ONE PIECE 荒ぶる暴獣の猛威   作:ウェイブロック

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第16話〝暴獣海賊団〟

「ヤマト!フドウ!ジャック!ハッテン!皆!オレは決めたぞ!」

 

 鬼ヶ島の一室にオレ、ヤマト、フドウ、ジャック、ハッテン達を含む子供達が集まっていた。

 ――そして突然大声を上げて立ち上がったオレにヤマト達は目を見開く。

 

「お、お兄さん?決めたって何を?」

 

「うん、オレは――ガキ集団が海賊団として活動しようと考えているんだ!!」

 

「「「!!?」」」

 

「……スサノオさん、オレ達がいずれ百獣海賊団の海賊として活動するのでは……?」

 

 オレの考えにヤマト達は驚愕し、フドウは疑問を投げる。

 まぁフドウのその疑問はもっともだ。だが、オレは――

 

「別に百獣海賊団に入りたくない訳ではない」

 

「しかし百獣海賊団に正式に入るまでは独立の海賊団として海を渡りたいんだ!!」

 

「お前らはどうかな?」

 

 オレの考えを説明し、皆に反応を伺うと――

 

「うん……そうだね!たまにはお父さん達とは関係なく冒険をしてみたいな!おでんのように!!」

 

「……確かに父上の子としてではなくオレ自身として力を確かめるのも悪くないな……」

 

「それがスサノオさんの考えなら異議はねぇっす」

 

「ふふっ……腕が疼いてしまいますね〜」

 

「――」

 

「――」

 

 どうやら皆も乗り気そうで今すぐ航海を開始しそうな雰囲気だった。

 だが今すぐ航海する訳にはいかねぇんだよな……

 

「まぁ待て。今すぐ航海する訳じゃねぇんだ。数年間はワノ国内か百獣海賊団の航海内で活動する事になるんだろうが……」

 

「「「えぇ〜〜!!?」」」

 

「……はぁ~確かにお父さんがまだ小さい僕達だけで航海するのを認めてくれる訳がないか」

 

「まぁ、オレ達だけですんなり航海できる程、海は甘くはないからな」

 

「お?臆病風に吹かれたか?これだからカラスは……」

 

「……あ?そういうてめぇはオレに勝てるっていうのか?豚2号が……」

 

「「あぁ?」」

 

「おいおい!ケンカはやめろ!全くお前らは……」

 

 オレからの数年間は航海は難しいだろうという言葉に皆は渋々自身を落ち着かせてくれた。

 そんな中、フドウとジャックがまたケンカを始めてしまった。

 全くキングさんとクイーンさんみたいだな、お前らは……

 

「とりあえず、ジャック。フドウの言う通りに海は厳しいからな、時期を待つんだ。臆病風に吹かれた訳ではないんだ」

 

「フン……」

 

「はい、分かりました……チッ」

 

「リュドドド……オレは親父にこの事を言ってくる……戻ってくるまではどんな活動をしたいのか話し合ってくれ」

 

 鼻を鳴らすフドウと舌打ちするジャックに苦笑したオレは親父に言ってくると言い、皆にも何をしたいのか話し合ってくれと言っておく。

 

「「「はい」」」

 

          ●

 

「ウォロロロ……!いいぜ!結成しても構わねぇぞ!」

 

 オレからの海賊団結成の提案を親父はすんなり認めてくれて、オレはズッコケかけた。

 

「いいのか?すんなり認めるんだな」

 

「ウォロロロ!お前自身が言ったじゃねぇか!〝オレが宣言する期間は航海しない〟、〝百獣海賊団の傘下筆頭として活動する〟ってな!だからこそ認めたんだ!」

 

「それもそうだが……まぁいい。それでオレ達は何年間待てばいいんだ?」

 

「そうだな、お前は10歳だろ?なら……17歳になるまでの7年間は待て」

 

「7年間か……充分な期間かな」

 

「ウォロロロ……そういや、名前は決まってんのか?」

 

 期間を宣言した親父は続いてオレ達海賊団の名を尋ねてくる。

 名前か……もう決まってるんだ。

 

「オレ達、ガキ集団……改め――」

 

「〝暴獣海賊団〟だ!!」

 

          ●

 

 その後にオレの考えた暴獣海賊団のシンボルのデザインを描いてもらった。

 そして完成した海賊旗をオレ達そして親父が見させてもらった。

 

「これが!僕達の旗!!」

 

「ほぅ……悪くないな」

 

「あぁ……」

 

「ウォロロロ……ほぅ、これが……」

 

「おう!!これこそが――オレ達、暴獣海賊団の旗だ!!!」

 

 その旗に描かれたのは1本の角と2本の骨そして睨むようなアイホールの髑髏マークだった。百獣海賊団のシンボルを参考にしたものだ。我ながらチャレンジャーとしての面もみられて良いデザインになっていると思う。

 リュドドド!旗ができるとオレ達が海賊団として動き始めようとするのを少し感じされるな!!

 

          ●

 

――そして

 

「スサノオ。暴獣海賊団にある仕事を与えようと思っているが……どうだ?」

 

 暴獣海賊団結成から少し経ったある日、親父からオレにそう提案してきた。

 

「おぉ!オレ達は仕事を任せてもらうのを今か今かと待ちわびたから――歓迎だぜ!」

 

「ウォロロロ!やる気満々だな!それで――暴獣海賊団の栄えある初仕事!その内容は――」

 

「――村1つ治めるという事だ!」

 

 親父からの依頼、その内容にオレは目を大きく見開く

 

「おぉ……村1つ治めるか……」

 

 予想外の大仕事にオレはしばらく思案に耽り――思い浮かぶ懸念を親父に話した。

 

「……今のオレ達は統治については未熟だし……何ならガキだぜ?舐められんじゃね?」

 

「――まぁ、ウチの大人数人も同行させるが……失敗しても構わねぇから一応やってみろ!いい経験になるだろうし……」

 

「やり方は――例え力づくで従わせるとかでもいい!とにかくお前の好きにやれ!」

 

 親父のその言葉により少し不安を感じていたオレもせっかく舞い込んできた暴獣海賊団としての初仕事に気合を入れ替えようとする。

 

「……よし!せっかくの初仕事!何とかやるぜ!!」

 

「フッ……」

 

 そんなオレの姿に親父も微笑む――

 

          ●

 

「僕達が村の管理を任されるの⁉」

 

「本当なのか、スサノオさん?」

 

「おう!親父が任せようとだって!」

 

「カイドウさんが……」

 

「おぉ~」

 

 オレは暴獣海賊団の幹部的位置にいるヤマトとフドウとジャックとハッテンに先程の話をしておいた。ヤマト達はもちろん驚いた。

 

「お前ら、オレ達――暴獣海賊団の初仕事だ!気合を入れるぞ!」

 

「「「おぉ!!」」」

 

 オレの激励に皆が応えて声を上げた。そんな中、ヤマトが疑問を投げつけてきた。

 

「――でも、村の管理って……どうやってやるの?」

 

「ん?あぁ……」

 

 ヤマトのその最もな疑問にオレは――

 

「統治に関しての知識を教えてもらうんだよ。その知識を元に村を治めるんだ」

 

「つまり!他の村の管理者達に教えてもらうんだね!」

 

「……あぁ、いやぁ〜」

 

「?」

 

「そいつらに教えてもらおうとは思わねぇな……」

 

「「「?」」」

 

 ……他の村での統治は――村人の都合と事情を思案さえもせずに無理難題を強いているひどいものだとの事だ。

 正直――そんなやり方はオレには合わねぇな。何せオレは仲間の都合と事情から予定を決めて楽しくいきたいと考えている……いくらワノ国の人間といえ、オレの下に置かれる以上、つまらねぇ真似はしたくねぇんだ……敵対の意思がない限りはだが――その辺りは大丈夫かもしれんな。

 そう思案に耽るオレにフドウが声掛ける。

 

「……スサノオさん。だとしたら一体誰に教えてもらおうと?」

 

「おう!それは考えてある!」

 

 フドウの問いかけにオレは朗らかにそう返した。

 村の統治にはまず経済関連と労働関連だ!それさえしっかりすれば統治を軌道に乗せられるとオレはそう考える!

 そして……そういう分野には強い人物をオレは知っている!

 

「今からアイツに会いに行くぞ!」

 

「「「え、は、はい」」」

 

 オレが勢いよくそう言いながら足を運ぶ。呆気に取られているヤマト達もオレについていく――

 

          ●

 

数日後――

ある村

 

 その村の中心に村人達が集めされていた。ただ彼らの様子から元気が見えにくかった。無理もない。オロチと百獣海賊団からの圧政に苦しめられ続けてきて、もはや気力を失いかけたからだ。

 だが、村人の様子を気にしない海賊達が言い放つ。

 

「聞け!てめぇら!今からカイドウ様の息子スサノオ様率いる暴獣海賊団がいらっしゃってくる!妙な真似はすんなよ⁉」

 

「「「‼」」」

 

「か、カイドウ……様の……息子⁉」

 

「おい!お坊ちゃま達がいらっしゃったぞ!」

 

 あのワノ国を支配している悪名高い怪物の子供の来訪を突如知らされて身体を強張らせてしまう村人が一気に姿を現そうとする者に視線を移す。

 そして……現れた子供だらけの集団を目撃した。

 

「へ?……子供……?」

 

「あ、あれ?……ど、どうしたのかな……?」

 

 子供達の登場にざわつく村人達を前にオレが出て自己紹介する。

 

「初めてだな!オレがお前らの村の管理を担当するスサノオだ!!」

 

 オレの自己紹介に村人達はますますざわつく。

 

「え⁉あの子が⁉」

 

「じ、冗談……じゃないの?」

 

 自身に対しての村人達の反応にオレも理解できる為に苦笑する――その瞬間、後ろの殺気に気付く!

 

「「あの野郎共……」」

 

 フドウとジャックだ。

 おそらく村人達のオレを舐めてるようにも見られる態度に腹が立ってしまったのだろう。2人はオレに少しながら強い忠誠心を持っているからな……

 

「「やってや――」」

 

「待て!フドウ!ジャック!」

 

 フドウとジャックが村人達に襲いかかろうとするのを察したオレは2人を制止した。なお村人達は2人の殺気に恐怖で腰を抜かしていた。

 

「スサノオさん……だが!」

 

「こいつらはスサノオさんを舐めやがった……!」

 

「そりゃ、オレのようなガキが村を治めるって言ったら混乱するに決まってんでしょーが!頭を冷やせ!」

 

「「……分かった」」

 

 オレに諌められた2人は渋々ながら大人しくする。それを確認したオレは村人達の元に歩み、頭を下げる。

 

「悪かった!怖がらせてしまったな!――ガキがここを治めると言われたら、そりゃ混乱するよな〜」

 

 頭を下げて謝罪したオレに村人達は心から驚愕する。一応子供といえ、あのカイドウの子供が謝罪してくるなんて信じがたい事態が起こり得たから――

 その状況に村人達もつい反射的に頭を下げた。

 

「え、え……えーっと……そ、そりゃすいませんでした……」

 

「リュドドド!なーにを謝ってくるんだ?こっちが悪いのにな!」

 

「え、はい……し、しかし」

 

 村人達の態度に苦笑するオレは事態を切り替えていく。

 

「さて!お前ら、まずは座ろう!長い話になるからな!」

 

 オレにそう言われた村人達が地に座り込む。それにつれてオレはもちろん暴獣海賊団も、そして戸惑っている海賊達も座り込む。

 

「それで――お前らの村の現状を詳しく教えてくれよ。それからどこをどうして欲しいかを言ってくれ」

 

「!わ、分かりました!」

 

 オレの言葉に村の長は僅かながらの希望を抱え、説明した。

 工場での労働を優先されてて畑作業を満足にできにくい上に賃金が少額になっていて最低限の生活さえも成り立てられない状態。

 さらに、その事に関して文句を言っても――聞いてもらえず、むしろ暴行されてしまった。逆に言わなくても――やはり暴行されてて理不尽な状態にあっている。

 その事を長は丁寧に説明した。その説明にオレも険しい表情で聞いた。長の説明が終わった途端にオレは口を開く。

 

「お前らの現状は分かった――まずは今からお前らにとってちょうど良い工場と畑での労働時間と賃金を定める!」

 

「ほ、本当ですか⁉」

 

 オレの宣言に村人達がざわつくのを前にさらに大声を出す。

 

「ただぁし!アガリはちゃんと納めてもらうのが条件だが――いいか?」

 

「分かりました!あなた様が適度的な労働時間と賃金を定めて頂ける以上、何が何でも納めます!」

 

 長が激しく首を縦に振り続けるのを見るオレは朗らかに笑う。

 

「それんじゃ……よろしくな!」

 

          ●

 

1か月後――

 

 オレの治めている村は活気付いていた。

 そこの村人達は元気一杯で働いていた。何せ今までとは違って、工場と畑での労働時間が適度になっていて、またオレが村人への暴行禁止令等を出している事もあって快く働いているからだ。

 

「いやぁ、〝カイドウの子供〟が来る時はどうしようかと思ってたが……」

 

「全くだ。それに暴獣海賊団の方々も働いてくれるとは……ビックリだわ!」

 

「何でも私達を見ながら立つだけだと退屈で嫌だからとか……何だか微笑ましいね」

 

 そうなのだ。暴獣海賊団の子供達は村人の監視を担当しているが、ただ立つだけでは退屈な為に工場と畑での労働に参加してしまっている。

 とにかくその姿勢もあって暴獣海賊団は村人には人気なのだ。

 

「さーて、無駄口叩かないで働くぞ!」

 

「「おう!」」

 

          ●

 

「よし……アガリの量――おそらく質も今までのとは確実に上だ!」

 

 屋敷内に置かれているアガリ用の米と武器等を見てオレは満足気に頷いた。

 

「しかし……お前の経済力はすごいな!おかげで工場と農作業での労働時間、賃金を程良く決められた!」

 

 オレは後ろにいるある人達を振り返って褒めた。その人達とは――

 

「いえいえ、私の能力を使い熟すあなたの腕あってのものですよ」

 

「うふふ……」

 

 ギルド・テゾーロとステラだった。

 彼らは百獣海賊団の人間だったが、元々自身達を救けてくれたオレに恩がある為にオレに百獣海賊団から暴獣海賊団に移籍してまでついて行こうとしてくれた。

 テゾーロは元々持っている経済力に加えて以前、触れた黄金を自在に操れる力を秘める〝ゴルゴルの実〟を食べた事により百獣海賊団の活動金、利益を増やすのに貢献してくれた。それにより金、経済に関しての担当を任せたのだ。それだけでなくエンターテイナーとして皆を楽しませて確実にその道を歩んでいる。

 もちろん彼らは結婚して晴れて夫婦になった。幸せそうで何よりだ。

 オレ達が和気藹々と笑い合っているところにフドウが現れてきた。

 

「スサノオさん」

 

「ん?どうした?」

 

「父上から連絡だ――スサノオさんのちょっとした就任祝いをやるから暴獣海賊団を連れてこいと」

 

「……おう!分かった!」

 

 フドウからの報告にオレは朗らかにそう返す。なお内心では――

 

「(ん――……やっぱ、オレの統治方法に関してだな……)」

 

 親父の意図を何となく――勘付いていた。

 

          ●

 

鬼ヶ島の一室

 

 その部屋では豪華な料理が用意されている大きなテーブルを親父、キングさん、クイーンさん、オレ、ヤマト、フドウ、ハッテン、暴獣海賊団のメンバーが囲んでいた。

 

「ウォロロロロ!お前ら!今からスサノオの就任祝いをやるぞぉ!」

 

「「「おぉ!!」」」

 

 親父のその宣言に場が沸き立った。そのまま――宴を開始しようとする瞬間に親父が「だが!」とそう大声を上げた。

 この場にいる人々が親父の大声にビクッとする中、オレは冷静にしていた――予想通りの状況が来たからだ。そんなオレに親父が重々しく声掛ける。

 

「宴を始める前に――悪ぃが、スサノオ。お前に聞きたい事がある」

 

「オレの統治のやり方か」

 

「あぁ……お前には甘ぇところがあるの知っていたが……お前の口から聞きたくてな……」

 

 親父のその言葉にオレは頷いて――口にする。オレの仲間と部下、自身の下に置かれる人間への扱いの心構えを。

 

「――まぁ、オレはただ皆で楽しくやりたいからそうしているだけだ……できればオレの統治方法を広げようと考えてる。それが――「新鬼ヶ島計画」への追い風になれると思うんだ」

 

「……そうか」

 

 オレの考えを聞いた親父は微笑んだ。その笑みを見たオレは安堵するが、一応問いかけてみる。

 

「何か問題はあるのか?」

 

「……いや、むしろお前の考えはよく分かった。むしろ――お前のやり方には考えされる」

 

 そう言う親父は続いて自身の考えを口にする。

 

「お前の治めている村の様子とアガリ、何より住んでる奴らを見れば、オレ達の今までのやり方のより効率が良いのが分かる。それに……」

 

「上手く行けば、この国の技術と侍をものにできるかもしれねぇ……!!」

 

 親父が不敵な笑みを浮かべながらの言葉にオレもハッとする。

 

「……あ〜…オレはただ皆で楽しくやるようにしてて、この国を皆にとっては良いものにしようと思ってやっただけだが……そうか、それは……いいな」

 

 自身の良かれと思っての活動と思考が予想外の作用を生み出したという事実とその内容にオレも笑みを浮かべる。

 

「ウォロロロ!お前は村の管理をよくやっているだけではなく、「新鬼ヶ島計画」のヒントを作った――やはりお前は大した奴だ!!」

 

「リュドドド!いや、何。オレの気分――信念というか……それに従っただけだ!」

 

 オレの言葉に親父は満足気に頷く。そして……

 

「さて難しい事は置いといて――」

 

「お前ら!お待たせたな!今から宴を始めるぞ!」

 

 親父のその言葉を合図にオレ達の就任祝いがようやく始まった。

 

 

――こうしてスサノオの心構えを元に百獣海賊団のワノ国に関しての方針を定めた。

 

――そして、その方針が「新鬼ヶ島計画」への追い風に繋がる……

 

          ●

 

1年後――

 

「よぉ!スサノオ〜♪完成したぜ!!お前が依頼したイカす武器〜♪」

 

 クイーンさんがオレを呼びつけた。何でもオレが依頼した武器が完成したと。

 さすが制作に関してはクイーンさんに任せれば一発だな!さすが天才科学者!……ウイルス関連はさすがにアレだと思うがな。さてどれどれ……

 

「おぉ〜」

 

 クイーンさんが手にしている「それ」を見てオレは感嘆する。

 「それ」はオレの背丈より高く逞しい。

 「それ」の一部は親父とオレが使っているような棘付きの金棒であるのはもちろんだが、その片方が鋭い刃を持つ大剣であった。そうオレが依頼したのは打撃だけではなく斬撃も放てるこういう武器だった。

 牛マル達との戦いで剣での戦い方を手にしたが、かといって親父から受け継いだ金棒での戦い方を捨てる気になれなくて、それならば2つの戦い方を合わせれば良いとオレはそう考えた。2つの戦い方ができる「それ」を思案してクイーンさんに依頼したのだ。

 クイーンさんはよくやってくれた。この「それ」ならば2つの戦い方ができるな!

 

「ところで〜♪「それ」の名前は?」

 

「ん!そうだな……「王武」にしよう!」

 

 クイーンさんの投げつけてきた問いによりオレは「それ」に「王武」を名付けた。

 だって打撃と斬撃の2つの戦い方ができるなんて、まさに王の〝武〟だろ?だから「王武」なんだ!

 

「「王武」……ムハハ!イカすな!お前のセンス!」

 

「リュドドド!褒めるな〜」

 

 オレ達が笑い合っているところに船員が来た。

 

「お坊ちゃま!クイーンさんも!」

 

「ん?何だ?」

 

「あ〜?何の用だ?」

 

「カイドウ様から呼びです!なんでも例の場所を把握したと」

 

「「!」」

 

 船員から来訪理由、親父からの呼び出し、そして〝例の場所〟把握という情報を聞いて――オレ達は驚愕し、そして不敵な笑みを浮かべる。

 

「……ムハハ〜♪やっとか……」 

 

「リュドドド……」

 

「……あのぉ〜〝例の場所〟って?」

 

 事情を知らない船員はオレに疑問を投げつけるが……

 

「親父が海賊王になる為に必要なものの1つがある場所――なんだ」

 

 そう……海賊王への道のりを記した石――〝ロード歴史の本文〟がある場所……

 

 

 

〝モコモ公国〟!

 

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