ONE PIECE 荒ぶる暴獣の猛威   作:ウェイブロック

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☆緊迫した状況下で始まった会談だが…!?


第184話〝妖精伝説〟

 「四皇」〝百獣のカイドウ〟率いる「百獣海賊団」と「王下七武海」ドフラミンゴの間に結ばれた契約を更改するためにドフラミンゴが支配する国「ドレスローザ」を訪れた〝暴獣のスサノオ〟率いる「暴獣海賊団」。

 上陸したスサノオ達の目に映る「ドレスローザ」の光景は人々と命を持つおもちゃ達が一緒に笑い合って暮らすという予想を色々な意味で裏切った奇抜にして平和なものだった。

 だが、そんな情景の内に潜む闇を感じ取れたスサノオ達はその不快な気配に嫌悪感を抱いた。

 それでも引き受けた仕事を果たさんとするスサノオ達は「七武海」の中でも曲者であるドフラミンゴと対面し、そこから一悶着あった事で緊張感が漂うようになった中で会談が始まったが……

 

「――こんなものか」

 

 一触即発の状況で始まった筈の会談は意外に滞りなく終わった。その事にオレもさすがに驚いて声を漏らした。

 さっき少し挑発的な態度を取った事もあってちょっとする揉め事が起こるんだろうなと予測したからこそ今の状況にはズッコケた気分だ。

 といえ、これで「百獣海賊団」の闇取引が円滑に進むようになり更なる利益を得られるんだろう。その事もあって話がまとまったのにオレは一息入れた。

 そんなオレに対してドフラミンゴが笑みを浮かべながら話しかける。

 

「フッフッフ!!オレとの契約に好条件を付けてくれて心から感謝するぜ……!!」

 

「ん……ああ。お前の手腕には随分と助かってもらったからな」

 

 ドフラミンゴが不遜ながらも感謝を伝えたのを受けてオレは事もなげにそう言う。

 そう。目前のピンク鳥男は気に入らないが、彼の仲介によって闇取引が最適化できたのは確かなのだから。このオレも感謝を覚えるその事実もあって契約に好条件を付けられる事になったのだ。

 そこでオレはふと思った事をも口にする。

 

「しかし、「ワノ国」で作られた武器などの物がたくさん売って何よりだ」

 

「フッフッフ!!ああ、「ワノ国」の技術力はオレが見てきた中でも群を抜いたものだったからな!!オレの方でも助かっている!!」

 

 オレがその事に少し驚きながら喜ばしく思うとドフラミンゴもその事に関して率直に賞賛を口にする。

 そう、まず「ワノ国」で作られた物品は「百獣海賊団」の数々のナワバリと外交を結んだ「リュウグウ王国」で売られている。

 だが、「ワノ国」は世間的には謎多き鎖国国家になっている。それに加えて「ワノ国」が「百獣海賊団」の本拠地だという事を知らされるのを避けている。

 そういう事情からワノ国産の物品が世界に行き渡れなかったのだ。

 だが、今は闇のブローカー〝ジョーカー〟ドフラミンゴがいる。闇の世界にパイプを持つ彼を通じる事によってワノ国産の物品が世界で広く流通するようになったのだ。そのおかげで多大な利益を得られた。

 ドフラミンゴの方でもワノ国産の物品を取り扱う事による恩恵を受けている。その事実と物品の見映えが見事な事もあってドフラミンゴも心からの賞賛をしたのだ。

 そんなドフラミンゴの言葉にある者が反応する。

 

「……まァ、それだけがあの国の誇れるものなんですからね」

 

 小紫が淡々とそう言う。だが、その表情は複雑なものになっていた。何せ、彼女は「ワノ国」そのものに対して強き嫌悪感を抱いているからだ。

 といえ、その文化にはさすがに愛着を持っていて誇らしく感じてもいる。だからこそ複雑だった。

 自分のままならない感情に対して悶々とする小紫の姿にオレは苦笑を浮かべた。

 

「リュドドド……小紫、お前が複雑な気持ちになるのは分かるが」

 

「せっかくこの際なんだ。物事の良い面に目を向けようぜ」

 

 オレがそう促すと小紫は目を少し見開き、そして微笑む。

 

「……ふふっ、それはそうですね……こんな私のつまらない意地でお手数かけてしまいましたね。申し訳ありません」

 

 オレの言葉によってなんとか気を取り直した小紫。そしてさっきの自分の態度に関して小紫は詫びを入れるが、そんな彼女に対してオレは朗らかに笑う。

 

「リュドドド、気にすんな!オレはお前があんな顔をするのが嫌だったからな!」

 

「!スサノオさん……///」

 

 堂々とそう言い放つオレの姿勢を受けて小紫は思わず頬を染め、すぐ顔をそらした。

 その可愛らしい姿に笑みを深めたオレだが、ふとしてドフラミンゴの方に視線を向ける。彼の顔は何ともいえないものになっていた。

 突然展開された光景にさすがのドフラミンゴもどんな反応をみせるべきか分からなかったからだ。そんな姿を見てオレもさすがに申し訳なく思った。

 

「ああ、悪い悪い。話をそらしてしまったか?」

 

「……いや、問題はねェよ。ふ、フッフッフ……」

 

 オレが素直に謝罪するとドフラミンゴはさらに訳分からなくなり、辛うじてそう言うしかなかった。

 ドフラミンゴは「四皇」の息子を前にしても侮られないように毅然とした態度を取っているつもりだった。だが、それでもスサノオ達の予測の斜め上をいった振る舞いには翻弄されていた。

 今身を置かれた状況にドフラミンゴは混乱しながらも屈辱を感じ、それでその事態を打ち破るために気を引き締め直してみせる。

 

「――まァ!!それはともかくとして、これで契約はよりさらに良い条件で結ばれた!!」

 

 ドフラミンゴは腕を広げてその事実に対して歓迎の意を表す。そして言う。

 

「今後ともよろしく頼む……!!フッフッフ!!」

 

「ああ、こっちこそな」

 

 ドフラミンゴがそう言い、不敵な笑みを浮かべるのに対してオレはそう返す。

 互いにとってもこの契約で得られる利益は大きい。それ故にその契約が継続する方が望ましいのはそうだろう。

 ……だが、何が起こるか分からないのがこの世の道理だ。それに加えてドフラミンゴはやはりうさんくさい。だからこそ、この契約には注意を払う必要がある。

 目前の男と彼との契約に対してオレはその結論を下した。それを知ってか知らずかドフラミンゴは笑みを深める。

 

「これからどうするつもりだ?ここを見て回るつもりならば、案内するが……!!」

 

 ドフラミンゴはその問いを投げかけて協力的な姿勢を示す。だが、そんなドフラミンゴに向けてオレはきっぱりと言う。

 

「いや、ご協力しようとする気持ちには感謝するが……お前らはこの国では人気なんだろ?」

 

「そんなお前らに案内してもらうとかえって目立つよな?それじゃ思いのままに遊覧できねェんじゃねェか」

 

 ドフラミンゴが出した提案に対してオレはそう指摘する。

 そう、ドフラミンゴ率いる「ドフラミンゴファミリー」は狂乱した王から「ドレスローザ」を救った英雄である故に民から絶大の人気がある。

 そんな者達に案内してもらいながら国を歩き回ると下手に注目を浴びるハメになってしまう。それでは物事を思うままに進められなくなる。そうなるぐらいならばオレ達だけで行く方が余程早い。

 オレが言い張るその考えにドフラミンゴは納得するような反応をみせる。

 

「フッフッフ、それもそうか」

 

 ドフラミンゴが相槌を打つところでオレは続ける。

 

「――まァ、せっかくの機会だ。オレ達はここを見て回って文化を堪能するつもりだ」

 

 オレはその考えを口にする。

 そう、確かにドフラミンゴが支配する「ドレスローザ」のあり様にはオレ達は嫌悪感を抱いている。

 といえ、これからドフラミンゴとは関係を続けていくんだろう。それならば関係性を改めて考慮するべきだろう。

 ……それに「ドレスローザ」の文化には興味がある。

 

「ここに来る途中で「ドレスローザ」の観光名所を全て教えてもらった。それぞれに行って見てみるつもりだ。構わねェよな?ドフラミンゴ」

 

 今後の予定に関してオレはそう言い、そしてドフラミンゴの反応を伺ってみる。オレが口にした事を受けてドフラミンゴはしかし態度が変わらず平然としていた。

 

「フッフッフ!問題はねェな……!」

 

「そもそも、あんたらがこの国の事を気に入ってもらわないと今後に支障が出るかもしれねェ」

 

「それならば、ここの色々なものを見てもらって再考してもらわなきゃ困るからな……!」

 

 むしろオレ達の遊覧には一見だが積極的だった。

 おそらくだが、「四皇」〝百獣のカイドウ〟とのつながりをさらに強めるために総力を挙げて応対するつもりだろう。

 ……まさかオレ達が「ドレスローザ」に対して悪い評価を下したのが気になった訳ではなかろう。

 とにかく、そんなドフラミンゴの姿勢にオレは目を細めるが

 

「……まァ最終的にどんな評価を下す事になろうが、その言葉に甘えてもらうぜ」

 

 いずれにせよ許可を頂いたオレは皆の方を向いて話しかける。

 

「さて、お前らはどこに行ってみたいか?」

 

 オレがその問いを口にする途端に皆が一気に要望を言い出す。

 

「「「もちろん!!戦いの場、「コリーダコロシアム」に行きてェ!!」」」

 

「では、私達は花畑に」

 

「オレはこの料理が気になるなァ……!」

 

「――」

 

「――」

 

 皆が口にしたそれぞれの要望、姿勢をオレはしばらく受ける。やがてほぼの要望を聞き終えたところでオレは判断を下す。

 

「よし!!お前らの希望は分かった!!」

 

「やはり、オレ達はいくつかのグループに分けてそれぞれを見ていこうぜ!!」

 

 オレは皆にそう提案する。そうしようと考えたのは皆で全ての名所を巡ろうとしたら目立つだろうし、少々手間かかっちまうからだ。

 オレが口にしたその提案に皆は賛同し、そうしてグループ分けの協議が行われる。

 皆か話し合う中でオレは要望を口にしなかった者達――フドウとジャック、河松とイヌアラシとネコマムシとブラックマリア、そしてヤマトと小紫に視線を向ける。

 

「お前らは?」

 

 そんな者達にオレはその問いを投げかけるものの、その意図をなんとなく察した。実際にその事を証明するかのように

 

「「いえ、オレはスサノオさんについていくつもりなんで」」

 

 フドウとジャックが揃って全く同じ事を言った。その途端に2人は互いに睨みつけ合った。

 2人はオレの右腕を競う犬猿の仲だからのもあるが、今回の場合は言葉を被せられたんだ。強き不快感を抱いたのも道理だろう。

 いつも通りの2人のケンカ腰な姿勢にオレは苦笑を禁じ得なかった。するとそこに河松が声をかけてくる。

 

「スサノオ様。もう既に察してるかもしれませんが、拙者達はフドウ殿とジャック殿と同じく小紫様についていく心づもりでございます」

 

「「さよう」」

 

「私もね♪」

 

 河松がそう言い張り、イヌアラシとネコマムシも賛同を示した。しまいにはマリアも同じくそのつもりだと微笑んでウインクする。

 そんな彼らの予測通りの姿勢にオレも苦笑しながらも頷く。続いて小紫とヤマトを見る。

 オレの視線を受けて小紫が微笑む。

 

「――私は」

 

「「グリーンビット」に行ってみたいと思います」

 

「「「!!」」」

 

 小紫が口にしたその提案にその場にいる人々は目を見開く。

 何せ、「グリーンビット」といえばドレスローザ本島から離れた位置にある孤島の事を指す。自然に恵まれてはいるが、ただそれだけの小島でもあるらしい。

 何よりその周辺海域には「闘魚」という牛のような鋭い角と牙を持つ凶暴な魚が生息しているのもあってうかつに近付けないのだ。

 かつては本島とは鉄橋で繋がっていたが200年前に周辺に闘魚が棲みついて以降、人の往来は途絶えている。

 そんな島に行こうと言い出す小紫に「ドフラミンゴファミリー」の者達が驚愕するのも無理はないだろう。

 だが、そんな者達の反応に気付いてか小紫は続ける。

 

「あの辺りを泳ぐ「闘魚」とやらに興味ありますからね。それに……」

 

 そう言う小紫が微笑む。しかし、その笑みにはどこか子供のようにウキウキするような気がした。

 

「勘ですが、もしかしたらその島には〝妖精〟が関わるかもしれません……!!」

 

「「「!!」」」

 

 小紫が口にするその考えに人々は目を大きく見開いた。

 

妖精――

 

「ドレスローザ」には〝妖精伝説〟が息づいている

まずこの国では物がなくなるという事態がよく生じるが、民にはそれが〝妖精の仕業〟であると考えられている

また〝妖精〟は「ドレスローザ」の守り神だとして考えられ、それ故に物がなくなったら妖精が持って行ったと目をつぶらなきゃいけないという

だから民は物がなくなった時に〝妖精の仕業〟として笑って諦めるようにしているのだ

その真偽は謎だが、何百年も前から続いているという

 

 その〝妖精伝説〟に関して小紫はその由来こそが「グリーンビット」にあるのではないかと睨んだ。

 

「違うかどうか分かりませんが……もしもそうだとしたら、ぜひとも拝みたいんです」

 

 そう言う小紫の笑顔は女の子っぽくて可愛らしかった。

 実は小紫は〝妖精〟に興味をそそられているのだ。だからこそ、叶える事ならば本物を目に焼き付けたいと考えていた。

 そんな小紫に感化されたのか

 

「いいじゃないか!!〝妖精〟!!できるものならば見てみたい!!」

 

 ヤマトも本物の妖精を拝められるかもしれないという事を受けて鼻歌を荒くして興奮する。

 そしてそんなヤマトに同乗するかのように

 

「だ!」

 

 小紫が抱っこするアマノムも実に満面の笑みで手を掲げた。

 愛する3人が揃って見せる可愛らしい姿勢にオレも熱いものが込み上げてきた。

 

「(可愛ェ〜〜〜!!)」

 

 そう思わずにはいられなかったオレだが、その激情を顔に出させずに毅然とした態度を取る。何せ、今いるのはよその場所だ。それもドフラミンゴがいるのだから。

 辛うじて冷静になったオレは笑みを浮かべる。

 

「リュドドド!!確かにあそこは面白そうだ!!行ってみるか!!」

 

 オレは小紫の提案に乗る事にした。実はオレも〝妖精伝説〟に興味がある。仮にそれを抜いても「闘魚」に興味がある。故に行ってみる価値はある。

 そう考えたオレの回答に小紫達も顔を明るくする。

 

「やっぱりお兄さんも興味を持つんだね!!」

 

「ふふっ、楽しい旅になりそうですね……真相がどうであれ、アマノムにとって良い思い出になるんでしょう」

 

 オレも「グリーンビット」への遊覧に加わる事で楽しみが高まった小紫とヤマト。

 そうしてオレ達は和気藹々と話を進めた。すると状況を見守ったドフラミンゴが口を開く。

 

「話はまとめられたかな?」

 

 ドフラミンゴが言い出すのを受けてオレ達は視線を向ける。それに対してドフラミンゴは続ける。

 

「あんたらにオレ達の案内がいらねェのは分かったが、せめてそれぞれにいる部下達におもとなしさせるように言っておこう」

 

 ドフラミンゴがその事を伝えるとオレに視線を向ける。

 

「あんたは〝妖精伝説〟の真偽を確かめるために「グリーンビット」に行くつもりのようだが、大した結果にならないと思うが?」

 

 不敵な笑みを浮かべるドフラミンゴがそう言い張る。

 実はドフラミンゴも〝妖精伝説〟が少しだが気になった。だからこそそれなりに調べてみた事がある。そして十分な結果を得られる事はなかった。

 その事を明かすドフラミンゴにオレは片眉を上げる。何せ、その内容と態度からドフラミンゴはオレ達が「グリーンビット」に向かおうとするのに抵抗感があるのを感じ取れたからだ。

 故にそんなドフラミンゴに対してオレは堂々と言い放つ。

 

「構わねェよ。さっき言ったが、〝妖精伝説〟の件を抜いても「闘魚」に興味あるからな」

 

「!!」

 

 その内容、そしてオレの態度にドフラミンゴは真顔になる。だが、すぐいつもの笑みを浮かべる。

 

「……なるほど、分かった」

 

「まァ、確かにあんたらにとっては退屈しない散歩になるんだろうな。フッフッフ!!」

 

 

「ドレスローザ」北――

 

 そこはドレスローザ本島と「グリーンビット」を繋ぐ橋の入口が定められている地だ。その入口の前にオレ達は立っていた。

 

「……へェ、これは」

 

「確かに楽しそうな気配がしますね」

 

 その橋を目にしたオレ達は反応を示した。オレ達のうちの数人は気を引き締めるが、その他は楽しそうにしていた。

 すると

 

「――あんたら、観光客かい?」

 

「「「!」」」

 

 突然オレ達に声をかけられる。視線を向けたらこの近くに店があって、その店主らしき男がオレ達に向けて純粋な疑問の表情を浮かべていた。

 そんな彼が投げかけた問いをオレ達が肯定すると男が人の良い笑みを見せる。

 

「そうかい!「ドレスローザ」にようこそ。歓迎するよ」

 

 男はオレ達に歓迎の挨拶をする。だが、その直後に真剣な顔になる。

 

「……まさかと思うが、そこに入るつもりかい?」

 

 オレ達が橋の入口の前にいるという状況からそう考えた男が重々しく確認を投げかける。それに対してオレはニッとする。

 

「ああ!そのまさかだ」

 

 オレが堂々と言い放った。その回答をそばの小紫達も否定しない。そんなオレ達の姿勢に男は片眉を上げる。

 

「知っているか?そこは――」

 

 男が指摘する橋は傷みきっていた。

 その周辺海域には「闘魚」が生息する事もあってドレスローザ本島と「グリーンビット」の間を人々が無事に行き来するために確かに橋を鉄で強化した。

 だが、それでも「闘魚」の凶暴な力に対して十分な効果を発揮できなかったために使われなくなり、そのまま200年も放置された。

 そんな橋をオレ達が渡ろうとするんだ。「ドレスローザ」の者が驚いて心配するのも無理もないだろう。

 だが、そんな事などオレ達には関係なかった。

 

「リュドドド!オレ達に問題はねェからな!!」

 

「そうかい……ま、確かにあんたらは強そうだ。大丈夫かもな」

 

 オレが堂々とそう言い放つのを受けて彼はそのあまりにも毅然とする態度、そして強さを微かながら感じられる事もあって納得する。

 ちなみにオレ達はまだ変装を解いていないが、それでもその強さを完全に隠れきれなかったようだ。

 その強さを感じ取れた男は目前の者達なら「闘魚」の猛威に見舞われた橋を渡りきるのではと考えを改めた。

 

「とにかく、あんたらが「グリーンビット」に無事に着くのを祈るよ」

 

 男から親切にも激励を受けてオレ達は笑みを浮かべる。

 

「おう!ありがとな!」

 

「ふふっ、さぁ行きましょうか」

 

「だ!」

 

 そうして男からの見送りを受けながらオレ達はその橋に足を踏み入れた。「グリーンビット」に向かうために。




☆〝妖精伝説〟の真偽を確かめるために橋を渡りきれ!!
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