ONE PIECE 荒ぶる暴獣の猛威   作:ウェイブロック

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第33話〝3グループ〟

――「四皇」〝百獣のカイドウ〟の息子〝暴獣のスサノオ〟率いる暴獣海賊団は初めての上陸を無事に果たした。

 

――だが、暴獣海賊団が上陸した島―〝ギビマ〟には薄暗い陰謀が渦巻いていた。

 

――まだその事を知らない暴獣海賊団だが、それでも〝ギビマ〟から何かを感じ取り―それで起こり得るであろう可能性に備えて3グループに分けて活動する事にした。

 

――暴獣海賊団から分かれた3グループがそれぞれどのような行動を起こし―いかなる結果を生み出すのだろうか……

 

――そもそも、暴獣海賊団の来訪が〝ギビマ〟にとっては「福」なのか――それとも……「禍」なのか……

 

――その答えが出るのはしばらく後……

 

 

「リュドドド!今日1日よろしくな!お前ら!」

 

 〝ギビマ〟のどっかの街路に堂々と立っているオレは目前の仲間、部下達にそう宣っていた。

 ――暴獣海賊団から分かれた3グループの1つ、オレが率いるグループのメンバーは以下の通りだ。

 

――スサノオ

 

――ページワン

 

――小紫

 

――ブラックマリア

 

――その他18名

 

 ――以上なのがスサノオグループのメンバーだ。

 ――今までに請け負ってきた仕事で人と人を組み合わせてみる事もやってきたオレでもおそらく初めてかもしれねぇこの組み合わせによってどのような結果をみせてくれるのか、見当も付かねぇ――だからこそ楽しみだった。

 未知の可能性を秘めさせている組み合わせに気分が昂ってしまうオレをよそにページワンは背筋を伸ばしていた――その様子、顔つきは実に晴れやかだった。

 

「ん〜〜…鬱陶しいのがいないだけでこういう――晴れやかな気分になるとはね〜」

 

 愛情表現が異常に激しすぎる姉から一時的だが、解放される事ができた影響で自由――解放感に満たされていて、背筋を伸ばしているページワンの姿にオレは頬を崩した――苦笑してしまう。

 

「リュドドド……うるティはただ――お前が大好きでたまらんねぇだけらしいからな」

 

「一応「弟」を持つ身として――その気持ちは分かってしまうがな」

 

「まぁ……一応うるティにお前への愛情の注ぎ方を考えてみろよと言っておいたが……」

 

「……やっぱ、激しすぎる愛情には理屈が通じねぇんだな」

 

「……そうなんだよ……」

 

 苦笑しているオレの言葉にページワンは項垂れ――肯定した。そして頭を上げて大声で言い放ち始めた。

 

「そう――そうなんだよ!」

 

「オレを好きでいてくれるのはまぁ分かるが……でもよぉ!!鬱陶しいんだよぉぉぉ!!」

 

「姉貴も――オレから褒めてもらいたいんなら――少しは落ち着けぇぇぇぇぇえ!!!」

 

 ページワンのその魂からの叫びにオレはなんともいえねぇ表情を浮かべてしまった。

 実は――かつての親父はオレとヤマトを愛してくれていたはいたが……その愛情が少し重すぎたのだ。

 当時のオレがそれを鬱陶しく思ってしまった事もあったからこそ、ページワンの様子からその事をオレは思い出してしまったのだ。なお、今では親父もだいぶ落ち着いてくれてはいる。

 ふとオレはページワンから視線を動かしてみたら、同じくなんともいえねぇ表情を浮かべている小紫の姿がオレの目に写された。

 彼女も自身への視線を感じたのか、その視線の源――つまり、オレに視線を向けてきた。

 

「「…」」

 

 小紫はオレと目を合わせるも一瞬、すぐ目を逸らした。

 

「…?」

 

 小紫のその様子を見たオレは疑問符を浮かべてしまう。

 ――小紫の身元を考えれば、彼女がオレを嫌うのも理解できるが……最近の彼女の様子を見てみたら、それだけではないように感じられているのだ。

 しかも、さっきの彼女の様子がますますそれを強まらせていた。

 ただ、一体それが何なのか――オレにはまだ分からずにいるのだ。

 ――そしてオレと小紫を見ていたマリアは苦笑していて、しかし何やらイラついているようにも見受けられた。

 それに気付いたオレもやはり疑問符を浮かべながら彼女に問いかけてみた。

 

「……何だ?マリア?」

 

「!……いえ、何も」

 

 オレからの問いかけにビクッとしたマリアも素早く微笑みを浮かべながらそう言い――それっきりの話として済ませた。

 

「…」

 

 小紫とマリアの態度が解せぬ為に疑問符を浮かべ続けてしまうオレはしかし、このグループの組み合わせに気分が昂ってしまうのを感じて苦笑してしまう。

 

「リュドドド……これはこれで手応えはありそうだな……さて、そちらはどうかな?」

 

 そう呟くオレは他グループを思いながら空を見上げた――

 

          ●

 

〝ギビマ〟のどこかの街路

 

 そこには暴獣海賊団から分かれた3グループの1つ、フドウが率いるグループがいた。

 

「――シシリアン。できるだけ静かにしろ」

 

「何だとぉ!――スサノオの奴はとにかく、なぜお前の言葉を聞かねばならんのだぁぁぁぁぁあ!!」

 

「――今のようにお前がやかましいからだ!」

 

「何だとぉ!ペドロォ!」

 

「――それに貴様はスサノオさんだけではなく、このオレにも敗北した筈だ。そういう奴はまず口を閉じろ。そして勝者――すなわち、このオレに従え」

 

「何だとぉ!フドウゥ!」

 

「まぁまぁ!そろそろ、その辺りにしようよ!ほら!皆が僕達を見てきているし!」

 

「「「!……」」」

 

 ――フドウとシシリアンとペドロか激しい口論を交わしていた。

 もちろん、その口論によって〝ギビマ〟の人間達の注目をヤマト達が集めてしまった。

 ヤマトがそれを指摘するとフドウ達もこれ以上目立つ訳にはいかぬと口論を続けるのをようやく止めた。

 ――とにかくフドウが率いるグループのメンバーは以下の通りだ。

 

――フドウ

 

――ヤマト

 

――シシリアン

 

――ペドロ

 

――その他17名(ミンク族もほとんど含まれている)

 

 ――以上なのがフドウグループのメンバーだ。

 

「――とにかくだ。静かにしておけ……シシリアン」

 

「フン!」

 

 そっぽを向いているシシリアンに鼻を鳴らしたフドウがヤマト達を見渡し、一応問いかけてみた。

 

「……貴様らの――行ってみたいと考えている場所は何だ?」

 

 フドウからの問いかけにヤマトとペドロ達は目を見開いて――思案に耽った。そんなヤマト達をフドウがしばらく見守る。やがて――

 

「――あの店には織物が売られている。だから行ってみたいんだが……」

 

 ペドロがそう声を上げた。

 彼の意見にフドウとヤマトは目を見開くも

 

「いいじゃん!織物を見てみるのもいいね!――どうせならそれだけじゃなく他の文化をも見ようよ!」

 

 すごく頷いたヤマトもその意見に賛同し、更なる意見を出した。

 ペドロ、そしてヤマトの意見にフドウも頷く。

 

「うむ……〝ギビマ〟の文化を確認してみるのもありだな」

 

「よし、なら〝ギビマ〟の文化調査……といこう。まずはペドロの言った店だ」

 

 フドウの結論、そして言葉にヤマト達は頷いて店に向かおうとした。

 

「!」

 

「……フン」

 

 シシリアンがフドウに肩をぶつけてから店に向かった。

 

「……全く」

 

 シシリアンの子供染みた行為にペドロもため息をつきながら店に向かった。

 

「……アイツは……ん」

 

「アハハ……」

 

 苦笑しているヤマトをフドウはジッと凝視する。

 

「ん?どうしたの?」

 

「――お前はお転婆なのに、よくこういうケンカの仲介役が逆にできるな」

 

「!……いんやぁ」

 

 フドウのその言葉にヤマトは照れ臭そうにしているが……

 

「――だからこそなのか?お前は抱えている悩みを言えないままでいるのは……」

 

 フドウのその言葉にヤマトは目を見開いて、思わず顔をフドウに向けてしまう。

 

「……気付いたの?」

 

「あぁ……お前とは長らく付き合いがあるオレはもちろん――スサノオさんも気付いていたぞ」

 

「え!……でも、お兄さんは一言も!」

 

「あぁ――それはスサノオさんがお前の口から言い放たれるのを待っているからだ」

 

 フドウの口にした兄の意志に目を見開くヤマト。

 

「それは……でも――つまらない悩みだし……」

 

「……だが、オレの目から見ても最近のお前の動きから活気が少し欠けているように感じているぞ……スサノオさんもそう感じている筈。だからこそ――気にかけているぞ?」

 

「っ!そ、それは……」

 

 兄が自身を心配してくれているのをヤマトはつい嬉しく思ってしまうのと同時にそうさせてしまった自身を情けなく感じてしまう。

 

「……つまらない悩みだろうが、あのスサノオさんなら笑わずに真剣に聞いてくれる筈だ……無論――このオレもだ」

 

 フドウが重々しくそう言い、そして聞く準備はしているという匂わせるような発言もしておいた。

 

「…」

 

 その言葉にヤマトは黙り込んで顔を伏せていた……

 

          ●

 

〝ギビマ〟のあるレストラン

 

 そこには暴獣海賊団から分かれた3グループの1つ、ジャックが率いるグループがいた。

 

「うめぇ!うめぇ!」

 

「うめぇごーんす!」

 

「ハハハ!――よく食べているね〜君達は」

 

「いい事なのよ。「よく食べる子は育つ」というらしいし――だから、ノヴァもよく飲んでね〜」

 

「ずず……」

 

 そのレストランで彼らは食事をしていた――が、その様子は凄まじい――そりゃ凄まじいとしか言いようがなかった。

 彼らの食べ様、そして彼らによって空にされた皿の量の多さにレストランにいる人々が軽く引いていた。

 そもそも――「食」への執着が強い明日郎は〝ギビマ〟でも名の知らされているレストランに行くべきだと主張し、うるティもそれに乗りかかった。

 彼らの熱気にさすがに押されていたジャック自身も少なくとも口に何かを入れたいと考えた為に彼らの要求を了承してレストランに向かったのだ。

 なお、ジャックが率いるグループのメンバーは以下の通りだ。

 

――ジャック

 

――明日郎

 

――うるティ

 

――ギルド・テゾーロ

 

――ギルド・ステラ

 

――ギルド・ノヴァ

 

――その他17名

 

 ――以上なのがジャックグループのメンバーだ。

 

「――ところでジャック君は一体どうしたんだい?何やら機嫌が悪いようだが……?」

 

「あぁ……ジャックは…ほら、ゾウ肉のステーキが好物でしょ?」

 

「そうだね――でも、それが一体どうか――あぁ、なるほどね……」

 

 何やらイラつきながら食事しているジャックの様子が気にかけたテゾーロは何やら事情を知っているようだったステラからその事を聞き――何かに察し、納得できた。

 そうなのだ。実は――自身にとっての好物であるゾウ肉のステーキを用意するのが困難であると言われてしまったジャックはイラつきながら、代わりのステーキを噛み潰していたのだ。

 

「…!」

 

 好物を食べられないイラつきを代わりのステーキを噛み潰す事で紛らわそうとするジャックに声が掛けられた。

 

「――いやぁ……素晴らしい食べ盛りですねぇ」

 

「!」

 

 その声にジャックが視線を向けてみると――あるテーブルには着いている男が1人。しかも、その外見はどう見ても――

 

「!てめぇ……魚人か」

 

「えぇ……私はイタチザメの魚人ですよ」

 

 彼もまた魚人で、その種はイタチザメだそうだ。

 サメ種の魚人だけはあって、彼の顔つきは凶暴そうで頬のエラと全て尖ったギザ歯と黄色い目と藍色の髪毛をしていた。身体でも長身で筋肉質な体つきで肌の色は青白くなっている。

 ニャアと獰猛そうな笑みを浮かべる彼にジャックは目を細める。彼のそばに――包帯で包まれている大剣らしきものが置かれているのがかえってジャックを彼に対して警戒させていた。

 

「……何の用だ?」

 

「あぁ、いえね。まさかここで同じ魚人と出会えると思わなかったので、つい声を掛けたくなって……ね」

 

 警戒するジャックの問いかけに彼はそう答えた。

 何の事はない。彼はまさかここで同じ魚人と出会えるとは思わなかった――それで声を掛けてみただけなのだ。

 実は――彼は〝偉大なる航路〟を気の向くままに旅する流浪人なのだ。

 彼のその身元に加えて〝リュウグウ王国〟から外界に出ている魚人と人魚の人数があまりにも少ないという事実もあって、彼は〝偉大なる航路〟で魚人と人魚と出会えた回数は実に――五本指以下にあたるのだ。

 だからこそ、せっかく出会えた魚人であるジャックに彼は興味を持たずにはいられないのだ。

 彼はとりあえずジャックと会話しようと質問を投げかけた。

 

「さて、あなたは一体何者で――ここで何しているんですか?」

 

 彼の問いかけにジャックはしかし鼻を鳴らす。

 

「フン……見知らねぇてめぇに教えてやる義理でも?」

 

 はっきりと否定したジャックの答えに彼はしかしイラつき等の悪感情を見せずになんと、微笑んだ。

 

「――まぁ、当然の答えですね……ジャックさん」

 

「!?」

 

 自身の名を知られているのに目を見開くジャックは警戒を強めた。

 

「てめぇ……なぜオレの名を」

 

「あぁ……あなたの名はそちらの夫婦の会話から知りましたから」

 

 彼の説明にジャックはギルド家に視線を向けた。

 さっきジャックに声掛けた彼に気付いたのでジャックと同じく彼に警戒したテゾーロとステラも彼の言葉、そしてジャックの視線につい頭を少し下げてしまう。

 ちなみに明日郎とうるティは相変わらず食事に集中していて、ジャック達の緊張感が漂う雰囲気に気付いていなかった。

 明日郎達の能天気な様子とギルド家の失態につい目をつぶりながらため息をついてしまったジャックは彼を睨みつけながら問いかける。

 

「……オレの名をてめぇが知った以上――てめぇも名を言え」

 

「おっと、失礼。私は――」

 

「――キサメと申します」

 

 ジャックの問いかけに彼――キサメはニャリとしながら素直に名乗った。

 

          ●

 

場面はスサノオグループに戻って

 

「お?」

 

「あ?」

 

「はい?」

 

「え?」

 

 スサノオグループは呆気に取られていた。

 何せ、オレ達は今――囲まれていた。しかも――

 ――数多くの槍を向けられながらだ。

 

「カガヤ様に対する暗殺未遂の疑いで貴様らを拘束する!」

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