バカと僕と召喚獣   作:藤崎海斗

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今回は前回の続きです。
蒼龍さん感想ありがとうございます

それではどうぞっ!!


第十一問~準備中 清涼祭②~

『・・・賞品の・・・として隠し・・・』

 

『・・・こそ・・・勝手に・・・如月ハイランドに・・・』

 

雄二「どうした、明久」

 

明久「いや、中で何か話をしているみたいなんだけど」

 

雄二「そうか。つまり中には学園長がいるというわけだな。無駄足にならなくて何よりだ。さっさと中に入るぞ」

 

明久、雄二「失礼しまーす!」

 

藤堂「本当に失礼なガキどもだねぇ。普通は返事を待つもんだよ」

 

竹原「やれやれ。取り込み中だというのに、とんだ来客ですね。これでは話を続けることもできません。・・・まさか、貴女の差し金ですか?」

 

藤堂「馬鹿を言わないでおくれ。どうしてこのアタシがそんなセコい手を使わなきゃいけないのさ。負い目があるというわけでもないのに」

 

竹原「それはどうだか。学園長は隠し事がお得意のようですから」

 

藤堂「さっきから言っているように隠し事なんて無いね。アンタの見当違いだよ」

 

竹原「・・・そうですか。そこまで否定されるならこの場はそういうことにしておきましょう それでは、この場は失礼させて頂きます」

 

藤堂「んで、ガキども。アンタらは何の用だい?」

 

雄二「今日は学園長にお話があってきました」

 

藤堂「私は今それどころじゃないんでね。学園の経営に関することなら教頭の竹原に言いな。それと、まずは名前を名乗るのが社会の礼儀ってもんだ。覚えておきな」

 

雄二「失礼しました。俺は二年Fクラス代表の坂本雄二。それでこっちがーー二年生を代表するバカです」

 

藤堂「ほぅ・・・・。そうかい。アンタ達がFクラスの坂本と吉井かい」

 

明久「ちょっと待って学園長!僕はまだ名前を言ってませんよね!?」

 

藤堂「気が変わったよ。話を聞いてやろうじゃないか、その代わり北山を呼びな」

 

明久「えっ智也を?」

 

雄二「分かりました」

 

Prrrrr

 

智也『もしもし』

 

雄二「智也か、学園長室に来てくれ」

 

智也『えっ何で?』

 

雄二「学園長にお前を呼べって言われてな」

 

智也『ふーん、分かった。今から行くわ』

 

プー、プー

 

明久「なんて?」

 

雄二「今から来るってさ」

 

数分後

 

コンコン

 

藤堂「入りな」

 

智也「はい」

 

ガチャ

 

雄二「来たか」

 

智也「それでなに?」

 

雄二「これで良いですか?学園長」

 

藤堂「ああ。さっさと話しな、ウスノロ」

 

雄二「Fクラスの設備について改善を要求しにきました」

 

藤堂「そうかい。それは暇そうで羨ましいことだね」

 

雄二「今のFクラスの教室は、まるで学園長の脳みそのように穴だらけで、隙間風が吹き込んでくるような酷い状態です」

 

智也「(ちょっと!言葉がおかしいよ!)」

 

雄二「学園長のように戦国時代から生きている老いぼれならともかく、今の普通の高校生にこの状態は危険です。健康に害を及ぼす可能性が非常に高いと思われます」

 

智也「(人の話聞いてましたか!)」

 

雄二「要するに、隙間風の吹き込むような教室のせいで体調を崩す生徒が出てくるから、さっさと直せクソババァ、というワケです」

 

智也「最悪だぁーーっ!!」

 

明久「あの、学園長・・・?」

 

藤堂「(・・・ふむ、丁度良いタイミングさね・・・)よしよし。お前達の言いたいことはよくわかった」

 

明久「え?それじゃ、直してもらえるんですね!」

 

藤堂「却下だね」

 

智也「ですよね」

 

明久「雄二、このババァをコンクリ詰めて捨ててこよう」

 

雄二「・・・明久。もう少し態度に気を遣え」

 

智也「あの・・・よろしければ理由を聞かせて貰えますか・・・?」

 

雄二「まったく、このバカが失礼しました。どうか理由をお聞かせ願えますか、ババァ」

 

明久「そうですね。教えてください、ババァ」

 

智也「ほんと、やめてほしいな・・・」

 

藤堂「・・・お前たち、本当に聞かせてもらいたいと思っているのかい?」

 

智也「すいません」

 

藤堂「理由も何も、設備に差をつけるのはこの学園の教育方針だからね。ガタガタ抜かすんじゃないよ、なまっちろいガキども」

 

明久「それは困ります!そうなると、僕らはともかく身体の弱い子倒れて」

 

藤堂「ーーと、いつもなら言っているんだけどね 可愛い生徒の頼みだ。こちらの頼みも聞くなら、相談に乗ってやろうじゃないか」

 

雄二「・・・・・・」

 

智也「へぇ」

 

明久「その条件って何ですか?」

 

藤堂「清涼祭で行われる召喚大会は知ってるかい?」

 

明久「え?優勝商品?」

 

藤堂「学校から贈られる正賞には、賞状とトロフィーと『白金の腕輪』、副賞には『如月ハイランド プレオープンプレミアムペアチケット』が用意してあるのさ」

 

明久「はぁ・・・。それと交渉条件に何の関係が」

 

藤堂「話は最後まで聞きな。慌てるなんとかは貰いが少ないって言葉を知らないのかい? この副賞のペアチケットなんだけど、ちょっと良からぬ噂を聞いてね。できれば回収したいのさ」

 

明久「回収?それなら、賞品に出さなければいいじゃないですか」

 

藤堂「そうできるならしているさ。けどね、この話は教頭が進めたとは言え、文月学園として如月グループと行った正式な契約だ。今更覆すわけにはいかないんだよ」

 

智也「契約する前に気づかなかった理由があるんですか?」

 

藤堂「ああ。白金の腕輪の開発で手一杯だったんだよ。それに、悪い噂を聞いたのはつい最近だしね」

 

智也「悪い噂ってのは何ですか?」

 

藤堂「如月グループは如月ハイランドに一つのジンクスを作ろうとしているのさ。『ここを訪れたカップルは幸せになれる』っていうジンクスをね」

 

明久「?それのどこが悪い噂なんです?良い話じゃないですか」

 

藤堂「そのジンクスを作るために、プレミアムチケットを使ってやって来たカップルを結婚までコーディネートするつもりらしい。企業として、多少強引な手段を用いてもね」

 

智也「ほう」

 

雄二「な、なんだと!?」

 

明久「どうしたのさ、雄二。そんなに慌てて」

 

雄二「慌てるに決まっているだろう!今ババアが言ったことは、『プレオープンプレミアムペアチケットでやってきたカップルを如月グループの力で強引に結婚させる』ってことだぞ!?」

 

明久「う、うん。言い直さなくてもわかってるけど」

 

藤堂「そのカップルを出す候補が、我が文月学園ってわけさ」

 

雄二「くそっ。うちの学校は何故か美人揃いだし、試験召喚システムという話題性もたっぷりだからな。学生から結婚までいけばジンクスとしては申し分ないし、如月グループが目をつけるのも当然ってことか」

 

智也「まあそういうことだねー」

 

藤堂「ふむ。流石は神童と呼ばれていただけはあるね。頭の回転はまずまずじゃないか」

 

明久「雄二、とりあえず落ち着きなよ。如月グループの計画は別にそこまで悪いことでもないし、第一僕らはその話を知っているんだから、行かなければ済む話じゃないか」

 

智也「他の人だったらね」

 

明久「え?どういうこと?」

 

雄二「・・・絶対にアイツは参加して、優勝を狙ってくる・・・。行けば結婚、行かなくても『約束を破ったから』と結婚・・・。俺の、将来は・・・!」

 

藤堂「ま、そんなワケで、本人の意思を無視して、うちの可愛い生徒の将来を決定しようって計画が気に入らないのさ」

 

智也「じゃあ交換条件ってのはーー」

 

藤堂「そうさね。『召喚大会の賞品』と交換。それができるなら、教室の改修くらいしてやろうじゃないか 無論、優勝者から強奪なんて真似はするんじゃないよ。譲ってもらうのも不可だ。私はお前達に召喚大会で優勝しろ、と言ってるんだからね」

 

智也「あの・・・」

 

藤堂「なんさね?」

 

智也「僕も出るんですけど良いですか?」

 

藤堂「もちろん。協力者は多い方がいいさね」

 

智也「ありがとうございます」

 

明久「・・・僕たちが優勝したら、教室の改修と設備の向上を約束してくれるんですね?」

 

藤堂「何をいってるんだい。やってやるのは教室の改修だけ。設備についてはうちの教育方針だ。変える気はないよ ただし、清涼祭で得た利益で何とかしようっていうなら話は別だよ。特別に今回だけは勝手に設備を変更することに目を瞑ってやってもいい」

 

智也「ありがとうごさいます。その話引き受けます」

 

藤堂「そうかい。それなら交渉成立だね」

 

雄二「ただし、こちらからも提案がある」

 

藤堂「なんだい?言ってみな」

 

雄二「召喚大会は二対二のタッグマッチ。形式はトーナメント制で、

一回戦が数学だと二回戦は化学、といった具合に進めていくと聞いている」

 

藤堂「それがどうかしたかい?」

 

雄二「対戦表が決まったら、その科目の指定を俺にやらせてもらいたい」

 

藤堂「ふむ・・・。いいだろう。点数の水増しとかだったら一蹴していたけど、それくらいなら協力しようじゃないか」

 

雄二「・・・ありがとうございます」

 

藤堂「さて。そこまで協力するんだ。当然召喚大会で、優勝できるんだろうね?」

 

雄二「無論だ。俺たちを誰だと思っている?」

 

明久「絶対に優勝して見せます。そっちこそ、約束を忘れないように!」

 

智也「おいおい、調子乗んなっての」

 

雄二「それはどうだかな」

 

藤堂「それじゃ、ボウズども。任せたよ」

 

明久、雄二「おうよっ!」

 

智也「はーい」

 

こうして僕たちの清涼祭が始まった




次回から清涼祭です。
智也は目上の人には礼儀正しいです
権力というものを少し恐れています

次回も頑張ります!!
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