万魔殿の生徒は苦労人   作:猫侍二十二世

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調印式に響く、絶望のファンファーレ

 

「ついにこの時ですね議長」

 

「キッキッキ、そうだな」

 

「…イロハ、歩きながら読むと危ねぇぞ」

 

「大丈夫ですよ」

 

「そうか」

 

ついにこの日が来た

ゲヘナとトリニティによるエデン条約、その調印式の日だ

現在は式典に向かう為に巨大な飛行船に搭乗しようとしている

 

「…やっぱ風紀委員会は居ないな」

 

「車で行かせるみたいですよ」

 

「知ってる……ま、代わりにリム手配したし」

 

「それについては?」

 

「言ってない」

 

「知ってました」

 

「何をしている?早く乗れケン、イロハ!」

 

「了解です」

 

「わかりました」

 

そのまま搭乗を終えると、飛行船が宙に浮く

イブキが楽しんでいる所を見ると心が安らぐ……と、言いたい所だが、今の心情はあまり穏やかでは無い

 

「・・・・」

 

「どうしました?」

 

「…何か嫌な予感がする、虫の知らせとでも言うのか」

 

「・・・・」

 

「イロハ、一応弾込めとけ」

「降りた瞬間一斉射撃くらうかもしれないしな」

 

「…わかりました」

 

やはり落ち着かないそんな状態が続く

それでも気球は進み続け、ついにトリニティが見えた

トリニティは既にパレードの様な盛り上がりを見せている

…内心はこの雰囲気の真逆なんだろうがな

兎に角無事に到着出来る

 

(そう言えば、こんな飛行船万魔殿に有ったか?)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そう思った瞬間だった

 

ヒュゴォォォォー!

 

「?」

 

遠くから何か音が聞こえた

その音は…まるで

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ミサイルのような音だ

 

 

 

 

 

いや、違う

ようだではない

 

「っ!」

 

見えた

そう思った瞬間

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ドガァァァァァァァァァァァァン

 

 

 

会場が強い光で包まれたと同時に爆発音が聞こえた

光が収まり会場を見ると

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

崩壊し、瓦礫の山々が連なっている

更に炎が至る所で燃えており、火の海と化していた

 

「嘘…だろ?」

 

この地獄の様な光景に絶句しているその時

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「キキキキキッ!!」

「成功だ!これぞ計画通りっ!キャヒャヒャヒャヒャ!!」

 

と、マコトがそう言ったのだ

 

「は?議長何言ってな?」

 

「マコト先輩、一体何を?」

 

「これで邪魔者は全て消える」

「ティーパーティーも、あの目障りだったヒナも!」

「分かるかイロハ、ケン、これぞ一石二鳥ってやつだよ」

 

「ま、まさか…あれをやったのは…」

 

「キキキキキッ!そう私だ」

 

「・・・・」

 

「何を隠そうこのマコト様は、トリニティを恨んでいるアリウスと前々から結託していたのさ!」

「ティーパーティーの内紛も、クーデターも、私は最初から知っていた」

「全ては今日の計画のために!」

 

「クーデター…だと?」

「てことは…最初からエデン条約を結ぶ気は…無かったと?」

 

怒りが込み上げて来た

ゲヘナとトリニティ…ずっといがみ合って来た両者が、少しでも仲が良くなる様為に…そう願って進んで来た、それなのに

身内、それも色々な事があったとは言え信頼を置いていた議長本人がエデン条約邪魔をしたのだ

ただ、この質問は俺の勘違いだと言うほんの少しの可能性が有ったからこそ聞いた

ただ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「あぁ、そんなことこれっぽっちも興味ないね!私の関心はずっと、邪魔者共を片付ける事だけだ!」

 

その言葉に、プツンとまるで糸が切れた様な感覚を覚える

 

「何時まで経ってと姿を現さないティーパーティーの奴らを誘きよ「もう良い、もう喋んな」…何?」

 

「許さねぇ…何の為に…何の為にここまでやって来たと思ってんだ!このクソ野郎が!」

 

すぐさまMP40をあのクソ野郎に構える

 

「信じてたのに…口ではああ言っても…こんな俺に良くしてくれた貴方を…信じてたのに…巫山戯るなぁ!」

 

「…お前はそう言うだろうな、エデン条約に1番力を入れて居たのはお前だ」

 

「あぁ、そうだよ」

「少しでも…少しでもゲヘナとトリニティがエデン条約を通して共に歩める関係になれる為に…それなのに、アリウスと手を組んでエデン条約…を……」

 

その時、1つの違和感を感じた

 

 

 

《そう言えば、こんな飛行船万魔殿に有ったか?》

 

 

 

《トリニティを恨んでいるアリウスと前々から結託していたのさ!》

 

 

 

 

「なぁ…何でアリウスと手を組めたんだ?」

 

「む?ふん、それはトリニティと言う憎むべき共通の敵を「そこだよ」そこ?」

 

「そこが不思議だったんだ、確かにアリウスはトリニティを恨んでいる…でも、アリウスはトリニティ以上にゲヘナを憎んでいると思う…なのに何で手を組めた?」

 

「・・・・」

「…何ぃっ!?」

 

「は?…まさか!」

 

そう気づくのが…遅かった

 

「ねぇねぇ、この沢山置いてある箱って何?「取扱注意」「可燃性」って書いてあるけど…」

 

「っ!」

 

「まぁ、つまり…またマコト先輩が騙された、と」

 

「あぁ、成程な…はぁ、これじゃ辞世の句も作れない…ただ、これだけは言う、議長

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

アンタやっぱ馬鹿だよ!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ドガアアアァァァァァァァァンッ!!

 

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