ONE PIECE 荒ぶる暴獣の猛威   作:ウェイブロック

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第62話〝仲間〟

時は遡って――場面はソード王国城の前。

 

 そこでオレとヤマトとフドウはソード王国の「巨神兵」と対峙していた。

 

「ア゛ァ゛ア゛ア゛ア゛!!」

 

「リュドドドド!!」

 

 〝虎〟の能力を発動する古代巨人族の男性、ラウフェイが雄叫びを上げているのに対して〝竜〟に変身しているオレも負けじと高笑いしていた。

 

「イ゛ィ゛イ゛イ゛イ゛!!」

 

「オオォォォ!!」

 

「――喝!!」

 

 一方で〝狼〟の能力を発動する古代巨人族の女性、メニヤが雄叫びを上げているのに対して〝大口真神〟に変身しているヤマトも負けじと雄叫びを上げ、黒い翼を振らせて浮かんでいるフドウも重々しく、しかしはっきりと宣した。

 

「ア゛ァ゛!」

 

「イ゛ィ゛!」

 

 ラウフェイとメニヤは動物の力を宿る自身の肉体を動かして目前の敵を潰そうとする。

 ――所詮、ちっぽけな人間だ。「巨神兵」の敵ではない。今までの敵のようにあっけなく潰されるだろう。ましてや〝人造悪魔の実〟の能力を発動している今ではかえってだ。

 自身の種族、力に自信を持っているラウフェイとメニヤはそう思っていた――だが

 

「リュドドドド!!」

 

「ア゛ァ゛!?」

 

 ラウフェイの勢いよく振り回られる両腕をオレは素早いトリッキーな動きでかわしていた。

 つい動揺したラウフェイにオレは仕掛けてやった。

 

「〝竜尾〟!!!」

 

 自身を凄まじく横回転させたオレの尻尾がラウフェイの顔を強烈に叩き付けた。

 

「ガァ゛ア゛!!?」

 

 強烈な衝撃を顔に受けたラウフェイもさすがに倒れていった。

 その一方でもメニヤの暴れぶりを空中のフドウと地上のヤマトもかわしていた。やがて

 

「〝火龍〟!!!」

 

「ギィ゛イ゛!!?」

 

 フドウが炎で形成し放った龍をメニヤの胸が受けるも

 

「イ゛ィ゛ィ゛〜〜!」

 

 顔をしかめているもなんとか持ち耐えていた。だが、そこを

 

「〝疾風氷牙〟!!!」

 

 冷気を前衛としながら駆けていたヤマトがメニヤの右足の膝裏に突っ込んだ。

 

「ィ゛ンギィ!!?」

 

 体勢を崩されたメニヤは目を見開きながら倒れていった。

 その戦いを城の前で戦っていた者達がつい目を惹かれていた。

 

「あ、あの「巨神兵」が……!」

 

「ば、バカな……!」

 

 あの「巨神兵」がいいようにやられているという事実に「漆黒の使徒」が動揺する一方で

 

「ハハハ!当たり前だろ!」

 

「おう!――うちのスサノオさん達は最強だからな!」

 

 海賊達が歓喜の声を上げていた。

 そんな者達をよそに戦いは続けられていく。

 

「「――ガア゛ァ゛ア゛ア゛ア゛!!」」

 

 倒れていたラウフェイとメニヤは怒りの雄叫びを上げながら立ち上がってきた。

 いいようにやられている彼らはプライドを刺激されていて気迫に満ちていた。

 

「ア゛ァ゛ァ゛!!――オレ達ばぁ最強だぁ!!」

 

「イ゛ィ゛ィ゛!!――だがら゛ぁ消え゛ろ゛ぉ!!」

 

 そう怒鳴りつけた彼らは先程よりさらに凄まじく暴れてきた。その暴れぶりは城の前にも及ばれていた。

 

「「「オォォォォ!!?」」」

 

「――おいぃぃ!!やりすぎだぁぁ!!」

 

「そうだぁ!!これではオレ達も戦わねぇじゃねぇか!!」

 

「――せっかく、スサノオさん達が遠ざけてくれたってのに!!」

 

「あぁ、これでは――「巨神兵」がくたばるまでは無理だな!!」

 

 やはり、満足に戦えないどころか自身の身に集中せざるを得なくなる環境に暴獣海賊団も「漆黒の使徒」も慌ただしく動いていた。

 

「ア゛ァ゛ァ゛!!」

 

「イ゛ィ゛ィ゛!!」

 

 だが、そんなの知った事ではないというかのようにラウフェイとメニヤは容赦なく暴れ回る。

 

「オォ!?」

 

「うわっ!?」

 

「ムッ!?」

 

 先程より激しくなった「巨神兵」の暴れぶりにオレ達も少し肝を冷やされる。故に余裕がなくなってきているといえ、それでも何とかかわした。

 

「――!!」

 

 だが、ついにラウフェイの手がオレに当たってしまった。

 

「ア゛ァ゛ァ゛!!」

 

「オォォ!!」

 

 それを好機だとみたラウフェイは容赦なくオレに攻撃を加え続けた。それをオレはただ受けていた――

 

「オォ……」

 

 そして、大ダメージを負ってしまったのかオレは力なく地に堕ちていこうとするのを目にしたラウフェイは笑みを浮かべる――

 

「……!?」

 

 突如ラウフェイは目を見開き、素早く自身の両手を確認してみた。

 その両手は――ボロボロで血も出ていた。そして、今さらやっと痛みを感じてきたラウフェイは戸惑いながら悲鳴を上げたところに

 

「気付いたか」

 

 なんと力なく堕ちていくかと思われたオレはラウフェイの目下を飛び浮かびながら――赤く光る口をいっぱい開けていた。

 実は――オレは確かにラウフェイの攻撃を避けられなかったが――だからといって、ただで受ける訳ではなかった。

 ラウフェイの放ってきたパンチ、掌底打ちをギリギリ当てられかける距離でオレはすれ違いに翼、爪、尻尾で逆に攻撃し返してやった。放った手を傷つけ込まれているのに気付かないラウフェイはただ手を放ち続けていって、そのすれ違いに攻撃を受け続けてしまった。

 そうして――両腕をまんまとやられてしまったラウフェイにオレは更なる攻撃を仕掛けようとしていた。

 

「〝熱息〟!!!」

 

 それは先程よりさらに強い〝熱息〟を胸に受けたラウフェイは勢いよく吹っ飛ばされ――地に叩きつけられた。

 

「ば、バカな゛ぁ……」

 

 身の置かれた状況を信じられないラウフェイはしかし、それでも再び立ち上がってくる事はなかった。

 

          ●

 

「イ゛ィ゛ィ゛!!」

 

 ヤマトとフドウにメニヤが襲いかかろうとするが――

 

「ヤマト!ここはオレが!」

 

「フドウ!」

 

 ヤマトを背後に庇うように移動したフドウは防衛形態を構える。そんなフドウにメニヤは容赦なく攻撃する。

 

「イ゛ィ゛ィ゛ィ゛ィ゛!!」

 

「……!」

 

 フドウが避けるどころか動けずに攻撃をただ受け続けているのにメニヤはニャリとするが――

 

「……?」

 

 やがて違和感を感じたメニヤは一旦攻撃を止め、フドウを凝視してみると――

 

「……いくら――もどきといえ、古代巨人族の攻撃でもルナーリア族には届かない――という訳だろうか」

 

 そう呟いたフドウの姿はメニヤの攻撃を直で受け続けてきたにも関わらず――無傷だった。

 

「な、何だどぉ〜!」

 

 その事実に動揺を極めたメニヤはかえってますます刺激され、さらに力を込める攻撃を放とうとし――

 

「イ゛ィ゛!?」

 

 気付く――自身の両足が凍られていたという事に。

 ――実はメニヤがフドウに攻撃し続けるのに集中し過ぎているのを良い事に、ヤマトが冷気を放って彼女の両足を凍らせていたのだ。

 両足を凍られていたメニヤは動けずにいた。それでなんとか両足を無理矢理動かそうとするメニヤの胸には――もうヤマトが浮かんでいた。

 

「〝転輪氷牙〟!!!」

 

 冷気を纏いながら自身を勢いよく回転させているヤマトがメニヤの胸に突っ込んでいった。

 

「イ゛ィ゛ィ゛イ゛ィ゛!!?」

 

 それを受けたメニヤは吹っ飛ばされ――地に叩きつけられた。

 

「……わ、私達がぁ……!?」

 

 自身の――敗北を信じられないメニヤはしかし立ち上がってくる事はなかった。

 

 こうして――「巨神兵」は地に倒れた。

 その様子から「巨神兵」の敗北を理解してしまった者達はざわついた。

 

「ば、バカな……あ、あの「巨神兵」が!?」

 

「あ、あり得ねぇ!!」

 

 「漆黒の使徒」がその事実を受け入れられずにパニックになっていた。

 

「――よっしゃぁ!!」

 

「さすが!!スサノオさん達!!」

 

 一方で暴獣海賊団はオレ達の勝利に歓喜の声を上げた。

 

「――オレ達も続くぞ!!」

 

「「「オォ!!」」」

 

「――!!クソッ!!」

 

「ナメるなぁ!!」

 

 そしてオレ達に続けようと暴獣海賊団も突進し始める。対する「漆黒の使徒」も応戦しようとする――が、その士気は下がっていた……

 

          ●

 

 地に倒れているラウフェイとメニヤにそれぞれ近付く影がいた。

 

「……!」

 

「よ!」

 

 ラウフェイの胸には――オレが立っていて

 

「……!」

 

「やぁ!」

 

「…」

 

 メニヤの胸にはヤマトが立っていた。その後ろにはフドウも堂々と立っていた。

 

「……殺ずの゛が?」

 

 悔しがっていても諦めるかのようにラウフェイはそう言うが、その内容にオレは目を見開く。

 

「殺す?――いやいや!まさか!そんなのもったいねぇ!」

 

「!?――も゛っだい゛ね゛ぇ?」

 

 オレの言葉をラウフェイは戸惑いながら復唱する。

 

「――そう!もったいないよ!」

 

 一方でメニヤの胸でヤマトはそう声を上げていた。どうやら、そちらでも似たような会話をしているようだ。

 

「……じゃあ゛、どう゛ずんだ?」

 

 同じく戸惑っているメニヤがそう問いかけるのをヤマトは待っていたかのように二――ッとニンマリしていた。

 

「……ふふっ、それはね――」

 

「お前らがオレ達の仲間になるという事だ」

 

「!?」

 

 オレからのその提案にラウフェイは驚愕する。

 ――無論、ヤマトから同じ提案を受けているメニヤも驚愕をみせていた。

 とにかく、その提案にラウフェイは混乱しながらも――否定しようとしていた。

 

「バカな゛……オレばソード王国の゛「巨神兵」だ……ぞんな゛の゛……」

 

「……ここ、ソード王国は楽しいか?」

 

「……!」

 

 だが、オレが投げたその問いかけにラウフェイは口を閉じた。そして――思い出してしまう……ソード王国での日々を……

 ――それは明るいとはいえなかった。何せ……あまりにも強大な力を持っているからこそ、ラウフェイとメニヤは人々から恐れられながら生きていた。

 ソード王国の幹部陣も反逆防止の為に力で抑えつけていて、良い扱いをしてくれなかった。

 確かに楽しいとはいえない、そんな生活だ。

 

「……だが、どう゛ぜお前ら゛も゛――」

 

 その日々を思い出してしまった事でイラつきをみせ始めているラウフェイがそう言いかけるのを遮ったオレは言っておく。

 

「オレ達は力がなくても構わねぇよ」

 

「!」

 

 その言葉に目を見開くラウフェイにオレは言葉を続ける。

 

「――オレは……〝お前ら〟だからこそ誘っているんだ――来てくれるなら楽しくさせてやるぜ!」

 

 そう宣言し、晴れやかな笑みを浮かべたオレの目が自身を見ているのにラウフェイは気付いた。

 

「!(コイツら……!)」

 

 オレが力ではなく自身を見ているのに気付いたラウフェイは混乱している一方で――胸に温かなものが少し湧き出てきていた。

 一方でももちろん、ヤマトとメニヤの間にも同じ事が起きていて、メニヤもまた胸に温かなものが少し湧き出てきていた。

 

「……オレば……」

 

「私ば……」

 

 自身の感情を上手く理解できにくいラウフェイとメニヤが上手く喋れないのにオレ達は――

 

「……まぁ、答えは後で聞こう」

 

「またね!」

 

「「…」」

 

 一旦去っていったオレ達の姿を見ていたラウフェイとメニヤ――「巨神兵」は完全に戦意喪失していて、もうこれ以上動く事はなかった。

 

          ●

 

 「巨神兵」との戦いから城の前に戻ったオレ達は城の前での戦いを仲間達に任せ――城の中に入り、そこで分かれていった。

 

「――気を付けろよ!!お前達!!」

 

「――お兄さんこそ!!」

 

「――御武運を……!」

 

 ヤマトとフドウと分かれたオレは敵の総大将がいるであろう場――「王の間」に向かっていった。

 そこでオレは――まさにルシウスがハクジに手をかけようとするのを目にした途端に素早くその手刀を「神武」で防げた。

 そうして――スサノオとルシウス。両陣営の総大将同士が今ここに顔を見合わせた。

 

「……君がスサノオか――うん、なかなか強そうじゃないか」

 

「そりゃどうも……妙に余裕じゃねぇか」

 

 オレとルシウスがそう言葉を交わす中でオレは彼の態度に眉をひそめた。

 今起こっている非常事態に似合わない程に余裕満々だったからだ。そんなオレの疑問に頷くルシウスは説明しようとした。

 

「あぁ……確かに今ソード王国が襲撃を受けている中での私の態度は君の目にはおかしく映っているだろうね」

 

「あぁ」

 

「――それはね」

 

 その言葉を肯定するオレにルシウスは理由を答えた。

 

「それでも私の救世が止められない――からだよ」

 

 自信ありげにそう断言するルシウスの姿にオレも眉をひそめた。

 

「……大層な自信だな」

 

「あぁ――この私がそうすべく生まれた存在だからね」

 

 つい、そう口にしてみたオレにルシウスは調子を変えずに更なる言葉を言い放ってみせた。

 その態度にオレもさらに顔をしかめる――

 

「……部下と仲間が被害を受けているのにか?」

 

 その事に関してルシウスがどう考えているのかを知りたいオレはそれを口にしてみた。その問いかけを受けたルシウスはしかし笑みを消さない。

 

「あぁ……最近、どうにも部下達が調子に乗っていて意識が働いていないようだからね――」

 

「だからこそ――君達の襲撃は部下達の寝ぼけている目を覚ませるのにはちょうどいい……そう思ったまで」

 

 そう言いきったルシウスは微笑みを浮かべた。その微笑み、何より思惑がオレには気に食わなく感じていた。

 

「……部下がやられるだろうが、どうでもいいと?」

 

「私の力になれない者はそういうふうになるね」

 

 オレからの試みに投げた問いかけに対してルシウスは何の事はなく言いつけた。そんな態度にオレは怒りが湧き出てくるのを感じた。

 

「……おい」

 

「ん?」

 

「――テメェは部下を――仲間を使い捨てにするんじゃねぇよ」

 

 オレが重々しくそう言い放ったのにルシウスは肝を抜かれた。

 

「……自分に自信を持つのは別にいい。悪くはねぇ――だが」

 

 言葉を続けるオレは断言する。

 

「他人を信じずに――それどころか使い捨てにするのは気に食わねぇな……!」

 

「ほぅ?」

 

 オレの断言にルシウスは意外そうに眉をひそめた。

 

「……自分より能力が劣る者を当てにするのはどうかと私はそう思うね……君は違うと?」

 

 今度は自身の考えを口にするルシウスからの問いかけにオレは迷いなく口を開く。

 

「別にオレだけが全てとは思わねぇよ」

 

「ほぅ?」

 

 オレの考えに興味を持つルシウスは続いての言葉を待つ。

 

「――オレには仲間がいてこそだ」

 

「……ん〜」

 

 だが、オレの続いての言葉にルシウスはなにか失望するかのような反応をみせていた。

 

「……君は自分を信じずに他者を頼るのかね」

 

 そして、ルシウスからの軽蔑するかのような言い草に対してオレは――

 

「そりゃ、そうだろう」

 

 ニャリとしていた。

 

「人ってヤツは――1人だけじゃできねぇ事もあるんだ」

 

「!」

 

 オレが口にする論にルシウスは眉をひそめる。だが、構わずに言葉を続ける。

 

「このオレは――情けねぇが……料理はできねぇ」

 

「科学とかものを作れねぇ」

 

「色々だ――」

 

「――まぁ、できる事はあるが、できねぇ事もまたある」

 

 そうオレは肩をすくめながらも言葉を続ける。

 

「そういう分野は仲間に素直に頼っている」

 

「……そして何より――」

 

 「王の間」とは違う場所で戦っている仲間達にオレは思いを馳せていた。

 

「今も仲間達が戦ってくれている」

 

          ●

 

「!」

 

 ペドロとページワンを骨で貫こうとするゼノンに突如冷気がかけられていた。

 思わず構えたゼノンに向かってある女性が金棒を構えていた。

 

「〝雷鳴八卦〟!!!」

 

 ――ヤマトが金棒を振り上げ、ゼノンを吹っ飛ばしてやった。

 

「……!!」

 

 その攻撃に自身を覆っている骨にビビを入れられ、微かにダメージを負わされたのにゼノンは目を見開く。

 だが、すぐ目を細めたゼノンは体勢を立て直してヤマトを凝視する。

 

「……お前もソード王国の敵か?」

 

「そうだ!!」

 

 ゼノンからの確認にヤマトは堂々と返す。

 

「僕の名はヤマト!!!暴獣海賊団の海賊だ!!!」

 

          ●

 

「!!」

 

 明日郎とシシリアンを殴ろうとしていたダンテに火炎が襲いかかった。

 

「……効かないよ?」

 

 しかし、〝ケープクロスイギュウ〟の人獣型に変身している上に筋肉繊維を強化させてきたダンテの肉体には効く事はなかった。だが

 

「……!!」

 

 ダンテは目を見開く――前に横だっていた明日郎とシシリアンの姿がないのに気付く。

 

「……フハハ」

 

 その事にダンテはニャリとしながら――振り返ってみる。その先には……

 

「…」

 

 壁に明日郎とシシリアンの背中を付かせるフドウの姿があった。

 ダンテの視線に気付いたフドウは立ち上がり――ダンテと対峙する。

 

「……次は君かな?」

 

 そう確認してみるダンテにフドウが重々しく口を開く。

 

「――我は〝裁火のフドウ〟なり」

 

「暴獣海賊団の敵は我が火により――焼き尽くされるのみ」

 

          ●

 

 もうこれ以上の張り合いは不要だというかのようにオレからルシウスが一旦後ろに下がる。

 そして、オレとルシウスは真正面から向かい合う。

 

「――スサノオ」

 

 オレを凝視するルシウスが口を開く――

 

「世界の平和の為、君を潰す……!!」

 

「……あっそ!!」

 

 ルシウスの宣言に対してオレはそう返してやった。

 

 

――〝暴獣〟と〝独善〟の戦いが今ここに始まろうとする。

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