転生したらトカゲさんだった件   作:蓮太郎

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カリュなんとか「何で手加減されたのに僕だけ真っ二つなんですか?」

A.本体がフォビオだから余計なものだけ真っ二つになった。

カリュなんとか「(´;ω;`)ブワッ」


第二十四話 その思惑

 

「…………思っていた形とは違いますが、貴方の憂いは断てましたか?」

 

「全くの予想外という形でね」

 

 とある一室、2人の会話。そこには二人の魔王が居た。

 

 片やカリュブディスに悩まされていた天空女王。片や策謀を張り巡らせ恩を売れた傀儡王。

 

 誰にとっても死のうと新たな依り代で蘇る厄災を処理できたのはいいが、それをよりによって策をめぐらせることが好きな相手に借りを作ってしまっては元も子もない。

 

 それならば、さっさと借りを返すに限る。

 

「何が望みなの?」

 

「何も」

 

「企むことが好きな人の無欲さは信じられないわ」

 

「ええ、此度の計画から大きく筋書きを変える必要がありそうなので、その修正の際に一つお願いがありまして」

 

「何かしら」

 

「今はまだいいです。次の魔王会談(ワルプルギス)の時にでも…………」

 

 傀儡王ことクレイマンはそれだけを言って沈黙した。

 

 その様子をみた天空女王ことフレイは何も言わずに立ち去った。

 

 今回の計画、フレイを悩ませていたカリュブディスの封印をわざと解いて件のスライムにぶつけるという作戦だった。

 

 スライムを潰せたら良し、とはいえミリムが付いているのでカリュブディスは確実に消滅すると見越していた。

 

 だが、予想外の伏兵が居たのだ。

 

 リザードマン…………にしては今まで見てきたリザードマンの中で一番野性的な見た目をしていたが、その実力は間違いなくクレイマン以上。

 

 盗み見していたため特に被害はなかったが、文字通り天を断つ斬撃を放つ瞬間を見たら真顔になるもの。

 

 フレイも確実に見ていただろう。あの明らかに異常であり、横にミリムが居るだけの実力を持つ怪物を。

 

「一体どこからあのような者が現れた…………?」

 

 クレイマンは純粋な疑問を口に出す。

 

 明らかに魔王クラスでありながら完全に無名。知る人ぞ知る存在だったのかもしれないが、それでも不可侵を結んでいたとはいえあれだけの覇気を感じ取れない筈がない。

 

 もしかしたら天然の魔王種か。そう考えても自然に湧くことなんて確率的に限りなくない。

 

 あの国には本格的に密偵を仕込む必要がある。

 

 豚頭魔王(オークディザスター)の計画を変更してスライムを魔王に取り立て駒にしようとしていた今、新たな選択肢が浮かび上がる。

 

「あのリザードマンを手駒にするのも悪くない」

 

 裏で動く者は嗤った。使命のために、仲間のために暗躍し続けるだろう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「はーっ、たく、とんでもねえモン見せられたな」

 

 カリュブディスの核を取り除くことに成功したフォビオを担ぎながら魔王カリオンは呟いた。

 

 元々、フォビオの回収ついでに新興国家の実力を見るために敢えてカリュブディスを泳がせていた訳だが、天が裂ける光景を直に目撃した1人となってしまった。

 

 正直な事を言うとフォビオは死んだと思った。

 

 無理もない、誰もがあんなもの見せられて生きてるかどうかを聞いたら死んでると答えるだろう。

 

 地面に落下したカリュブティスの上半身を素手で解体してほぼ無傷のフォビオを取り出したことにも驚いたが。

 

「あのリムルってスライムが豚頭魔王(オークディザスター)を喰った事で魔王種になったのは確定として、何なんだあのトカゲは」

 

 カリオンも肉弾戦は得意だ。むしろ獣人である故に好む傾向はある。

 

 そんなカリオンですら素手で天を切り裂くことは不可能だ。

 

 最古の魔王であり竜種であるミリムですら不可能…………と思いたい。

 

 ひとまずフォビオを回収した際にリムルと国交を結ぶことは約束したが、肝心のリザードマンが居なかった。

 

 何処に行ったかを聞いても目を逸らされてはぐらかしてくるあたり、かなり特別な地位にいるのだと推測する。

 

 まさか、ミリムに追われて逃げてるだけの居候だとは思うまい。

 

 そんな謎のリザードマンに興味を持ったため、使者を送る際に彼も送れと言って返事を聞かずにフォビオを殴り倒して今に至るのだ。

 

 少しは会話してみたかったが行方不明ということで仕方なく帰ることにしたのだ。

 

 多少ネタを知りたかったとはいえ、流石にミリムに追われてるのは同情する。

 

「メルト・ダウンだったか。どんな奴か楽しみだ」

 

 笑いを噛み殺しながら、使者の条件に奴を呼ぶよう組み込んでやろう、と企みつつクレイマンの計画がどう動くか考えながら歩いて帰国するのであった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「…………そろそろ撒いたか」

 

 一方そのころ、メルトはギリースーツ(無課金でクラフトできる)を纏ってずりずりと這いまわっていた。

 

 ミリムに見つからないための偽装だが、必要かどうかは不明である。

 

 メルトがテンペストに帰ってくるまで、あと6日

 





 人間界にもかなりの目撃者がいるわけですが、それは別のお話。

 ちなみに、中庸道化連も目撃しているのである人物にもこのことが伝わってたり。

 絶対悪いこと企んでるし白目向いてるよ。

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