ONE PIECE 荒ぶる暴獣の猛威   作:ウェイブロック

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第38話〝暴獣海賊団VSムザン海賊団〟

「よくも!よくも――我が計画をメチャクチャにしやがってぇぇぇえ!!!」

 

 怒りを大爆発させたムザンがオレにそう噛みついてくる――が、その怒りさえも気にかけねぇオレは淡々と言葉を続ける。

 

「――お前がオレ達への対応を間違えたからだろ」

 

「ぐ、ぐぅぅ〜!」

 

 淡々ながらのその言葉にムザンも悔しげに俯いてしまった。

 その姿にオレもこれ以上はもういいだろうと叩き潰す事にした。

 

「じゃあな……儚ねぇ野望だったな」

 

 そう呟いたオレがムザンを叩き潰そうとする――その途端に彼が不敵で邪悪な笑みを浮かべた。

 その瞬間、楽音が響いた。

 

「「!!?」」

 

 オレ――そしてハッテンも目を見開く。

 何せ、オレ達の足元には突如穴が開かれていた。

 しかも――ただの穴ではない。

 それはどうにも階下の部屋に繋がっていねぇようだ。

 何やらオレ達のいるコンストラクション邸内の空間とは違うどこかに繋がっているのだ。

 そう、オレ達の足元にはワープゲートが開かれたのだ。

 

 ……そして、オレ達だけに留まらず――

 

「「「!!?」」」

 

 〝ギビマ〟に散らばっている暴獣海賊団の海賊達の足元にもワープゲートが開かれていた。

 

「「「オオォォォォォッ!!?」」」

 

 オレ達は何の手を打つ間もなく足元のワープゲートから墜落した。

 ただ墜落しているオレ達の目には――様々で多彩な部屋の要素が物理の法則を無視したようなデタラメに継ぎ接ぎされたような奇怪な空間が広がっていた。

 そのあまりにも不自然で物々しい空間こそがムザン海賊団の本拠地だろう。

 とにかく突如であまりの事にしばらく墜落しながらも混乱していたオレ達はそこでの床――らしきものに到着した。

 そこでオレはフドウ達、暴獣海賊団の皆も連れ来られてきたのに気付いた。

 

「!スサノオさん!ハッテンも!」

 

「スサノオさん!」

 

「お兄さん!」

 

「「「スサノオさん!」」」

 

「お前ら!」

 

 不自然な空間で離れている地にいる筈の仲間との顔合わせという訳の分かんねぇ状況にとにかく混乱しているオレ達を高めの所から見下ろしているムザンが口を開く。

 

「これで私を追い詰めたつもりか?」

 

「貴様らがこれから行くのは地獄だ!!」

 

「目障りな暴獣海賊団!今宵皆殺しにしてやろう!!」

 

 ムザンがそう宣言する途端に皆――オレ以外の者達の足元の床が動かれる事でバラバラに移動されようとしていた。

 それぞれどこかへ移動されようとする暴獣海賊団の皆にオレは命じた!

 

「お前ら!これからムザン海賊団との戦争だ!」

 

「ナメられた落とし前をつけてやれ!」

 

「「「おう!!!」」」

 

 オレの命に強く応えてくれた皆の姿がすぐ消されていった。

 今、この場に残されているのはオレとムザンの2人だけだ。

 

「……クックック、お前達――暴獣海賊団が我々に勝てるとでも?」

 

「勝つ」

 

 ムザンからの挑発にもオレはそうはっきりと言う。

 オレの言葉、堂々とする態度に嘲笑を収めてしまったムザンもイラつきを抑えられなくなった。

 

「……貴様ぁ〜」

 

「何故なら――オレ達が暴獣海賊団だからな」

 

 睨みつけてくるムザンにさえも気にかけねぇオレはそう口にし――ニャリとした。

 

          ●

 

 バラバラに散らばられていく暴獣海賊団の海賊達にそれぞれ襲いかかろうとする大群がいた。

 

「あの方の計画を木っ端微塵にしやがった暴獣海賊団を皆殺しにしろ!!」

 

「誰かを相手にケンカを売りやがったのか、新顔に思い知らせてやれ!!」

 

「「「オオオ!!」」」

 

 約65名しかいない暴獣海賊団をナメきって襲いかかろうとするムザン海賊団の海賊達。

 そんな彼らに対して――

 

「――アイツらこそ誰かにケンカを売りやがったのか、骨までにも刻んでやれぇ!!」

 

「返り討ちにしてやれぇ!!」

 

「「「オオオ!!」」」

 

 暴獣海賊団の海賊達も立ち向かっていった。

 

 

こうして――暴獣海賊団とムザン海賊団の戦争が勃発した。

 

          ●

 

「ウオォォォ!!」

 

 襲いかかってくる海賊の大群を豪剣で見事に吹っ飛ばしていった猛者が1人。

 

「オレ――このシシリアンに立ち向かう奴は誰だろうが――叩き潰してくれるわ!!」

 

 そう言い放ったシシリアンはさらに自身に襲いかかろうとする海賊達を吹っ飛ばしながら駆けていった。

 

「ウオォォォ!!」

 

 そう雄叫びを上げたシシリアンは自身の突進を強めていった……立ち塞がってくる海賊達と障害物の数が少しずつ増えてくるのに気付かずに――

 やがてシシリアンがある扉を破壊した。

 

「!!これは……」

 

 シシリアンが躍り出たのは広広とした空間だった。そして、その中心には――

 

「!?……女?しかも楽器を弾いている……」

 

 コントラバスを弾いている女性が1人。

 シシリアンの登場とそれによる騒音に気付かないのか、何事もなかったかのように彼女はコントラバスを弾き続けていた。

 

「……お前」

 

 シシリアンは警戒しながら彼女に声を掛けようとする。

 

「まず、ここはどこで……お前は何者――!!」

 

 そう問いかけようとしたシシリアンは素早く横へ飛ぶ。

 するとさっきシシリアンがいた所に大きな四角柱が降りてきた。シシリアンが横へ飛ばずにそのままいたら――潰されていたのであろう。

 自身のいた所を潰した大きな四角柱を眺めるシシリアンは相変わらずコントラバスを弾いている彼女に鋭い視線を向ける。

 

「……なるほど。つまり、お前は敵だというわけか」

 

「…」

 

 シシリアンのその指摘にはしかし彼女は何の反応さえもみせない。

 ――だが、実は彼女こそがムザン海賊団の海賊にして暴獣海賊団を空間中に招いた張本人――セイレーンだ。

 

ムザン海賊団ナンバー7

セイレーン

 

 口を開かないセイレーンにイラつきを覚えたシシリアンは動く。

 

「――何とか言ったらどうだぁぁぁぁぁあ!!」

 

 そう怒鳴りつけたシシリアンは剣を手にセイレーンの元へ立ち向かっていく。

 

          ●

 

「オラァ!」

 

「「「うわぁぁぁあ!!」」」

 

 少年に襲いかかろうとした海賊達がその一振りにより斬り捨てられた。

 倒れた彼らを見下ろす少年――明日郎は言い捨てた。

 

「てめぇら……オレ――オレ達をナメんじゃねぇよ」

 

 そう言う明日郎の横の扉が突如開かれる。

 

「!」

 

 その扉につい視線を向けた明日郎の前に現れたのは――

 

「強いな〜てめぇは……」

 

「ミンク族!?」

 

 目を見開いた明日郎の言葉通り、それは黒い獣人――ウルフのミンクだった。

 

「……あぁ、そりゃオレはミンク族――ウルフのミンクだ」

 

「だが、それはもう知らねぇな。今のオレは――」

 

「ムザン海賊団のカイガクだ!」

 

ムザン海賊団ナンバー9

カイガク

 

          ●

 

「フン!」

 

 海賊達を吹っ飛ばした猛者がここにも。

 しかも、その姿はミンク族――ジャガーのミンクだ。

 ――ペドロだ。

 倒れた海賊達を見下ろし、そして周囲を見渡るペドロは呟く。

 

「……まだ分からぬが」

 

「ここは奴らの本拠地……と考えるべきだろうな」

 

「ここに連れ込まれた時の手段……あれは異常だ――悪魔の実の能力だと考えてもいい」

 

「なら――その能力者を見つけ出し、皆をここから解放させなければな……」

 

 そう呟き続けるペドロだが、ふと隣下に視線を向ける。

 

「――ところで、なんで……あなたまで?」

 

「……申し訳ありません」

 

 疑問を投げかけてしまうペドロに頭を下げたのはなんと――キリヤだ。

 なぜか彼まで連れて込まれていたのだ。

 俯いているキリヤを見下ろしたペドロは思案に耽る。

 

「(……この子を傷付かせずに守らなければならないな……)」

 

「(さもなければ――〝ギビマ〟の者が文句を言ってくるかもしれんからな)」

 

 そう結論を出したペドロは鳥肌が立つのを感じられた。

 ペドロは素早くキリヤを自身に寄らせながら上方を見上げる。すると、そこには――

 

「ヒヒヒ……何だ、気付いてたのかぁ」

 

「!」

 

「貴様は……」

 

 目を見開くキリヤをよそに目を細めるペドロは警戒する。

 ――天井に伏せている者に向かって。

 

「ヒヒヒ……教えてやる義務はねぇがぁ……」

 

「紹介してやるよぉ……オレはムザン海賊団のポイズンだぁ」

 

ムザン海賊団ナンバー8

ポイズン

 

 自己紹介したポイズンからペドロは目を逸らさずとも――キリヤに声を掛けた。

 

「……キリヤ殿。気をつけなされ」

 

「はい!」

 

          ●

 

「大丈夫かい?」

 

「えぇ」

 

「はい!」

 

「あい!」

 

 死屍累々な所でのテゾーロからの問いかけにステラ、ページワン、ノヴァもそう応えた。その即答にテゾーロも頷く。

 

「よし……君達は一応戦えるのはそりゃ分かっているが。現に数人倒してきたようだし」

 

「しかし、ここは――私に任せるんだ」

 

 そう告げるテゾーロの真剣な目にステラもページワンも頷く……ノヴァも。

 

「……とりあえず、我々は一纏めになって――」

 

 そんなテゾーロ達の耳元に大音が響く。

 

「「「!」」」

 

 テゾーロ達がその音源に視線を向けると――何やら扉があった。

 

「……君達、私の後ろにいなさい」

 

 しばらく思案に耽るテゾーロがそう言い、ステラ達も頷く。

 テゾーロ達が慎重に扉を開けてみると――そこには数台の棚に数多くの壺が並べられていた。

 しかも部屋の中心にはプールがあった。

 

「「「!」」」

 

「へぇ……」

 

「わぁ……!」

 

「あい!」

 

「ほぅ〜なかなかじゃないか」

 

 並べられている多くの壺の出来具合につい思わず感嘆の声を上げてしまうテゾーロ達。そこに

 

「ヒョッヒョッ……」

 

「「「!」」」

 

 素早く戦闘形態を構えたテゾーロ達が視線を向けるとプールから湧き出てきた者が1人。

 

「いやはや!目が高い!」

 

「この美しき壺だらけ!たまらないですな〜」

 

「あぁ、申し遅れましたな……私はムザン海賊団――ジャー!」

 

 そう名乗ったジャーは大柄で饒舌な魚人だった――ただし両目の所には2つの口、額と口元には目になっているという何ともいえないデザインの面を被っていた。

 

ムザン海賊団ナンバー6

ジャー

 

「……?どうしましたか?」

 

 黙ったテゾーロ達にジャーが疑問を投げかけるとページワンが口を開く。

 

「……何、その面は?」

 

「……何?」

 

 ページワンの容赦ない言葉にジャーも青筋を立てる。

 

「気持ち良くない?」

 

「それは貴様の目玉が腐っているからだろうがああああ!!!」

 

 ページワンの心からの言葉にブチキレたジャーが怒鳴りつけた。

 思わずビクッとしたページワンを後ろに庇ったテゾーロがジャーの前に出る。

 

「おや?……あなたが私と手合わせをするとでも?」

 

「いや……」

 

 ジャーのその言葉を否定したテゾーロは晴れやかな笑みを浮かべながら

 

「芸術へのある程度の理解がある私の手で君を――輝かしい金の像にしてあげようと思ってね」

 

「……ナメるなよ、成金野郎」

 

          ●

 

 壁、壁。壁というものを破壊し続けながら突進する者が1人。

 

「スサノオさん!」

 

 頭がどうかしてるとしか思えないその行動をしているジャックはただスサノオを探しているだけだった。

 彼はスサノオの元に参上しようと駆け回っていた。だが、そこに

 

「おい」

 

「……あ゛?」

 

 その声に一旦突進を止め、しかしイラつきが高まったジャックが視線を向けると

 棒を手に持ってて、不機嫌な表情を浮かべる青年が1人。

 彼こそがムザン海賊団のセルフだ。

 

ムザン海賊団ナンバー5

セルフ

 

「……何だ」

 

「……腹立たしい。あの方の計画を台無しにするだけに飽きず――メチャクチャに暴れてくれて……」

 

「あの方がかわいそうとは思わんのか!!」

 

「知るか」

 

 セルフのその言葉にジャックはそう返す。

 言葉をなくすセルフにジャックは言葉を続ける。

 

「オレはあの人――スサノオさんの元に行かなきゃならねぇんだよ……」

 

「だから、てめぇをさっさと潰す」

 

「……お前ぇぇぇぇぇえ!!」

 

 ジャックのその言葉に怒りを大爆発させたセルフが彼に襲いかかろうとする。

 

          ●

 

「どこごんす!ページワン!」

 

「邪魔だ!お前達!」

 

 ヤマトとうるティは駆け込みながら立ち塞がってくる海賊達を吹っ飛ばしていった。

 うるティははぐれてしまった弟を探そうと声を出しながら駆け回っていた。ヤマトもそれに続いていった。

 

「うるティ!少しでも落ち着いて――!」

 

「こっちごんすか!?」

 

「本当に向こう見ずだな!君はぁ!!」

 

 ヤマトからの声が聞こえなかったのか、うるティはある扉を頭突きで破壊した。

 その猪突猛進な様にヤマトも突っ込まずにはいられなかったのだ。

 とにかくうるティとヤマトが突っ込んだ部屋には男が1人。

 堂々と腕組みしている彼の身体は細身ながらも筋肉質な体つきで肌は日焼けしていた。

 猛者の雰囲気を出している彼にヤマトは警戒する一方で睨みつけていたうるティは怒鳴りつけた。

 

「あぁ!?てめぇは誰だぁ!!」

 

 うるティからの怒鳴りつけに彼はため息をつき――素直に紹介した。

 

「オレはムザン海賊団ナンバー4である海賊――アガサだ」

 

ムザン海賊団ナンバー4

アガサ

 

「「…」」

 

 ただ者ではないといえるであろう彼にヤマトとうるティは戦闘形態を構える。

 そんなヤマト達を見つめるアガサはため息をついてしまう。

 

「……何故にオレには――女……しかも子供なのだ?」

 

 彼の言葉にはヤマトもうるティもカチンと来た。

 

「はぁ!?――僕は「男」だぁ!!」

 

「てめぇ!私達をナメんなごんす!!」

 

「「――叩き潰す!!」」

 

 声を揃えたヤマトとうるティはアガサに立ち向かった。

 

          ●

 

「ヒヒヒ……女の子が」

 

「海賊ごっこはダメだよ〜君達〜ギャハハハ!」

 

「どうなっても知らないよ〜♡」

 

 少女2人に下衆な笑みを浮かべていた海賊達が襲いかかろうとするも

 

「「はぁ!」」

 

「「「うわぁぁぁあ!?」」」

 

 1人は刀で、もう1人は薙刀で海賊達を斬り捨てた。

 ――小紫とブラックマリアだ。

 

「オイオイ!マジかよ!」

 

「ガキのくせになんて奴らだ!」

 

 小紫達を囲まっている海賊達の数人が焦りながら言い放つ。その意見は海賊達の総意であろう。

 

「フン……ガキだからってナメない事だ」

 

「ふふっ……そうそう♪」

 

 小紫――私達が海賊達をそう挑発するとイラつきを抑えられなくなった海賊達が動き出そうと――

 

「あぁ……君達!タンマ!タンマ」

 

「「「!?」」」

 

 その声によりその場にいる私達が目を見開く。

 

「君達はもういいから――下がってよ」

 

「「「は、はい」」」

 

 その言葉に恐れ入ったらしい海賊達が従って下がっていった。

 海賊達が1人も消えていった場でその声の主は口を開く。

 

「わぁ!君達!可愛いね!」

 

「「…」」

 

 小紫とブラックマリアの前に現れたのは常に柔らかな笑みを浮かべる気さくな好青年。

 彼はムザン海賊団のドーマだ。

 

ムザン海賊団ナンバー3

ドーマ

 

 ニコニコとするドーマに目を細める私達は会話する。

 

「……どう思う?」

 

「そうだね〜…ウソ臭いよね〜あの笑顔」

 

「……だよね。私もそう思う」

 

 ドーマの笑顔に私達は嫌悪感を抱いてしまう。

 

          ●

 

「……うむ」

 

 死屍累々の上で堂々と立っている者――フドウが呟く。

 

「……近くにはスサノオさん、そして皆の気配を感じられないな……さて、どうしたものか……む!」

 

 何かを感じたのか、フドウはある扉に鋭い視線を向ける。

 彼は感じるのだ。その扉から重々しい空気が漂っているのを。

 しばらく思案に耽ったフドウは結局、扉を素直に開ける事にした。

 フドウが扉を開けて入った部屋には――

 一応和服にも見える黒マントを着用している寡黙そうな青年が立っていた。

 

「……貴様は?」

 

 フドウからの問いかけに彼は口を開く。

 

「……私はムザン海賊団――ペスト」

 

ムザン海賊団副船長 兼 ナンバー2

ペスト

 

 ペストの重々しい雰囲気にフドウは決意する。

 

「……この〝裁火のフドウ〟」

 

「参る」

 

          ●

 

「フハハハ!!我が計画を破綻した罪、償ってもらうぞぉぉぉぉぉお!!」

 

 両手の爪を伸ばしながら駆け寄ってくるムザンにオレは言う。

 

「ほざけ」

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