某所の高層ビルの喫煙室にて、その会話は行われていた。
「いいぜ、その
遠巻きから見ればただのガタイのいい男だ。
だが、その風貌からどこか一般人とはかけ離れた何かを持っている。そう感じざるおえない。
言ってしまえば関わりを持ちたくない。そんな印象を持たせる人間だ。
「やり方はこっちの自由でかまわねぇな」
会話相手、内容は不明だが、世間話でないことだけは想像に難くない。
スマホ片手に一服しながら、依頼内容の確認をしている彼はヒーロー殺しと双璧をなすもの
相手が誰であれ、金を渡せばどんな依頼でもこなす。
そこに信念はなく、ましてや正義なんてものは存在しない。
自分自身の己の利益を得るためだけに殺す。
それが
又の名を、伏黒甚爾。
現代最悪の殺し屋である。
そして、そんな悪魔と手を組むものと言ったら。愚かな人間か、魔王のどちらかである。
シナリオはとうに崩れ始めている。
崩壊は波の如く伝播する。
当然、波に善も悪も存在ない。皆を等しく、平等に呑みこむ。
生き残れるのは豪運の持ち主か、対処の術を身に着けているかのどちらかである。
今回は、後者であった。
「お前たちにはある任務を行ってもらう」
所変わって雄英高校の応接室。
「「任務?」」
「お前たちに頼みたいのとある人を護衛してもらいたい」
「それってヒーローの仕事なの?警察とかの仕事でしょ」
「普通ならな」
「つまり今回は普通じゃないと?」
「あぁ、今回の護衛対象は少々……いやかなり特殊でな素性は言えない」
「で、誰なのその護衛対象ってのは?」
「天内理子と言う少女だ」
天内理子。
その少女の名を知るものは数える程度しかいない。何故そこまで彼女は秘匿されているのか。それは彼女の個性が関係している。
個性"未来視"。読んで字の如く未来を視ることのできる個性だ。
そんな強力な個性がただの少女に備わっていると世間に知られれば彼女の個性を悪用しようとするものがきっと現れる。
故にこのときまで彼女の存在は秘匿され続けてきたのだ。
「けっ!ガキの重りかよ!」
「悟。あまりそう言うな」
「はぁ……ったくほんとにヒーローのやることかよ」
「悟だって聞いただろ。彼女の存在はこの社会において重要だ」
「だったら始めから安全な場所に隠れ続けてればいいだろ」
「言いたいことは分かるが、彼女にだって彼女の生活があるんだよ」
他愛もない会話の最中、目的地であるビルの周辺に到着した。
五条悟は外で待機。夏油傑が護衛対象である少女が待つ十二階まで向かうこととなった。
『悟。前々から言おうと思っていたんだが一人称「俺」はやめておいたほうがいい』
「あ゙ぁ?」
『特に目上の人の前ではね。私、最低でも僕にしな。年下にも怖がれにくい』
「へっ。やなこった」
『あのなぁ悟。まぁいい。また今度にしよう』
そして夏油傑が扉に手をかけたその時だった。
ピィー
『はぁ?』
護衛対象が居る部屋が見事に吹き飛んだ。
「生きてる?」
『私はね』
「あれで死んだら俺等のせい?」
五条悟が
「どうやら噂は本当らしい。君、五条悟だろ。有名人だ」
「誰?あんた」
「そうだね強いて言うなら
「ふーん、で何か用?」
「あの少女を我々に渡して貰おう」
「断ったら?」
「少々、痛い目に遭ってもらう」
「そうか……じゃあルールを決めよう」
「……何を言ってるんだ?」
「やりすぎて怒られたくないからね。泣いて謝れば殺さないでやるよ。これがルールね」
「クソガキがッ!」
斯くして。彼らの護衛任務は始まりを迎えた。
はいどうも作者です。
無事合格しました。死ぬ程遅れましたね。はい。
本当にすみません!あと今回もこんなものを読んで下さって感謝です!
さてと、それはそれとして……評価が黄色になりました!いつも観てくださってる皆さん本当にありがとうございます!
これからも続けていきますので応援の程よろしくお願いします!
補足
ここからは理子ちゃんの個性について少し補足を。
理子ちゃんの個性「未来視」は「予知」とは異なっていて「確定した未来を見る」という能力になっています。イメージとしてはキング・クリムゾンのエピタフみたいなものです。
また見れる範囲も異なっていて「予知」は数分先から数十年あとまで見れますが、「未来視」は数年先から数十年後までを見ることができます。