FAIRY TAIL 【ミストガンの親友は元素の滅竜魔導士!?】   作:侍魂

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二話 別れ

マサラ、ジェラール、ウェンディの三人が出会い、森バルカンを撃破して森を抜けた後、街や川、砂浜、山、色んな場所を旅をして季節は移り変わっていく。

今日は色鮮やかな花畑の中で休息をとっていた。

 

「ジェラールまだかな……」

 

青髪の幼女、ウェンディは草原にちょこんと座り青髪の少年の帰りを大人しく待っていた。

 

「お待たせ。ほら、いっぱい果実取れたよ」

 

「わぁ!ありがとう!凄く美味しそう!」

 

青髪の少年、ジェラールは近くの木に生えていた美味しそうな果実を袋いっぱいに入れて運んできた。ウェンディは礼を言いながら匂いを嗅ぐと、果実特有の甘い匂いに食欲がそそられる。

 

「気持ち良さそうに寝ているな」

 

「あはは。お兄ちゃんいざという時は格好良いんだけど、普段はマイペースだからね」

 

ジェラールとウェンディが視線を近くにそびえ立つ大きな大木に移すと、話の話題になっている白いニット帽を被った黒髪の少年、マサラが大木にもたれて気持ちよさそうに眠っていた。

 

「確かにな。だけど手伝ってくれたらいいのに……ほら、起きろって」

 

「待って、ジェラール。私がお兄ちゃんの分も手伝うから起こさないであげて」

 

気持ち良さそうに眠っているマサラの背中を揺らしながら起こそうとするジェラールの手を、ウェンディが小さな手で掴みながら小声で止める。

 

「ウェンディ、マサラの事が好きだからって甘やかしちゃ駄目だぞ」

 

優しいウェンディの気持ちに笑みを浮かべながらもやんわりと注意する。

長い一緒に旅をしてたのでウェンディがマサラに対して、兄妹としての愛情ではなく異性として想いを寄せている事がジェラールには分かっていた。

 

「お兄ちゃんの事が好き?……!? えええ/// そんなんじゃないよ!!」

 

自分の心の内に秘めた想いを当てられてしまい大きく目を開くと必死に手を横に振り誤魔化して隠そうとするが、顔は林檎のように赤くなっていて嘘をついている事は丸分かりであった。

 

「冗談だよ」

 

「もおジェラールたら」

 

ジェラールはそんなウェンディの仕草を見ると可笑しそうに笑い、からかわれた事に気づいたウェンディは口を尖らせてジト目でジェラールを睨む。

 

「ごめんごめん。いつからマサラの事好きになったんだ?」

 

「ジェラールなら教えても大丈夫だね……お兄ちゃんの事を好きになったきっかけか……やっぱりひとりぼっちの時私を見つけてくれた事かな」

 

ジェラールは素直に謝罪しながら問いかける。ウェンディは顔を赤く染めながら森の中でマサラと出会った時の事を思い出す。

 

「やっぱりあの時か……あの時のマサラ確かにかっこよかったな」

 

ジェラールは、マサラが迷いなく走っていた姿を見ていたので素直に頷く。

 

「うん//でもね、それだけじゃないんだ……お兄ちゃんの事は何だか昔から知ってるような懐かしい感じがしたんだ」

 

「懐かしい気持ちか……もしかしたらそれって運命なのかもな」

 

「運命? ……えへへ!だったら良いな//」

 

 マサラとウェンディは初対面の筈であるが、何故か懐かしい気持ちになりウェンディ自身惹かれたようである。

ジェラールの言葉に嬉しそうにしていて、赤くなった顔を抑えながら願う。

 

「う、うーん……ふぁぁー……おはよう」

 

「お兄ちゃん、おはよう!」

 

マサラは目を覚ますがまだ眠たいのか欠伸をしながら挨拶をする。ウェンディは兄が起きた事に嬉しそうに挨拶を返す。

 

「おはよう。ほら俺達の食べ物だよ」

 

「ありがとう」

 

ジェラールも挨拶を返しながら袋に入った果実を見せた。マサラは礼を言う。

 

「手伝ってくれたらいいのに。」

 

「あははごめんね。今日は最高の気候だからお日様がポカポカして気持ちいいよ。ウェンディも隣においで」

 

ジト目で見ながら文句を言うと、マサラは苦笑いしながら謝罪して理由を説明する。

マサラの言う通り天気は快晴で気温がちょうど良くお日様がポカポカしていて気持ちよく絶好のお昼寝日和だ。

 

(駄目だよ!ジェラールに迷惑かけちゃう!)

 

手でで横を叩きながら妹の名を呼ぶと、ウェンディはマサラとジェラールの顔を交互に見ながらどうするべきか迷う。

 

「「スーウ、スーウ」」

 

「こら!! 寝るんじゃない!! ってウェンディもか!?」

 

マサラはまた気持ち良さそうに寝始める。マサラを起こそうとしていると隣には誘惑に敗北し、気持ち良さそうに眠るウェンディの姿があった。

辺りにはジェラールの怒鳴り声が鳴り響くのであった。

 

数十分後……

 

ジェラールが二人を何とか起こして食事の準備をする。

 

「元素竜の小風」

 

マサラが袋から果実を取り出すと、空に投げ魔法を発動させ右手に生み出された小さな風を果実に向けて投げる。

 

「相変わらず器用に魔法使うよな」

 

「お兄ちゃん!!凄い!!」

 

机の上に用意されていた皿の上に果実が綺麗にカットされて落ちた。

相変わらず器用に魔法を使う姿に感心しているジェラールと瞳を輝かせながら兄を褒めるウェンディ。

 

「お兄ちゃん、お兄ちゃん!今度は何処に行くの?」

 

「そうだよねー何処に行こうか……ウェンディは何処に行きたい?」

 

「私?私はお兄ちゃんとジェラールとなら何処でも良いよ!!」

 

ウェンディの問いかけに少し考えると思いつかないので問い返すと、ウェンディは迷いもなく答える。

 

「僕もそう思うよ!ジェラールとウェンディと旅するのが楽しいからね〜」

 

「うん!私も! ずっと三人でいれたらいいのに……」

 

マサラの言葉に頷くウェンディ。ジェラールはそんな二人の会話を眺めている

 

「あれはアニマ!?」

 

マサラたちが果実を食べながら他愛ない話をしていると遠くのほうで空には不思議な穴が空いている。

ジェラールは穴の方見ると真面目な表情で見つめ何かを呟く。

 

(アニマ? あっちの方角だよね……動物が穴の中に吸い込まれていった……)

 

ジェラールの呟きを聞いたマサラは、視線の先を確認する。

ジェラールからは遠くて細かく確認出来なかったが、マサラからはしっかりと目線に映る。

穴の中に沢山の物が吸い込まれていき、生きている動物までが吸い込まれていった。

 

「……どうしたのジェラール?」

 

「何でもないよ。この果物美味しいな!貰おう!」

 

「ジェラール!それ私が食べようと思ってたのに!」

 

明らかに様子が可笑しいジェラールに、ウェンディが問いかけると、ジェラールは心配をかけないようにすぐに険しい表情を戻して笑顔で皿に盛られた最後の果実を取る。

ウェンディは最後に残っていた果実が好物だったのかジェラールに文句を言っていた。

 

「アニマね……消えた」

 

「お兄ちゃん聞いて!ジェラールが酷いんだよ!!」

 

マサラが先程の穴を眺めていると消えていた。誰かに肩を揺すられて意識を戻すと、ウェンディが近くに来ていて可愛らしくプンスカ怒っていてマサラに弁護してもらおうと話しかけていた。

 

「ごめん、ごめん。まさかウェンディの大好物だとはな」

 

「謝っても許さないんだから!」

 

申し訳そうに手を合わせて謝るジェラールに顔を膨らませてプイッと顔を背けるウェンディ。

 

「ウェンディ。この果実も美味しいよ〜食べてみる?」

 

「お兄ちゃんからのアーン//食べる//」

 

ジェラールに助け舟を出すようにマサラが食べようとしていた果実を手で持ちながらウェンディに差し出すと、ウェンディは迷いなく口に入れる。

 

「美味しい……全くジェラールはしょうがないんだから」

 

「単純だな」

 

マサラからアーンとされてウェンディの機嫌が戻る。そんなウェンディの素直な様子にジェラールは苦笑いする。

 

「何か言った?」

 

「何でもないよ」

 

小声で言うがウェンディには丸聞こえでありギロリと睨まれる。慌てて顔を背けるジェラール。

 

夜・・・

 

日は沈み辺りは暗くなる。マサラたちは就寝する事にしていた。

 

「スーウ、スーウ」

 

仲良く同じ寝袋に包みながら眠るウェンディとマサラ。

 

(本当に仲の良い兄妹だな。ありがとう一緒に旅をしてくれて。マサラとウェンディと出会えて……一緒に旅をして楽しかったよ)

 

そんな二人を微笑ましく見ていたジェラールの脳内には辛くもあったが楽しかった思い出が蘇る。

礼を言うと首を横に振り迷いを断ち切る。

 

(ごめん……そろそろ行かないと……元気でな。マサラ、ウェンディ)

 

 

最後に心の中で謝罪し別れを告げると荷物を持って先程穴が空いていた場所に一人歩いて行く。

 

「こんな時間に何処行くの?」

 

しばらく先に進むと目の前にマサラが立っていて尋ねる。

 

(マサラ!?)「起きてたのか。ただの散歩だよ」

 

「嘘だね。そんな荷物持って?」

 

ジェラールのみえすいた嘘をマサラは直ぐに見破る。

 

「それは……」

 

「それにアニマって何?」

 

頭を回転させて弁解しようと考えるがマサラが更に追撃する。

 

「俺の呟いた声……聞こえてたのか」

 

「うん。前にも話したと思うけど僕たち滅竜魔導師は聴覚が良いからね……多分ウェンディにも聞こえてたよ」

 

「ウェンディもか……そうか……だからか……気を使わせてしまったな」

 

「あの子は優しいからね。自慢の妹だよ」

 

マサラの言葉に先程の会話を思い返すと、優しい女の子のウェンディらしくない行動に気を遣われていた事を知る。

観念したのか重たい口を開く。

 

「空に穴が空いてるのは見えたか?」

 

「うん見たよ。木や植物……それに動物まで吸い込んでたね……あれは危険な気がする」

 

ジェラールの問いかけに今朝の出来事を思い出しながら答えるマサラ。

 

「そこまで細かく見えてたのか!?……あれは超空空間魔法(アニマ)だ。マサラの言う通り危険な魔法で植物と建物だけじゃなくて生き物を吸い込み向こうの世界(エドラス)魔水晶(ラクリマ)に変わる……」

 

ジェラールはマサラの視力の良さに驚くと、自身の知る情報、エドラスとアニマについての情報と危険性を説明する。

 

「エドラス……アニマ……そっか……確かに魔法だけじゃなくて国が絡んでるなら危なそうだね」

 

ジェラールの説明に冷や汗をかきながら危険性を理解したマサラ。

 

「……アニマを塞ぐ……それが俺の使命だ。俺の問題にキミ達を巻き込む訳にいかない」

 

「巻き込めばいいと思うよ」

 

ジェラールの言葉にマサラが直ぐに答える。

 

「駄目だ!!本当に危険なんだ!!」

 

マサラを自身の使命に巻き込みたくないジェラールは必死に説得する。

 

「なおさらそんな危険な事一人では行かせれないよ」

 

当然マサラはジェラールが抱える問題が危険な事を理解したので一人で行動しようとする事を許さない。

 

「マサラそこを退いてくれ」

 

「退かないよ」

 

先に進もうとするジェラールの進路をマサラが止める。

 

「何故分かってくれないんだ!」

 

「分かる訳ないよ。友達が一人で危険な事をしようもしてる……分かる訳ないよ!!」

 

両者は互いを思い合う故に睨みあう。一触即発。マサラとジェラールは同時に動き互いに動き拳を振り上げた。

二人はこの日初めての殴り合いの大喧嘩をした。

 

「マサラ!!」

 

「ジェラール!!」

 

マサラとジェラールの顔は殴り合ったことで腫れ上がり、最後に力の限り拳を振り下ろす。

互いに拳が顔面に命中して地面に倒れる。

 

「……何故ここまでする。キミなら面倒くさい事には関わらないはずだ」

 

ジェラールはマサラの性格を理解しているので問いかける。

 

「友達だから……一緒に旅をして、何度も競い合ったライバル……でもそれだけじゃないと思うんだ……多分僕らは親友だと思うんだ」

 

マサラは旅を続けていく内に感じた自分の心のうちを明かす。

 

「親友か……分かった。よろしく頼む。だけど……」

 

マサラの必死の説得で折れ、付き添うことを認めたジェラールであるが、やはりもう一人の大切な友だちの幼い女の子を思い浮かべる。

 

「分かってるよ。ウェンディはまだ幼い……一緒に連れて行くのは止めた方がいいよね……近くのギルドに預けよう」

 

顔を暗くさせながら幼い妹の事を考えるマサラ。

 

「すまない兄妹のキミたちを離れ離れにさせて」

 

「謝らないで。僕が決めた事だよ」

 

申し訳なさそうに謝るとマサラは首を横に振る。二人は日が昇るまでこれからの事を話していた。

 

次の日の朝……

 

日が昇り朝になる。天気はマサラたちの心の内を表すように曇っていた。

 

「ウェンディ」

 

「……お兄ちゃん……どうしたの?」

 

普段とは違う様子のマサラに戸惑いながらも問いかけるウェンディ。

 

「僕たち大事な用事が出来たんだ……ここで別れよう」

 

「別れる?……いや」

 

マサラは言いづらそうに打ち明けると、ウェンディはキョトンとして意味を理解すると涙を流しながら責めよる。

 

「嫌だよ! 私を一人にしないでよ!」

 

「ごめん」

 

ウェンディの辛そうで涙を流す姿を見てマサラは謝る事しか出来ない。

 

「嫌! 迷惑かけないからお兄ちゃんたちの言う事何でも聞くから……お願い……私を一人にしないでよ!」

 

「ウェンディは迷惑かけてないよ」 

 

ウェンディは別れを告げられた事に自分が悪いと責めながら説得するとマサラは首を横に振り否定した。

 

「だったら何で!?」

 

「ウェンディ……本当はジェラールの使命なんだ」

 

ウェンディに本当の理由を打ち明ける。

 

「ジェラールの……だったらお兄ちゃんだけでも」

 

ウェンディは普段では絶対に言わない言葉を告げる。

 

「それは出来ないんだ。危険な使命みたいなんだ。親友として一人だけで行かせられない」

 

そんな様子のウェンディに優しく微笑み、マサラは決心のこもった瞳でウェンディを見つめ告げる。

 

「お兄ちゃん私……またひとりぼっちなるよ……」

 

「キミをひとりぼっちなんかに僕たちは絶対させない!!」

 

寂しそうに膝を抱えながら座り込むウェンディを優しく抱き上げるマサラ。

 

「昨日何度もジェラールと話し合ったんだけどね……この先にはギルドがある。ギルドには色んな人がいてウェンディも寂しくないはずだと思う。だからねウェンディにはギルドで僕らの帰りを待っててほしいんだ。」

 

「お兄ちゃん……分かった……だったら約束して……お兄ちゃんも……ジェラールも必ず二人で迎えに来てくれるって」

 

マサラの想いを聞き不安げな表情ではあるが納得する。

 

「うん約束するよ」

 

「ああ約束する」

 

不安そうに見つめるウェンディに笑いかけながら必ず迎えに来ると約束するマサラとジェラール。

 

「ウェンディこれを預かってほしいんだ」

 

マサラはいつも大事に被っていた白色のニット帽子をウェンディの頭に被せる。

 

「このニット帽子って……」

 

「サシディームから預かった僕の大切なニット帽子なんだ」

 

マサラは命より大切にしていたサシディームから預かった白色のニット帽子をウェンディに預ける。

 

「お兄ちゃん……」

 

「必ずジェラールと一緒に迎えにくるよ」

 

「待ってるからね」

 

ウェンディは泣き疲れたのかすやすやと眠る。ウェンディを優しく背中に乗せて運ぶマサラとジェラールは洞窟の中に入りとある人物に面会していた。

 

「なぶら……と言われても困るのだが」

 

「お願いします!!」

 

困惑する老人に必死に頭を下げるマサラとジェラール。

 

「その子を連れて行けば良いだろう?ワシはこの場所で止めてくれる者を待っている」

 

「本当なら僕もそうしたい……一緒に色んな所を旅して思い出をもっと作りたいし作ってあげたい……でも妹は幼すぎるんだ」

 

老人にもやるべき事があるのか素直には応じてはくれない。そんな老人の言葉にマサラは三人で旅を続けた事を想像して顔を曇らせる。

 

「マサラ……ウェンディの事をよろしくお願いします!」

 

「お願いします!!」

 

マサラの表情を見て必死に頼み込むジェラール。そんな彼の気持ちに表情を戻してマサラも必死に頭を下げる。

 

(真っ直ぐな瞳)「なんぶら。分かった。妹さんの事は安心して行ってきなさい」

 

老人はマサラとジェラールの純粋で真っ直ぐな瞳と想いが伝わり根負けして承諾した。

 

「ありがとう。ウェンディの事よろしくお願いします」

 

「なんぶら。任せなさい」

 

マサラは礼を言うともう一度深く頭を下げるとウェンディを優しく地面に下ろす。

 

「ムシャムシャお兄ちゃん」

 

「寝言言ってる」

 

幸せそうに兄の名を寝言で呼ぶウェンディ。マサラは愛おしそうに見つめながらそっと頭を優しく撫でる。

 

「マサラそっくりだな」

 

「そうだね。兄妹だから……ウェンディ元気でね。また会おうね」

 

ジェラールの呟きに頷くと最後にウェンディに語りかける。

 

「マサラ……今ならまだ」

 

「行くよジェラール」

 

ジェラールの口を手で塞ぐと迷いを断ち切る為に勢いよく洞窟から飛び出して行く。

 

(マサラ本当にごめん……ウェンディ……必ず迎えに来るからな)

 

マサラに心の中で謝罪してウェンディに最後に約束すると後を追いかけていった。

 

「う、うーんここは……お兄ちゃん!!ジェラール!!いない……」

 

目を覚まし辺りを見渡すと洞窟の中で大切な兄と友だちの姿が見当たらない。二人の名を呼ぶが当然現れるはずもない。

 

「お主の兄と友だちは先に進んだ」

 

「だ、誰!?」

 

「ワシはローバウル」

 

警戒するウェンディに老人は名前を名乗る。

 

「私はウェンディだよ……お爺ちゃん……ここはギルドじゃないの?」

 

「それは」

 

ウェンディが周りを見渡すがただの洞窟であり自分とローバウル以外人の気配はしない。

問いかけに声が詰まるローバウル。

 

「嘘つき……お兄ちゃんとジェラールの嘘つき!!私をギルドに連れてってくれるって言ったのに!!」

 

「ここは……ギルドじゃよ!!」

 

涙を流しながら悲しみと怒りで叫ぶウェンディ。そんな様子の彼女を見てローバウルは慌てて手を広げながら言葉をかける。

 

「えっ?」

 

「ナンブラ。外を見てみなさい。お主を……ウェンディを待ってるぞ」

 

キョトンとするウェンディ。ローバウルに手を引かれて外に出ると民家と建物がある。

建物には猫のシンボルとケットシェルターと書かれている。

 

「ようこそ化猫の宿に!!」

 

「新しいギルドメンバーなんて久しぶりだから楽しみだよ〜」

 

「宴しましょう!!」

 

大勢の人民族衣装を着た人たちがウェンディを歓迎し側のテーブルには沢山の食べ物と飲み物が用意されていた。

 

「ここがギルド……お兄ちゃんが言ってた事は本当だったんだ……」

 

大勢の人たちを見て目をパチクリとさせるウェンディ。

 

「貴方も早くおいでよ!!」

 

「きゃ、きゃあっ!!待って!!」

 

ウェンディの手を引く同い年ぐらいの茶髪のリボンを付けた少女。

 

「貴方は名前なんて言うの?」

 

「ウェンディ……」

 

ウェンディが戸惑い気味に答えると茶髪の幼女は元気よく答える。

 

「ウェンディ!!良い名前だね!!私はサディ・アメイジングだよ!!よろしくね!! 私の事はサディって呼んでね!!」

 

「うんよろしくね!サディ!!」

 

茶髪の幼女、サディ・アメイジングは優しく笑いかけてそんな彼女の笑みに安心したのかウェンディも笑みを浮かべた。

 

「お爺ちゃんも早く!!」

 

「ナンブラ。そう慌てなくてもよい」

 

サディは祖父であるローバウルを呼ぶとゆっくりと駆け寄る。

こうしてウェンディは魔導士ギルド【化猫の宿】に所属するのであった。

 

 

数年後……

春は桜が咲き、夏は暑い日差しに海が綺麗で、秋は紅葉が咲き、冬は雪が降る。季節は何度も変わっていき数年の年月が経過した

 

「あれから随分経っちゃったな……」

 

白色と黒色の服を着ている短めな黒髪の青年マサラは空を眺めながら黄昏ている。

 

「マサラ、そろそろ行くぞ」

 

マサラに呼びかける黒いフードを羽織り顔を布で隠した青髪の青年ミストガン。

ジェラールはとある理由により、マサラと過去に別れたウェンディ以外にはミストガンと偽名を名乗り本命を隠している。

 

「うん!そうだね〜」

 

ウェンディと別れてから数年の年月が過ぎ少年たちは立派な青年へと成長する。

マサラとミストガンはとあるギルドの支部に向かって歩いて行く

物語は、新人魔導士、金髪の少女、ルーシィがずっと憧れていた魔導士ギルド、妖精の尻尾に加入してからしばらくの時が流れ……

彼女を手に入れる為に妖精の尻尾と一二を争うギルド、幽鬼の支配者との紛争が激化する所から始まる。

 

       

 

 

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