FAIRY TAIL 【ミストガンの親友は元素の滅竜魔導士!?】 作:侍魂
マサラたちは走っていた。
「すぅ すぅ ……お兄ちゃん」
「マサラさんの名前呼んで幸せそうに眠ってるわね。ウェンディ」
「本当ね。この子今の状況分かってるのかしら? まあ普段から考えすぎだからいいけどね」
「ねえねえ。ヒビキはニルヴァーナの魔法を知ってるの?」
「……知ってるよ。ニルヴァーナの魔法の正体を知っている」
「ただ、その性質上誰にも言えなかった。この魔法は意識するととても危険だからなんだ。だから一夜さんもレンもイヴも知らない。僕だけがマスターから聞かされている」
「どういうこと?」
「ニルヴァーナは光と闇を入れ替える魔法……だよね……?ヒビキ」
「マサラ君。気づいていたのかい?」
「何となくだけどね。だけどここにいるみんなは薄々気づいていると思うよ」
「えっ! どういうこと!? みんなは分かってるの!?」
「落ち着きなさい。オスネコ。ウェンディの事ね」
「あの時のウェンディ怖かったわ」
マサラは気づいていて。ハッピー以外も気づいていたようだ。
「流石だね。しかしそれは最終段階。まず封印が解かれると黒い光が上がる。まさにあの光だ」
マサラたちの視線の先には黒い光が見える。
「黒い光は手始めに光と闇の狭間にいる者を逆の属性にする。強烈な負の感情をもった光の者は闇に落ちる」
「そういうことだね。だから自責の念……自分を責めていたウェンディを守るために攻撃しようとしたんだね」
「キミの妹に攻撃しようとしてごめんね」
「ううん。ありがとう。ウェンディを守ろうとしてくれて」
「でも失敗だったけどね。ウェンディちゃんは闇に落ちかけた。だけどマサラ君とウェンディちゃん、二人の兄妹の絆があの子を光に戻したんだ」
「ちょっと待って! 怒りは! ナツはどうなの!?」
「何ともいえない……その怒りが誰かの為ならそれは負の感情とも言い切れないし」
「どうしよう意味が分からないよ」
「あんた馬鹿でしょ。つまり善と悪で心が動いてる者が性格が入れ替わっちゃうって事でしょ」
「それが僕がこの魔法ニルヴァーナの事を黙っていた理由。人間は物事の善悪を意識し始めると思いもよらない負の感情を生む」
「あの人さえいなければ……つらい思いは誰のせい? 何で自分ばかり……それら全てがニルヴァーナによりジャッジされるんだ」
「そのニルヴァーナが完全に起動したらあたしたちみんな悪人になっちゃうの?」
「でもさ……それって逆に言うと闇ギルドの人奴らはいい人になっちゃうって事でしょ?」
「そういう事も可能だと思う。ただニルヴァーナの恐ろしさはそれを意図的コントロールできる点なんだ」
「それはやばいね。ギルドにニルヴァーナが使われたら」
「うん。仲間同士でのためらいもない殺し合い……他ギルドとの理由なき戦争……そんな事が簡単に起こせる」
「一刻も早く止めないと光のギルドは全滅するんだ」
「絶対に六魔将軍たちを倒してニルヴァーナを止めよう」
マサラの決意の声と共に走るスピードが上がる。
ある程度進むとマサラたちの目の前には巨大な風の障壁が邪魔をしていてマサラたちの行く手を阻んでいた。
「魔風壁……これってララバイの時の!」
「あい!絶対にそうだよ!」
「ルーシィとハッピーはこの魔風壁の事知ってるの?」
「闇ギルド
「あい!
「そっか……そこに隠れてるのは分かってるよ」
マサラが視線を木の方に向けると木の上にはエリゴールが立っていた。
匂いでエリゴールの居場所を感じとったようだ。
「久しぶりだな。ハエども、いつぞやの時は世話になったな」
エリゴールは持っている大鎌を使いルーシィに襲いかかる。
マサラは振るわれた大鎌を受け止めながら言う
「ここは僕に任せて。先に行って」
「マサラさんありがとうございます! でもあの魔風壁が邪魔をして先に行けない!」
「俺様を倒さねえと魔風壁は解けねえ。先には行けねえぜ」
「それはどうだろうね? スゥー」
マサラは魔風壁を食べ始め魔風壁は綺麗に無くなった。
「そっか! マサラさんは元素の滅竜魔導士。ナツと同じ滅竜魔道士でしたよね!」
「貴様もあの火の玉小僧と同じ化け物かよ」
エリゴールはマサラの実力を図るために一旦距離を空ける。
マサラがウェンディを下ろそうとするとマサラを抱きしめていたウェンディの腕の力が強くなる。
もう二度とマサラと離れ離れになりたくないと無意識に。
「ウェンディごめんね。すぐに追いつくから待っててね」
マサラはウェンディの無意識の行動に気づいていてそっと腕を解き心苦しそうに言う。
「お兄ちゃん……」
ウェンディは聞こえているのか寝言でマサラを呼ぶ。
「ウェンディちゃんは僕がおぶって行くよ」
「……ヒビキ、ウェンディに変な事したら絶対に許さないからね」
ヒビキがウェンディをおぶろうとするとマサラが釘を刺す。
「あははそんな事しないよ。マサラ君は心配性だね。ねっルーシィ?」
「あはは……どうかしらね?」
ルーシーは苦笑いをして視線を逸らす。
先程のエルザに対しての行動やヒビキを含めて青い天馬の人たちの女性に対しての様子を見てきたためだ。
「ルーシィ!?」
「ウェンディに変な事したらアンタ絶対許さないからね!」
「ネコちゃんまで……」
シャルルは大事な友だちを思いヒビキに忠告する。
ぽん
「ありがとうハッピー。キミだけだよ味方は」
「あい!」
ハッピーはヒビキへの女性からの対応に可哀想になったのか無言で肩をそっと叩いた。
「ヒビキ。妹の事頼んだよ」
「うん。任せてくれ」
ヒビキはマサラからウェンディを預かり背中に背負う。
「みんなナツたちの事をお願い!」
「うん! あい! 分かったわ! 任せてくれ」
ルーシィたちは走って行く。しかしエリゴールはただで通す訳はなく大鎌を振るいルーシィたちに追撃しようとする。
「元素竜の火の太刀、元素竜の風の太刀」
マサラは右手に火で出来た剣と左手に風で出来た剣を生み出してエリゴールの攻撃を受け止める。
その隙にルーシィたちは走って行った。
「頼んだよ。みんな」
「ハエ共は先に進んだか」
「僕たちはハエじゃない。妖精の尻尾だよ。果たして妖精に尻尾はあるのだろうか? そもそも妖精は本当にいるのだろうか? 永遠の謎。永遠の冒険そんな想いを込めた名前が妖精の尻尾みたいだよ」
「ハエの歴史には興味ねえな。俺の興味は火の玉小僧とハエ共に復讐する事だけだ」
「火の玉小僧?……ナツの事だね。 いいよ。ナツの分も僕が戦うよ……そうだね……ナツの言葉を借りるなら……燃えてきたよ!」
マサラは火の太刀を使い切りかかる。
エリゴールは自分に凄まじい風を纏わせる魔法、暴風衣ストームメイルを使いマサラの火の魔法である火の太刀を見事に無力化し、ただ右手を振るっただけになる。
エリゴールはその魔法が消えた瞬間を狙い大鎌を振う。
マサラは左手の風の太刀で受け止めバックステップで距離を取る。
「俺様に火は効かねえよ」
「風属性の魔法とは相性が悪いみたいだね。でも火と風を合わせたらどうかな? 火と風の合わせ技。元素竜の火炎疾風剣」
マサラはもう一度火の太刀を生み出し火の太刀と風の太刀両手を合わせると凄まじい勢いで燃え上がる。
火と風の合わせ技元素竜の火炎疾風剣。
エリゴールは風を使い消そうとするが凄まじい火炎に消える事は無い。
マサラは火炎疾風剣で斬りつけるが大鎌でエリゴールは受け止めた。
「やるじぇねえか火の風小僧」
「小僧って年齢でもないしそれに僕が使う元素の滅竜魔法は火と風だけじゃないよ」
「そうかよ。だったらこれならどうだよ。全てを切り刻む風翔魔法、死ね! 火の風小僧!
強力な風の刃を飛ばし辺り一面の木を切り刻みながらマサラに迫り直撃した。
「元素竜の岩石の鎧」
「貴様俺と同じような魔法を!?」
マサラは元素竜の岩石の鎧を纏いエリゴールの魔法を防ぐ。
「次は僕の番だね……元素竜の水流咆哮!」
マサラは口から水のブレスを放つ。
エリゴールは風の魔法で空を飛び逃げようとするが凄まじい勢いで水のブレスがエリゴールに迫り直撃して地上に落下していった。
「貴様の名は?」
倒れたエリゴールはマサラに名を聞く。
「僕は妖精の尻尾の魔導士。マサラ・エレメントだよ」
「覚えておいてやる」
「またナツと僕に挑めばいい僕たちは逃げも隠れもしないから……またバトルしようねエリゴール」
「ふん」
マサラは笑顔で再戦の約束をする。
エリゴールはふてぶてしく返事を返すが表情は晴れやかであった。
お互い全力を出したためだ。
エリゴールは気を失った。
「じゃあルーシィたちを追いかけるかな」
マサラはルーシィたちの向かった先に行く。
マサラがエリゴールと戦ってる頃……
ルーシィたちは六魔将軍の一人であるエンジェルと戦う
ルーシィと同じ星霊魔道士のエンジェルは手強くルーシィの持つ星霊の関係を知り最強の星霊アクエリアスを無力化し、ロキも過去の友である星霊アリエスを呼び出され無力化しようとするが二体はルーシィとエンジェル、オーナーの為にそして星霊としての自分のプライドの為に心を押し殺して戦い、最後はエンジェルが二体とも攻撃して相打ちに終わる。
二体は互いを想い涙を流しながらなら消えていった。
「まさかこの男闇に落ちたのか! あはは」
ヒビキはルーシィの首を閉める。
エンジェルが過去にヒビキの恋人の命を奪った事を知りニルヴァーナの影響で闇に落ちたと思われたが……
「ヒビキ……」
「じっとして……古文書が君に一度だけ超魔法の知識を与える」
「こ……これなに……頭の中に知らない。図形が」
(危なかった。キミと星霊の絆が僕を優しい光で包んだ)
ルーシィの星霊を想う優しい気持ちが奇跡を起こした。
「おのれえ! やるよカエルム!」
「ウラノ・メトリア!!」
「きゃああ!」
超魔法ウラノ・メトリアを当てエンジェルは倒れ水の中に沈んでいく。
「あれ……あたし……何が起こったの? ヒビキ! ハッピー! そうだナツ!」
「おおお……」
ヒビキはボロボロで倒れ、ハッピーは氷付けになっている。
ナツはエンジェルの罠でイカダにはまり乗り物酔いを起こして身動きが取れない。
ざばっ!!
ルーシィのウラノメトリアを受け水中に沈んでいたエンジェル……
ボロボロであるが最後の力を振り絞り立ち上がる。
「負けないゾ……六魔将軍は負けない……」
(なにこれ力が入らない……てかなんでこいつはボロボロなの)
「一人一殺……朽ち果てろ!」
エンジェルは最後の悪あがきで星霊を使いレーザー光線を放つ。
「元素竜の水壁」
「防がれた……」
「マサラさん」
「遅れてごめん。お疲れ様頑張ったねルーシィ」
マサラが当たる寸前でゼリー上の水の盾を使い攻撃は止まる。
ルーシィは力を使い果たし倒れるがマサラが抱きしめて受け止める。
(私の祈り天使のように空に消えたい……)「……って水の中かい!」
エンジェルは自分の祈りを心の中で吹き水の中に消えていった。
「誰か……うぷ……た……助けて」
「ナツ待っててすぐに助けるから」
ナツが乗るイカダは流されていき滝の下に落下していくがマサラが空を飛んでいきナツを受け止めナツとルーシィ二人を抱えて地上に降りる。
「二人共ずぶ濡れだね」
マサラは川の水でずぶ濡れになった二人の服を乾かす為に火を使い乾かそうとする。
すると突然現れた扉の中からメイド服を着た女性が現れる。
「えっとキミは?」
「初めましてマサラ様。私はバルゴ。ルーシィ様、姫の契約星霊です。
お二人の服は私が星霊界の服に着替えさせます」
「うん分かったよ。よろしくね」
バルゴはルーシィを着替えさせようとする。
「マサラ様。今から姫を着替えさせるので……エッチ」
「あはは。ごめんごめん。僕は少し向こうの方で寝てるから」
「かしこまりました。お二人が目を覚ましたら起こします」
「うんお願い」
マサラはバルゴが着替えさせ二人が意識を取り戻す間休息をとる事にした。