ONE PIECE 荒ぶる暴獣の猛威   作:ウェイブロック

6 / 180
☆難攻不落の侍の国ー「ワノ国」!!
 だが、そこに忍び寄ろうとする影が…!!


第3話〝ワノ国〟

ワノ国――

 

そこは〝偉大なる航路(グランドライン)〟後半の海〝新世界〟にある国だ

世界の島々は「世界政府」に所属する加盟国と所属しない非加盟国に分かれているが、この国は非加盟国でもあるのだ

だが、そこはただの非加盟国ではない。〝新世界〟の不思議な島々の中でも内情を知らされない謎多き鎖国国家として知られる

そんな国の実態とは――

 

まず、その国の周囲を常に悪天候が囲んでおり、潮の流れも速くなっている

また国自体も海にそびえ立つ断崖絶壁の上という比較的高所にあり、その四方を巨大な滝に囲まれており、さらに外界も国特有の特殊な水流で覆われている

つまり正しい海流に乗れなければそれだけで船は大破し、それを乗り越えても今度は滝に激突して船は大破する事になる

それ故にその国に到達するには相当な実力と航海術が必要である

 

仮に入国できたとしても――

〝侍〟と呼ばれるその国の戦士達に追い出される事になる

彼らの力は相当なもので「世界政府」さえも立ち入れない程だといわれる

 

そんな国が800年も外界との関わりを断絶し続けてきただけはあって、その内部で独自の文化を築かれていた

その国の建物は木造で畳と塗り壁、障子と襖などの独自の建築様式で建てられ、住民は着物といわれる服装を着て、丁髷という特有の髪型をしている

何より――その国が実は〝海楼石〟の産出国である。そんな地だけはあってダイヤモンドのように硬い〝海楼石〟を世界で初めて実用的な武器・道具に作り変える事を可能とする高い加工技術を持っているのだ

 

その様々な特色を持つ故に〝黄金の国〟とも呼ばれた侍の国――

それが「ワノ国」なのだ

 

――その「ワノ国」を訪れる者達が近頃現れ続けていた

 

まずは「白ひげ海賊団」――海賊である

……なのだが、意外な事に彼らは別に「ワノ国」に害を与えず、すんなり立ち去っていった

 

――ある男達を連れながら……

 

「うおおおおお!!」

 

「ヒャッホー!!」

 

その次にやってきた一団も同じく海賊であった

それこそが――

 

「――到着できたか」

 

「ここが〝黄金の国〟――「ワノ国」か……」

 

〝百獣のカイドウ〟率いる「百獣海賊団」であった

 

 

「海外からの来訪者だ!!」

 

「皆、いつでも抜刀準備を!!」

 

「……前に「九里」にやってきた者達のように害のない人達の可能性は?」

 

「……ない訳ではないが……だからって警戒をやめるべきではなかろう」

 

 「ワノ国」は6つの地方――郷に分けられて、その1つが「兎丼」だ。

 またそこにある港こそが――「常影港」。その港に外界からの船が現れた故に騒然とした。

 仮にその一団が攻勢をかけようとしてきても防衛するために、またはその一団を追い出すために元々そこにいた、またはその付近にいた侍達が集まった。

 そんな彼らは船を警戒し、その中から降りてくるであろう者達を待ち構えていた。

 

 ――そして、彼らは目にしてしまった。

 その船から降りてきた一団の長とその側近を……

 

「な、な、何じゃあ!!?あの大男は!!?でかい!!に、人間なのか!!?」

 

「あの黒い大男は翼が……!!しかも燃えている!!?」

 

 ――どう見ても普通ではない、それどころか人間ではない――怪物がやって来てしまった。

 

 目にしたその恐ろしげな風貌についそう思い浮かべてしまった侍達が冷や汗をかきながら警戒を強めた。

 ……だが、同時にある恐れを抱いた。

 

 ――あのような怪物達に我らが敵えるのだろうか……?

 

 彼らはそう考えずにはいられなかったものの、〝侍〟としての誇りを持つがためにすぐその恐れを消そうと努める。

 ただ、その手が震えてしまっていた……

 そんな彼らをキングはしかし気にかけず、カイドウに声をかける。

 

「どうなんです?ここは?オレは悪くはねェと思うが」

 

「ウォロロロロ!!確かになァ!!オレもだ!!」

 

 ついに辿り着いた「ワノ国」に関しての彼からの意見にカイドウも笑みを浮かべ相槌を打った。そして我が子達に視線を向ける。

 

「スサノオ!ヤマト!どうだった?」

 

「うん!たのしかった!かぜがきもちよかった!」

 

「だーだー!」

 

 ――実はカイドウ達はせっかく「ワノ国」を訪れたために正式な入国方法を使わず、滝を泳いで登る事ができる巨大な鯉に船を引っ張ってもらう「滝登り」を試みたのだ。

 それがスサノオ達にとっては受けが良かったらしく父親からの伺いに笑顔で応えた。

 

「そうかそうか!」

 

「キョキョキョキョ……まだまだこんなものではないぞ、「ワノ国」の真骨頂はね」

 

 その事に機嫌良く頷いたカイドウの元にある侍が近付く――否、侍に化ける者が話しかけた。

 黒炭ひぐらしだ。彼女は「百獣海賊団」を「ワノ国」に導くために船に乗ったのだ。なお念に念を入れて素性を侍の姿で隠している。

 そんなひぐらしから声をかけられたカイドウは我に返る。

 

「おお、ここに居続ける場合じゃなかったな……オロチの奴のところに連れて行け」

 

「もち!……おい!!」

 

「ッ……な、何だ……!?」

 

 その指図に従うためにひぐらしはまず一番近くの侍を呼びかける。

 

「こちらは恐れ多くも将軍代理のオロチ様に呼ばれてきたのだ。さっさと道を開けてもらおうか」

 

「「「え!!?」」」

 

「な、何ィ!!?」

 

 カイドウ達を抜かりなく警戒していた侍達も思わぬ名を口にされた故に驚愕せざるを得ない。

 何せ、それは「ワノ国」の君主――将軍の名前だったから……

 ……といってもあくまで外界に出奔しているある男が帰ってくるまでの将軍の「代理」にすぎないんだが……

 いずれにせよ、今時点の君主であるのに変わりはないのだ。

 

 だが――

 

「(本当にこやつらを将軍が呼んだのか……?)」

 

「どうした?早くしろ」

 

 怪物の如き恐ろしげな風貌をするカイドウ達の姿を目にした侍達はその疑念を抱かざるを得なかった。

 そして彼らを将軍の元へ行かせていいのだろうかとも葛藤していた。それ故に――

 

「……真に将軍が彼らを呼んだのか、その確認を―…」

 

 その確認を取ろうとする侍達の姿勢にひぐらしが語気を強める。

 

「何を言っておる!!海外の者が知らぬ筈の将軍の名をこやつらが知っていた――それこそが証拠だ!!」

 

「将軍が首を長くして待っているのだ。これ以上の邪魔は許さぬ」

 

「……それとも将軍に背くのか?それでも〝侍〟か?」

 

「ッツ!!」

 

 そして言い張られた言葉、特に最後部に侍達は息を詰まらせた。

 〝将軍に背く〟――それは〝侍〟としてあってはならぬ事だった。

 その考えを抱きながら生きてきた彼らにとってその言葉は効果的だった。だからこそ――

 

「……今、道を開ける」

 

 顔をしかめている侍達がそれでも渋々ながらも道を開けていった――そうして道ができた。その事に満足気に頷いたひぐらしはカイドウ達を先導し始める。

 

「では、どうぞ……」

 

 彼女の案内により「百獣海賊団」がオロチの元へ向かって歩を進める。それを侍達が黙って見つめるしかなかった……

 

「……いいのだろうか……やつらをこのまま行かせて……」

 

「……あぁ、悪い予感がしてたまらん……」

 

 その行進に関して彼らは不安げに議論を始めた――その不安感は別に間違ってはいない。

 なぜなら――〝百獣のカイドウ〟率いる「百獣海賊団」の来訪により「ワノ国」の運命は一転する事になるのだから……

 

 

 「ワノ国」の6つの郷の1つにして首都。

 それこそが――「花の都」

 桜の花びらが舞い散るそこは条坊制に近い網目状の街並みが建てられてて、まさに絶景であろう。

 そんな「花の都」の中心に建てられた城――それが将軍の居城である。その城の一室に「百獣海賊団」はいた。正確にはその幹部陣が招かれていて、部下達は下の階に控えている。

 そして――彼らは歓待を受けていた。

 

「ここの酒もうめェし、なかなか良い場所じゃねェか……!」

 

「キョキョキョキョ……気に入ってくれて何よりじゃ!!」

 

 カイドウも振る舞われた酒と料理を心から楽しんでいた。

 

「ウォロロロ……スサノオ!ヤマト!どうだ?」

 

「うん!おいしいし、まちもきれい!」

 

「きゃはは!」

 

 それで彼はそばで料理を食べているスサノオとそれを見ているヤマトに感想を伺い、スサノオ達も笑顔で応えた。彼らも「ワノ国」の事をすっかり気に入ったようだ。

 

「そうかそうか!ん?」

 

 和気藹々とするカイドウ達の前にその者達が姿を現す。

 黒炭ひぐらしがいるのはもちろんだとして、新たに現れたのはカイドウが見習いした頃の海賊団の船員でもあった琵琶法師の格好で琵琶を手に持っている老人――〝ジジイ〟黒炭せみ丸。

 

〝ジジイ〟

黒炭せみ丸

 

 ――そして……

 

「お前達がカイドウ――「百獣海賊団」なんだな……!!よく来てくれた!!」

 

「おう、お前が――黒炭オロチか」

 

 続いて現れた顔が非常に大きく頭身が低めで割とずんぐりした体格でどことなく獅子舞を彷彿とさせる顔立ちと上の犬歯が出っ歯のようになっている大男。

 彼こそがカイドウ達を「ワノ国」に招いた「ワノ国」の将軍代理――黒炭オロチだ。

 

ワノ国将軍代理

黒炭オロチ

 

 彼ら――「黒炭家」の手引きによってカイドウ率いる「百獣海賊団」は「ワノ国」に拠点を移しに、そして彼らの国盗りに手を貸しに来たのだ。

 今、初めてオロチと直で顔を合わせたカイドウだが、その眉はひそめられた。

 

「今までは電伝虫越しだったから、直接会うのは初めてだが……ずいぶん弱そうだな」

 

 彼から容赦なくそう言われたオロチはグッと悔しそうにする――が、意を決して口を開く。

 

「……あぁ、確かにな……このオレは別に強くねェ……剣の腕もねェし、〝悪魔の実〟を食べたが大した強さを得られていねェ……だけどよォ!!」

 

「だからこそ!!力が欲しい!!オレを苦しめてきた「ワノ国」の全てをぶっ壊せる力が!!」

 

「オレは今!!こうして将軍の座に就いている!!今ならばお前達に金でも武器でも何でもくれてやれる!!」

 

「だから――オレと手を組んでほしい!!〝武力の化身〟といわれるお前の力をオレに貸してくれ!!頼む!!」

 

 強い感情――ドス黒い怨念を込めて述べるオロチが最後に懇願した。

 その姿勢から感じ取れた怨念の深さにカイドウはニヤリとする。

 

「ウォロロロロ!!いいだろう!!もう既に乗っているが、改めて宣言しようじゃねェか!!」

 

「お前らの企みに乗ってやろうじゃねェかってな!!」

 

「お、おおお!!た、助かるぞ!!」

 

 カイドウが高らかにそう宣言したのを受けてオロチも安堵感を覚えた。そしてひぐらしも怪しい笑みを浮かべる。

 

「キョキョキョキョ……「百獣海賊団」がここ「ワノ国」に到着した事により計画はいよいよ最終段階に入るだろう……」

 

 長らく進めてきた計画がそろそろ完遂されていくのであろうという状況にひぐらしもほくそ笑む。

 ――そもそも、「黒炭家」の〝計画〟は10年以上前から、それこそカイドウがある海賊団で見習いをしてる時からもう既に始まっていた。

 「ワノ国」を手に入れるためにひぐらしとせみ丸はまずオロチの前に現れ、彼に力と知恵を授けた。続いてオロチを「ワノ国」の中枢に潜り込ませ、そこから基盤を築いてきた。

 そうして手筈を整えた彼らは気兼ねなくカイドウ達と手を組み、「ワノ国」を乗っ取るのだ。

 

()()()が滅んでしまった時は焦ったが……」

 

「……」

 

「しかし!本人が滅んでも――「ロックス」は不滅じゃったな!キョキョキョキョ……」

 

 ……実は「黒炭家」は本来あの人――ロックスと手を組んでいた。彼に後ろ盾になってもらって、それで国を手にする計画だった。

 しかし――10年前のある日、彼が滅んでしまった。

 その死によって計画が泡と消えかけてしまったが、だからといって諦める訳にはいかなかった。それで代わりになれる奴はいないのかと検討してみたら……ロックスの船の見習いで今は〝武力の化身〟として呼ばれるまでに成長したカイドウに目を付けたのだ。

 その事実からある意味「ロックス」が滅んでいなかったといえよう……

 計画が順調に進められている事実にひぐらし、そしてオロチ達がほくそ笑むのにつれてカイドウ達も獰猛な笑みを浮かべる。

 

「ウォロロロ!!見てろよ、お前ら!!このオレの強さを侍共に知らしめてやるぜ!!」

 

「フン……まぁ数多いる海賊共の中からカイドウさんを選んだのは目が高い……褒めてやる」

 

 カイドウもキングもこれから取り組むであろう事に対してもう既にやる気満々になった。その姿勢にひぐらしは満足気に頷き――

 

「キョキョ!早速だが、我らの現状――そして今後とるべき動きを説明するぞ!」

 

――そうして〝百獣のカイドウ〟率いる「百獣海賊団」は黒炭オロチ率いる「黒炭家」と手を組み、「ワノ国」侵略を開始した




☆「百獣海賊団」の「ワノ国」侵略開始!!
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。