ソードアート・オンライン~異界の三重奏《トリオ》~   作:世界一孤独なチンパン

1 / 2
 なんでほかの小説が完結してないのにそうやってすぐに新しい小説を書こうとする。楽しいからだけどさぁ(自問自答)
 
 というわけで、この亀更新クソ作者とうとうSAOにまで手を伸ばしやがりました。おそらく誰も書いてないであろう茅場明彦の息子の物語です。三重奏とメインタイトルにつけたのはまた別の意味がありますが、それは物語を進めるにつれて明かしていきたいと思います。タグも順次追加方式で行かせていただきます。

 最後にこれだけは言っておきます。更新スピードはわかりません!!



第1話『茅場明彦の息子』

 時代の流れと共に、人々の技術は進化する。西暦2022年、人類は完全なる仮想空間の実現に成功した。そのシステムの普及から少しばかりたったある日、とある大規模の会社であるアーガスが一つのゲームタイトルと発表。その名は

 

ソードアート・オンライン(S   A   O)

 

 人類初となる『フルダイブ技術』を用いて作られた、世界初のVRMMORPG。プレイヤーは仮想空間にいる自身のアバターと文字通り一心同体となり、自身の技術と手にした武器で壮大な冒険を繰り広げる。

 それだけでも十分凄いのだが、さらにゲーマーたちを歓喜させたシステムがある。何とVRという長所を生かし、生活もこなせてしまうのだとか。

 

 兎にも角にも、こういった情報が解禁されていくに連れて、全国のゲーマーはその瞬間を今か今かと待ち望んでいるのは間違いなかった。

 

 

 ただ一人を除いて。

 

◇◇◇◇◇◇

 

 

『悪い。開発がいよいよ大詰めで、お前の誕生日には間に合わなそうなんだ。プレゼントは私の部屋のにある。誕生日当日に開けてくれ。本当にすまない』

 

「チッ…」

 

 またかと俺は心の中で呟き、スマホを無造作にベッドに投げ捨てた。元々期待なんかしちゃいなかった。だってあの人はいつもそうだから。自分のことが忙しくなると、俺のことなんか知らんぷりだ。

 

「そんなんだから母さんに逃げられんだよ…」

 

 静寂に染まる部屋の中で、虚しく響く声。嫌なことを思い出す前に、スマホの後を追うようにベッドに吸い込まれるように倒れる。

 

「そういや、来週だったな」

 

 睡魔に襲われそうになる一歩手前、俺はふと思い出す。あのクソ親父が俺たちの仲を引き裂いてまで完成させた世界初のVRMMORPGとやら。そのβテストが、来週行われるらしいのだ。まあ当然、俺はやるつもりはない。母さんが家から居なくなっても気に留めなかったあいつのことだ。またなんか面倒くさいことになるに違いない。それに俺は、ゲームが嫌いだ。

 

「絶対にやらないからな…」

 

 あれやこれやと考えるうちに、だんだんと瞼が重くなってきた。夢の中に誘われる直前、俺は最後の抵抗と言わんばかりにそう呟いた。

 

◇◇◇◇◇◇

 

「あのクソ親父…」

 

 誕生日当日、俺はプレゼントを前にして拳を震わせた。毎年親父は俺の誕生日になると決まってプレゼントを用意する。プレゼントはあるかないかで聞かれたらあった方が嬉しい。だからその点に関してはもう何も言わなくなったのだが、今回は物が物だった。

 

『開発の参考にしたい。よかったら試してみてくれないか?』

 

 と殴り掛かれた文字が書いてある手紙と一緒に置いてあったのは、『ナーブギア』。あの世界の扉を開くことのできる唯一の鍵だ。そして、今俺が絶対に関わりたくなかったものでもある。これが意味すること、それはつまり

 

 あのゲームのβテスターの一人に、不本意ながら選ばれてしまったということだ。

 

 

 

 

「おい。これはどういう了見だゴラァ」

 

『そう気を荒立てないでくれ。今年はそれしか準備できなかったんだ』

 

「荒立つに決まってんだろクソジジイ!!俺がゲーム嫌いだっていうの知ってんだよなてめえは。なのにこれをプレゼントと称するなんざさすがに肝っ玉が据わりすぎてんじゃねえか?あぁ!?」

 

 親父に電話するなりそうぶちまける俺。親父はすまないと宥める。その後も俺の一方的な怒りに対し、親父はただ謝るだけで他に何も言ってこない。次第に冷静になり、たとえ嫌いな人であっても態度が行き過ぎていたことを自覚し、謝罪する。

 

「なんでこんなもん送った?ただ準備できなかっただけじゃねえだろ」

 

 親父はばれたかとため息をつく。全く、ため息をつきたいのはこっちだというのに。

 

『私はこれを作り上げるためだけに、君のこれまでの人生を台無しにしてしまった。だからこそ、思ったんだ。手放したくなかったものを手放させてまで作り上げたこの世界が、君にどう映るかというのを』

 

 親父はそのまま誰かに呼ばれたと言って通話を切ってしまった。残されたのは、俺と机の上にある未開封のナーブギア。

 

「悪いって思ってんなら少しは家に帰って来いよ…」

 

 俺はひとまず、ナーブギアが入った箱を持って自室へと戻った。それを机の上に置き、椅子に座って頬杖を突きながら睨めっこを始める。

 

「俺の目にどう映るのか…か」

 

 俺はゲームが嫌いだ。だってゲームは、俺の人生を狂わせた。そんな俺がこの世界を見たところで、何かが変わるのだろうか。

 

「今日…だよな…」

 

 幸か不幸か、はたまた偶然か必然か。βテスト開始日は俺の誕生日…即ち今日の正午からとなっていた。

 

「何やってんだろ俺…」

 

 ナーブギアの初期設定を終え、ベッドに横になった俺はバイザー部分の左下にある『11:59』という表示を見て愚痴る。

 

『だからこそ、思ったんだ。手放したくなかったものを手放させてまで作り上げたこの世界が、君にどう映るかというのを』

 

 直前で思い出した、あの男の言葉。

 

「見てやろうじゃねえかよ。あんたが壊して…そして作り上げた世界ってやつを」

 

 言い終わると同時に、デジタル時計の数字が一つ進んだ。目を閉じ、大きく息を吸い込む。

 

「リンク・スタート!」

 

 あの世界につながるキーワードをつぶやき、俺『茅場明人(カヤバアキト)』の意識は遠のいて行った。

 

◇◇◇アインクラッド第一層『はじまりの街・転移門前』◇◇◇

 

「すげぇ…」

 

 自分でも驚くことに、この世界に最初に降り立って出たのが感嘆の言葉だった。見渡す限りの青い空。その空を流れる白い雲。そのリアルさは、ここがゲームの世界であることを忘れそうなほどだった。 

 

「これが…あいつが作った世界…」

 

「わぁ…すごい…!」

 

 感傷に浸った俺の心を呼び戻す声が一つ。横を見ると、黒いセミロングのストレートヘアをたなびかせ、グリーンの瞳をキラキラと輝かせた女の子が俺と同じことを言っていた。

 

「あっ…こんにちは…」

 

 それが俺と彼女『コハル』との出会いだった。

 

 

 

 

『ソードアート・オンライン~異界の三重奏~』

 

 

 

 

 

 

 




 本作の主人公のヒロインはコハルちゃんになります。IFプレイしてた時に心打ちぬかれたのと、ほかのキャラとの絡みを見たいという理由での元選出させていただきました。

 ここから茅場明彦の息子『茅場明人』達の物語が幕を開けます。更新頻度はなるべくブランクが空きすぎないように善処します。(笑)

 それではまた次回で!
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。