現代超能力バトル世界に転生した俺の寿命はあと一日   作:テムテムLvMAX

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赤評価ありゃりゃーす!


デスから始まるデスティニー

 碧蘭は実力主義だと言うのは以前話したと思う、なんたって日本、いや世界一の高校だからな。超能力を学ぶならここより優れた場所はないとさえ思う。そういう世界だからな。

 そんな高校で発足したとある部活では、自分たちでもっと超能力について理解を深めようとしていた……

 

「はい、超能力研究部の記念すべき一日目の活動は……これです」

 

【超能力ってな〜に〜?】

 

 可愛くポップな文字で書かれた今日の活動内容がホワイトボード上で大きく主張していた。これ用意したの咲島さんなんだよなぁ……ある意味でイメージ通りだな。

 

「ねぇねぇー質問〜」

「どうされました澪崎部員」

「え? そんな感じでいくのこれ……じゃあ咲島部長、今更それやるんですか?」

「何事においても基礎知識は基本です、計算をするには足して引いて掛けて割る事が出来なればなりませんね? 今日は改めてそれを認識しましょう」

「なるほーど、んじゃ宜しくお願いしま〜」

「クリストファー部員、補足訂正は任せてよろしいですか?」

「あぁ問題ない、この中で一番把握しているのは私だろうからな」

 

 頼れるのはマッスルだけでなく知識もだぜ、クリスが腕組みの姿勢で頷き、俺と進と鹿見は大人しく咲島さんの講義を受ける姿勢を取った。

 指示棒を取り出した咲島さんはホワイトボードを回転させ裏返すとそこには文章と絵が書き込まれていた、いつの間に用意したのやら。

 

「良いですか? 超能力とはありふれた力でその種類は人それぞれ様々な形で存在しますね、基本的に一人に一つの能力は必ずあります、その超能力の一番大きな分類、生物で言う“界”の部分は『干渉』と『操作』に別れます、干渉は能力を発動するかしないか、オンオフのみの場合をいいます。操作はオンオフに加え力加減の調整が出来ます。この例から外れるものは当然あり、その場合は独立した分類となるか、似たような能力の系統で言い表すこともありますね。更に能力を二つ持つ“デュアルホルダー”も居ますね、デュアルホルダーは稀ですが後述するものと比べればそれなりに多いと言えますね」

 

 玲沙今見るな見るな俺を見るな、あのときの言い訳のせいでそう思わせたのは俺だが今それすると怪しまれるから! 怪しまれるから! 

 

「クリストファー部員、ここまでで訂正はありますか?」

「いや、ない。事前知識を噛み砕いて説明するならこれでいい。付け加えるとするなら近年“ノア”の方で分類方法の変更が検討されている為、未来では変わっている可能性があると言うくらいか。あと後述のものはアレだとするなら何も言うことはない」

「ノアって国際超能力管理組織だったよね? そんなこともしてるんだぁ」

「シカミはもっと勉強しておくんだな、それでも咲島部長を狙っている男の態度か?」

「善処するよ、君にも負けたくない」

 

 おー……クリスと鹿見がバチバチしてらぁ、良いぞもっとやってしまえ俺はクリスを応援するぜ! 

 そうそう、話の中で出たノアはバレンタインさんの所属する組織だ、今回碧蘭で先生をするのは向こうも了承していることだろう……基本自由だから事後了承かもだけど。

 

「そういう話は本人抜きで頼みますね? 

 話を戻して……超能力も無限の力があるわけではありません、使えば疲れ、疲れれば弱るのです、病気やストレスでも力は落ちます。超能力の核は脳、だからこそそういう影響を受けやすいんですね……そして、名前だけは皆さん聞いたことはあるのではないですか? 摩訶不思議な奇病『キール・ヨハン・フラメス』のことを」

 

 あっれれおかしいな目線こっちに来てるじゃん……知ってる訳ないよな……言ってないぞ俺は、あ待てよ玲沙がこっちガン見してるわ、お前は知らんぷりしてなさい。

 

「俺も流石にちょっと知ってるなぁ、昔の偉い学者が患ったからその名前がついたんだよな? マジ天才薄命だよなーもったいねぇ」

「僕の見た話だと、それぞれ別の時代の学者で天才と謳われていた人たちで、それぞれ自分の能力で延命していたけど寿命が極端に短くて発症から1年も生きてないんだよね、身に余る力を生まれながらに与えられてそれで身を滅ぼすとは、悲劇も良いところだ」

 

 マジで原作で語られていませんよそんなこと、見て見ぬふりをしていた部分だが俺は余命が1年無いかも知れないってこと? 今は仮に時間の減速として認識している俺の能力ならもっと長く生きられるだろうが、それでも何か別の理由で死ぬかも知れない可能性大。先読みジャンケンできる俺でも気を抜いたら殺されそうな能力はいくつか知ってるから怖いんだよな。

 玲沙がいよいよ涙目になってきたな……誤魔化せ誤魔化せすぐには死なねぇから。

 

「キールヨハンフラメス、どう思いますか時月部員?」

 

 俺に振るのかよ!? 

 なんか知ってるのか……? いや情報が漏れたとは考えにくいから偶然か……そう思うことで精神の安定が保たれる。

 

「そうだな、嫌だな……まぁポジティブに考えるなら人より強い能力があるって事にも捉えられるし、死ぬまでに全力で生きるしかないよなーって……そう思うかな?」

「そうですか、らしいですわね」

 

 めっちゃ含みのある言い方だなぁ、そういうキャラではあるんだが自分がそうされると気味が悪いな……

 

「わたくしからは以上です、クリストファー部員は何かありますか?」

「無いが……話のついでに面白い話を聞かせようか、これは父から聞いた話だが今の超能力学者界隈で謎の空間、通称【アヴァロンフィールド】なる場所が超能力と密接な関係にあると盛り上がっている、なんでもそこから超能力発動に必要なエネルギーを取り出しているらしいぞ? しかも古代人類の化石には脳に能力を司る部位が“ない”らしくてな、超能力の登場した年代を突き止めるブームがあるそうだ……父いわくこの3000年のどこかにはきっかけがあるみたいだが、まだ見つかっていない。人類がいつ頃【アヴァロンフィールド】に接触したか……その方法さえ分かれば人は更に進化出来る……みたいだぞ? あまり真に受けないでくれよ、理屈っぽい夢物語は科学者の癖だからな」

 

「いやーロマンのある話は俺大好き、咲島部長はどう?」

「えぇ、好きですよ、過去に思いを馳せ、謎を解き明かす……とても良いですね」

 

 ここでクリスにだけみえるように親指立てとくか、おっ帰ってきた、その調子で咲島さんの好感度稼ぐんだ。

 今日の部活はここで終わり、時間いっぱいまでおしゃべりして解散するだけの一日目だった。

 

 下校中、原作の流れを今一度思い出していた、変えてしまった流れはそのままに原作の流れのほうが良い場合はそれを引き起こしたいので出来るだけその流れに持っていけるようになりたい、となると関門は2つ程存在する。

 主人公の抱える問題の解消と夏の対抗戦だ、進は物語では主人公だが優しく熱い良い男なだけでそれ以外は普通の人間だ、だからだろうか問題を抱えている。

 夏の対抗戦の方は前も言ったテログループの犯行がメインになるがそれ以外だとクリスと咲島さんが急接近するイベントがあるし、なによりナターシャちゃん活躍の場面なんですよね……一ファンとして会いたいし活躍もみたい。

 

「てぇい!」

「痛いッ」

「女の子の事考えてた?」

「なぜわかった……」

「彼女ですから」

 

 それ超能力じゃないの? 違う? そうか……

 順番に進の問題から解消していくか、早ければ早いほど夏の対抗戦で有利になる……ただなぁ……

 

「なぁ玲沙、進って昔から変わったのか?」

「なによ女がダメだから男にしたか……って訳じゃないよね、進は昔っからあんな感じで元気で笑って暑苦しくてイイ奴ね……また能力で過去を見たの?」

「まぁな、玲沙は進のトラウマは知ってるか?」

「んーと……能力でおじいちゃんに大きな怪我させてから露骨に能力を使う事を避けるようになったけど、多分それよね」

 

 そうそう、進が懐いていた祖父に自慢したくて能力を見せようとして制御を誤り、大怪我をさせてしまった事で能力の使用を極端に恐れるようになった。それがトラウマになった事で能力を使おうとするとフラッシュバックして強いストレスから能力がほぼ使えなくなり、次第に能力自体も弱くなってしまった。

 入学できたのは奇跡だと本人も原作で言っていたから本当にギリギリだったんだろうな。

 心置きなく能力を使えるようにしてやるにはトラウマを乗り越えなければ……原作だと夏の対抗戦で覚醒してテログループを追い払う流れだが……それだと確実に一人犠牲が出る、犠牲の上の覚醒は見事だが無い方が良いだろ? そこで我らの師匠を頼ろう。

 

 帰宅後木谷さんに電話で事情を伝える。

 

「んで、そいつを叩き直せばいいのか? 朝しか見てやれねーしそいつがそれを望んでるとも分かんねぇのに俺を呼ぶんじゃねぇ」

「いや、望んでますし木谷さんなら朝だけでも十分な効果を得られると思います」

「そうかいそうかい……なぁトラウマってのは簡単に消えねぇんだ、それこそ何かきっかけがない限り一生ついてまわる。何もせず忘れさせてやる事だって一つの方法だと思うがそれでも俺に頼むのか?」

「えぇそうですね、ですがこの先で彼がより大きな後悔をすることを知っていてそんな事を言うのは、かえって不親切だと思いまして」

「なんか隠してやがるな? それとも自分の能力が何か分かったか?」

「それはまだですけど、俺と木谷さんの仲じゃないですか宜しくお願いしますよ」

「……チッ、断り切れねぇのは俺のサガなんだろうな、良いぜ請け負ってやるよ、現役の刑事を動かすのはテメェぐらいなもんだ」

 

 作中屈指の善人の称号は伊達じゃねぇな、あとは進を誘うだけだ。ちょっと早い出会いになるがこれで原作師弟が揃う訳だ、良いじゃないか原作再現! 

 

「あっもしもし進?」

「おーうなんだ?」

「明日の朝、今から送る場所に集合ね」

「えっ待ておいっ」

 

 よし、寝るか。何度か鳴り響くコールは無視して深い眠りについた。

 

 

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