ONE PIECE 荒ぶる暴獣の猛威   作:ウェイブロック

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新たな物語の幕明け!!!


準備運動は終わったか!!?

混沌とした運命へ挑む時は今だ!!!


序編
プロローグ


 ――天空に暗雲が立ち込めていた。

 そんな模様の空に突然轟音が響き渡った……!!

 そこには――

 

「ウォロロロロロロロ!!!」

 

「リュドドドドドドド!!!」

 

――青き〝龍〟

 

――深紅の〝竜〟

 

 想像上の生き物、つまり実在しない筈の生き物が、それも2頭が天空を飛んでいた!!!

 そして、しのぎを削っていた……

 

「ウォロロロロ!!」

 

 大いに笑う龍が塒を巻くように体を回転させ、そこから複数の巨大な竜巻が発生した。その巨大竜巻群がまるで意思を持ってるかのように竜に向かって襲いかかろうとする。

 

「リュドドドド!!」

 

 もはや災害だと評してもいい程に激しき巨大竜巻群が迫ってくるのに対して竜はしかし怯まず、不敵に笑う。

 そしてその背中から生えている巨大な翼を大きく広げ、勢いよく羽ばたかせる。するとそこからも複数の巨大竜巻が発生し、それらが龍が生み出した巨大竜巻群に向かって進行する。

 

 ――そうして二勢力の巨大竜巻群が互いに間合いを詰めようとし……

 

 やがて――激突した。

 

 さすが同じ竜巻が衝突しただけはあって、その場は数も勢いも増大した無数の巨大竜巻によって激しく荒れ狂った。

 

「ウォロロロ!!」

 

 その混沌とした光景がおかしくてたまらないのかますます大笑いした龍が口を固く閉じながら首を後ろに引く。そして首を前に勢いよく振った龍の開けた口から激しき雷と多数の風の刃を放った。

 それらがその場で猛威を振るう複数の巨大竜巻の渦中に飛び込んでいった。

 その影響で勢いが強まった雷と風の刃がその軌道が不規則になりながらも渦中から抜け出し、そのまま竜の元へ進撃する。

 

「リュドドド!!」

 

 迫り来る脅威に対しても竜は堂々と構える。

 そして竜がしばらく空中をまるで泳ぐかのように飛翔し――やがて体を高速回転させる。またその凄まじき勢いにより竜の周りに竜巻が発生し渦巻いた。

 そんな状態の竜が襲いかかってきた雷と風の刃を弾き出し、無数の巨大竜巻を打ち砕きながら通り抜き――龍の元へ突き進んだ。

 ――突撃するつもりだ。

 

「ウォロロロロ!!来るか!!」

 

 竜が勝負を仕掛けてくる事に龍は獰猛な笑みを浮かべた。そして負けじと龍も体を高速回転させ、竜の元へ勢いよく突き進む。

 そうして――2つの猛烈な突撃が間合いを少しずつ詰め、ついに衝突しようとするものの龍も竜も勢いを決して弱めない。そのまま――激突した。

 

 その途端に凄まじき衝撃波が天空に響き渡った。

 

 それ程の激突だけはあって、さすがに龍も竜も痛みを感じたらしくよろめいた――が、それも一瞬だった。

 2頭が何の事はなかったかのようにすぐ互いに目前の相手に体で押し合う――取っ組み合い始めた。

 

 さすがは龍と竜の一騎打ちだ。その場は嵐と雷が完全に支配していた。すなわち、天候を激変させてしまう程の壮絶な戦いがそこにはあった。

 そんな戦いがしばらく続け――

 

「「!!」」

 

 やがて龍も竜も互いに後ずさった。そして同時に互いに口を大きく開け、その奥が光り輝き――

 

「「〝熱息(ボロブレス)〟!!!」」

 

 2頭とも相手に向けて口からそれは大きくて激しい火炎を猛烈な勢いで吹いた。その2つの火炎が間合いを詰め――そして激突した。

 

「「オオオ!!?」」

 

 ――その衝突はさらに凄まじき衝撃波を発生させ、天空に響き渡った。

 その衝撃波を直で身に受けた龍も竜も吹っ飛ばされ、落とされる。そして……地に叩きつけられた2頭ともその猛々しい姿から次第に――人間の姿になっていった。

 実は龍と竜の両方とも2人の男が〝悪魔の実〟の能力で変身した姿であった。

 

 まず、〝龍〟に変身していたのは――黒いザンバラの長髪に巨大な二本角を生やし、長いナマズ髭を蓄える上に左上半身にドクロと鱗のような赤い刺青を刻まれた鬼と魔人の如く極めて荒々しい風貌をする筋骨隆々の大男だった。

 

 名は〝カイドウ〟

 

 彼は海賊である。

 それもただのではない……世界に存在する大勢の海賊の頂に皇帝の如く君臨する4人の大海賊――「四皇」の1人なのだ。

 

 一方で〝竜〟に変身していたのは――毛先に向かうに従って銀→エメラルドグリーン→水色へとグラデーションしていく長髪を結ぶ上にこめかみ辺りから2本の青黒く巨大な角が生える――それはカイドウを想起させる風貌をする大男だった。

 

 名は〝スサノオ〟

 

 彼もまた海賊である。

 もちろんただのではない。「四皇」カイドウの部下、それも腹心である。

 そして……カイドウの息子なのだ。

 

 つまり2人は親子である――にも関わらずになぜ壮絶な戦いを繰り広げているのかというと……

 スサノオは〝武〟の頂――すなわち〝最強〟を目指している。

 その野望を抱いている彼は自身が〝最強〟だと見なす存在――カイドウに決闘を挑んだのだ。その申し出を彼も快く受け入れた事により、決闘が始まったのだ。

 

「ウォロロロロ!!また強くなったようじゃねェか!!スサノオォ!!」

 

「リュドドドド!!当然だろうがァ!!このオレはあんたの息子で!そして、()()()()のキャプテンだからなァ!!」

 

 顔を合わせた2人はそう言葉を交わし、ニヤリとする。

 

 ――人の姿に戻ったならば……次はガチンコ勝負だ!!

 

 2人揃ってそう判断した途端にその姿が再び変貌していく。

 今までの生き物の姿ではなく、かといって人間の姿でもなかった。それは人間と生き物との中間の姿であった。

 

 ――カイドウは青き鱗を全身に纏い、角がさらに4本増えて口から牙が生え、長大な尻尾が生えて更なる筋肉質な体格になった竜人と青鬼を想起させる禍々しい姿に変貌した。

 

 ――スサノオは深紅の鱗を纏い、角がさらに4本増えて口から牙が生え、巨大な翼と長大な尻尾が生えて更なる筋肉質な体格になった竜人と赤鬼を想起させる禍々しい姿に変貌した。

 

 2人がそれぞれその姿に変貌を遂げた途端にその場の空気が重苦しくなり濃くなった。

 その重苦しさ、その濃さ、まるで「魔界」の如くだ。そのような空間を作り出した2人は別に何の事はないかのように互いにその怪物の如き風貌に似合わしい獰猛な笑みを浮かべ合う。

 

「――リュドドド!!行くぞォ!!」

 

「ウォロロロロ!!来ぉい!!」

 

 スサノオは自身の身の丈もある片端が大剣でもう片端が金棒になっている武器――〝神武〟を固く握り、そしてカイドウの元に勢いよく駆け向かう。

 その姿勢に彼も自身の武器である金棒〝八斎戒〟を構えながら待ち受ける。

 

 ――そして……

 

「「〝雷鳴八卦〟!!!」」

 

 スサノオが猛烈な勢いで振り抜いた〝神武〟の金棒とカイドウが猛烈な勢いで振り抜いた〝八斎戒〟が直接触れ合っていないのにも関わらずに空中で激突し、反発し合い拮抗していた。

 しかもその場に凄まじき衝撃波、そして赤黒い稲妻がバリバリと発生し、それらが広がった。

 

 ……そして、その波及によって――

 

 ――天が……割れた。

 

 

約30年前――

 

 夜のある海を1隻の船を進んでいた。

 巨大な二本角が生えたドクロに4本の骨が交差したマークが描かれる旗をはためかせる船――海賊船の甲板の中心部にはその船長を務めるカイドウがまるで王の如く威風堂々と座っていた――のだが……

 

「カイドウさん……酒を飲むのはどうだ?」

 

「……なかなか酒が喉に流れてくれねェんだ……ったく」

 

 どうやら彼は落ち着いていないようで大好物な筈の酒さえをも飲めなくて、しまいには貧乏ゆすりをしていた。

 その様子に刺々しい意匠する黒いヘルメットとマスクを装着し、刺々しい鎧が付いた軍服のような黒いスーツを着用する上に背中から烏のような黒い巨大な翼が生えており、背面から炎が噴出する黒ずくめの大男――〝キング〟も口をつぐんだ。

 そもそも、なぜカイドウが落ち着いていないのかというと――

 

「ッツ……いつになったらオレの子が生まれるんだ!?」

 

 実は彼の子がつい産まれようとしているのだ。

 ……初めこそカイドウは自身の血を――素質を受け継ぐ子がいれば戦力強化できるという非人道的な考えのもとに子を作ろうとしていた。

 だが、そんな彼もいざ自身の子が産まれてこようとするのを受けてさすがにモジモジするようになっていた。そして待ちきれなくなったカイドウがそう叫んだ瞬間にそれが合図であるかのように

 

 オギャアアアアアアアアア!!!

 

「「!!」」

 

 大きな――すごく大きな産声が響き渡った。

 それを耳にしたカイドウがハッと立ち上がり、キングも目を大きく見開いた。

 そしてカイドウが素早く船内に駆け寄っていった。

 

 ……しばらくして――

 

 彼が船内から姿を現した。赤ん坊を抱っこしながら――

 

「おぉ……そいつが」

 

「ウォロロロ……そうだ、このオレの子だ……!」

 

 キングが赤ん坊を見て感嘆するのに肯定の意を示したカイドウが笑いながら赤ん坊を見る。

 生まれたばかりの赤ん坊が自らの存在を知らしめるかのように泣き叫び続けていた――が、その目にカイドウの顔が映された途端にすぐ泣き止んだ。

 

「!!?ど、どうしたんだ!!?」

 

 泣き叫んでいる筈の我が子が突然泣き止んだという事態にカイドウもさすがにオタオタした。

 

 ――もしや、このオレにビビったのか?

 

 ついそう考えずにはいられなくなり、ハラハラしてしまった彼をじっと見つめる赤ん坊は――いきなり笑った。それは負の感情が微かさえもない明るい笑顔だった。

 突然のそんな笑顔にカイドウも目を丸くし固まった――が、すぐ大笑いし出した。

 

「ウォロロロ!!このオレを見てたら笑ってやがった!!生まれたばかりなのにもう既に肝がでけェ奴だぜ!!」

 

「フ……あんたの子だ。肝が大きいのはそりゃそうだろうよ」

 

「ウォロロロ!!それはそうかもな!!」

 

 キングが述べるその意見に相槌を打ったカイドウもますます大笑いする。それにつれて赤ん坊も大きく笑った。

 その愛くるしい様子に彼らも表情が和らいだ。

 

「……そういえば――カイドウさん、名前はまだ決まっていないのか?もう生まれたんだが……?」

 

 ふとその事を思い出したキングはそれを口にする。そのもっともな内容にカイドウはニヤリとする。

 

「ん?――おう!なかなか決められなくて悩んだが……()()()とたくさん話し合ってて、ようやく決まったぜ!!」

 

 上機嫌でそう答えた彼は赤ん坊を高らかに抱き上げ、そして我が子に対してその名を口にしようとする。

 

「こいつの名は――」

 

 

赤く巨大な壁のような大陸の頂上――

 

 その中心部に聳え立つ巨大な城の中にあるその部屋に〝それ〟はただ佇んでいたが……

 

「……!!?」

 

「……?どうかしましたか?」

 

「……(今、この世界に何かが起こった……?)」

 

 〝それ〟は遠い海で生まれた新しい命の灯を感じ取った――が、その正体が分からない故に疑問を抱いた……

 

 

ある海中――

 

 そこを多くの海王類が泳いでいる――が、荒々しい様子が別にみられず平穏だったが……

 

『『『!!?』』』

 

『……感じた?』

 

『感じたよ!』

 

『この気配……2人の王とは違う……』

 

『――だけど、多分世界に変化をもたらすような何かが……』

 

 遠い海でのその誕生を多くの海王類が感じ取った。そして自身達の待ち望んでいる2人の王とは違う〝何か〟に関しての議論を始めた……

 

 

ある海上――

 

 そこを天を突く程に巨大な象がただ――ただ歩き続けている……が

 

『パオォォォ――――ン(!!?何だ、この気配は……〝ジョイボーイ〟――とは違う何かが……生まれた!!!)』

 

 その象もまた遠い海でのその誕生を感じ取った。自身の待ち望んでいる〝ジョイボーイ〟とは違う〝何か〟の気配に象は驚愕し、そして興味を惹かれる……

 

 

とある船――

 

「……んん?」

 

 その甲板で寝ていた1人の男は突然吹いてきた風に違和感を感じ、起き上がった。

 だが、彼は感じた違和感の正体が分からず首を傾げる。

 

「ん?どーした?」

 

「……いんやァ、何か面白れェ風が吹いてきたな――と思っててな!」

 

「……何だそりゃ!ギャハハハ!」

 

「わははは!何となくな〜」

 

「それで次はどうする?……()()()()

 

 ――その海賊船は別に何事もなく次の冒険へ進もうとする……

 

 

場面はカイドウ達のところに戻って――

 

「こいつの名は――〝スサノオ〟だ!!!どうだァ!!?」

 

 カイドウは我が子が一生持つ事になるその名を大声で公表した。そして我が子の反応を伺う。

 

 ――気に入ってくれるよな?この名を……

 

 その風貌に似合わしくない程に不安気に見つめてくる彼に対して赤ん坊は――晴れやかな笑顔をした。

 どうやらその名を気に入ったらしい赤ん坊――スサノオは父親に笑いかける。それを目にしたカイドウも安堵し、すぐ満面の笑みを浮かべた。

 

「そうかそうか!!気に入ったか!!」

 

「あーあー」

 

 カイドウとスサノオは互いに相手を想って笑い合う。その微笑ましい光景にキングも口元が緩んだ。

 

「ふっ……ん?太陽が……」

 

 もう朝になっていたのか、海面から顔を覗かせてくる太陽が船を、何よりその2人を照らした……

 

――こうして約800年前から予定されてきた〝運命〟を狂わせ、世界に新たな影響を与えるバグにてイレギュラー………〝スサノオ〟が生まれた




☆運命に反する異端児、生まれる!!
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