バランワンダーワールド レーゼドラマ   作:ムフィ

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人生、ポジティブな時もあれば、ネガティブな時もある。
幸福に生きるために大切なのは、
ポジティブネガティブのバランス。
そのバランスが崩れたとき、
『バラン劇場』は現れる。
人は誰もが、人生の中で何度か
『バラン劇場』に迷い込み、
心のバランスを取り戻して帰ってくる。
しかし、
『バラン劇場』は探そうとしても決して見つけられない。
何故なら、そこは心の中にしかない場所だから…

人生、ポジティブな時もあれば、ネガティブな時もある。
幸福に生きるために大切なのは、
ポジティブネガティブのバランス。
そのバランスが崩れたとき、
『バラン劇場』は現れる。
人は誰もが、人生の中で何度か
『バラン劇場』に迷い込み、
心のバランスを取り戻して帰ってくる。
しかし、
『バラン劇場』は探そうとしても決して見つけられない。
何故なら、そこは心の中にしかない場所だから…
人生、ポジティブな時もあれば、ネガティブな時もある。
幸福に生きるために大切なのは、
ポジティブネガティブのバランス。
そのバランスが崩れたとき、
『バラン劇場』は現れる。
人は誰もが、人生の中で何度か
『バラン劇場』に迷い込み、
心のバランスを取り戻して帰ってくる。
しかし、
『バラン劇場』は探そうとしても決して見つけられない。
何故なら、そこは心の中にしかない場所だから…


BALAN WONDERWORLD
LESEDRAMA

"The Fateful Overture" Act I

バランワンダーワールド レーゼドラマ
「運命のこけら落とし」日常編



運命のこけら落とし
日常編


イギリス・クォーツレイ市

 

ここは21世紀のイギリス。

およそ1000年ほどの歴史を刻む都会の都市、クォーツレイから物語は始まります。

 

…おや? あそこの道をバスが走っていますよ。

車内の乗客を見る限り、スクールバスでしょうか。中を覗いてみましょう。

 

動きやすそうなファッションの少年

「昨日一緒に劇場で見た「星降る夜を共に過ごそう」、めっちゃ感動したよな!」

 

この少年の名前はレオ・クレイグ。この物語の主人公です。

クォーツレイ出身の学生であり、活発で前向きな少年です。

ちなみに彼はストリートカルチャーを好んでおり、それを極めようと努力しています。

 

格調高いファッションの少女

「そうだね! どんな困難にも負けずに幸せを掴む二人の姿、素敵だったよね!」

 

この少女の名前はエマ・コール。この物語のもう一人の主人公です。

彼女はこのクォーツレイの市長の娘であり、レオと同じ学校に通っています。

明るく面倒見のいい少女である彼女は、クォーツレイの宝ともいうべき存在です。

 

今、レオとエマは「星降る夜を共に過ごそう」という演劇について語っています。

これは近代イギリスのとある街で身分違いの男女を主人公に繰り広げられる愛の物語であり、

世界中の人々に長く愛される名作です。

 

二人以外のバスに乗っている学生たちも、他の学生と会話したり、

自分のやる事をやったりと、学校に着くまでの時間を有意義に活用しているようです。

 

さて、そうこうしているうちにバスは目的地である学校に着きました。

その学校というのが、クォーツレイ市唯一の学校である「市立ハートグリット学園」です。

この学校は幼小中高大一貫校で、市内だけでなく他の所から来た学生も通うマンモス校です。

 

バス【★1】から降りたレオとエマは、自分達の教室へと歩を進めていきます。

二人はハートグリット学園の高等科の一年生であり、A組のクラスメイト同士です。

ちなみにこの学校のクラスは学年別に8組ずつ【★2】存在し、

一つのクラスには基本30人の学生がいます。

 

おっと、レオとエマが教室に入っていったようです。

という事で、1年A組の教室を覗いてみましょう。

 

市立ハートグリット学園・高等科1年A組

 

レオとエマはとっくに席に着いています。

朝のホームルームを待っているみたいです。

 

おや、教室に誰かが入ってきました。恐らくこのクラスの担任みたいですね。

 

快活な女性教師

「みんな、おはよう!」

 

彼女はレイチェル・レーブ。私立ハートグリット学園の教師です。

高等科1年A組の担任で、担当教科は家庭です。

多少お節介ですが、親身になって生徒に向き合う事から慕われています。

 

レイチェル

「今日はみんなに重大なお知らせがあるの。

 なんと、このクラスに新しく転入生が来たんだって!」

 

このクラスに転入生が来たことに、クラス中は多少ざわめきました。

 

レイチェル

「さ、入ってきて!」

 

レイチェルのその言葉と共に、教室に一人の少年が入ってきました。

そしてその少年は黒板に自分の名前を書き、自己紹介を始めました。

 

普通ではなさそうな少年

「パールサンド町から来た「ルイ・メリエス」です。よろしくお願いします。」

 

レイチェル

「彼は家庭の事情でここクォーツレイに引っ越してきて、

 そしてこの都市唯一の学校であるこのハートグリット学園に転入してきたんだって!」

 

ちなみにルイが前に住んでいたパールサンドとはクォーツレイの隣にある町です。

クォーツレイからバスで行ける距離にあり、クォーツレイよりも規模が小さめの地方都市です。

 

レイチェル

「…それよりもルイ、ここに来てあんまり経ってないのに

 やけに落ち着いてるけど、逆に大丈夫?」

 

ルイ

「まあ、大丈夫と言えば大丈夫じゃないんですか?」

 

環境が変わっているにも関わらず妙に落ち着きのあるルイを何故か心配するレイチェルでしたが、

当のルイ本人はやけにそっけない態度で返しました。

 

レイチェル

「う~ん…どうも彼、何があったか分かんないけど、なんか冷めてる感じがするのよねー。

 まあ、そのうち慣れるから大丈夫だって! みんな、ルイの事をよろしく頼むわよ!」

 

レイチェルがそう言うと、クラス一同が突然立ち上がり、

歌いながら踊り始めた【★3】のです!

 

『ようこそ新天地』

歌:市立ハートグリット学園高等科1年A組一同

 

ようこそ! はるばる遠い所からやって来た君よ

今日からここが 君にとっての安息の地となる

どうしてここに来たのか 気になったりはするけれど

そんなことより じっくりくつろいでいって

 

慣れない所で 緊張したり 不安だったりすると思うけれど

だけどそのうち きっと慣れると思うよ

 

Welcome to the New Home Ground!

全部が全部 いいものと限らないけど

新鮮な経験が 君を待っているさ

 

Welcome to the New Home Ground!

かつての居場所を気にしてばっかりじゃなくて

今 新しい未来へ進もう!

 

歌と踊りが終わると、

何事もなかったかのようにルイ、レオ、エマ以外の面々は定位置へと戻っていきました。

 

レオ

「ルイ! オレこのクラスの委員なんだぜ! 困ったことがあるならオレを頼ってもいいぞ!

 あと、オレの名前は「レオ・クレイグ」! レオって呼んでくれ!」

 

その外見と振る舞いからすると意外かもしれませんが、

レオは高等科1年A組のクラス委員なのです。

つまりレオはこのクラスの兄貴分という訳です。

 

エマ

「わたしもルイの手助けをするよ!

 誰かを助ける事って大事だし、あと幼馴染のレオの手伝いもしたいからね!

 あ、ちなみにわたしの名前は「エマ・コール」! エマって呼んでね!」

 

そしてレオとエマは幼馴染同士だったのです。

ちなみに子供の頃から家族ぐるみで交流があるみたいです。

 

ルイ

「支えてくれるの? 僕なんかを?

 別に必要ないと思うけど、まあ二人がその気ならいいか…。」

 

レオ

「おいおい、ホント冷たいなー!

 でもいざというときに頼れる相手がいないと後で困るぜ?」

 

エマ

「そうだよ! 一人で全部抱え込むより、他の人に支えられる方がよっぽど楽だよ!」

 

ルイ

「そうなんだ…じゃ、よろしくね。」

 

ルイは相変わらずそっけない態度でしたが、とりあえずレオとエマを頼ることにしたようです。

 

さて、ルイのハートグリット学園での初めての高校生活ですが、

さすがに長々と描写するのもあれなので、ダイジェストでお送りします。

 

まずは一時間目の外語です。

大半の生徒が中国語に悪戦苦闘する中、ルイは簡単に意味を当ててしまいました。

 

レオ

「えっ!? 勉強したのか!?」

 

ルイ

「ううん。でも、文字の流れからしてそんな感じかなって。」

 

エマ

「漢字の並びだけでわかっちゃうって…すっごい!」

 

生徒

「嘘だろ…あんまり勉強してないのに中国語分かるのか!? それ活かせばいいのに!」

 

ルイ

「活かすって…何に?」

 

ルイはクラスメイトの言葉の意味がよく分かっていない様子でした。

 

二時間目は数学です。

分かった生徒が挙手するらしいのですが、今日はなかなかの難問のようです。

 

レオ

「うっわ~…図形がなんか細かいんだよな、どうやって解こうか…。」

 

エマ

「えーっと、確かこうすると…ダメ、これじゃこうならない…。」

 

ルイ

「はい。」

 

ルイは挙手すると、黒板に式の答えを書きました。

そして、それは正解だったのです。

 

生徒

「すごっ! どうやって解いたの?」

 

ルイ

「簡単だよ。パズルのように組み直せばいいんだ。」

 

生徒

「えっ! その発想はなかったなぁ…参考にしよっと! ありがと!」

 

ルイ

(えっ…何で感謝されてるの? 意味が分かんないんだけど…。)

 

ルイは何故クラスメイトに感謝されたのかが分からず、動揺しました。

 

市立ハートグリット学園・第三美術室

 

三時間目は美術です。

今日は陶器の壷を模写するようです。

 

レオ

「何だこりゃ!? ちゃんとデッサンしたのに変な感じになる。」

 

エマ

「あれ…うまく描いたつもりなのに…どうして?」

 

ルイ

「クレイグ君、コールさん。見てくれだけを意識してもうまくいかないよ。」

 

生徒

「ルイくんのスケッチ上手! 何でそんなに上手に描けるの!?」

 

ルイが描いたスケッチの壷は、モノクロ写真のように緻密でした。

 

ルイ

「光源や材質、構造…それを意識したらこうなったんだ。別に練習した訳じゃないんだけどね。」

 

生徒

「うわぁいいなぁ…こんな絵が描けるように毎日頑張ろっと!」

 

ルイ

「いや、別に君に教えてるわけじゃないんだけど…。」

 

ルイはクラスメイトの憧れぶりが、自分が思っていたものと違うように感じていました。

 

市立ハートグリット学園・校庭

 

四時間目は体育です。

今日は生徒達の走るスピードが計測されます。

 

レオ

「おいおい、ルイって見た目よりめっちゃ早いぞ!」

 

ルイ

「ん? 別に鍛えてなんかないけど。」

 

エマ

「えっ…じゃあなんでそんなスピードが出せるの!?」

 

ルイ

「さあね。」

 

陸上部部長

「あれが噂の転入生か!? なんてスピードなんだ!

 みんな、彼に負けないように努力しよう! 場合によっては彼を入部させる事も考えるぞ!」

 

陸上部達

「はい!」

 

ルイ

(おかしい…前は早く走っている所を見せただけで避けられていたのに。)

 

ルイは自分の実力が畏れられていない事に動揺しているようです。

 

市立ハートグリット学園・第三音楽室

 

五時間目は音楽です。

今日はバイオリンの練習を行うようです。

 

生徒

「あの転入生…初めて弾く曲なのにどうしてあんな上手に演奏できるの?」

 

レオ

「多分才能なんじゃないか?」

 

エマ

「さっきの授業でもあんなに上手に出来たんだからすごいよね!」

 

生徒

「なるほどね…ねえ、どうすればあなたみたいに上手に楽器を弾けるようになれるの?」

 

ルイ

「音楽を覚えて、上手に音を出せばうまくいくはずだよ。」

 

生徒

「そういうのが難しいのよね…でも絶対出来るようになってみせるわ!」

 

ルイ

(三時間目の時みたいに僕が教える側になるなんて…でもなんか嫌な感じはしないかな。)

 

ルイは何故か教える事に対してまんざらではなかったようでした。

 

市立ハートグリット学園・高等科1年A組

 

六時間目は社会です。

イングランドの歴史についての授業が出てきます。

 

レオ

「ていうかルイ…何でそんな歴史に詳しいんだ?」

 

ルイ

「両親が歴史の研究をしていてね。だからこれぐらい簡単だよ。」

 

エマ

「それだけじゃ説明が付かないんだけど…やっぱり才能?」

 

ルイ

「それは分かんないよ。でも前の授業でも見てたとおり、僕は何でも上手にやれてしまうんだ。」

 

生徒

「じゃあなんで大学に行こうと思わなかったんだ? 行けば将来有利になるのにさ。

 それとも高校に行きたかったのか?」

 

ルイ

「うーん…そういう事には興味ないかな。どうせどう進んでもうまくいくのには変わりないし。」

 

生徒

「お前なぁ…才能に流されるまま生きてどうするんだよ?」

 

ルイ

「ん? それのどこがおかしいの?」

 

生徒

「えっ…なあ、この転入生大丈夫なのか…?」

 

ルイが才能ゆえに人間味が薄れている事に不安を感じたクラスメイトは、

その付き添いであるレオとエマを頼る事にしました。

 

レオ

「確かにこれは変だよな…オレ達今日一日付き添ってるけど、

 やっぱなんか人間臭さがやけに削げ落ちてる感じがするんだよな。」

 

エマ

「才能に振り回されてばかりの人生を送ってたらああなっちゃうの…?

 とにかく、このままじゃこの街や学校に馴染めないかも…。」

 

レオ

「そうだな。どうにかしてオレ達とみんなでこいつの人生いいものにしよう!」

 

エマ

「うん!」

 

レオとエマは、本格的にルイを変えていく事を決心しました。


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感動の名作「星降る夜を共に過ごそう」が今年もホワイトナイト・シアターで上演!

貧しい弾き語りの青年と貴族の令嬢が繰り広げる、愛と困難の物語。

果たして二人は運命を乗り越え、結ばれる事が出来るのだろうか?

劇団白夜による「星降る夜を共に過ごそう」、チケットのご購入はお早めに!


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クォーツレイ市・研究地区

 

そして放課後になりました。

 

ハートグリット学園の学生は、

放課後はすぐにスクールバスやスクールタクシーに乗って帰る者や、

学園に残ってやる事をやる者、家族などに迷惑をかけない程度に外出する者などがいます。

 

ルイ

「二人とも、学校は終わったはずだよね? 何でまだ周りにいるの?」

 

エマ

「これからクォーツレイで暮らすにおいて、友達は学校以外でも役に立つんだよ!」

 

レオ

「ところでルイ、アンタどの辺に引っ越してきたんだ?」

 

ルイ

「えーと…この辺りかな。」

 

ルイはマップアプリを開き、新しい自宅を指し示しました。

そしてその位置にレオとエマは驚きました。

 

エマ

「あれ? わたしとレオが家から徒歩で行ける距離にある!」

 

レオ

「おっ! それならオレ達、いい隣人になれるな!」

 

ルイ

「隣人…そんなに二人は僕を見世物扱いして楽しみたいの?」

 

レオ

「な、何言ってるんだよ! なんでアンタを見世物扱いしなきゃいけないんだよ!」

 

エマ

「わたしも同感! 才能に恵まれてるからって

 みんながみんなルイの事を見世物にするわけないでしょ!」

 

ルイ

「えっ…? パールサンドにいた時はみんなに

 一方的に羨ましがられたり、妬まれたりするだけで、

 そんな深い関係を結べてなかったんだけどな…。ここでも同じでしょ?」

 

エマ

「いや、それはまだ分かんないんじゃないかなって思うよ?」

 

レオ

「アンタがここで暮らしていくうちに、このクォーツレイの人々がどんな人かが分かるよ。」

 

ルイ

「そっか…確かに僕は引っ越して間もないし、まだこの街の事全然わかってないからね。

 時間をかけてこの街を理解してみる。」

 

レオ

「おっ! そりゃいい心意気だな。」

 

レオの言葉にエマもうなずきました。

 

エマ

「さて! 新しい友達のために、わたし達の思い出の場所に連れていきたいって思ってるの。」

 

ルイ

「それってどんな場所?」

 

エマ

「「ホワイトナイト・ホール」だよ!」

 

ルイ

「「ホワイトナイト・ホール」…?」

 

レオ

「ホワイトナイト・ホールはこの街にある劇場でな、

 ここでオレとエマは何度も演劇を見たりしたことがあるんだ!」

 

ルイ

「じゃあそこに連れてって。」

 

レオとエマ

「もちろん!」

 

こうして三人はホワイトナイト・ホールに行くことにしました。

 

クォーツレイ市・娯楽地区

 

さて、三人がホワイトナイト・ホールへと歩いている最中、

レオとエマがある事を語り始めました。

 

レオ

「この街には「バラン劇場」って都市伝説があるんだぜ。」

 

ルイ

「何それ?」

 

エマ

「この世界に実際にある訳じゃないんだけどね。

 人生で行き詰った時に迷い込んで、

 そこで劇を見るとその後の人生が若干うまくいくようになるんだよ。」

 

ルイ

「ふーん…。」

 

レオ

「パールサンドで何かあったか分かんないけどさ、

 もしバラン劇場に行けたらルイも少しは人間臭くなれるんじゃないか?」

 

ルイ

「人間味が無い…? クレイグ君には僕がそう見えるの?」

 

エマ

「えっ、自分じゃ気づいてないの? わたしにもレオと同じようにルイが見えてるんだけど…。」

 

ルイ

「そうなんだ…。」

 

そんな会話をしていると、突然三人の近くにやけに現実離れした雰囲気の女性が現れました。

 

清らかな心を感じさせる女性

「バラン劇場を探してるのね?」

 

レオ

「うわっ!? 何なんですかあなた!?」

 

清らかな心を感じさせる女性

「あっ、気にしないで。私はただの通りすがりだから。」

 

レオ

「本当に何なんですか…。」

 

ただならぬ雰囲気にもかかわらず、通りすがりを名乗る女性に三人はたじろいでいました。

 

エマ

「えっ…あの…バラン劇場ってこの世界に実際にないはずなんですけど…。」

 

清らかな心を感じさせる女性

「そうね、この世界には建てられてないわ。

 でもね、行く方法がちょっとはあったりするものよ。」

 

エマ

「えっ?」

 

そう言うと女性は、チケットのようなものを取り出しました。

 

清らかな心を感じさせる女性

「このチケットをあげるわ。

 これを持ってたら、きっとバラン劇場に行けるはずよ。」

 

ルイ

「これを持っていると…ですか?」

 

清らかな心を感じさせる女性

「そうよ! これを持ってホワイトナイト・ホールに行ってみて! それじゃ!」

 

ルイがチケットを受け取ると、そう言い捨てて謎の女性はどこかへ行ってしまいました。

 

ルイ

「…変な人に会っちゃった…。」

 

レオ

「まあ…今は気にする事じゃないと思うぞ。」

 

エマ

「とにかく、わたし達はホワイトナイト・ホールに行くことを優先しないとね。」

 

妙な出会いを果たした三人は、ホワイトナイト・ホールへと歩を進めていきました。

 

ホワイトナイト・ホール

 

そしてホワイトナイト・ホールに着いた三人。

この風格、クォーツレイの誇りとしか言いようがありませんね。

 

ルイ

「立派な劇場だね…。パールサンドでもこんなに大きい劇場は無かったと思う。」

 

エマ

「へへ…この街の誇りなの。」

 

レオ

「ウェストエンドの劇場にも匹敵するだろ? さ、入ろうぜ!」

 

三人がホワイトナイト・ホールの中に入ると、その中もいい感じでした。

 

ルイ

「うん、内装もいいと思うよ。」

 

エマ

「まあ、定期的に手入れしてるからね。当たり前でしょ?」

 

レオ

「今は見るだけだけど、今度アンタもここで劇見てみないか?」

 

ルイ

「考えとく。それよりも…」

 

ルイは先ほど貰ったチケットを取り出しました。

 

ルイ

「さっきの女の人に、「チケットを持ってホワイトナイト・シアターに行くと

 「バラン劇場」に行ける」って言われたのが気になっちゃって…それって本当なのかな。」

 

エマ

「うーん…それはどうかなぁ…。」

 

レオ

「あの人の言葉が本当かどうかも怪しいんだよなぁ。」

 

ルイ

「じゃあ今日は帰ろうか? …ん?」

 

突如、チケットが光り輝いたと思うと、ルイの手元から離れていったのです。

 

ルイ

「えっ…チケットが勝手に光って、勝手に動きだしたんだけど…。」

 

レオ

「しかもなんか律儀にあの通路の入り口で待ってるぞ?」

 

エマ

「何だろうね…? とりあえずついてこう!」

 

三人は、チケットを追いかける事にしました。

 

そして、三人がチケットを追い詰めた果てに辿り着いた場所は、物置部屋でした。

 

ルイ

「えっ…ここ何もない…って訳じゃないけど、一体チケットは何のつもりで僕達をここに…?」

 

ルイが光るのと動くのをやめて浮くだけになったチケットを手に取ると、

なんと三人の目の前にやけに豪華な扉が現れたのです!

 

エマ

「うわっ! 何もない所から扉が出てきたよ!」

 

レオ

「マジかよ!? なんか現実離れしてるな…。」

 

たじろぐレオとエマ、そして妙に冷静なルイの前で、

その扉は静かに、ゆっくりと開いたのです…。

 

ルイ

「…僕達、導かれてるのかな? とりあえず三人で入ってみよう。」

 

レオ

「そうだな…入ってみるか!」

 

エマ

「いったいどこに続いてるのかな…。」

 

三人は扉の先へと進みました。

 

???

 

エマ

「あっ…えっ…?」

 

レオ

「おい! あれってまさか!?」

 

ルイ

「まさか…あれが噂の「バラン劇場」…?」

 

そして扉を抜けた先には、とてつもなく巨大な劇場が待ち構えていたのでした…。

 

To Be Continued.

★1
ハートグリット学園のスクールバスは二階建てです。やっぱり学生が多いと席もいっぱい必要ですよね。

★2
A組、B組、C組、D組、E組、F組、G組、H組の八つです。

★3
原作にミュージカル要素がありますので、もちろんこの作品でもミュージカルを差し込みますよ。




???
「さて、次回のバランワンダーワールドは!
 やあみんな! ようこそ、ワンダーワールドへ!
 ここはみんなの心によって成り立ってる世界。
 現実じゃありえない不思議な事が日常茶飯事なのさ!
 さあ、このバラン劇場でその一端をお見せしてあげよう!
 次回、バランワンダーワールド「運命のこけら落とし」第二幕、異界編!
 バラン劇場は、いつも君の心の中にある!」
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