転生したらトカゲさんだった件   作:蓮太郎

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第十話 そして新たな街になる

 

 リムルが帰還してからすぐに宴、というわけにはいかなかった。

 

 戦後処理と即座に行けるあたり、相当上手く偉いオークを処理した上で交渉につけるオークを残せたのだろう。

 

 一騎打ちしたのか?そう思えるくらい綺麗にオーク軍が残った、らしい。

 

 こっそり彼らの野営地を見に行ったが、かなりの量が残っていた。

 

 少なくとも万単位で生き残っているのだろう。ただ、豚頭魔王(オークディザスター)が敗北したせいか活気はない。

 

 いや、もしかしたら腹が減って元気がないだけなのかもしれない。

 

 あれだけの人数を動かそうとしたら食料だって馬鹿にならない。

 

 今はまだ豚頭魔王(オークディザスター)の影響が残っているようで、僅かだが俺の目には禍々しきオーラが残っているのが見えた。

 

 だが時間の問題だ。負けた身だからリムルがどうするか解らない。

 

 食料だって彼らに働いてもらわないといけないんだ。簡単に彼らが納得したらいいが。

 

 流石に俺は話し合いに参加できなかった。

 

 留守番していただけだし当然。あんまり興味もないから何処かで昼寝でもしておくか。

 

 何かあればすぐ起きられるように、木陰に適当に寝そべって…………

 

 今日もいい天気だ。前世では考えられないくらい太陽の光が心地よい。

 

 ふわぁ…………やっぱり眠くなってきた。

 

 起きた頃には会議が終わるだろう。俺が居ても居なくても変わらない話だ。

 

 では、おやすみなさい。これから平和が続くように、俺が戦う機会がない事を祈ろう…………

 

 

 

 

…………………………………………

 

 

 

………………………………

 

 

 

……………………

 

 

 

…………

 

 

 

 

 

 こうして時はすぎた。大体3ヶ月くらい。

 

 あれだけ集まったオーク達は各地に散らばりながら労働力として重宝されてるらしい。

 

 現に、俺が滞在している村、もはや街になったが、ゴブリンとオークの半々くらいの人口になっている。

 

 戦力としては、俺の基準で測るのは酷なのでこの世界基準だとそこそこのものになっている。

 

 オーガから鬼人に進化したベニマル達、特にハクロウを筆頭に指導しているようで成長速度はそこそこいい、らしい。

 

 リムルを盟主にした街に変わった今、ここの価値を見つけた悪人が侵攻しかねない可能性を考えた育成だろう。

 

 リムルは人間と敵対する意思はないと言っていたが…………いつか仇になりそうだな。

 

 そんな感じで街は人手がたくさん、つまり軌道に乗り始めている。

 

 農作物も樹木人(ドライアド)の協力もあって早めに収穫できているみたいだし、俺も美味い野菜を食えてハッピーだ。

 

 俺?俺は、まあ特に行くあても無いし適当に滞在している。

 

 強いていうなら子守りと訓練の相手が仕事…………かな?

 

 だって今までやってきた仕事って使い捨てで命懸けの仕事しかなかったからヌルすぎて、こんなのでいいのかと思ってしまっている。

 

 原子力発電所がブラックすぎるだけ?それはそう。

 

 子供の世話をしてたらお裾分けがもらえるし、訓練に付き合ったら小遣いも貰えるのでかなり割りのいい仕事だと思ってる。

 

 訓練だって手を抜いた俺が避けまくるだけで済んでるので怪我もないし、相手にも怪我させることもない。

 

 常に手加減を発動させて、尚且つ寸止めにしてるからな。

 

 これに対して侮辱してるのでは無いかと思われたりしているのだが、別に物に当たって強さを示すなんて子どもじみたことはしない。

 

 男はいざという時に力を蓄える。そして力を出すべき時にのみ出す。ただそれだけよ。

 

 なんて格好つけたはいいが訓練はキチンとするように、と釘をさしておいた。

 

 俺だってレイドボスになる前は異形種の迫害で大変な時期があった。そのためがむしゃらに強くなろうとした過去だってある。

 

 ゲームとはいえ、そういう実績はあるのだ。

 

 他にやることと言えば、まあ娯楽が少ないのは致し方ないが太陽の下で寝そべられるだけで十分。

 

 昼寝が趣味に入るとは思わなかった。それに昼寝してたら子供や動物が集まって寝てたりするし。

 

「おお、メルト殿!ここで寝ていたのか!」

 

 …………騒がしいのが来たな。

 

「何だ、俺は今から昼寝をするところなんだが?」

 

「暇という事だな!これを見るくらいはできるだろう!」

 

 ガビル、リザードマンの使者でありながらかなりの失態を犯して追放されたが、なんやかんやでリムルに仕えることになり竜人族(ドラゴニュート)に進化したお調子者だ。

 

 意外にも追放された際にカリスマはあったようで、ついてくるリザードマンもかなり居た。

 

 戦力になるのはいいが、張り切りすぎて空回りする事も多いのが玉に瑕だ。

 

「で、これ何?」

 

「聞いて驚け、ヒポクテ草の栽培に成功した!」

 

「どう見ても雑草だよ馬鹿野郎!」

 

 堂々とアホな事を言うガビルの頭を叩いた俺は悪く無いだろう。

 

 見た目は完全に雑草だし、鑑定しても雑草だし。

 

「リムルに見せる前でよかったな。大恥かくところだったぞ?」

 

「むむむ、いい感じに育ったというのに…………」

 

「もうちょっと精査はしておけよ。だから妹をソウエイに取られるんだぞ」

 

「妹は関係ないだろう!?妹は!」

 

 ガビルの妹もソーカと名前をつけられて進化して…………名付けで進化っていうシステムは何なんだ?

 

 不思議には思うが、ソーカも進化して人の姿に近づいた。

 

 能力も向上してソウエイと働いてるみたいだし、まあOKだろう。

 

 現地のリザードマンとの関係はこんな感じだ。割と仲良く、されど深く突っ込まず、でもじゃれ付き合うくらいには仲がいいと自負している。

 

 ずっとこんな日が続けばいい。そう思った矢先だった。

 

「…………何だこの反応?」

 

 空からおよそ500の集団が来訪してきて事が大きく動き始めるとは、まだ思いもしなかった。

 

 俺はまだ、世界の大きな事情を詳しく知らなかった。

 





 メルトとガビルは意外と仲良し。実力は圧倒的にメルトの方が上だがお互い対等に接している節はある。

 どれくらい仲良しかというとDr.レイシオの形而上学的入浴理論を一緒に踊れるくらい。

 でも誰がメルトに名前をつけたのかメルト以外探りを入れようとはしている。

 ネームドは不安要素になるよねって思ったりする。

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