手綱を握れ!人ちゃん&響ちゃん!   作:エヴォルヴ

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短めです。雑でごめん。


騎馬戦……騎馬戦?騎馬戦なのか、これ?

『第二種目は────騎馬戦!!』

 

 騎馬戦。騎馬戦と言ったか、ミッドナイト先生。ということは鉢巻の奪い合いだろうか。騎馬に乗って武器を振り回したら無双ゲームと似たようなものになりそう。

 

『制限時間は十五分! 第一種目の順位で各個人にポイントが振り分けられ、組んだ騎馬で合計、その分のポイントが書いてあるハチマキを奪い合い、保持ポイントを競い合う競技よ!!』

 

 ふむ、やっぱりそういう感じですか。そうですか。それで、どれだけのポイントが振り分けられ────

 

『一位の心操君は1000万ポイント!!』

 

「「「ざっぱ!」」」

 

『そこ、静かに!』

 

 言論統制入りました。悲しいね、ヒトージ。

 

『チーム決めの制限時間は十五分! 今から決めなさい! よーい、始め!!』

 

「「「成立!」」」

 

「「馬!」」

 

「乗り手!」

 

 チーム決めが始まった瞬間、俺達はお互いの腕を掴んでチームを結成。騎手は俺。体幹が一番強いのは俺だからね。というか人ちゃんの詰め込まれた筋肉を支えるのはちょっとキツイかなって……で、響ちゃんは遠距離持ちで後ろからチクチク攻撃してほしいので騎馬。恨めしそうな顔を見せても組まないぜ皆! 

 残り一人? 決まってるだろ……!! 

 

「物間君!」

 

「おや、どうかしたのかい、多々良君?」

 

「組もう!」

 

「直球で来たね」

 

「物間君ほどのジョーカーを逃す理由は無いんだよなぁ……!!」

 

 コピーだぞ? コピーってことはあれだぞ? 人ちゃんと響ちゃんがもう一人いるっていうことだぞ? そんなの最強じゃないか。

 

「大げさな言い方だね。僕はどちらかと言えば脇役だぜ?」

 

「カービィって知ってるか?」

 

「カー……なんだって?」

 

「何でもコピーする無法キャラ。コピーキャラは脇役じゃない。主人公ポジだよ」

 

 名作だぞ、カービィ。星の戦士だぞ。やってよ物間君。やれ。丁度うちのクラスにはカービィのコピー能力みたいな個性をお持ちの人がたくさんいてだな……! ファイターでしょ? スープレックスでしょ? ボムでしょ? アイスでしょ? ファイアーでしょ? ストーン(硬化)でしょ? うーん、たくさんいるからね! 

 

「というわけで組もう! 組め」

 

「強引過ぎないかい!? というか僕はB組の皆と組もうと────」

 

「交友関係広げておいで問題児」

 

「拳藤!?」

 

「おー! 負けないからな物間ァ!!」

 

「鉄哲ぅ!?」

 

「「「採用!!」」」

 

「うおぉおおおおおお離せぇえええええええ!!!」

 

 さぁ、行こうじゃないか物間君、高みへ。更に向こうへって校訓を実践していこうぜ! 

 

「ガス欠とはいえ、飯田と競り合えてたんだ。行けるだろ」

 

「エンジンをコピーしてたんだっけ。あれって痛くないの?」

 

「引き抜ける感じがしたから抜いたら痛いだろうね」

 

 へー……引き抜いたらさらに頑丈なマフラーが生えてきたりするのかな? 

 

「あと飯田君だっけ? 彼、とんでもない速度を叩き出せるみたいだよ。僕が使えたんだから、彼自身も使えるはずさ」

 

「切り札って感じか……」

 

 とんでもない速度、となると反応が遅れるくらいの速度に到達できるってことなのかな? 速度……到達……14の言葉……カブトムシ……天国への到達……カブトムシ……カブトムシ……

 

「起きろ変態」

 

「お゛っ♡!?」

 

「なんで地上波で発情顔を晒してしまうのか」

 

 響ちゃんの攻撃で気持ちよくならない方が噓でしょ♡

 

「ただ、デメリットもある。そうでしょ?」

 

「スルースキルが高いね!? ……まぁ、そうだね。デメリットはある。エンストを熾すんだ。それで僕はガス欠を起こしてあの順位さ」

 

「なーる」

 

 なら、その切り札を使われた時にどう守るかを考えた方がいい感じかな? 動体視力は比較的上の方だよ、俺。じゃないと武器に振り回される羽目になったりするからね。……武器と言えば。

 

「ミッドナイト先生! 武器は使ってもいいですか!?」

 

『殺傷力がそこまで無い武器なら認めます!!』

 

「勝ったな」

 

「「あ」」

 

「ん? 何か秘策でもあるのかい?」

 

 ミスりましたね、ミッドナイト先生……! 殺傷力の無い武器はたくさんあるんだぜ……! 

 

「全員放送事故にしちゃうぞ♡」

 

「感度6000倍を使うつもりだこいつ!?」

 

「止めろ変態!」

 

「ネーミングセンスがアレじゃないかい?」

 

 え? ダメ!? そっかぁ……そっか……うん。

 

「ま、いいか! 時間が無いし作戦会議を始める!」

 

「この布陣でそう簡単に負けるとは思えないけどね」

 

「……物間君、ちょっと狂気的な笑い方しながらこの程度想定の範囲内だよって言ってくれない?」

 

「唐突になんだい!?」

 

 よし、緊張は解れたみたいだね! というわけで残り少ない開始時間までの間に、ある程度の作戦を考え────開始時刻となった。

 

 

『さぁ、上げてけ鬨の声!! 血で血を洗う雄英の合戦が今!! 狼煙を上げる!!』

 

 

「んじゃ、行きますか! 響ちゃん!」

 

「うん!」

 

「人ちゃん!」

 

「あいよ!」

 

「物間君!」

 

「ああ!」

 

「楽しんでいこうか!!」

 

 

 

 

 

『騎馬戦、スタァアアアアアアアアアアアアトッッ!!』

 

 

 

 

 

 プレゼントマイク先生の叫びで始まった騎馬戦。まぁ、ぶっちゃけ俺達を狙う連中しかいないよね。

 

「実質1000万争奪戦!」

 

「寄こせや武器野郎!!」

 

「キレ散らかすことしかできないのかい、君達のクラスメイトは。動物園かな?」

 

「ア゛ァ゛!? ──────」

 

「「「爆豪!!?」」」

 

 いえーい、初っ端から作戦成功だ!! 物間君がコピーしたのは、人ちゃんの個性。洗脳ってやっぱり強くない? マジで強いよね。そしてそれを使いこなせる物間君も凄い。人ちゃんは俺と響ちゃんの声真似ができるし、物間君は物間君で煽りが上手なので酷い組み合わせだと思う。強すぎて泣けてくるね。人ちゃんが二人いるってこんなにも厄介なんだと今一度理解させられるよ。

 ちなみに前方を響ちゃん、残り二人が後ろで俺を支えてくれている。この安定感よ。

 

「さて、次が来るよ! 二時の方向! 氷が迫ってる! 僕と耳郎さんの音で相殺!」

 

「司令塔が有効だ」

 

「やはり司令塔か……」

 

「恐らく司令塔」

 

「ソウルライクになってるねぇ!?」

 

 マジで司令塔向きだと思うよ物間君。視野は広いし、個性の対応も巧い。不協和音なせいで逆に氷が砕けていく中、飛び込んできたのは、黒い影。あれは確か────常闇君の黒影(ダークシャドウ)!! 

 

「点貰ッテクゾ!」

 

「させないよ! 文明開化剣(チャッカマン)!」

 

「ヒャンッ!?」

 

 無機物にのみ着火する剣から溢れる炎を黒影(ダークシャドウ)に向けると、嫌がるように炎を避けた。うむ、予想通り。……まぁ、物間君が予想していただけなんだけど。やっぱり物間君やべーよ。

 

「闇属性には光属性ってね!」

 

「クッ、弱点がバレていたか!?」

 

「厄介な相手の分析と予測くらいはするに決まってるよねぇ!!」

 

「イキイキしてるなぁ、物間」

 

「動く司令塔タイプだよね、間違いなく」

 

 これで体術もある程度できるようになったら、マジで手が付けられない存在になるのではなかろうか、物間君。これは俺達も負けていられない。コピー元が劣っているなんて笑えない冗談だからね! もっと全力で行ってみようか!! 

 

「突撃じゃああああああ!!」

 

「おお!? 元気な人が来た!?」

 

「鉄哲か! 個性はスティール! 超硬い!! あと後方から骨抜の個性が来るよ!!」

 

 なら使うしかないか! 

 

「響ちゃん、人ちゃん、物間君! 全力で支えてね!!」

 

「「「了解!!」」」

 

 また眠ることになっちゃうけど、力を貸してね、決闘壁盾(コロッセオ)!! 

 

「ぶっ飛ばせ! 決闘壁盾(コロッセオ)!!」

 

「「「おおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!?」」」

 

『銅鑼が鳴ったらぶっ飛んだぁああああ!! 盾かありゃ!?』

 

決闘壁盾(コロッセオ)だったか。銅鑼を鳴らすことで障壁を張るか、衝撃波を放つかを選べる盾だな。重いから鈍器にもなる。ただ、衝撃波を放つと、一定時間のインターバルを挟まないといけない。癖はあるが、使いこなせればかなり強力な盾だ』

 

 相澤先生の言う通り、これで決闘壁盾(コロッセオ)はただの鈍器になってしまった。スロットに仕舞い込み、スロットに入れているお気に入りを取り出す。その武器は、ショッキングピンクのハートマークが所々にアクセントとして刻み込まれているが、下地が黒いから凄くカッコいい見た目に見える短剣である。

 

「すまん峰田、蛙吹。俺はあれに近付きたくない」

 

「何でだよ!?」

 

「ケロ。障子ちゃん、それはどうして────」

 

「「「障~子~君~!! あーそーぼー!!」」」

 

「俺の傍に近寄るなぁあああああああああ!!!」

 

 ああん、いけずな人。いいじゃん、斬らせてよこの短剣で。……まぁ、見せしめというわけではないけど、あの障子君があそこまで声を荒上げて後退するというのを見て、皆がこの武器に警戒心を向けざるを得ないよね。お、緑谷君もちょっと震えてる。淫語刀と同系列の武器だって気付いちゃったのかな? 

 

「安心して! 感度100倍までしかやらないから!」

 

「「「安心できるか!!?」」」

 

「大丈夫、感度1000倍アンポンタンにはしないから!!」

 

「100倍でも危険だよね!?」

 

「服だけ切り裂かれるよりはマシでしょ。ほら、さっさと鉢巻手に入れな変態」(中学のおもひで)

 

「淫語しか話せなくなって風に触れただけで体が反応するよりはマシだろ。さっさと鉢巻取れ変態」(高校のおもひで)

 

「ああんっ♡情熱的な言葉責めだね♡」

 

「なんて澄んだ目をするんだ二人共……!!」

 

 大丈夫、すぐに物間君も思い出が作れるからね。俺と戦う時は感度3000倍にされるか、淫語しか話せなくなるか斬られるか殴られるかを覚悟せよ。ヴィランよ、震えて眠れ。俺が来たぞ!! 

 

「とりあえず貰っていくね!」

 

「あ────」

 

「油断大敵だぜ、B組」

 

「あと見えてるよ上鳴!!」

 

「ウェエエイ!?」

 

 なんか今オンドゥル語が聞えた気がするけど気のせいだよね? 

 

「油断大敵はそっちもだ!」

 

「気付いてるよ!」

 

「ひぎっ!!?」

 

「「「ああ……」」」(世の理の無常を見る目)

 

 残念だったね、B組の人。切り離して戻すタイプの個性みたいだけど、操れるなら感覚があるんだよね? 感度100倍の餌食だ。手だけ感度100倍ってどんな感じなのかな? 

 

「掠めただけだから三分もあれば治るよ!」

 

「三分も感度100倍なのか……」

 

「哀れな……」

 

「多々良君、君だけは怒らせないようにするよ」

 

 そんなことしなくても平等に感度100倍にするから安心してよ物間君。

 さてさて、そんなことをしている間に残り時間は一分を切っていた。うーむ、濃密な十五分間だぁ……お? 

 

「武器野郎ぉおおおおお!!」

 

「おっと、爆豪君がエントリーだ!」

 

「死に晒せ!!」

 

「死なな────おおっと!?」

 

 物間君にジャージを引っ張られたので、それに身を任せた瞬間、凄まじい風が通り抜けた。恐らくこれが────

 

「飯田君の切り札────あばばばばばばっばばばば!!?」

 

『一か八かの上鳴の個性が炸裂!! 全員が足を止めざるを得ない!!』

 

『カウンター気味に個性を発動したか。耳郎の妨害があっても、最大出力を出せるのは評価すべきだな。だが────』

 

「貰ったよ、A組!!」

 

『物間が飯田に触れていた』

 

「エンジン最大────レシプロバースト!!」

 

 グゥンッ!! と体が引っ張られるような感覚を味わいながら、俺達は物間君に押される形でこの場を離脱する。なんてこった物間君、君がMVPだ!! 

 

『──────―ここで第二種目終了ぉおおおお!! まさかまさかの大展開! 第一、第二種目どちらも勝ち取った多々良チーム!! B組の物間が司令塔として随分と働いていたぁ!!』

 

『物間は周囲をよく見ていたな。最後の最後、冷静に飯田に触れていたのがあのチームを一位に留めた』

 

『これは波乱の予感がするぜ!! さぁ、二位、三位、四位を発表していくぜ!! 二位は爆豪チーム! 三位は轟チーム! 四位は緑谷チームだぁ!!』

 

 やったね、決勝で皆と戦えるってさ。楽しんでいこうぜ。

 えーと、決勝に参加するのは……俺、響ちゃん、人ちゃん、物間君、爆豪君、緑谷君、轟君、切島君、芦戸さん、瀬呂君、上鳴君、八百万さん、麗日さん、常闇君、発目さん? 、飯田君だってさ。発目さんって誰? サポート科? そうなんだ……へー……うん。何だか我が道を突き進むタイプな気がする。

 

『決勝戦を始める前に昼休憩よ! レクリエーションもあるから皆で盛り上げていきなさい!!』

 

「よし、食べに行くよ!!」

 

「よし来た」

 

「食べてすぐに準備しないとだからね!」

 

 いざ、作って来た重箱三つを食べきらん。そう思った矢先。

 

「多々良、ちょっといいか」

 

「お? 轟君も弁当食べる? いいよ!」

 

「違ぇ。緑谷もちょっといいか」

 

「轟君?」

 

「時間は取らせねぇ。……話がある」

 

 んんんんんんんんんんん??????? 

 

 

 

 

 ────────────────────────────────────────────────

 

 

 

 

「緑谷に、気圧された。自分の制約を破っちまうほどに」

 

「ん? ああ、左側のこと? 何か決めてたの?」

 

「ああ。戦闘において、左側は使わねぇって決めてんだ」

 

「……そういえば、左側……」

 

「多々良にも、心操にも、耳郎にも……あと、B組のやつにも負けた。……緑谷にも、多々良にも、俺は勝たなくちゃいけねぇ。右側だけで。……俺の親父はエンデヴァー。知ってるだろ」

 

「ごめん、あんまり知らない」

 

「多々良君!?」

 

 何か凄いヒーローってことしか知らない。でも、ヒーローが父親かぁ……俺の両親もぼやいていることだけどさ、家族サービスできてなさそうだよね、多忙過ぎて。

 そんなことを考えていると、轟君の口から伝えられる、彼の出生と、エンデヴァーが轟君に何をしてきたか。轟君のお母さんがどうなってしまったのか。そして、轟君自身の目的。エンデヴァーの力を使わずに強くなって、エンデヴァーを完全否定する。

 

 正直信じられないというか、心が痛いというか、現実味がないというか……俺は両親にも、友達にも、環境にも恵まれたから。

 

「んー……俺はさ、轟君」

 

「……」

 

「正直、君の心情とかは分からないよ。恵まれたからさ。だから、これは轟君を傷付けると思う。けど、それでも言わせて。────────────────なんでそうなるの???」

 

「多々良君!?」

 

「だってそうじゃん! 轟君の個性はエンデヴァーの個性じゃないよ!? 轟君はエンデヴァーじゃないし、エンデヴァーは轟君じゃないよ!?」

 

 ポカン、とした表情を浮かべた轟君の目を見て思い付いた言葉を吐き出しまくっていく。

 

「うん、ごめん! 何言ってるのか自分でも分からない! でもさ! 難しく考えすぎだと思う! 君は君! エンデヴァーはエンデヴァー! それで良くない!? 俺はそう思うよ! 楽観的だからね、俺!」

 

「……」

 

「いや、無理だよね! ごめん! 何か上手く言えない! お腹減った! 響ちゃんと人ちゃん待ってるし! 轟君と緑谷君も食べに来る!?」

 

「いや……いい」

 

「僕も大丈夫……」

 

「そっか! じゃあ、また後でね!!」

 

 ごめんよ轟君。お腹が空いて仕方がないんだ。

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