気づいたらカードゲームアニメの強キャラに憑依した~外伝・カード紹介~   作:名無しのカードバトラー

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見どころ0の戦い。始まります


1話完結「強者(と思い込んでいる雑魚)の戦い」

 これはデスサイズによる日本軍管区のレジスタンス掃討が行われる前の出来事である。

 

「急げ! 逃げるぞ!」

『そこのテロリスト! 無駄な抵抗をやめて投降せよ!』

 

 その日、日本軍管区石川地区に存在する統一軍の倉庫が襲撃を受けた。襲撃を行ったのは北陸を中心に活動するレジスタンス、毘沙門天であり、彼らは中規模に分類される勢力を誇っていた。

 

「よし! 目標は達成した! 後は逃げるだけだ!」

『投降せよ!』

「へん! 誰が投降するかっての!」

 

 何処からともかく呼びかけられる統一軍兵士からの投降の勧告にレジスタンス達は当然ながら応じるつもりはなく、全員がバラバラに逃亡していた。

 

「いたぞ! 誰一人として逃がすな!」

「ちっ! 見つかったぞ! 散会するんだ!」

 

 しかし、レジスタンスよりも数が多い統一軍兵士は円形状に包囲網を即座に敷き、大半のレジスタンスを包囲する事に成功していた。後は包囲網を狭めるだけでレジスタスは追い込まれ、逮捕する事が出来るだろう。……モンスターサモンで負けなければだが。

 

「突破する! ディスクを構えろ!」

「っ! 来るぞ! 備えろ!」

 

 ここで一つ補足だがこのレジスタンスグループで強者と呼べる人物は誰一人として所属していない。ただ規模だけがそれなりに多いグループだ。そして、それと相対する兵士たちも他と比べて実力不足な者しか配置されていない。ただでさえ質で劣る傾向にある日本軍管区の統一軍兵士を比較的弱いグループしかいない所に配備するよりも強者が多い所に配置するようにしているためである。

 故に、ここのサモンバトルはとても見れたものではないグダグダになる事が多かった。そして、今回もその傾向にあった。

 

「「「「「ゲーム! スタート!」」」」」

 

 そんな中で比較的、というよりもこの中で最もマシなバトルが偶然にも1対1で行われようとしていた。統一軍兵士と相対するは毘沙門天に入る前は地方のカードショップで1位にもなる実力があった人物だ。ただし、田舎に分類される地方だった為にそのカードショップの利用客は一日平均5人程度しかない。ちなみに日本軍管区のカードショップ利用者の平均は一日200人という結果が出ている。

 

「行くぞ! 俺のターン! 俺は手札からフィールドマジック“レイス・フィールド”を発動する!」

 

レジスタンス

コスト10→4

 

「これで俺は自分フィールドに存在しないテーマを召喚するたびにデッキから1枚ドローするかコストを1回復できるようになった!」

 

 初手でそれなりに良いカードを発動させたレジスタンスの男だが手札を見ると眉をひそめてしまう。

 

「俺はターンエンドだ!」

 

 ただただモンスターを召喚せずにターンを渡す。強者であればカウンターを狙っている等理由が存在するが男の場合は違う。単純に召喚できるモンスターがいないだけであった。

 

「ならば俺のターンだな! 行くぞ! スタンバイフェイズ! ドローフェイズ! メインフェイズ!」

 

統一軍兵士

手札5枚→6枚

 

「俺は“メカソルジャー”を2体召喚する!」

 

統一軍兵士

コスト10→9→8

メカソルジャー(戦闘モンスター)

コスト1 機械 パワー1000 ダメージ1

 

「“メカソルジャー”の効果でフィールドの“メカソルジャー”の数だけパワーを+1000する!」

 

メカソルジャー

パワー1000→2000→3000

 

メカソルジャー

パワー1000→2000→3000

 

 男は厄介そうな顔をしているが未だあコスト1相当のパワーしかない“メカソルジャー”を脅威に感じるだけたかが知れているだろう。そして、それで満足し、どや顔を晒す統一軍兵士にも。

 

「バトルフェイズ! 俺は2体の“メカソルジャー”でアタックだ!」

「ライフで受ける!」

 

レジスタンス

ライフ6→5→4

 

 男のフィールドにはフィールドマジックしか存在しないために当然ながらライフで受けるしかないが防御系のカードはないのか考える素振りすら見せずに宣言していた。尤も、現状では弱い“メカソルジャー”のアタックを態々止める意味はあるのかさえ強者は悩ましいと思うだろう。

 

「そしてここで俺はクイックマジック“機械修復”を発動する! これで俺の“メカソルジャー”全てを回復だ!」

「なんだと!?」

 

 統一軍兵士のマジックに男は驚くがそもそもこのカードは回復したモンスターはこのターンの間アタック宣言出来ないデメリットを持っている。明らかにこのタイミングで発動するカードではない。相手のアタック時等に発動し、相手の虚を突くべきカードだが兵士はそのような事は分かっておらず、男もただただ顔を青ざめるだけであった。

 

「俺はターンエンドだ! どうだ! 攻守ともに優れた俺の戦術は!」

「くっ! 強い……!」

 

 二人が弱いだけである。

 

「くそっ! 負けるわけにはいかない! 俺のターン! 行くぞ!」

 

レジスタンス

手札4枚→5枚

コスト4→7

 

 本来なら宣言しないといけない各フェイズの宣言を吹っ飛ばしてモンスターを召喚しようとしているあたり明確なルール違反且つマナーがなっていないがそれを指摘する者はいない。基本的にここのレジスタンスは大なり小なり皆こうなので指摘するだけ無駄である。

 

「っ! よし! これなら……! 俺は“フェアリー・アーチン”を召喚する!」

 

レジスタンス

コスト7→5

フェアリー・アーチン(戦闘モンスター)

コスト2 精霊 パワー5000 ダメージ1

 

 男が召喚したのは精霊に相応しい可愛らしいモンスターだった。ゴツイ男が使うにはロリコンを疑われそうな程似合わないカードだった。

 

「このカードの効果により1枚ドロー! 更に“レイス・フィールド”の効果で1枚ドロー!」

 

 公式大会ならこれで失格と言われそうな程説明不足を発揮する男。“フェアリー・アーチン”は自分フィールドにこのカードしか存在しない状態で召喚された時、デッキから1枚ドローできるカードである。その趣旨を説明しないのはルール違反と言われかねない行為である。

 そして当然ながら兵士も咎めない。何ならこの兵士もその辺のルールが曖昧になっていたりする。兵士になる際にきちんと教育はされているが相手は程度が低いレジスタンスだ。そのうちに気にする者は少なくなっていた。

 

レジスタンス

手札4枚→5枚→6枚

 

 だがこれで男の手札は6枚になった。普通ならここで何かしらモンスターを召喚するのだが……。

 

「しまった! コストを回復しておけばよかった……! 俺は“フェアリー・アーチン”でアタックだ!」

「ライフで受けよう!」

 

統一軍兵士

ライフ6→5

 

 最早何も言う事はあるまい。

 

「おのれ……! まさかライフを減らされるとは……!」

「どうだ! これで俺が優勢だな!」

 

 何処をどう見ればそのような思考になり、自信満々に言えるのか。甚だ疑問である。

 

「さぁ! お前の番だぞ! 早くしろ!」

「良いだろう! 貴様に地獄を見せてやろう! スタンバイフェイズ! ドローフェイズ! ヒールフェイズ! メインフェイズ!」

 

統一軍兵士

手札4枚→5枚

コスト8→10

 

「認めよう。貴様は強い。まさかここまでやられるとは思わなかった」

「俺もだ。統一軍兵士の中にも強い奴がいるんだな!」

 

 何やら意気投合しているが何度でも言おう。二人が弱いだけである。何ならこの場の誰もが弱いだけである。

 

「行くぞ! 俺は手札から“アイアン・ドロー”を発動する! 俺のフィールドの“メカソルジャー”を破壊してデッキから2枚ドローする!」

 

統一軍兵士

コスト10→8

手札5枚→7枚

メカソルジャー

パワー3000→2000

 

「行くぞ! 続いて俺は“メカファイター”2体を召喚する!」

 

統一軍兵士

コスト8→6→4

メカファイター(戦闘モンスター)

コスト3 機械 パワー8000 ダメージ1

 

「パワー8000!? 強い……!」

 

 コスト3なら少し低い数値である。

 

「更に“メカスナイパー”をノーコスト召喚だ!」

 

統一軍兵士

コスト4→4

メカスナイパー(戦闘モンスター)

コスト2 機械 パワー6000 ダメージ1

 

「これで俺のフィールドには4体のモンスターが展開された! 貴様のライフも4! この勝負貰った!」

「しまった!」

 

 しまったも何もある程度は予想できた展開である。

 

「行くぞ! 俺はバトルフェイズに入る! そして“メカファイター”のパワーをアップし、アタックだ!」

 

メカファイター

パワー8000→10000

 

メカファイター

パワー8000→10000

 

「まだだ! 俺は手札からカウンターマジック“オーロラ・カーテン”を発動する!」

 

 しかし、予想外にも男は防御カードを知っていたのかデッキに入れていたようで使用してきたのである。

 

「このカードの効果でお前のフィールドのモンスターのパワーを-3000だ!」

「なんだと!?」

 

メカソルジャー

パワー2000→0

 

メカスナイパー

パワー6000→3000

 

メカファイター

パワー10000→7000

 

メカファイター

パワー10000→7000

 

 パワーが減ったがたかが3000のダウンであり、この状況ではあまり関係はないだろう。続く効果がなければ。

 瞬間、パワーが0になった“メカソルジャー”が兵士の手札に戻っていった。

 

「な、なんだと!? 一体何が……!?」

「へっ! “オーロラ・カーテン”にはパワーが0いかになったモンスターを手札に戻す効果があるのさ! 勉強不足だぜ!」

「おのれ……!」

 

 本来はきちんと説明しないといけないのを端折った男が悪い上にモンスターサモンのカードは無数に存在するのだ。全てを把握している方が化け物なのだ。そんな奴がいるのなら是非とも見てみたいものである。

 

「これで俺を倒すことは出来なくなったぜ! さぁ! どうする!」

「グぬぬ……! だが“メカファイター”のアタックは継続する!」

「それはライフだ!」

 

レジスタンス

ライフ4→3

 

「続けて“メカファイター”でアタックだ!」

「それもライフだ!」

 

レジスタンス

ライフ3→2

 

「俺はこれでターンエンドだ」

 

 結局、手札に戻すことが出来たのが“メカソルジャー”1体のみのためこのターンで敗北する事はなかったというだけでライフは2にまで追い込まれてしまっている。しかし、男は自分のライフの数値を見ていないのか余裕そうな顔をしている。そして、それが本心から来ているあたりただの馬鹿なのだろう。余程の奴でもない限りライフが少なくなるのは焦りを感じるし、“ライフ・ドロー”などというライフを削ってまでドローをする奴が以上なのである。

 

「行くぜ! 今度は俺の反撃だ!」

 

レジスタンス

手札5枚→6枚

コスト5→9

 

「よし! お前に俺の最強のモンスターを見せてやる!」

「なんだと!?」

「現れろ! “クリスタル・ドラゴン”!!!」

 

 男の声に従い、全身がクリスタルで出来たドラゴンが姿を現した。

 

レジスタンス

コスト9→1

クリスタル・ドラゴン(戦闘モンスター)

コスト8 ドラゴン パワー31000 ダメージ2

 

「パワー31000だと!? そんなモンスターを一対どうやって倒せばいいのだ……!?」

「これが俺の切り札だ! 行け! “クリスタル・ドラゴン”!」

「ら、ライフだ!」

 

統一軍兵士

ライフ5→3

 

「どうだ!」

「くっ! まさかこれだけのモンスターを従えていたとは……!」

 

 統一軍兵士は“クリスタル・ドラゴン”の登場に戦意を喪失気味だがこの盤面を見ればどう見ても兵士の方が有利である。そもそも、ライフが少ない以上大型モンスターを召喚するよりも小型モンスターを並べるべきであった。ただでさえ“クリスタル・ドラゴン”は召喚コストを軽減できないモンスターなのに他に効果を持っていないのだ。この状況では召喚する意味がなかった。

 そして、“クリスタル・ドラゴン”の召喚ですっかり“レイス・フィールド”の効果を話捨てているあたり男にはサモンバトルの才能がないのかもしれない。レジスタンス等やらずにカードに関係ない職業に就く方が将来は安泰だろう。少なくともここにいるより断然マシだ。

 

「俺はターンエンドだ!」

「くっ! だが俺も負けはせんぞ! スタンバイフェイズ! ドローフェイズ! ヒールフェイズ! メインフェイズ」

 

統一軍兵士

手札5枚→6枚

コスト4→7

 

「俺は“メカソルジャー”を再び召喚する!」

 

統一軍兵士

コスト7→6

メカソルジャー(戦闘モンスター)

コスト1 機械 パワー1000 ダメージ1

 

「そして出でよ! “メカソルジャー”を超える最強のモンスター! “メカソルジャーMk-Ⅱ”!」

 

統一軍兵士

コスト6→3

メカソルジャーMk-Ⅱ(戦闘モンスター)

コスト3 機械 パワー3000 ダメージ1

 

 統一軍兵士はここで最新のカードを召喚した。現状においては未だ一般販売されていないカードであり、統一軍兵士にしか配備されていないカードだった。男も苦労して何とか手に入れた1枚をこうして召喚したのである。

 

「“メカソルジャー”を超えるカード!? マジかよ強そうじゃねぇか」

 

 因みにフィールド・セメタリーのカードは相手のカードでもディスクから確認できる。それをしないで見た目だけで判断するあたり(略

 

「“メカソルジャーMk-Ⅱ”の召喚時効果発動! 俺はデッキから1枚ドローする!」

「くっ!」

 

統一軍兵士

手札4枚→5枚

 

 別に焦る必要もないただのドローである。

 

「これで盤面は整った! 覚悟せよ! 俺はバトルフェイズに入る!」

「くっ!」

 

 もはや男は詰みなのだが男は劣勢とだけ思っているようで絶望はしていなかった。

 

「行くぞ! “メカファイター”でアタックだ!」

「まだ余裕はある! 俺はライフで受ける!」

 

レジスタンス

ライフ2→1

 

 余裕はもはやないのだがやはり男は自分のライフ数を把握していないようだった。故に……。

 

「“メカソルジャーMk-Ⅱ”でアタックだ!」

「ライフで受ける! ぐあぁぁぁぁっ!!!??????」

 

レジスタンス

ライフ1→0

 

 当然こうなった。男はブロッカーがいながら最後のライフでアタックを受けたために敗北し、大きく吹き飛ばされた。レジスタンスと統一軍兵士のサモンバトルは通常よりダメージが大きくなるように設定されている為に負けた時は立ち上がる事が出来ない程のダメージを負う事になる。男も例にもれず吹き飛ばされた先で倒れていた。

 

「まさか負けるなんて……!」

「お前も中々の腕前だったぞ」

 

 男を確保するべく兵士が近寄ってくるがその表情は穏やかであった。

 

「レジスタンス活動をさせておくにはもったいない腕だ」

「……だが、負けた」

「ああ。だが俺をここまで追い込むなんて中々いないぞ? 確実にお前は強者だ。しっかりと罪を償い真っ当な人生を歩むんだ。お前ほどの実力者ならそれが出来るぞ」

「……ふ、考えておくさ」

 

 兵士の言葉に男も負けたと言わんばかりに呟く。しかし、改めて言おう。二人が弱いだけである。二人とも本当の強者の前では瞬殺されるモブ以上の実力はない。兵士も花ヶ咲花蓮や恐我斯竜、百鬼行夜と言った大規模レジスタンスの実力者どころか最悪の場合、福島で活動中の東海林健吾にさえ及ばないだろう。何なら今は大会上位に入れない程度の実力しかない蜂谷針治にも勝てないだろう。

 だが、そんなことを二人が知るはずも、そして周囲が知っているはずもなく、二人は本気で自分たちは強いと思いながら今後の人生を歩んでいくのだった。

 

 因みに、包囲網は見事レジスタンスに崩壊させられ、捕まえる事が出来たレジスタスは僅か数名であったという。

 




あとがき
「ぶあっくしょん!!!」
「隊長? どうしましたか?」
「いや、なんでもない
(誰かが噂しているのか? しかもこの感じ、悪口か? 憑依直後なのに悪口とか最悪すぎる)」
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