現代超能力バトル世界に転生した俺の寿命はあと一日   作:テムテムLvMAX

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DEATH.exe

「ハロー! 元気になったかな? お姉さん再び登場!」

 

 

 やだナチュラルヤヴァイヒューマン……

 

 俺が誘拐犯に消されそうになって逃げてたらぶっ倒れて……その後の記憶はないな。

 今は病院で横になり医療機器に繋がれている状態だった、思ったより重病扱いで困ったぞ……。

 そしてだ、不思議なことにこの病室には俺と木谷さんとバレンタインさんしかいない、何があった? 

 

 

「目が覚めたな、よく死ななかったなぁお前」

 

「木谷さんなんでいるの?」

 

「ここ警察病院だから。そこのバカレンタインは不法侵入してるけどな」

 

「いやだなぁ不法侵入じゃないよ、所でバカって何語?」

 

「そんなときだけ言語不自由になるなッ!」

 

「あのー病室でコントしないで……頭に響くから……」

 

 

 とりあえず静かになった。なんだこの2人。

 そしてしばらく静寂が続き大人二人は目を合わせては気不味くなって目を逸らすって動作を3回繰り返して、やっと話を切り出したのはバレンタインさんだった。

 

 

「ねぇソウシ、ちょーっと話して良い?」

 

「構いませんが……」

 

「あのね、君の状態を調べたんだけどね「解剖した?!」してないよ! 同意が得られた場合に限りやってるだけだよ!」

 

「それあんまり警察の前で言わないでくれねぇかな、捕まえたくなるんだが」

 

 

 うっわゴリゴリに青筋立てて木谷さんの態度が悪くなっていく、だとしてもバレンタインさんはどこ吹く風といった様子で気にはしていない。

 

 

「こほん……まずね、言いにくいんだけどご両親が居なくなった、私があの男をボッコボコに殴ってる時にはもう居なかったみたいで、その時には気配がなかった」

 

「居なくなってた……? それって……あの誘拐犯の仲間に連れ去られたってことですか?」

 

「いんや、おそらく別の組織だ……現在警察の総力を挙げて追い回しているやべー組織のやり口と同じ方法で連れ去られたみたいだった……奴らに目を付けられるなんて一般人じゃありえないがな」

 

 バレンタインさんの言葉を木谷さんが補足してくれたが……突然の両親誘拐、からの犯罪組織が絡んでいる情報、なんてことだ……頭が痛くなってきたぞ。悪い事が次から次へと舞い込んできている気がしてならない

 

 

「でも一つ良いことはある、お前、レイナって知ってるよな? 助けた奴だ、あの娘はキッチリ俺が偽警官から助けといたぞ」

 

 

 あぁ、そっちは助かったんだな……よかったよかった、となるとこれで原作どおりの接点が出来て不幸中の幸いだな……父と母は残念だがそう簡単にどうにかなる二人じゃないのは知っているし、警察を信じて待とう。

 

 

「それともう一つ、今度はソウシ自身のことだけど脳に強い負担が掛かったみたいで、元々の病気が進行してしまったみたい……次また同じ負荷が掛かると非常に不味い事になる可能性マキシマム、同じ負荷って死にかけるとかそういうのね」

 

「そうですか……非常に不味いって何が起きる感じですか……?」

 

「時間の空白地帯が出来ると思うよ、キールヨハンフラメスのまま生きている人間がいなくて未知数だけど……全能力者をぶっちぎる秘められた力が爆発して最低限で見積もってこれだからね」

 

「時間の空白地帯って……?」

 

「簡単に言えば何もかもなくなるって事よ、時間の流れがおかしくなってね……その規模も被害も計算しきれないわよ」

 

「ひっでぇ話だ……迂闊に死ねないぞ」

 

 

 自分で言っててなんだが死にたくはないからね? 

 というよりも、俺の死後が恐ろしいことになってしまったようだ、死んだらみんな巻き添えってそりゃないよ……俺が転生者じゃなかったら発狂ですよ。

 そんな事を考えていたら木谷さんの手が俺の肩に乗せられ、悲しみ……いや哀れみを込めた顔でこう告げられた

 

 

「下手したらみんな死ぬって話だ、だから、バレンタインが君の親になる、頑張ってくれ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 は? え? は? 

 

 

「……………………時期外れのエイプリルフール?」

 

「その気持ちよくわかる」

 

「あっれれー? 思ったより喜んでるみたいだね、お姉さんがお母さんですよ?さぁ息子よ我が胸に飛び込んでこい!お姉さんのお胸はDよりあるぞ〜」

 

 

 喜んでねぇよ純粋に脳が理解を拒んでるんだよ何をしたらぶっ飛んだ倫理観のマッドドクターと暮らしてやったーって喜べる感情を選ぶのか教えて欲しいくらいだが? 

 

 

「木谷さんと過ごした日々忘れません、あとは頼みます」

 

「あぁ骨は拾ってやる」

 

「火葬する前には私が切って良いよね?」

 

「もう一緒に入れよ炉に」

 

「そんなことしたら死ぬけど? フールメン?」

 

「上等だ表出ろ」

「愛の告白には好感度が足りないわよ」

 

 

 あー喧嘩始まった……

 その後、外から爆発音と衝撃波が聞こえ悲鳴もあちこちからする、病室であろうとその激闘の凄まじさがひしひしと感じられ、時間も一時間に及びその惨劇の程を物語る痕跡だけが病院前に残された。

 

 とりあえず、二人は謹慎処分を食らった。

 

 原作での絡みは多いわけじゃない二人だが、その理由がよく分かったように思う。混ぜるな危険だよこれ。

 

 

 

 

 その後、俺が退院したのは入学試験1週間前だった。もう、終わりでいいんじゃない人生……

 

 とても大きいショックを抱えながら病院から警察の人に家まで送り届けてもらい、誰もいない家に帰ってきた……の割には壁の銃痕は消えていていい匂いもする、キッチンからは音も聞こえた。

 

 これは……敵だな、誘拐犯に関わりある人間が俺の家に入り込んだか……よろしい俺のこの憂さ晴らしにとびっきり時間を遅くしてボコボコに殴ってから解除してやる、押し寄せる痛みに気絶間違いなしよ! 

 

 さぁと身構えキッチンに向かう途中に父のダンベルを拾い殴る準備をし……一気に突撃ッ! 

 

 

「オラッ!!! 遅延!」

 

「きやっ?!」

 

「覚悟しろ! 暴れると殴るぞ! 暴れると殴るぞ!」

 

「待って私よ私! レイナ! レイナだよ!」

 

「……ホント?」

 

 

 よく見れば……レイナこと澪崎玲沙だったが……おかしいな、ここにいる理由がない人物だ……これも罠に違いない! 第一下手くそな変装してない! 

 

 

「こんなところに澪崎玲沙がいるわけ無いだろッ! その面剥がしてやる〜ッ!」

 

「イテテテテ! ほっぺ千切れる! ちぎれひゃうはら! うひ──ーっ!?」

 

 

 あれ……もしかして本人か? この反応このテンション……

 

 気付いた時にはもう遅く、レイナの横に羽を生やした小人がステッキを持って飛んでいた。あ、あれはレイナの能力だ、つまり俺は……このあとの展開が読めてしまいましたな

 

 

「やっちゃえフェリ子! ライトニング!」

 

「マスターから離なさ──ーい!!!!」

 

 

 __バリバリバリバリッッッ!!! 

 

 

「のぁ──ーっ!?」

「えっちょフェリ子んぎぇぇぇぇぇ!?」

 

 

 凄まじい電撃が俺の全身を駆け巡り! 視界がパチパチ弾け飛んだ! あっ倒れまーす! ぐっふぇ! 

 

 

 __数分後

 

 

 

「大変申し訳ございませんでした」

 

「全くですよッ! マスターのほっぺ千切れるところだったんだからね!」

 

「……そのマスターまで痺れたんだけど、ゲホッ」

 

「ひゅー♪ ふゅーふゅー」

 

 

 下手な口笛で誤魔化そうとする妖精がそこにいた、ベタすぎて化石だよ誤魔化し方が。

 

 一悶着あったがレイナ改め澪崎玲沙と話をした、家にいる理由とかそのへんを聞いたら返ってきたのは

 

「木谷さんにここで暮らせと言われた」

 

 だった。なんとも無茶苦茶な話だが、これには理由がありあの誘拐犯のいた組織は警察組織の中にいるかも知れない可能性があり、また狙われる危険性もあるので信頼のおける所にいて欲しいという事だった。そしてなぜここが信頼のおける所なのかというと……コレなんですよね。

 

 

「バレンタインさんだよ、こんな美人と美少女に囲まれて暮らす男子は性癖がぶっ壊れること間違い無し! 一夜の過ちならお姉さんが受け止めてあ・げ・る!」

 

 

 突如窓から入って来た白髪赤眼白衣の美人ヤベー奴! 

 昼間から何言い出すんだこの人! 

 

 

「うわーっ!? バレンタイン様! バレンタイン様だ! サササ、サインください!」

 

 

 君も何を言ってるんだ玲沙! そんな狂人とは距離置きなさい移るよ! ヤバい空気が! 

 

 ツッコミ切れないのである程度を無視しつつバレンタインさんの事情を聞いてみたら、俺の身柄を日本政府と約束したらしく俺の監視兼玲沙の保護の代わりに俺が成人したら解剖していい事が契約として結ばれていた、いつの間にか、いつの間にか。

 あの時の木谷さんの悲しそうな顔はこういう理由があったのか、人権ってないの? 俺が死んだら巻き添えくらう政府の苦肉の策だって? そりゃすまんかった。

 これからの生活と前途多難な人生にうんざりだ、けどまぁ……『サイキック・グラフィティ』らしくていい、これに尽きる。

 

 でも碧蘭高校の受験が限りなく絶望的で一切の希望を捨ててるんですよ、どうしよ……

 

 

「そう言えば碧蘭高校に入学したいんだよね?」

 

「俺バレンタインさんに言いましたっけ」

 

「そこはちょっと聞いたら分かるから、じゃなくて、入りたいなら入れてあげるけど」

 

「裏口入学を堂々と進めないでください!?」

 

「いやいや、裏口入学じゃなくて推薦」

 

「いくらあそこの卒業生だからとそれは無理でしょ」

 

「あ、今年からあそこの教員だからオッケーです」

 

「そんな無茶苦茶なことある?」

 

「流石バレンタイン様! これで碧蘭でも一緒だねトッキー!」

 

 

 なんだこの、なに? 鶴の一声を通り越したゴリラの雄叫び。

 教員の推薦があれば試験不要? そんな筈……(ネットで調べる)……ホンマにある制度やないか! 

 

 

 

 

 人生四回転半ひねりで着地した俺が原作への切符を手に入れた瞬間だった。多分この事は一生忘れない。

 

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