まどマギの世界で呪いになった少女は、呪術の世界に転生した 作:白くまパンナコッタ
「これで大丈夫だとは思うけど、どう?まだ痛む?」
「いえ、何ともありません。ありがとうございました」
「ん、お大事にな」
あの後五条さんに連れられてやって来た医務室で、家入硝子先生に手当してもらい直ぐに腕の痛みが引いたのは驚いた。
手をかざされた瞬間、ふわっと溶けるように引いた腕の痛みに、私は驚きを隠せずに目を丸くした。
相手を攻撃する他にも、こうして治せる力がある人もいるのかと。
手をグーパーグーパーしていると問いかけられたので、私は頷いてお礼を伝えた。
「規則とはいえ、そこの五条がすまないな」
「ちょっと、悪者扱いしないでくれる?」
「御札を貼ってるのに、骨折寸前まで締め上げるやつがあるか」
痛い痛いとは思っていたけれど、五条さんはそれ程までに私の力···ここでは呪力と言う物に余程警戒していたらしい。
痛い、とそれだけですんだ理由は、この指輪のおかげで痛みが暖和されていたからだろうと思い知り、そんなに締め上げなければならない程の危険人物と認定された訳だ。
「それが
「はい」
「見た事の無い文字が刻まれているな、読めるのか?」
「いえ、私にもさっぱり···」
コレは魔女の文字での、私の名前が彫られている。
シルバーリングの裏には、私の魂その物のソウルジェムが、真っ黒い宝石になって埋め込まれている。
「その爪はどうした?」
「···、これも、生まれつきで」
「不思議な紋様だな」
家入先生は私の爪にある黒い紋様を見て、何かを観察しているかのようだ。
「それについてはこれから調査する所」
「とりあえず」と、五条さんは今日はもう日が遅いからと言う事もあり、私はアパートに返される事になった。
家入先生に再度お礼を伝えた後で、あの黒塗りの車に乗せて貰えば、眼鏡をかけた運転手と目が合った。
「すみません。お願いいたします」
「いえ、ご丁寧にどうも」
「伊地知、僕も一緒に行くからよろしく!」
「はい。承知しております」
「住所は?」
「あ、はい、住所は···」
車に乗り込み、出発してから足早に過ぎて行く景色を眺めていると、不意に五条さんが口を開いた。
「これから君はうちの学校に転入って形になる。それに伴って寮生活をしてもらう事になるから、今いる部屋の荷物は纏めておいて。準備出来次第僕に連絡してくれれば、引越しの手配やなんかはこちらでするから大丈夫。あ、それと住民票だけは役所でもらっておいて、引越し完了したら手続きしに行くからね。と、とりあえず必要なのはこんなもんかな。後は何か気になる事はある?」
「わかりました。いえ、大丈夫です。むしろ転入手続きが終わっていたのには驚いたくらいで」
「悪いね。君を逃す訳には行かなかったからね」
「そう、ですか」
全ては、私と言う呪いを逃がさない為の、物だったのだろう。