ホムンクルス、ついに買われる!~爆乳専門店の元・売れ残り~   作:ツインテスキー

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3-5 最大の脅威

 封印の大地第四層の地下深く。そこには『国喰らい』を封じた巨大な結晶が存在し、その周囲にはわずかだが空洞ができていた。

 そんな地上から数キロ離れ、人類には踏み入ることのできない空間に粘液状の何かが上から降ってきた。そしてそれは形を変え、人の形に変化した。

 

「到着っと」

 

 人型に戻ったエローナは体をほぐした。彼女は様々な相手と交わえるよう肉体を粘液状に改造していた。

 

「ここも広くなったわね」

 

「少しづつではあるが国喰らいの力は順調に削れておるからな」

 

 周囲を見渡すエローナの前にゴーツの分体が現れた。ゴーツの言う通り、この空洞は封印された国喰らいの力が削られていくのに反比例して広くなっていた。

 

「まあ、そんなことはどうでもいいわ。話してくれるわよね?」

 

 話題を早々に打ち切ったエローナは早速、本題を切り出した。その顔は笑みを浮かべていたが、いつでもゴーツと後ろの封印を魔法で攻撃できる状態だった。

 

「無論話すがその手は下げてもらえないじゃろうか?」

 

「それはあんたの答え次第だけど?」

 

「……分かった。このまま話すとしよう」

 

 ゴーツは話す前にエローナに攻撃の構えを解くように言ったがそれは受け入れられなかった。そのためゴーツはそのまま自身の

目論見を洗いざらい語ったが、その間エローナは構えを解くことはなかった。

 

____________________

 

 

「……というわけじゃ」

 

「……そう」

 

 ゴーツの目論見の全てを聞いたエローナはようやく攻撃の構えを解いた。

 

「納得してくれたか?」

 

「一応よ、一応。目的はともかく、やり口がひど過ぎるもの」

 

 エローナの動きに、ゴーツは尋ねたがエローナは軽くため息をついた。

 

「そうか。じゃが儂に出来ることは出来る限りやっておきたいのじゃ。もう後悔はしたくないからな」

 

 エローナに苦言を呈されたもののゴーツに反省の色はなかった。

 

「……まあ、あんたの記憶体質のことは知ってるし、自分のエゴって自覚がちゃんとあるうちはまだいいわ」

 

ゴーツの対応にエローナは大きなため息をついた。しかし、その顔はどこか安堵していた。

 

「心まで人の道から外れたくはないからな」

 

「もう十分外れてる気もするけどね」

 

「何、こうやって軽口が叩ける間は大丈夫じゃろう」

 

「ふふ、そうね」

 

 人外となった悪友二人は、人だった頃から変わらない調子で言葉を交わした。

 

「もしもの時は頼むわよ」

 

「お互いさまにな」

 

 人間を辞めた二人は精神まで人間を辞めてしまった場合には刺し違えてでもお互いを止めるつもりだった。

 

「それじゃあ帰るわね」

 

 一通りの話を終えたエローナは早々に踵を返した。

 

「ついでといってはなんじゃが町の者に夕方には酒場に集合と伝えておいてもらえると助かる」

 

「……仕方ないわねえ」

 

 エローナは軽くため息をつくと、再び粘液状の姿に戻った。そして地面の僅かな隙間を通りながら地表へ戻ると、ゴーツからの伝言をメモリア全体に伝えた。

 

____________________

 

 

「昨日はご心配をおかけしてしまって申し訳ありませんでした」

 

 時間は流れ、夕方。酒場への集合を聞いて酒場に来た3号は昨日の転倒の件について各人に頭を下げて回っていた。そして転倒の発端であるクロースルにも同じく頭を下げた。

 

「いやいや、こちらこそ驚かせてしまって申し訳ない。体の方はもう大丈夫なのかな?」

 

 クロースルも頭を下げ、3号の体の調子について尋ねた。

 

 

「はい。今日一日休ませていただいたのでもう大丈夫です」

 

 クロースルの質問に、3号は軽く体を動かしながら笑顔で答えた。

 

「ならよかった。これからは気をつけてね」

 

「はい。皆さんに心配をおかけしないためにも気をつけます」

 

 クロースルの言葉に3号は再び笑顔で答えた。その表情には以前のような焦りのようなものは見られなかった。

 

「ところでゴーツさんはいつ頃来られるのでしょうか?」

 

 3号は軽く周囲を見渡したが、未だにゴーツは現れていなかった。

 

「エローナさん、本当に来るんでしょうね?」

 

「そこは大丈夫よ」

 

 クロースルは夕方になっても現れないゴーツが気になり、エローナに尋ねた。するとエローナは迷うことなく悪友のことを信じた。

 

「……来たわね」

 

 エローナがひとり呟いた直後、パン!と手を叩いた音がしたかと思うと酒場内の明かりが一斉に消えた。

 

「皆の者、待たせたな」

 

 明かりが消えたのも束の間、明かりが再び元に戻ると酒場の中央近くにはゴーツが現れていた。

 

「ゴーツさん!」

 

「今までどこ行ってたんだよ」

 

「とりあえず早くお金下ろししたいんだけど」

 

「待て、俺の方が先だ」

 

 ゴーツの出現と共に、たちまちゴーツに用のある人間の人だまりが完成した。その中にはもちろんクロースルもいた。

 

「まあ、待て。皆、色々と言いたいこと、やりたいことがあるのは分かっておる。しかし、物事には優先順序がある」

 

 ゴーツは周囲を制止すると、クロースルの前まで移動した。

 

「遅くなってすまなかったのう」

 

「やっぱり分かっていて姿を現さなかったんですか?」

 

 ゴーツは軽く頭を下げて謝ったが、クロースルの声には怒気が混じっていた。

 

「こちらにも色々と都合があるのじゃ」

 

「まあ、いいでしょう。それより分かっているなら3……例の件について部屋で話しましょう」

 

「それには及ばん。話ならここで充分じゃ」

 

 クロースルは3号の購入についてゴーツの自室で話を進めようとしたがゴーツは首を横に振った。

 

「……ここでですか?」

 

「なに、すぐに分かることじゃ。むしろ説明する手間が省けて楽じゃろう?」

 

「……あなたという人は」

 

 その言葉を聞いたクロースルは肩を震わせた。

 

「ほほう、ついに貯まったか。3000万。よく貯めたものじゃ」

 

 そんなクロースルに追い打ちをかけるように、ゴーツは周りに聞こえるようわざとらしく声を上げた。

 

「ちょっと⁉」

 

「あれ、もしかしてクロースル金貯まったのか?」

 

「おいおい、マジかよ。やったな」

 

「というかゴーツさんの私物だったのか」

 

「そういえばクロースルの夢が何か賭けたと思うけど何にしてたっけ?」

 

「俺は土地だったかな」

 

「私は何にしたっけ?」

 

 クロースルは慌ててゴーツの口を塞いだが手遅れだった。ゴーツの思惑通り酒場にいた面々はゴーツの言葉に反応し、二人の周囲に集まった。

 

「忘れていても大丈夫じゃ。ここに賭けの一覧表がある」

 

 周囲の言葉にゴーツは賭け予想をまとめた一枚の紙を取り出した。

 

「ありがてえ」

 

「流石はゴーツさんだな」

 

「何にしたか覚えてないけど当たってるといいな」

 

「で、結局クロースルの夢って何なのよ」

 

 長年秘密とされていたクロースルの夢と賭けの結果に酒場の面々はかなり盛り上がっていた。

 

「それでは場も温まったところで、クロースル、よろしく頼む」

 

「……この状況でですか?」

 

 酒場内が盛り上がってきたところで急に夢の告白を要求されたクロースルは口ごもった。

 

「何、今黙ろうとも買った後ですぐにばれる」

 

「それは確かにそうですけど……」

 

「なんだなんだ」

 

「そんなに言いづらいものなのか」

 

「もしかしてゴーツさん秘蔵のエロアイテムとか」

 

「まあ、クロースルも男だからな」

 

「エロ系かはともかく言いにくいものなのは確かっぽいわね」

 

「いや、こんな大勢の前じゃ大体嫌じゃないか?」

 

「それはそう」

 

「……クロースルさん」

 

 言葉に詰まるクロースルに周囲は邪推を始めた。もっとも広義的な意味でいうと3号もエロアイテムではあった。

 

「……3号をください」

 

「ん~、聞こえんな~?」

 

 クロースルはゴーツにしか聞こえないほどか細い小声で答えたが、ゴーツはとぼけて再要求を始めた。

 

「……このクソ爺!!」

 

 ゴーツの度重なる煽りにクロースルの我慢が限界に達し、ゴーツに手が伸びた。しかし、それは間に入ったデレーヌに止められてしまった。

 

「落ち着け、クロースル」

 

「……デレーヌさん」

 

「ゴーツさんの肩を持つ気にはならないけど一旦、落ち着け。それから大丈夫だ。お前が今まで頑張っていたのは皆が知っている。お前の夢が例えどんなものでも笑いはしない」

 

 デレーヌはクロースルを宥めた。

 

「ああ、クロースルの夢が何かは知らないがお前がそのためにどれだけ頑張ったかはここにいるやつが全員知っている。だから自信を持て」

 

「まあ、笑うかというと笑うかもしれないけど、馬鹿にはしないからよ」

 

「あんまりアレなものだとちょっと嫌だけどまあ、ここで口に出して大丈夫なもの……よね? だったら多分、大丈夫よ」

 

 デレーヌの言葉に周囲に同意し、クロースルの夢をどんな形であれ受け止める気持ちでいると頷いた。

 

「……みんな」

 

「どうやら決心はついたようじゃな」

 

「……ええ」

 

 頭が冷え、決心のついたクロースルは大きく深呼吸をした。

 

「3号を自分に売ってください!」

 

「お姉様~、お迎えに参りましたわ~!」

 

 クロースルの告白。それと同じタイミングで一人のメイド服の女性が酒場へと乱入してきた。

 

「……は?」

 

「えっ、クロースルさん? それにホム?」

 

「な、何だ!?」

 

「おっぱいだ! おっぱいが来たぞ!!」

 

「何、あれ……?」

 

「あれは本当におっぱいなのか?」

 

「なんだか3号ちゃんに似てない?」

 

「……最大級(マキシマム)!!」

 

「今まで見たことがない大きさのおっぱい。……100万点!」

 

「……お前は歪みないな」

 

 酒場にいた面々は驚きの表情で彼女を見上げた。彼女の名前はホムホム。チモック製販売用ホムンクルス4号である彼女は、大柄なファンより更に頭一つ近く背が高く、その双丘は人の頭より二回りは大きかった。

 

「ホム!?」

 

「お姉様~!」

 

 そして更なる特徴として3号を溺愛していた。

 

「っていうかさ、私の聞き間違いじゃなければクロースルとんでもないこと言わなかった!?」

 

「だよなあ? 3号ちゃんが欲しいっていったよな? 俺の聞き間違いじゃないよな?」

 

「狙ったか? もしかしてゴーツさん、この展開になるのを狙ってたのか?」

 

「さあ、いよいよクライマックスじゃ」

 

 狙い通りの展開になったゴーツは混沌と化した酒場で一人ほくそ笑むのだった。

 




【キャラ情報】

名前:ホムホム
種別:ホムンクルス♀
稼働年月:10年 
身長:200㎝ 
胸囲:Zカップ
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