現代最強ヒーロー五条悟   作:何かを極めようとした者

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第3話 自己紹介(しゅうだんリンチ)

 

 五条悟。彼は自他共に認める最強である。

 しかし、忘れてはならない。彼は最強である前に一人の学生なのだ。

 たとえ、最強でも学生なのだから、同級生に集団リンチまがいのことをされるのは少しばかり心にくるものがあると言えよう。

 しかも中身が偽物(てんせいしゃ)なのだから尚更だ。

 

 なぜ集団リンチを受けることに五条悟はなっているのか。

 時は数刻前に遡る。

 


 

 最強たちが教室に入ったすぐ後のことだ。

 一人の男が教室に入ってきた。

 

「お前等席につけ」

 

 恐らく彼は教師なのだろう。

 しかし、おかしな点が二つ存在した。

 一つ目はとてもではないが顔が教師の顔をしていないし、当然ながらヒーローの顔でもない。どちらかといえばあっち(ヤク○)側の人間だ。

 二つ目は、そんな男がなぜか肩にキモ可愛い人形を乗せていることだ。

 最強が教室に現れたすぐ後のことなのだから、余計生徒たちは情報を咀嚼できずにいた。

 

 

   

 

 

「さて、自己紹介から始めよう」

 

「俺がこのクラスの担任になった夜蛾正道だ」 

「では、一番から順に自己紹介をしていけ……と言いたいところだが」

「これからお前たちには戦闘訓練を行ってもらう!」

 

 入学式は?ガイダンスは?自己紹介は?

 多くの生徒たちが困惑の色を顔に浮かべるなか答えが出された。

 

「時間は有限だ、それにヴィランはヒーロー側の都合なんて考えてくれんぞ」

「ヒーローコスチュームに着替え次第、グラウンドβまで来てもらう」

 

 困惑の表情を拭いきれないもの、ヒーローコスチュームに袖を通せると喜んでいるもの、個性が使用できることに興奮しているもの。 

 そして、自分たちこそが最強だと信じてやまないもの。

 生徒たちの学園生活は突如として始まりを迎えた。

 


 

「訓練の説明を行う」

 

「今回の訓練ではチームごとに別れて戦ってもらう」

「チームは四つ、振り分けは「せんせーい」……なんだ、五条」

 

 場の空気がひりつくのを感じた生徒たち、中には嫌な予感がしたものもいることだろう。

 

「それさぁ、俺たち有利すぎない?」

 

 緊張が走る。

 

「あまり自惚れるなよ……しかし、そうだな」

「なら……そうだな、チームの振り分けは、五条、夏油チーム対他全員だ!」

 

 無謀だ。果たしてそれは相手に勝算がないから思ったのか、自分たちに勝機がないと思ったからなのか。

 どちらにせよ、他の生徒たちは無謀だ、そう思った。

 

「悟、あまり僕を巻き込まないでくれ」

「いいだろ別に、こっちの方が面白そうだし」

 


 

 頭がイカれてるのかこの教師のは!?

 確かにあの二人(ばけもの)は強い。だからといって全員対二人で戦闘訓練なんて……。

 どうぞ、あの二人を集団リンチしてくださいって言ってるようなものじゃないか!

 これが雄英高校の教師のやることかよ。

 

 でも……仕方がないといえば仕方がない。

 元を辿れば本人が言い出したことだ。言うなれば自業自得だ。それに、こっちは初戦を白星で飾ることのできるまたとないチャンス。

 見てろよ最強、絶対に勝ってやる!

 

 

 

 

 

 そんな風に思っていた時期が私にもありました。一瞬集団リンチできそうだったけど、無理だった。

 訂正。やっぱり化け物は化け物。人間が勝てる相手じゃない。

 ていうか驚いたな〜。始まったと思ったら、目の前に瞬間移動してきたし。目の前に来たと思ったら、なんか吸い寄せられて、もう一人の個性でこっちが集団リンチよ。

 なんなんあれ?個性?

 何の個性持ってたらあんなんできるん?

 

 それはそれとして、なんでこっちのチーム三人残ってるんですかねぇ。怖〜。

 あの女の子は何故か知らんけど浮いてるし、波動ぽいの出してるし。

 あの男の子は腕が異形みたいになってるし。

 もう一人のほうは地面潜ってるし、服なくしてるし。

 何であんな化け物共と戦えてんだよ。

 

 ……はぁ、俺うまくやっていけるかなぁこのクラスで。

 


 

(こいつら、強いな)

 

 五条悟は自分が最強だと自負している。

 しかし、それは慢心でも傲慢でもない、ただの事実なのだ。

 そんな彼に強いと言わしめる三人。

 通形ミリオ。天喰環。そして、波動ねじれ。

 個々人の技量が一年離れしているのは勿論のこと、個性もまた強い。

 

(取りあえず、アサリ野郎と波動女は倒せたが……、問題はすり抜け野郎だな)

(こいつは強い、というよりも面倒と言った方が正しいな、しかも見たところまだ個性を扱いきれてない)

 

 ならば、どうするか?簡単かつシンプルなことだ。

 

 死角から殴る。

 

 蒼を使用した座標圧縮により瞬時に背後に回り込み首トンをかます。

 やっとこの自己紹介(しゅうだんりんち)と言う名の公開処刑は無事終わった。

 


 

 戦闘訓練が終わった少し後のこと、生徒たちを下校させ、あと片づけをしていたときのことだ。

 ネズミ(こうちょう)がやって来た。

 

「それで、あの二人はどうだい?」

「根津校長……どうもこうもありませんよ」

「おや、君が匙を投げるなんて珍しいね」

「あいつらは、正直俺等の手に余る。今回の戦闘訓練で再認識しましたよ」

「雄英に行かなくてもプロヒーローの免許ぐらいあいつらなら幾らでも取れる」

「でも、彼等はまだ子供だ。そうだろう?」

「えぇ、あいつらはまだ子供です。だから、道を踏み外さない程度には指導しますよ」

 

 それが大人として、あの二人にできる唯一のことなのだから。

 

「それが聞けて僕は安心したよ。やはり君に彼等を任せて良かった」

「俺のこと体も少しは考えてくださいよ」

「それは、頑張りたまえ」

 

 かのようにして、学園生活は始まりを告げる。

 


 

 今回も見ていただきありがとうございます。

 多数のお気に入り登録もありがとうございます!

 

 え、なんだって?

 そんなことより、緑谷や爆豪をどこにやった?

 

 

 

 ……君のような感の良いガキは嫌いだよ。

 というのは冗談です。

 緑谷や、爆豪及びA組の面々についてですが、しっかり出す予定です。

 五条達をA組にしなかった理由ですが……まぁ、はい。

 感の良い方ならお気づきでしょう。

 一応ヒントを出しておくと「懐玉・玉折 」です。 

 

 それでは今回はこの辺で、また次回お会いしましょう!

 

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