遺言 作:歪み神
エゥーゴを代表して、シャア・アズナブルが間もなく到着するという。
我々は、軍隊整列をして迎え入れてやることにした。私は大尉の階級章を付けたジオン軍隊服に数年ぶりに着替えて、整列して奴を待つ。
突貫でミネバとの謁見の間のような物を作り、最初の挨拶はそこで行われる事になったのだ。ザビ家の権威を示しておきたい、政治的パフォーマンスだそうだ。
「私はウォン・リーという、スペースノイドは危機に瀕している、共に手を携えて乗り切ろうじゃ無いか。」
えらく営業的なしゃべり方をするおじさんがしゃべり始めたが、ハマーンはシャアをじっと見つめ奴がしゃべり始めるのを待った。
「月ではゼダンの門(ア・バオア・クー)にもにらみを聞かさなければならない。サイド2に展開するティターンズ艦隊を打つには戦力が足りない、力を貸して欲しい」
『えらく上からの話し方だな、あの格好は何だ、袖が破れた服など着てなめ腐っている。俺が正装を着たのが馬鹿馬鹿しいじゃないか。』
「それは、命令ですか、シャア・アズナブル大佐」
「いいや、エゥーゴを代表しての交渉だと思って貰いたい。」
「命令だと言えばいいじゃないかー」
『ウォン・リー・・、正直なおじさんだな。あいつも握手して機関の人間で無いか確かめておこう。』
ハマーンは集まった将校を見渡して、ミネバの前に出て話始める。
「私はこれよりミネバ・ラオ・ザビ様がご成人を迎えるまで、摂政を名乗り、ザビ家とジオンを支えます。既にここに居る幹部たちの賛同を得ていますが、異論は有りますか?シャア・アズナブル」
「無い」
「ならば、シャア・アズナブル、摂政の名においてお前を罷免する。別の組織の幹部で有るお前に、ジオンを率いる権限を残すわけにいかない。だがエゥーゴとは良い距離を保ちたいと考えている。同盟の詳細を煮詰めよう、こちらへ」
近衛の警備と共に、ハマーンと客人たちが歩き出した。覚悟が決まったのだろう。地球侵攻作戦を指揮した彼女の目になっていた。
「お前は行かないのか?」
隣に立つハインツ少佐が私に訪ねた。
「政治は偉い奴がやればいい」
「お膳立てをしておいて・・・」
彼は呟きながら、会議に向かう面々についていった。
アクシズ内の規模の大きなブリーフィングルームを借りて、私はイメルに乗艦しているツヴァイのメンバーすべてを集めて次の作戦の説明を始めた。
これから我々は、グリプス2に奇襲をかける。
隊は2つだ。一つはザクⅡC型にアトミックバズーカーを装備させ、グリプス2を狙う部隊、一つはグリプス2を護衛する旗艦ドゴスギアを狙う部隊だ。
グリプスを狙う部隊は私が指揮する、ドゴスギアを狙う部隊はシュテフィ・グラフに指揮してもらう。
まず、ドゴスギアから話そう、前回鹵獲したギャプランと鹵獲したMAのデータから製造されたMSガブスレイの2機を当てる。ガブスレイはシュテフィ、君が使え、そして僚機のパイロットをここで指名しろ。
「誰でもいいのかい?」
「俺以外のパイロットで有れば誰でもいい」
「ならオ-レル・・」
「駄目だ!」
シュテフィ・グラフの話を遮りオ-レル・ハ-シュハイザ-が話に割り込んだ。
「シュテフィすまない!、俺はその任務に相応しくない。俺は射撃戦が全然出来ないんだ。この部隊でも、ビームライフルを一度も当てたことが無い。任務が怖くて言ってるんじゃ無い、信じてくれ」
恐ろしい新型MSに密着して戦う君が任務が怖いなんて、誰も思わないだろう、しかしあれほどMSの扱いに長けた人間が、ビームが当てられないなんてことがあるのか?隊員の全員が口を開けて驚いている。
「そうかい、じゃああんたが決めてくれ」
俺に投げられた。案にオ-レル・ハ-シュハイザ-以外は誰でも同じだと言っている様な物だが、何年も隊長を務めた私は見るべき物は見ているのだ。
「カービー・パケット、君の戦い方はMAに向くだろう、むしろ一年戦争ではMAに乗っていたのでは無いか?」
「ああ、ビグロに乗っていた、しかしよく分かったな」
私はヴァーユ隊の、ちょっとMSの扱いに癖がある隊員をシュテフィの隊にあてがった。
「幸いこの2機は船より早い。慣熟訓練はグリプスへ向かう四日の間にやってくれ、攻撃のタイミングさえ合わせてくれたら、後は好きに戦術を組んで貰ってかまわない、装備する武器も自由にするといい、シャクルズより早く長く飛べる二機だ、やれることも多いだろう。」
私はドゴスギアを狙う部隊の話を切り上げた。
「さて、ザクC型でグリプスを狙う部隊だが。俺、オジー・スミス、エディー・マレーでいく。後は船の護衛を頼む。船にはC型が四機つんであるが、一つはコクピットを改造したシュミレーターになっている。シャクルズは改造してあって、計算ではターゲット付近で音速の5倍に速度に到達している。ザクのアクチュエーターで照準すると全く動作が遅くて間に合わない、シャクルズの通過角度をうまく利用してターゲットに当てろ。目視でターゲットを確認したら瞬きをするな。まあシュミレーターがあるんだ、やってみるといい」
その後いくつか質疑に対応し解散をした。イメルの発進はこの6時間後だ。
シーマも覚悟の決まったいい目をしていたな、きっとこれからいい仕事をするだろう。エディー・マレーは終始青い顔をしていたな、あれは外すな《アトミックバズーカーを》・・・。
それにしてもオ-レル・ハ-シュハイザ-の告白には驚かされた。