まどマギの世界で呪いになった少女は、呪術の世界に転生した 作:白くまパンナコッタ
「伊地知、しばらくここに待機」
高校の裏門から出た五条 悟は、待機していた車に乗り込み長い足を組むと、伊地知 潔高に待機するように命じた。
後部座席に困った顔をして向けた伊地知。
「えっ?、五条さん、この後は高専に戻ってから···」
「呪いが見つかった」
今日のスケジュールを五条に再度伝えようとすれば、五条は目隠しをしたまま校舎に視線を向けた。
あの時、あの教室にいた女子生徒。
黒髪いセミロングの髪に、黒い目。
涼し気な印象でいて、右手薬指には···恐らく特級呪物、いや、呪具が嵌められていた。
五条はソレに対して、教師が何故注意を促さないのかが気になった。
高専の生徒ならばいざ知らず、普通の高校生が指輪などしていたら、普通は注意するだろうそれがスルーされている。
常人には見えない何か、か、
「えっ···?情報では···」
この学校では、以前から変な出来事が起こっていた。
それも、今の一年生が入学してからと言う事だ。
彼女がその目の中心の人物ならば、合点が行く。
簡単な事だった。
考える術も無く、見ただけで五条は全てを理解した。
「僕が見たんだから、本物だよ」
「あの、呪いの正体とは、いったい···?」
「女子生徒」
「···はい?」
「だから、女子生徒だったのよ···それも、ほおっておいたら秘匿死刑確実なやつ。上層部に見つかったら、あの子は直ぐに消されるだろうね」
「はぁ!?」
情報と違う内容に、伊地知は驚きを隠せない。
それも、一人の少女と言う事に。
気の毒、可哀想、出来れば助けてあげたい、そんな思いが伊地知の中を走る。
「なーに、大丈夫大丈夫!
と、酷く軽く言う五条に、伊地知は胃が痛くなりそうな気分に見舞われた。
「で、その子と言うのは?」
「授業が終わり次第、こちらで保護。校長にはもう話を通してあるから、後は彼女が来るのを待つだけ。名前は鴇羽 恵那(ときは えな)」
「待つだけって···、ご両親の説得はいかがされるんです?」
「そこら辺も問題ないよ。彼女は天涯孤独、母親は彼女の出産時に死亡。父親は鴇羽 恵那を施設に預けて蒸発、その後不慮の事故により死亡。今は施設を出て一人暮らし、だから何ら問題は無いってわけ」
「そんな、だってまだ···」
そこまで言い終えて、伊地知は五条が保護した伏黒恵を思い出して、言葉を噤んだ。
彼だってまだ高校一年生で、子供なのだ。
彼女だけではないのだ、この地獄を生きているのは、と。