遺言   作:歪み神

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#13. 幹部会

 

 私の小隊が連邦の輸送船を鹵獲した時の話だ。何でもゲルググのエネルギーキャパシタの開発に大変参考になる物が含まれていたらしい。私はキシリア閣下に呼び出されてこう言われた。

「お前が少佐に成れないのは出自の問題だけではない。少佐ともなれば政治もできなければならない。ジオンはザビ家が一枚岩でないおかげで、ただでさえ派閥が複雑だ。お前は無理だろう?」

 

「ああ、確かに面倒そうですね」

 

「少佐にもなれば、大隊規模の作戦を任されるかもしれん、お前はその規模の作戦で何かやりたいことはあるか?」

 

「そうですねー ソロモンを衛星軌道まで持っていって、南アメリカが無くなるまで隕石落としですかね?」

 

 閣下は私をじっと見つめた後言った。

 

「意外とまともだな。ギレン総帥も同じような作戦を立案された。」

 

「ああ、じゃあ近々やるんですか?」

 

「やらんよ、それが政治だ」

 

「はあー」

 

 私はどうでも良くなってコーヒーを啜った。

 

「レイ・シュミット大尉、私の前で音を立ててコーヒーを啜るのはやめたまえ」

 

「ハッ」

 

 私は敬礼した後、その部屋を後にした。

 

『やらせてみるか』

 

 扉の向こうから不穏な声が聞こえた・・・。

 

 目を覚ました私は、組織の幹部会へ気持ちを切り替えていった。

 

 

 

 

「これから エゥーゴ支援組織 ツヴァイの幹部会を行う。まず幹部には順位を付けさせてもらう。上位者に何かあったとき円滑に組織を引き継ぐためだ。」

 

 1位 レイ・シュミット 

 2位 クリス・エバート(工作艦クラクサの艦長)

 3位 シュテフィ・グラフ(元シーマ・ガラハウ)

 4位 オジー・スミス(元ドムのパイロット)

 5位 オ-レル・ハ-シュハイザ-(元親衛隊)

 6位 マルチナ・コーリー(工作船2番艦ヴァーユの艦長)

 7位 カールトン・フィスク(キシリヤ機関の3rd)

 

「カールトンは重要なパトロンだが、軍人でないからな」

 

「別に構わんよ」

 

「幹部諸君にはこれから起こる戦争の流れを理解してもらいたい。」

 

 私はこれから起こる時代の流れを大まかに説明する。

 

エギーユ・デラーズが暴れたおかげで、連邦に過激な治安軍事組織が結成される。ジャミトフやバスクが組織の中心となって結成されたティターンズだ。

 その過激な行動に反対勢力が生まれる。エゥーゴだ。

 

 2つの組織は戦争になるが、規模はティターンズが圧倒している。

 

 ティターンズが多面同時作戦を行うので、どうしても出資者の多い月を優先に防衛しなければならない。エゥーゴはサイド2の壊滅を許す。

 ティターンズはG3 艦隊砲撃、サイド7で建造した移動型コロニーレーザーでサイド2を壊滅させる。

 

 我々の出資者カールトン・フィスクはサイド2の崩壊は困るそうだ。

 

 そこで私が考える大まかな作戦だが、

 元々経済力の厳しいサイド1は、ティターンズの締め付けで最初に反連邦運動が起きる。

 これを鎮圧するために30番地でティターンズが行う虐殺をサイド6で生々しく流して、サイド6を恐怖、恐慌状態にする。この暴動は治まらない。機関の人間が目的を達成するまでずっと煽るからだ。そうなると、サイド6の行政もさすがに次はサイド6が狙われるかもと恐怖するだろう。

 そこで、アクシズがサイド6の防衛力を請け負う。アクシズは正式に登録された組織となり、テロリストで無くなる。またサイド6から潤沢な防衛費もいただく。

 

 サイド6とサイド2は同じラグランジュポイントに位置する。サイド6に常駐した艦隊をサイド2に派遣するのは易しい。サイド2からの要請、若しくはエゥーゴからの要請によりアクシズの戦力でサイド2を防衛する。

 ご存じサイド2とジオンは犬猿の仲だ、この政治駆け引きはカールトン・フィスクに任せる。サイド6とアクシズの顔つなぎもカールトン・フィスクに任せるつもりだ。私もアクシズならばそこそこ顔が効くがこういうのは慣れた人間がやったほうがいい。

 

 カールトン・フィスク以外の人間が全員キョトンとしていた。

 

 シュテフィ・グラフ(シーマ)が最初に私に尋ねる。

 

「ティターンズもエゥーゴも結成されたばかりの組織だ。先を読みすぎじゃないかい?戦争を避ける誘導も今からなら出来るだろう?ジャミトフも、バスクも暗殺で殺してしまえばいい。」

 

「ダメだ、この戦争はサイド3の独立自治につながる。戦争の勃発を防ぐのはジオンの利益の為にできない。我々の優先順位はあくまでアクシズ>キシリア機関>サイド2>エゥーゴだ。誰がアクシズに益の無い工作などするものか」

 

 私は続けた、

 

「組織の順位を決めたが、私はどうしても成さなければならない事がある。《グレミー・トトを殺さなければならない》生き汚くなるかもしれないが許せ。」

 

「成さなければならない事とは何だい?」

 

「シュテフィ、あんたを信用できたら話すよ」

 

 その意後も幹部からの質問は何時間も続いた。

 

 

 

 

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