転生したらトカゲさんだった件   作:蓮太郎

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第二十話 豊作だからこそ狙われる

 

 謎の四人組、魔人らしいが、目的はこの街の魔物たちのスカウトらしい。

 

 ひとまずリムルが交渉のテーブルにつかせることと、魔王カリオンの意に反して敵対したいのかと脅しをかけて渋々といったところだ。

 

 その交渉の場に、俺は後ろにあるソファーでミリムの隣に座っている。

 

 ぎしぎしとなっているが大丈夫だろうか?俺は重いのか?いや、体格はいいから結構重いんだ。

 

 さて、魔王カリオンの使者であるフォビオと名乗った男についてだが、生意気だが力はあるのは違いない。ただ、相手が悪かった。

 

 成り立てとはいえ魔王を名乗る者を捕食したリムル、最強らしい魔王ミリム、そして『レイドボス』の俺。

 

 下手したら国どころか大陸すら制覇できそうな面子だ。

 

 そんなことしたら他の魔王や人間が阻むんだろうな。

 

 しかし、あの時のリムルの遠征って見られていたのか。いや、注目の戦いだったから分からんでもないが、俺も遠視の鏡とかで見ておくべきだったか。

 

 そういえばミリムも豚頭魔王(オークディザスター)関係で来たんだったな。そこそこなじんでたから忘れてた。

 

「魔王カリオンに伝えてくれ、日を改めてくれたら交渉に応じると」

 

 偉大なる魔王の使者であるはずのフォビオはリムルの言葉に不満を持ちながらも、それを持ち帰ることしかできないことに目に見えて苛立っている。

 

 ふと、彼が俺の方を見た。

 

 名残惜しいのか?いや、敵意を向けてきている。

 

 トドメはミリムだったが、それまであしらっていたのは俺だったからな。

 

 煽るつもりは無いが、一応別れの挨拶として手を振ったら凄い形相で睨まれた。

 

 こりゃあ恨まれたな、そう苦笑いするしかなかった。

 

「そろそろ隠してることを話してほしいんだけど」

 

「む、メルト、何か隠してるのか?」

 

「お前のことだよ、ミリム」

 

「な、何のことなのだ?」

 

 すっげえとぼけるのが下手だなこいつ。リムルの指摘にしれっと俺に押し付けようとしてきたが、華麗に回避してやった。

 

 流石にこれ以上は隠し事はできんぞ。都合よくやって来たことも、彼らが豚頭魔王(オークディザスター)関連でやってきた。

 

 どちらも、全部魔王関連で。

 

「そ、それはリムルにもメルトにも話せないぞ。お互いに邪魔をしない約束なのだ」

 

 つまり、秘密は確実に存在する。それも一部魔王が共有する計画のようなものが。

 

 そんな秘密は暴いてやれ、幸いにも今のミリムはもので釣りやすい状態。

 

 俺もリムルも前世の知識を使って食事や武器など興味を引くことは容易い。

 

 実際、そうやって彼女と交渉するようにしてきた。

 

 今もほら、リムルが親友という立場と武器で釣っている。

 

 そして簡単に釣られた。、持つべきものは友情パワーである。

 

 話を聞く限り、なるほど、会議で貴重な一票が欲しいために自由に操れる駒が欲しかったと。

 

 なるほど、重要な会議で思いのままに操りたいなら可能な作戦だ。

 

 ただ、そのためにどれほどの被害がでるのかを完全に度外視したイラつく作戦だ。

 

 この世界は、俺の世界よりも平等だ。

 

 強者は平等に、そして弱者も平等に。踏みにじられる者も立場関係なく平等だ。

 

 実際、弱者が踏みにじられることが多いが、強者に面向かって立ち迎えるという『正しい行動』をとれる。

 

 それ故に強者は周囲を気にしない。あの世界のように、反逆を恐れていないのだから。

 

 とはいえど、流石に被害が大きい手段は気に食わない。実際、ベニマルら元オーガの面々の大部分の人口を失っているわけだ。

 

 大きな力を得るために、大きな犠牲を払う。

 

 どこにでもある物語だ。ただ、この物語を企てたのが魔王たちというのが問題だった。

 

「本来、魔王たちが想定した状況とは違いますが、干渉はあるでしょう」

 

「そうなると、トレイニーさんと話し合いをしなければなりませんな」

 

「リムル様なら魔王だって問題ありません!」

 

「リムルにも限界はあると思うが?」

 

 1人を除いて頭を抱える問題だが、リムルが力を付けたら解決ともいかないのが辛い所だ。

 

 何せ相手は魔がつこうと王、つまり政治問題に発展したら多くを巻き込んで手に負えないだろう。

 

 幸いにも武装国家ドワルゴンとの盟約は結んでいるが、まだあちらは武人気質があり偏見がないから成り立っているだけであって、人間のような狡猾な者がたくさんいる魔窟相手だと分からない。

 

 魔物の国なんて簡単に攻め入る理由を作れるだろう。

 

 頭の痛い話だ、俺も居候の立場とはいえ皆に助けられてここにいるわけだから協力はする。

 

 単純に、腕力で解決するなら事はそう単純じゃないだろう。

 

 そういう意味ではミリムが羨ましいことだ。彼女がこうやって放浪しているという事は、部下はが優秀という意味だろう。

 

「リムル!まだほかに美味しいものを隠してはないか?」

 

「え?あ、ああ。でも晩飯まで時間はあるぞ?」

 

「大丈夫なのだ!ミリムの腹はこの程度で収まらないぞ!」

 

 もう食いしん坊キャラになってないか?そう言えば竜種だから燃費も悪いという事か?

 

「メルトも朝の鍛錬に参加させるのだ!ワタシも、あれは誰と戦っていたのか教えて欲しいのだ」

 

 じっと、純粋な興味でこちらを見てくる。

 

 それはミリムだけでなく全員が思っているらしく一瞬で注目を浴びることになる。

 

「いや、それは、簡単には言えないんだが」

 

 素性を割る事にもなるし、そして何よりもリムルの正体にもつながる事にもなる。

 

 ガゼル王を蹴飛ばした日を境に、2人っきりで話し合った結果かなり仲良くなったため何があったか疑うメンツも多い。特に女性陣。

 

 流石に注目を一気に浴びて恥ずかしくなったので俺は逃げた。

 

 素早さだけなら自信はある。なので素早くそっと逃げて部屋から出た。

 

 まだ言うことじゃない。仲が良く、しかし結局割れてしまったギルド(他人)の話はするべきではない。

 

 ソロの俺に、それを語る資格もないだろう。

 





 現時点で滞在してるメンツである程度いけるけど他の魔王とか勇者とか考えたらうーんってなる戦力って意外とバランス取れてるのでは?(なおレイドボスの最大射程距離は設定上ステージ端まで届く)

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