」の姫でもない女として生きるつもりだったが……

 

 そう考えていた私は「ワノ国」に対する自身の姿勢を改めて分析してみた。

 そして見えてきたのは……いつまでも「ワノ国」にこだわりすぎる滑稽な女の姿だった。

 

 ――これでは滅ぼすどころか、「ワノ国」そのものに縛られているのではないか?

 

 そう考えてしまった私は不快感を抱いた。

 続いて私はアマノムに視線を向ける。我が子は様子がおかしい母の事が気になったのか私の事をじっと見つめていた。

 

「だ…」

 

「……ふふっ、大丈夫よ。アマノム」

 

 そんなアマノムを安心させるために私は優しい微笑みをみせる。そして思う。この子を私の、「ワノ国」を巡る怒りに関わらせてはいけないと。

 

 ――この怒りは私だけのものだ。

 

 ――それをこの子に継がせる訳にはいかない……!!

 

 ――この子は「ワノ国」なんかに縛られずに生きるべきなんだ……!!

 

 我が子のまだ幼い顔を眺める私はその考えを抱いた。

 そんな私の意図を察したのかスサノオさんとそばで控えてくれている河松が気遣わしげにする。

 

「小紫」

 

「小紫様……」

 

 やはり、2人とも今回の件を受けて同じように「ワノ国」の事を考えついたようだ。だからこそ2人は「ワノ国」に対して怒りを抱く私の事を気にかけてくれた。

 そんな2人に私は朗らかな笑みを向ける。

 

「ふふっ、大丈夫よ。言ったでしょ。この私は揺るぎないと」

 

「「!」」

 

 堂々とそう言い放つ私の姿に河松が目を見開き、スサノオさんは片眉を上げる。

 

「……そうか。だが、さすかに今回の件にはお前も思うところがある筈だ」

 

 そう言い放ったスサノオさんが私の事をじっと見つめる。

 彼は私の状態を把握したいが故にあえてそう言ってみせたのだ。そんなスサノオさんの視線を受けて私は笑みを深める。

 

「ふふっ、確かにこの私も今回の件に思うところはあるわ」

 

 私はその事を率直に口にすると静かに天を仰ぐ。

 

「……私は」

 

「この怒りを捨てるつもりはないわ」

 

「「「!!」」」

 

 私が堂々と言い放つその事にその場にいる人々が仰天する。だが、それに構わずに私は続ける。

 

「でも、いつまでも怒りに囚われるままではいられない」

 

「そろそろ未来に目を向けなきゃね」

 

「そのためには――」

 

 そこで私は言葉を止める。そして改めて心に決めた事を吐き出すように私は言う。

 

「「ワノ国」が邪魔だ……!!」

 

「あの国を――過去をゼロにしましょう……!!」

 

――魚人と人魚の恨みと怒りの暴走は〝狂獣〟にも影響を及ぼした

 

――それによって〝狂獣〟は新たなあり方を見出す事になる

 

 

魚人と人魚の暗い歴史によって暴走してしまった恨みと怒り

だが、その暴走は人間の海賊団――「暴獣海賊団」と「魚人島」の新たな意思によって無事に阻止された

そして、引き起こされたその事件が「魚人島」の今後を定める事に繋がる

 

事件の張本人ホーディ・ジョーンズとその他4名及びバンダー・デッケン九世は投獄される

 

「魚人島」の闇の象徴である「魚人街」は閉鎖になり、そこに住んでいた者達は「魚人島」に軍の管理下で仕事を与えられる形で住む事になる

 

 そして――

 

「――では」

 

「ああ」

 

 スサノオ達とオトヒメ達が城で今後に関して改めて会談を行っていた。

 一度決まった予定だが、突然生じてしまった事態を受けて組み直すハメになったからだ。そうして始めた会談でオトヒメが言う。

 

「私達は「魚人島」の組み直しに注力を注ぐので例の街の視察はしばらく延期ですね」

 

「ああ、そういう事でいいと思う」

 

 オトヒメが口にしたその事にスサノオ――オレは賛同する。

 まァ、今の「魚人島」の状況を考えれば当然の話だろうな。

 オレがそう考えるのをよそに会談が続けられ、やがて予定が改めて決まった。

 話が滞りなく終了できた事を受けて肩の荷が降りたオトヒメはある方向に視線を向け、そして微笑みを浮かべた。

 

「……うふふっ!やっぱりいいわね!あの光景は」

 

「そうですね」

 

 オトヒメが微笑みながらそう言うとオレのそばで控えている小紫も微笑んで同意を示す。

 オレ達が視線を向けている先にはフカボシとリュウボシとマンボシとしらほし、アマノムが和気藹々としていた。

 

ミファソラシド〜♪

 

アッカマンボ♪フ〜リッ♪フ〜リ♪

 

「ぎゃはは」

 

「楽しいね!アマノム君」

 

「ふふっ」

 

 リュウボシとマンボシが歌っておどけるのをアマノムが見てパチパチと手を叩きながら朗らかに笑う。そのそばで寄り添うしらほしもその姿に笑みを浮かべていて、フカボシも微笑みながら眺めていた。

 種族が違うのに関係なく子供達が和やかに笑い合うという未来を感じさせられる光景にオレ達もつい微笑まずにはいられなかった。

 

「――でも、アマノムには驚かされましたね」

 

 その時に小紫が言い出す。彼女は含みのある表情でアマノムの事を凝視する。

 

「あなたと私の子供なのだから、当然といえばそうなんですが……!」

 

 小紫がたまげながらも誇らしげにする。そんな彼女につれてオレも笑みを深める。

 

「ああ、まさかアマノムがあれ程の素質を秘めていたとはな……!!」

 

 そう言うオレの頭にはさっきの出来事が浮かんだ。

 そう、赤ん坊である筈のアマノムが強き〝圧〟を放ったという前代未聞の出来事が……

 その事から感じ取れた我が子の秘める素質にオレは笑みを抑えられなかった。

 

「アマノム……お前が将来どのような事を成し遂げるのか、今でも楽しみになってきたぞ……!!」

 

 大きな可能性を覗かせた我が子の未来にオレは思いを馳せる……

 

「魚人島」を襲った混乱――

だが、それが様々なものを生み出した。それも新たな未来を感じさせられる程のものを

そのようなものがどんな未来を作るのか……それは先の話になる




☆過去を乗り越えて未来へ進み始める「魚人島」
 そして、そんな中で明らかになったアマノムの力の片鱗…!!
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