ラブライブ!~金色のステージへ~   作:青空野郎

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STAGE.38 CHASE in OTONOKIZAKA

「はあ、はあ………」

 

走る。

 

「はあ、はあ、はあ……」

 

走る。

脇目も振らず、ただひた走る。

そして物陰に隠れ、一度呼吸を落ち着けて周囲の様子を窺った。

―――いたか!?―――

―――いや、こっちにはいなかったわ。たぶん向こうよ!―――

―――逃げ足の速いやつめ!―――

―――探せ!草の根をかき分けてでも必ず見つけだすんだ!―――

耳をすませば遠くの方から聞こえてくる声。

連中の執念にも似た勢いには深い深いため息をこぼすしかない。

しかし、このままじっとしていても見つかってしまうのは時間の問題だ。

そう、俺こと高嶺清麿はただいまクラスメイトの連中に絶賛追跡されているのである。

なぜこんなことになってしまったのか……。

時間は少しだけさかのぼる。

 

                     ☆

 

予兆は、オープンスクール開催を1週間後に控えたある日の昼休憩。

生徒会室で熟していた作業の区切りがついたところで、キーボードをたたく手を止める。

 

「さて、これで部活紹介のテーブルも出来上がりっと。あと必要なものは……」

 

独り言を漏らすが、他のメンバーは各々の役割のために出払っているため気にする者はいない。

周りの目も気にする必要もないので存分に伸びをして凝り固まった身体ごと気分をほぐしていると、こちらに近づいてくる足音、そして扉が開かれた。

 

「あ、いたのね、清麿。お疲れさま」

 

「お疲れ、キヨちゃん」

 

「ああ、ふたりもお疲れさん」

 

姿を見せたのは、音ノ木坂学院生徒会ツートップであると同時に、音ノ木坂スクールアイドル、μ'sの新メンバーでもある絵里と希。

どうやら向こうは練習を切り上げて様子を見に来てくれたようだった。

 

「今日も任せきりになっちゃってごめんね、清麿」

 

ちょうど一息ついていたところに出くわしたためか、彼女の言う通り、生徒会の人間が抜けてしまえばその分の仕事が圧し掛かってくるのは当然の話。

ただ、去年も実行委員として携わっていたこともあって、開催までの運びはだいたい把握できているためにそこまで負担でもなかったりする。

現に、現時点で特に問題が起きていないことを含めて絵里の謝罪をやんわりと制す。

 

「その分ふたりにはライブの練習に専念してもらう手筈になってるだろ?こうなるのは分かってたことなんだから気にするな。それより、そっちの方は順調か?」

 

「ええ、もちろん。清麿が作ってくれた練習ノートのおかげもあって捗ってるわ」

 

迷いのない返答を聞いて安堵する。

絵里はともかくとして、希はμ’sに加入してまだ日が浅い。

それでも何も言わないのであれば心配は不要だろう。

そうだ、ライブと言えば

 

「そいつはよかった。そう言えば、今回のライブの衣装、放課後に届くって知らせがあったぞ」

 

「本当!?よかったぁ。ずっと心待ちにしてたから楽しみね、希」

 

「そうやね!衣装も揃えばいよいよって感じやし、凛ちゃんじゃないけどテンション上がるやん!」

 

瞳を輝かせて喜ぶふたりの様子に頬が緩む。

彼女たちにとってオープンスクールの舞台は初めてのライブになる。

それも学校存続の命運が決まる一世一代の大勝負でもある。

相当なプレッシャーを感じているはずなんだが、少しでも緊張が紛れてくれるのであれば御の字だ。

 

「気持ちはわかるが、生徒会の仕事もあることを忘れないでくれよ?とりあえず、そこにまとめてあるやつから確認を頼む」

 

そう言って、絵里の座る席の前に積み上げた書類の束を指さす。

主に最後に生徒会長のハンコを必要とする書類がほとんどだ。

了解、と返事をした絵里が半分を希に手渡し、二重チェックで書面に目を通していく。

すると、何枚目かの書類をめくっていた絵里の手が止まった。

 

「へえ、今年は清麿のクラスが喫茶店を担当するのね」

 

絵里から出された新たな話題。

喫茶店、と言っても文化祭でやるような本格的なものではない。

用意するものも適当なお菓子やジュースだけで、料金も取らない。

要は、参加者が在校生との交流を深めるために用意した簡易的な休憩スペースのような場所だ。

本来ならばクラス単位で行うことではないのだが、各クラスから人員を募るよりは確実に人数を確保できるという理由で決められた方針である。

何気に廃校の危機の弊害でもあったりするため皮肉としか言いようがない。

 

「接客のローテーションはこの後の授業で決めるんだが、まあ、準備するものも特に必要もないから揉めることもないだろ」

 

「んー、それはどうかな?」

 

スペースの準備と言っても、並べた机にクロスをひく程度のこと。

本番前日に取り掛かっても十分間に合うために高を括っていたが、希がその会話に否を唱えた。

 

「キヨちゃんに一騒動起こるってカードのお告げや」

 

そう言って1枚のタロットカードを見せる。

塔のカード、向きは正位置。

意味は確か、破滅、悲劇……だったか?

それを認めた途端、辟易と表情が歪んだ。

 

「やめてくれよ。お前が言うと本当に何か起こりそうだから怖いんだよ」

 

「フフ、もしかしたらキミはそういう星のもとに生まれたんかもね」

 

しかし、返ってきたのはもう見慣れた愉悦の笑み。

否定しようにも、言い返すだけの根拠は残念ながら持ち合わせてはいなかった。

無駄に運が良くて、そしてタロット占いはよく当たると評判だったりするこいつの言うことだ、ますますゾッとする。

 

「でも意外ね。てっきり清麿ならそういうオカルト染みた話は鼻で笑うと思っていたわ」

 

「そうか?世の中ってのは案外、不思議の展開で溢れてるもんだぜ?」

 

希の言葉を借りるなら、魔界の王を決める戦いこそスピリチュアル以上の出来事なわけだしな。

 

「そのとおりや。それにエリチだって経験してるはずやん?例えば、2年前の巨人騒動とか」

 

「………………」

 

予想外の話題に咽返りそうになったのをどうにかこらえる。

今年の春先でもそうだったが、ファウードを止めるために呼び出したバオウも含め、今でもその影響力は未だに大きな波紋を広げている。

世間が巨人と呼ぶものの正体、突如魔界から送り込まれた超巨大な魔物―――正式名称、魔導巨兵ファウード。

当時の混乱ぶりと言えば、それはひどいものだった。

連日連夜、テレビや新聞に取り上げられてはさまざまな憶測が飛び交っていた。

カルト教団による集団催眠、化学兵器を用いた幻覚、電磁パルスによる錯覚、宇宙人の襲来、地底人の復活……など、各分野の専門家が持論を持ち寄りながらも、話は平行線を辿るだけだったが。

今では主立って報道されることはなくなったが、その手のメディアでは当然のように特集が組まれていたりするほどだ。

ただ、否定に否定が重ねられたことが功を奏したのか、あらゆる情報が錯綜したことが真実をより曖昧にしていった。

それは1000年前とは違い、好きな時に好きな情報を共有できる現代において、真実を知る者からすれば、まさにケガの功名と言えよう。

 

「それを言われたら返す言葉もないわね」

 

「そ、そうだよな。確かにアレにはびっくりしたよな。ハハ、アハハハハハハハ………」

 

感慨深そうにしている彼女たちだが、当然真実を口にできるわけもなく、苦笑いで乗り切る他なかった。

そして、この時の俺はかつてない危機へのカウントダウンが始まっていたことなど、知る由もなかったのだ……。

 

                     ☆

 

結論、我がクラスでは新手のいじめが横行していた。

 

「はい、と言う訳で、今年の女装役は高嶺君に決定しましたー」

 

俺は黒板に記された『女装:高嶺』という文字に唖然とする。

 

「――――――ハッ!?」

 

しかし、進行をしていた原の号令であがるクラスからの拍手で我を取り戻した。

そもそも、なぜ我がクラスで担当する喫茶店で女装などと言う頓珍漢な案があがったのかと言うと―――

 

・まず、午後の授業で喫茶店での役割を決める

・とある男子「せっかくだから今までと違うこともやってみたい」

・山本「女装とか?」

・進行役、三宅「おもしろそう!じゃあ誰がやる?」

・男子全員、一斉に顔を俯けて沈黙

・俺「いや、さすがに女装はないだろ?第一、今から衣装の用意なんてできるのか?」

・原「制服だから学校の予備を借りれば大丈夫!そうだ、南さんは誰か立候補とかある?」

・ことり「うーん。じゃあ、きーくんで♪」

・俺「……は?」

・原「賛成の人、挙手!」

・クラス大多数『はーい!』

・こ、こいつら……俺を犠牲の羊(スケープゴート)にしやがった!

 

以上、ダイジェストでお送りしてみたがやはり納得できるはずもなく……。

どうにか思い留まるように説得を試みるも、原たちを始め、担任の女性教諭、女子のほとんどが俺の女装を見たいという事態に発展。

集団心理の観点から、少数派の男子共も同調していく始末だ。

元女子高の悲しい性を見た瞬間だった。

 

                     ☆

 

もはや邪悪すら感じる流れにどうにか抵抗をしたおかげか、女装は保留と言う形でその場を収めることができた。

その後の時間は喫茶スペースの飾りつけの制作に取り掛かっていた。

最初は面倒だと思っていたことだが、こうして騒ぎながら作業するのも楽しいかもしれないな。

女装の件はまだ尾を引いているが……。

などと考えていると、周囲に気配を感じた。

顔を上げると、ことりを筆頭に海未、穂乃果、原、山本、三宅が俺を取り囲んでいた。

海未だけが苦笑い、残る全員が実に愉しそうな表情を浮かべている。

 

「……何の用だ?」

 

「さあ、きーくん。採寸の時間だよ」

 

イヤな予感がしつつも尋ねてみれば、ちょうど真横の位置に立つことりが手に持った巻き尺を伸ばして、さらなる満面の笑みを見せてきた。

……前言撤回。全然まったくこれっぽちも楽しくない。

 

「ちょっと待てみんな。一旦落ち着こう。俺が女装なんかして似合うと思うか?」

 

あくまで冷静に諭してみるものの、ことりは自信ありげに言う。

 

「大丈夫。きーくんならきっと似合うから」

 

「その根拠は?」

 

「女の勘、かな?」

 

「勘弁してくれ……」

 

そろそろ本当に泣きそうになってきた。

 

「清磨くんなら問題ないって。ファイトだよ!」

 

穂乃果には少し殺意が沸いた。

他人事だと思って簡単に言ってくれやがって、このやろう。

 

「海未、お前からも何とか言ってくれ。こういうのを破廉恥、っていうんじゃないのか?」

 

ならばこの面子で唯一の良心に救いを求める……が。

 

「すいません、清麿くん。私では、今のことりは止められないんです……」

 

顔を背けられ、呆気なく最後の望みも撃沈してしまった。

 

「という訳でみんな、少し高嶺くん借りていくけどいいよね?」

 

『はーい』

 

「うおおお、うおおおおおおおおおおおおおお!」

 

泣いた。人目もはばからず泣き叫んでやった。

それでも女装を受け入れたわけでもない。

もはや頼れるのは自分だけ。

女装なんて死んでもゴメンだ。

考えろ、考えるんだ、この逆境を打破する方法を!

そのためにまずは状況の確認。

俺は窓際の席に座っているため、その反対側がことりたちに囲まれている。

教室は2階にあるため飛び降りるのは現実的じゃない。

ならば―――

 

「どうかしましたか?清麿くん」

 

急に静かになったのを海未が訝しむのを他所に、俺は即座に行動に移る。

 

「大変だ!アルパカが脱走してるぞ!」

 

「え、ウソっ!?」

 

立ち上がりながら窓の外を指さして全員の意識を誘導する。

案の定、特にあの毛ダルマが大のお気に入りのことりは誰よりも食いついて窓辺に駆け寄っていく。

―――今だ!

 

「とぅおらあっ!」

 

そのスキを衝いてその場から大きく跳躍、扉付近に着地と同時に全力で走り去っていくのだった。

 

                    ☆

 

俺が逃走したことを認識して騒ぎだしたのはその数秒後のことだ。

直後に差し向けられた追っ手から逃げ延びて、どれくらい経ったのだろうか。

 

―――高嶺、覚悟ー!―――

 

「うおおおおお!」

 

―――おとなしく捕まれー!―――

 

「負けるかああああ!」

 

―――いたぞ、ここだ!―――

 

「わああああああ!」

 

誰かが立ちはだかれば、時にはすり抜け、時には飛び越え、時には掻い潜り、なんてのを何度繰り返したことか。

だが、撒いても撒いてもキリがない。

呼び止める声を背に、チラリと背後を向けば、追いかけてくるのはだいたい5,6名。

妙なテンションに中てられているせいかあきらめてくれる様子は見られない。

特に女子にいたっては眼が血走っている者がちらほら。

本当、頭が痛くなってくる。

 

「こっちだ、こっちから声がしたぞ!」

 

イヤな結束に頭を抱えそうになった時、今度は前方から別の声が。

まずい、このままでは挟み撃ちにあってしまう。

だがここは廊下のど真ん中、隣には空き教室が並んでいるがすぐに乗り込んでくることだろう。

万事休すか……いや、俺は絶対にあきらめない!

逃げられないなら立ち向かってでも必ず逃げ延びてやるんだ。

絶対に、絶対に!

 

                     ☆

 

「ここかぁ!」

 

「ヒャウッ!?」

 

勢いよく教室の扉が開け放たれる。

しかし返ってきたのは唐突の事に驚いた小さな悲鳴だった。

 

「アレ?あなたは確か1年の……」

 

「あ、はい。あの、どうかされたんですか?」

 

「ゴメン、ここに2年の男子が来なかった?」

 

「ええっと、それでしたらついさっきそこの窓から……」

 

「ちい、やっと追い詰めたと思ったのに……!ありがとう、みんな行くぞ!」

 

「……もう大丈夫ですよ」

 

息を殺しながら足音が遠ざかっていくのを聞き届け、彼女の合図で机の裏から顔を出す。

 

「ああ、助かったよ。ありがとう小泉」

 

最悪の場合は実力行使も厭わないと覚悟を決めた時、隣の教室にいた小泉のおかげで俺は難を逃れることができていた。

一時はどうなることかと思ったが……、と安堵の息をついていると彼女はペットボトルのお茶を差し出してくれた。

ありがとう、と再度お礼を言って一気に煽る。

つい先ほどまで走り通しだったためか、乾いた喉に爽快感とともに特有の苦みが染みわたっていく。

 

「ところで、小泉はこんなところで何してたんだ?」

 

「え、ええ。ちょっと準備してたこと(・・・・・・・)がありまして……」

 

ひと心地ついたところでふと思ったことを口にすると、どうも歯切れが悪くなったように感じるのだが。

そんな疑念を他所に、妙に取り繕ったようにも見える笑みで小泉が話しかけてきた。

 

「それはそうと、大変ですね。女装する羽目になった挙句にクラスの皆さんに追いかけられてしまうなんて」

 

ああまったくだ、と同意しようとしたが、瞬間―――違和感。

 

「……ちょっと待て」

 

ビクリ、と小泉の動きが止まった。

 

「小泉、なぜ俺が追いかけられていたことを知っている?それ以前に、なぜ俺が女装するハメになったことをすでに把握しているんだ?」

 

そもそも、ここはオープンスクール当日でも使う予定のない教室だ。

そんな場所で、ひとり何を準備することがあるのだろうか?

小泉は何も答えない。

だが、その沈黙こそが答えだった。

 

「―――チイッ!」

 

「凛ちゃん!」

 

舌打ちをしてこの場から逃走を図ろうとした時、小泉の掛け声で掃除用具箱から現れた影が背を向ける俺に飛び掛かってきた。

 

「つっかまえたにゃー!」

 

「ギャアアアアアアアアアアアアアア!」

 

そのまま足を掴まれて転倒。

顔面を強打してしまって悶絶しつつも、俺の足にしがみついた影の正体はすぐに分かった。

 

「ちくしょう!やっぱ隠れてやがったか星空!」

 

「おとなしくお縄になるにゃ、高嶺センパイ!これも学校を救うため、観念するにゃあ!」

 

「……本当は?」

 

「捕まえたらことりセンパイがラーメンおごってくれるって約束にゃ!」

 

思いっ切り買収されてんじゃねえか!

 

「もしかしなくても、小泉もか?」

 

「秋葉原の定食屋で限定発売されるおにぎりをご馳走してくれると言ってくれたので、つい……」

 

やはりこいつら、罠を張って待ち構えていやがったか……。

ただ、予想外の裏切りではあったが、おかげで俺の闘志に火がついた。

 

「お前らの思いどおりになって、たまるかぁ!」

 

かなり厳しい体勢だったが、まずは渾身の力をもって星空に頭突きをかます。

 

「ぎにゃっ!」

 

「凛ちゃん!?」

 

鈍い音とともに悲鳴を漏らす星空が昏倒し、拘束が緩んだところで脱出。

同時に、親友を心配して小泉が駆け寄ってきた。

 

「小泉、パス!」

 

そのまま星空の身体を小泉に向けて放れば、彼女はバランスを崩しながらも受け止める。

それが狙いだった。

 

「きゅ~ん……」

 

「凛ちゃん、大丈夫!?」

 

星空の安否を気遣っているところを悪いとは思うが、もう手段を選んでいる場合ではない。

心を()にして、ふたりの元へと一気に距離を詰める。

そして―――

 

「ジェヤアアアアアアアアアアア!!」

 

「キャアアアアアアアアアアアアアア!!!」

 

                     ☆

 

「確か、このあたりから悲鳴が……」

 

清磨くんが逃走を図ったことで私は穂乃果とともに彼の捕獲に駆り出されていました。

彼には申し訳がありませんが、今のことりを敵に回す方が怖いのです。

決して、決して清麿くんの女装姿が見たいなどと言う邪な感情に傾いたわけではないんです。

……ええ、決して。

そんなこんなで彼の探索にはや一時間が立とうとしていた時でした。

空き教室が集まる校舎の方から女子生徒の悲鳴が聞こえてきたのです。

私の勘違いでなければ、声の主はおそらく小泉さんのもの。

 

「う、海未ちゃん、あれ!」

 

危機感を覚えて声のした方に駆け付けて、最初に気づいた穂乃果が指差す先にいたのは―――

 

「うえ~ん、うええ~ん……」

 

「ダ、ダレカタスケテェ……」

 

身体をロープでグルグル巻きにされた状態でミノムシの如く木の枝から吊るされた星空さんと小泉さんの姿でした。

わんわんと泣く様子がなんとも痛々しくて……。

これにはしばし、穂乃果と並んで呆然と見上げるばかりでした。

予想だにしない光景でしたが、これほどの容赦のない仕打ちができる人物に心当たりが。

 

「あちゃ~……」

 

「これは、手ひどくやられたみたいですね……」

 

さすがに見なかったことにするわけにもいかないので、一度清麿くんの追跡を中断してふたりの救出に動き出すのでした。

 

                     ☆

 

「やっと見つけたわよ、清麿!これもすべては次の新曲のセンターの座のため!この宇宙一のスーパーアイドルたるにこにーの手で引導を―――」

 

「ザケル!」

 

「ブルァア!?」

 

投擲したハリセンで部長を伸して、その横を走り抜ける。

ちっ、やはりμ’sのメンバーにも情報が出回っているようだ。

このまま逃げ回っていても手詰まりになってくるだけだ。

もしかしたら、明日になれば交渉の余地が生まれるかもしれない。

ならばいっその事このまま逃げる(下校する)のもひとつの手ではないだろうか。

そんな考えを巡らせながら廊下の角を曲がった時だった。

 

「あ、キヨちゃんやん。やっほー」

 

「の、希……」

 

よりにもよって、一番出会いたくない奴と出くわしてしまった。

そして彼女の姿を目にした途端、かつてない戦慄が走る。

 

「そんなに慌ててどしたん?」

 

「いや、ちょっとな……」

 

「そうなん?でも、丁度えかったわ。キヨちゃんに確認してほしい資料があるんやけど、この後ええかな?」

 

ウソだな。

先も言ったとおり、まず間違いなく希にも件の情報が行き渡っているはずだ。

普段の行動から鑑みて、こいつがこんなおもしろおかしそうなイベントを見逃すと思うか?

ない、断じてない!

 

「悪い、今急いでるからまた今度な」

 

そうして来た道を戻ろうとしたが、その寸前に希に腕を取られてしまった。

 

「まあまあ、そう言わずに。すぐに済むから、な?」

 

そう言うや、そのまま腕を自らの胸元に絡めてきた。

腕から伝わってくる魅惑の感触が思考を奪ってくる。

だが、同時に確信する。

こんなあからさまなスキンシップを取ってくる時点で罠ではないことはありえないと。

 

「そんなに俺を追い詰めて楽しいか?」

 

「まあまあ、このまま流れに身を任せて楽しむんも一興やよ?」

 

おおう、とうとうごまかす事すらしなくなったか。

 

「冗談じゃねえ、楽しいのはお前の方だろうが!いいから離せ!」

 

「みんな、今やで!」

 

どうにか振りほどこうとするも、希は一層強く俺の腕を抱きすくめてくる。

そうこうしている内に後方を向いた彼女が叫べば、近くの教室の扉が開いた。

 

「ついに追い詰めたぞ、高嶺!観念しろ!」

 

「大丈夫よ、痛くはしないから!」

 

ウソだろ、おい……。

まさかクラスの連中まで待機させてやがったとは……。

だが、こいつの用意周到さに舌を巻いている場合じゃない。

 

「頼む、離せ!今度焼き肉奢ってやるから!」

 

「ほほう?でもウチ、結構拘り強いで?」

 

咄嗟に出た折衝だったが、効果はあったらしく目の色を変える希。

追ってはもうすぐそこまで迫っている。

ならばこのチャンスを逃す手はない!

 

「上等だ!とことんまで付き合ってやらあ!」

 

「なら、交渉成立やね」

 

そうして希はあっさりと開放してくれる。

勢いあまってたたらを踏んでしまったが、寸前のところで最悪の事態を回避することに成功するのだった。

 

「ほな、頑張ってなー(・・・・・・)

 

走る俺の背中に投げかけられた言葉。

妙な違和感を覚えたが、後に、その言葉の意味を知ることとなる。

 

                     ☆

 

「あなたたち」

 

「あ、生徒会長!」

 

「南さんから話は聞いてるわ。清麿なら向こうの方に逃げていったわよ」

 

「本当ですか!ありがとうございます!みんな、こっちだ!」

 

「……出てきていいわよ、清麿」

 

「…………」

 

絵里の呼ぶ声に物陰から顔を覗かせる。

希の魔の手から逃れた後も、クラスの連中の追跡が緩むことはない。

だんだんと狭まってくる包囲網の中で考えあぐねていたところで、次に遭遇したのが絵里だった。

死角から手を引かれた時はどうなることかと思ったが、一応、助けられたと思うべきなのだろうか。

いや、安心するのはまだ早い。

なにしろ前例がある。

もしかしたらこいつも近くに誰かを忍ばせている可能性を踏まえて、周りに視界を巡らせる。

 

「大丈夫よ、ここには誰もいないから」

 

「……信じて、いいんだな?」

 

「ええ、もちろん」

 

警戒心をひしひしと伝える視線を向けてなお、絵里は穏やかな笑みをたたえている。

よくよく考えれば、スクールアイドルと比べれば女装なんてリスクの塊みたいなものだ。

廃校阻止を第一に考える絵里に限って、肯定側に回ることこそあり得ない。

ならば、信用してもいいのかもしれない。

わかった、と首肯する俺に、絵里は改めて口を開いた。

 

「まずはここを離れましょう。いい隠れ場所を知ってるから」

 

そう言って背を向ける絵里についていく。

ただ、信用すると決めたものの、またいつ何者かが襲ってこないとも限らない。

やはりいつでも逃げられるように用心は怠らないようにしなければと絵里の先導に従っていると、ここ最近で見慣れた場所を走っていることに気付いた。

 

「なあ絵里、この階段って確か……」

 

「ええ、屋上に繋がる階段よ」

 

「ちょっと待て、屋上だと扉を塞がれれば逃げ場がなくなってしまうんだが本当に大丈夫なのか?」

 

「逆転の発想よ。屋上なんて逃げ場のない場所に隠れようなんて普通は考えないでしょ?」

 

思わず不安に駆られるが、なるほど、絵里の言う事にも一理ある。

それに、もしも屋上で誰かが待ち伏せていたとしてもすぐに引き返すだけの余裕はあるはずだ。

そんな風に思案している間に屋上の扉を潜り抜ける。

すでに日が傾き始めた時間帯のため、うっすらと茜色を帯びた風景を見渡す。

次に給水塔の陰を確認し、誰もいないことにようやくホッと胸をなでおろす。

だが、うかうかしてもいられない。

μ’sの面子ならいつこの場所を気取られても不思議じゃない。

 

「さて、とりあえず時間を稼いでるうちにどうするか考えねえと―――」

 

 

バタン、ガチャン。

 

 

「………………………………」

 

耳朶を打つ音に、しばし思考が停止した。

今一度辺りを見回してみれば、前を走っていたはずの絵里の姿が見当たらない。

それに、つい先ほど自分で口にしたばかりではないか。

『屋上だと扉をふさがれれば逃げ場がなくなってしまう』と。

恐怖に駆られつつもドアノブに手を伸ばす。

どうかウソであってほしいと願うが、運命とは時に残酷なのである。

 

「絵里いいいいいいいい!ウソだろオイ!開けろ!今すぐここを開けろおおお!」

 

屋上に締め出されたことを悟って、それはもう痛烈な勢いで扉をたたきまくった。

しかし、返ってきたのはこれまた無慈悲な声音だった。

 

「ごめんなさい、清麿。残念だけど、これも生徒会長としての役目なの」

 

ぶ……ブルータース!

かのカエサルもこんな気持ちだったのだろうか?

いや、それ以前に女装を強要する役目ってなんだよ!?

 

「おおぉおおおおおおおおおお……少しでも安心した俺がバカだったぁああああああ……」

 

ちくしょう、涙が止まらねえ……。

そうして立ち直れないほどの精神的ダメージで膝を屈した時だった。

ガチャリ、と鍵の開く音がしたと同時に、扉が開いた。

―――いや、開いてしまった、と言うべきか。

 

「う……あ、あぁ……」

 

前のめりの体勢で倒れた俺の視界に映ったのは、それはそれはとても素敵な少女たちの笑顔だった。

 

「さあ、きーくん。観念しましょうね~」

 

ああ、ことりが輝いてる。ハハ、真っ黒に輝いてらぁ……。

 

「―――あああああああああああああああああああ!!!」

 

刹那、音ノ木坂の校舎に絶叫が響き渡るのだった。

 

                     ☆

 

「うぅ……ちくしょう、こんなのあんまりだ……」

 

結末を悟った後、あれよあれよという間に部室に連行された俺はもはやされるがままとなってしまっていた。

その時に初めて分かったことだが、複数の女子に囲まれるとけっこう怖いんだな。

そんな現実逃避染みたことを考えながら涙ぐんでいると、西木野が歩み寄ってきた。

なんだ?こんな俺を笑いに来たか?

 

「まあ、災難だとは思いますが、大丈夫ですよ。先輩の頑張りは無駄にしませんから」

 

「………ゴフッ」

 

悪意はないのかもしれないが、せめて具体性のない慰めほど心にくるものはないことを知っていてほしかった。

 

「そう言えば、西木野だけ見かけなかったがどこで待ち伏せしてたんだ?」

 

机に伏せながらも、開き直って疑問に思ったことを訊ねると、西木野の代わりにことりが答えた。

 

「ううん。真姫ちゃんにはきーくんの動向を追ってもらってたんだ」

 

なるほど、どおりで行く先々で都合よく追手の連中と出くわすわけだ。

秘かに燻っていた疑問も晴れたところで、最後に残った問いを投げかける。

 

「なあ、やっぱりこれ……何か違わないか?」

 

その場にいる全員の視線が音ノ木坂学院の女子生徒の制服を身に纏う俺に集中する中での悪あがきでもあった。

μ’s総出による採寸が終わるや否や、光の速さで女子の制服を持ち込んできたことり。

それを皮切りに、ある意味で暴力の権化と化した女子たちを前に、なす術もなく着せ替え人形のような扱いを受けて今に至るのだ。

しかもご丁寧に椅子に縛り付けられたままと言うおまけ付きで。

と言うか、スカートを穿いているせいでさっきから股下がスース―して落ち着かない。

一応、膝下の長さには届いているが、よくもまあ女子はこんなものを穿いて平然としていられるな。

そんなどうでもいい感心を他所に、海未がうんうんと唸っていた。

 

「ことり、やっぱりこんなのダメだと思います」

 

「えー、そうかな?」

 

ここに来てようやく良心が芽生えてくれたか。

 

「やるならちゃんと、お化粧もしないと」

 

「だからなんで乗り気なんだよ!?」

 

俺の歓心を返せ!

 

「平気ですよ、清麿くんなら。お化粧も薄い感じで行けると思いますから。肌荒れの心配をするほどではありません」

 

「いや、誰もそんなこと心配しちゃいねえよ!」

 

こうしている間にも、じたばたする俺を置いて自称女神たちはメイク道具やウィッグ、果てには胸パッドまで用意する始末で盛り上がっている。

ああそうかい、そんなに俺をイジメて楽しいかいクソったれが!

 

「頼む、絵里。考え直してくれ!由緒正しき学校で、こんな行為は認められるべきじゃない。そうだろう?」

 

「え、えぇぇと……ここで振られても困るんだけど、多数決って、一見民主主義みたいだけど少数派はバッサリ切り捨てられるわけだから……」

 

「……わけだから?」

 

「諦めよっか」

 

「ごめんな、キヨちゃん。でもほら、これもお仕事。非常に重要なお仕事やから、ね?」

 

「ちっくしょーーー!」

 

                     ☆

 

「おぉおお……恥だ、末代までの恥だ……」

 

当に涙すら涸れ果てて、あきらめの境地に至って数分後。

各々が持ち寄った小道具により、俺は華麗にメタモルフォーゼ。

高嶺清麿(女性)の完成である(自棄)

いやはや、どうして女子ってのはどうしてこう、たとえ男であっても誰かを着飾ることが好きなのだろうか。

そんな哲学で諦観していると、女性陣がそろって息を呑んでいるのがわかった。

言葉を失うほどにひどい出来なのだろうか。

ならばむしろ好都合なのだが。

そんな不穏な静寂を、最初に破ったのは希だった。

 

「これは、ちょっと予想外やね……」

 

「はい。面白半分でやってみたけど、まさかこんなところにダイヤの原石が転がっていたなんて……」

 

「すごい!すごいよ、清麿くん!モデルさんみたい!」

 

珍しく呆然とする希。

彼女に同意するように呟くことりと興奮気味の穂乃果。

予想外の反応に戸惑い、海未と西木野のいる方に視線を向けると、両者とも目が合うや赤らめた顔を同時に背けた。

他の面子も、よく見ると顔を赤らめているようにも見えるが気のせいか?

 

「凛、知ってる!こう言うのをくーるびゅーてぃ、って言うんだよね!」

 

「相変わらず表情は硬いけど、むしろ凛々しさを感じるわね……」

 

舌足らずな発音で指差す星空に続いて、絵里も関心を示していた。

なぜか大絶賛のようだが、本当、全然うれしくない。

その後、教室に連れ戻されるとすでに招集をかけられたクラスの女子に黄色い悲鳴で出迎えられた。

野郎どもに至っては、妙に色めき立つ様子が大変気持ち悪かった。

そして、本来ならば喫茶店の準備のはずが、急遽撮影会が始まり、すべてをあきらめた俺は捨て鉢になってカメラのレンズを受け入れるのだった。

追伸、さりげなく連射機能を使っていた希は後でしばく。

 

                     ☆

 

「―――と言うことがあってな」

 

「それは何というか……大変、でしたね……」

 

「笑ってくれていいぞ。その方がむしろ気が楽になるからな……」

 

もはや渇いた笑いしか出ない俺の精神に、雪穂の同情が染みてくる。

あれから日が進み、やってきましたオープンスクール当日。

ここ数日はこの日が来ることを願ってもいたし、呪ってもいた。

そんなジレンマとともに重い足取りでやってくれば、すでに待ち構えていた女子たちに拉致され、あっという間に着替えさせられる。

その時のことりの恍惚とした顔はある意味恐怖だった。

正直、大変不本意だが、この1日で母校の命運が決まるために投げやりにするわけにもいかない。

軽く深呼吸で気持ちを切り替えて、いよいよオープンスクールの開催が告げられてはや数時間。

問題の客の入り具合ではあるが……。

ぱっと見で視界に映る受験生の人数は、去年と比べてまずまず、と言ったところか。

そして入場者に配られる冊子は、女装の憂鬱すら吹き飛ばすほどの減り具合を見せていた。

まず間違いなくスクールアイドル人気が大きく関わっているだろう。

もちろんまだ油断はできない。

すべては神のみぞ知るというやつだが、それでもこれは期待してもいいのではないだろうか。

そんな時に出くわしたのが雪穂と亜里沙だった。

ふたりとも、変わり果てた俺の姿に大変驚いていた。

亜里沙に至っては、

 

『なるほど、これがジャパニーズカブキ、と言うやつなんですね!』

 

と言う一言で、今度日を改めて日本の常識について教えなければと危機感を覚えたのは別の話。

そんな会話をしながら俺たちは今、校庭に建設された野外ステージで各部活動のパフォーマンスを見学していた。

素人目ではあるが、どの部活動も並々ならぬ努力が窺える。

周囲の受験生たちも生き生きとした面持ちで舞台に見入っていた。

と、もう少しでμ’sの出番が迫ってくるのでここらでお暇させてもらおう。

 

「じゃあ、あいつらの番も近づいてるから、俺もそろそろ行くわ」

 

「はい、案内してくれてありがとうございました」

 

「お兄さん!」

 

雪穂のお礼を聞き届けたところで、亜里沙に呼び止められた。

 

「お姉ちゃんたちに頑張って、って伝えてください。亜里沙、とても楽しみにしてますから!」

 

「―――おう!」

 

                     ☆

 

雪穂たちの元を去った後、野外ステージの裏側に回ると、一足先にひとり佇む絵里の姿を見つけた。

新しい衣装を着こなし、胸に手を置き深呼吸をする様子を見て、その背中を少し強めに叩いてやった。

 

「よ、おつかれさん!」

 

「わっ!?清麿……脅かさないでよ、もう……」

 

急な出来事に少しむくれるが、この前の仕返しも含めているので謝らない。

 

「やっぱり絵里も緊張するんだな?」

 

「そんなの当たり前でしょ?いつの時代でもステージって言うのは緊張するものなのよ」

 

「ハハハ、違いねえ」

 

そう言いつつも、軽い会話で多少は緊張がほぐれたようで、面持ちを綻ばせる絵里に亜里沙からの言伝を伝えた。

 

「そう、亜里沙が。……なら、なおさら頑張らなくちゃね」

 

「ああ、その意気だ。」

 

そう言えば、と亜里沙とのやり取りでひとつ思い出した。

 

「今日のライブ、おばあさんにも見せるんだよな?」

 

「ええ。客席から撮影したものを後日郵送する予定なの」

 

「……おばあさん、喜んでくれるといいな」

 

「もちろん。今度こそ、やり遂げてみせるわ」

 

向こう側の完成を聞きながら、絵里は自身の決意を表す様にこぶしを握る。

 

「おばあさまの為ってのは変わらないけど、今はそれだけじゃない。それ以上に私自身のために。ここが私のいる場所なんだって伝えられるように、ね……」

 

その時の彼女の瞳には、もう以前に見た迷いはない。

やがて穂乃果たちも合流し、舞台裏に新生μ’sの顔ぶれが今か今かと出番を待ちわびている。

そして、ついにその時はやってきた。

 

『続いては、アイドル研究部。音ノ木坂学院スクールアイドル『μ’s』の皆さんです!』

 

鳴り響く拍手に一層、緊張の色が濃くなるが、それ以上に頼りがいのある眼差しを見て、もう心配する必要はなさそうだと安堵する。

 

「じゃあ、行ってくるね、清麿くん」

 

覚悟を固め、まっすぐこちらを見据える穂乃果に頷く。

今になって多く語るだけ野暮と言うものだろう。

さて、俺にできるのはここまでだ。

せめて俺が持ちうるすべての期待を込めて後を託す。

 

「ああ、がんばってこい!」

 

                     ☆

 

期待の眼差しが降り注ぐ中で、少女たちのステージが始まる。

歌の女神の名が刻まれた垂れ幕を背に、まずはセンターに立つ穂乃果が口火を切った。

 

「皆さん、こんにちは!私たちは、音ノ木坂学院のスクールアイドル、μ'sです!私たちはこの学校が大好きです。この学校だからこのメンバーと出会い、この9人が揃ったんだと思います。これからやる曲は、私たちが9人になって初めてできた曲です!」

 

「「「「「「「「「聴いてください!」」」」」」」」」

 

―――伝承の通り、9人が歌い、踊る、新たなスタートでもある―――

 

「「「「「「「「「『僕らのLIVE君とのLIFE』!!」」」」」」」」」

 

                     ☆

 

……そして、少女たちのパフォーマンスが終わると、かつてない拍手喝采が巻き起こる。

俺はその時の彼女たちの笑顔を見て、今はこの胸の高鳴りに身を委ねていた。




☆オマケ☆

ライブ終了後

希「ほな、キヨちゃん。約束した件、よろしくな?」
清「は?」
希「この前、焼き肉奢ってくれるって言ってくれたやん」
清「なに言ってんだ?あれは―――」
希「約束通り、ウチは腕を離してあげた(・・・・・・・・)やん?」
清「……………………」
希「という訳で―――みんな、この後キヨちゃんが焼き肉奢ってくれるって!」
清「イヤ、ちょっと待て。さすがに全員は―――」
μ’s「「「「「「「「ごちそうさまでーす!」」」」」」」」
清「いやああああああああああああああああ!!」




「四葉あああああああああああ!もどかしいにも程があんだろコレエエエエエエエエエ!取ってえええええええええ!この胸のモヤモヤした奴取ってえええええええええ!」

五等分の花嫁、90話を見た作者の感想です。
推しであることもあってか、あの1話でそれはもうますます彼女を応援したくなっていきました。
と、こんな作品を書いている都合上、無粋だとは思いつつも、ついつい清麿ならどんな行動を起こすかなと妄想するのが最近の楽しみになっています。
とりあえずは、二乃はフラグが立てばきーくん呼び確定ですな。
一花は女優つながりで恵さんが立ちはだかるんだろうな、とか。
とりあえず今のところはそんな感じです。

あとはかぐや様でやっても面白いんじゃないかと思いましたね。
こちらに関しては白銀とは別のベクトルで鈍感属性を持っている清麿ですから

   →LOVE→
かぐや    清麿
   ←LIKE←

みないな関係性になって、コレ基本的にかぐや様のひとり相撲になるんじゃね?とか妄想に耽っていました(笑)





はい、という訳でそんなこんなで本編7話に当たるストーリー、無事投稿完了しました!
今まで散々オープンスクールの話やるとか言っておきながら、少なくね?とかいうツッコみはなしで頼むナ!
今回のオープンスクール編、もとい、清麿黒歴史編は割と初期の段階で考えていました。
文化祭では割とシリアス寄りの話だったんで、ならオープンスクールで少しはっちゃけたいなと。
よし、なら清麿女装させるか、という思考回路で出来上がった話です。
とりあえずは俺ガイルの雪乃辺りがイメージとして近いと思います。
今回は久々のギャグ回でもあってテンポを優先させて書き上げたので、細かいところに目をつむっていただけれをば。
清麿にとって最大級の黒歴史が出来上がってしまいましたが、楽しんでいただければ幸いです。
以上、青空野郎でした!それではノシノシ
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