手綱を握れ!人ちゃん&響ちゃん!   作:エヴォルヴ

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映画編です。サクサク進んでいきましょう。

あとがきにちょっとした絵を載せました。俺にはここが限界だった。


夏休みのおもひで

「わ、見えてきた」

 

「ステラテラスした亀みてぇ」

 

「確かに。あの亀公に似てるかも」

 

「亀と言えば沙悟浄って黒神話に出てこなかったけど、人気ないのかな?」

 

 林間合宿前の夏休みのある日。職場体験以来の飛行機に乗って、俺達はスターアンドストライプに貰ったI・エキスポプレオープン参加チケットを片手に、I・アイランドへと向かっていた。とても大きいステラテラス亀にしか見えない。あの先生一回檻の中に放り込んだ方がいいと思う。

 

 いやまぁ、しかし、夏休み前の小旅行としては贅沢の極みと言えるだろう。一般人ならば一生に一度行けるかどうかというI・エキスポのプレオープンにこうして参加できるのだから。ところでスターアンドストライプ、封筒の中に入っていた恐ろしい額の小切手はお返ししてもよろしいでしょうか? あ、ダメですか、そうですか……馬鹿がよぉ。

 

 さて、I・アイランドに近付いたことで間もなく到着のアナウンスが流れた。ヒーローコスチューム装着OKということだったので、着替えなくては……

 

「響ちゃんお先にどうぞ」

 

「響香が先に着替えろよ。俺達はポケモンの交換で時間を潰す」

 

「ウチの図鑑も埋めといて」

 

「「了解」」

 

 響ちゃんが着替えている間に俺達はポケモン図鑑を埋める作業を行う。何その首長ライコウ。どうしてそんな姿に……ダイマックスしたポケモンでもそんな姿には────いや、なりそうだな? 

 

 図鑑埋めの八割が完了したところで響ちゃんが着替え終わったので、俺達もヒーローコスチュームに着替える。修理に修理を重ねているけれども、そこまで変わっていない。変わったとすれば、開閉可能な隙間を背中に追加したくらいだろうか。じゃないと悪竜の刃(アジ・ダハーカ)を使った際に生えてくる竜の首とか尻尾がコスチュームを突き破ってしまうのだ。

 

「そういえば、I・アイランドって毎日開発が続けられてるんだよね?」

 

「らしいな」

 

「電気代とかどのくらいかかってるんだろ……」

 

 飛行機から降りてすぐに入国審査を行い、ロビーを出る。見たことがないような科学技術がたくさん使われているのだろうな、という場所を抜ければ、近未来的な建物が多い南国のようなI・アイランドに到着だ。……サイバーパンク南国味を感じる。

 

「ようこそ、I・アイランドへ!」

 

「わぁっ!? ろ、ロボット……?」

 

 某夢の国やユニバーサルな場所が集まったアトラクションサイバーパンク南国味で生まれたであろう人型ロボットは、液晶モニターで感情表現をしている。しかも軽くここからどこに行けばどんなものがあるかも教えてくれた。凄い技術だなぁ。

 

「あんなロボットもいるんだな……めっちゃ流暢に言葉話してた……」

 

「サイバーパンクじゃん」

 

「どっちかって言うとニーア……?」

 

「「「東京タワー赤く染めなくちゃなぁ……」」」(死んだ目)

 

 遊園地みたいな場所を歩くだけでも結構楽しいぞ、これ……わー、遊園地デートin幼馴染三人組って感じだ。遊園地、実は行ったことがないのでどんな場所なのかは知らないけど。多分あれでしょ? 風雲相澤城の弱体化した感じの場所。

 

「あれ!? 君達もしかしてアメリカで凶悪ヴィラン達を捕まえたってニュースの……!?」

 

「イヤホン=ジャックとペルソナコードと……あと煉武だ!」

 

「わー! 写真で見るよりもカッコいい! サイン書いてくれますか!?」

 

 ニュースになっていたとは聞いていたけど、写真なんていつ撮られたんだろうか……俺は取材に出てないはずなんだけど。出ていたとしてもスターアンドストライプ達────あ、もしかしてブルズアイとブルショットとの写真撮影か……? SNSに投稿してもいいかって聞かれてOKって答えた気がする。サインなんて練習してないんだけどなぁ……二人も────うん、だよね、してないよね。即興でサイン書けってこと? 仕方ない、頑張って書いてみようじゃないか。

 

「どこに書けばいいです?」

 

「じゃあこの財布に!」

 

「凄いおしゃれな財布! いいんですか!?」

 

「もちろん!」

 

 書き寄せみたいな感じで? なるほど? じゃあこういう文字で……『煉武』、と。あ、名前も書いてほしい? なるほど? お名前は? はいはい、メグさんね。で、お次は? まぁ、またもやおしゃれなシャツ……マジで書いていいんですか? いいなら書きますけど……お名前は……シェーマスさん……ああ、はい、俺がプロヒーローになったら自慢してくださいな。

 

 滅茶苦茶サイン書きまくって、海外の観光客の人達とも写真を撮って、響ちゃんにナンパしようとした人に人ちゃんと共にメンチ切ったりして落ち着いた頃、ようやく俺達はI・アイランドのアトラクションを見て回り始める。ヒーローコスチュームを装備していなかったらこうはならなかったか……? でも体育祭の動画とか結構出回っているらしいし……うーん、どうだろう? 

 

「どこ見る?」

 

「まずはパビリオンだろ」

 

「ヒーローアイテム見るのは結構楽しいからね」

 

 じゃあそこに行こう。拡張アイテムかぁ……俺の場合、それを武器でどうにかできちゃうからな……サポートアイテムはどっちかというと邪魔になる可能性が高くて……サブアームとかは気になるけど、悪竜の刃が使えるようになった今、竜の首に武器を咥えてもらえばいいし……

 

 そんなことを考えながら、さっきのロボットが話してくれたパビリオンに向かうと、凄まじい量のヒーローアイテムが展示されていた。……何だろう、博物館とか博覧会とかの気配がする。事実博覧会なんだけどね? 

 

「最新ヒーローアイテムがこんなに……」

 

「お、見ろよこのビークル。飛べる、走れる、潜れるだってさ」

 

「へー……見た目がC兵器なのはツッコまない方がいいかな?」

 

「お、こっちは潜水スーツだって。マッコウクジラの生息域の水圧に耐えるみたい」

 

「へー、深海って何がいるのか分からないから怖いよね」

 

「あれは……ドローンか? 遠隔操作による支援をメインとして……へー、5トンまで運べるのか」

 

「あのサイズで? どんな馬力だよ……」

 

 シンギュラリティってやつが起こってそうなものばっかりが展示されているそれらの特許を見ると、大体にデヴィット・シールドという名前が記載されている。へー、凄い人なんだなぁ……こういう人がいるからこそ、世界の技術が発展し続けているのだろう。その調子で宇宙旅行もできるようにならないかな? 

 

「これ、商品化したら何円くらいするんだろ」

 

「何億とか行きそうだよね」

 

「一点ものとかだとそうなるかもなぁ……やべぇな」

 

 おや、あの車、キャンピングカー……? いいなぁ、キャンピングカー……いつかは免許を取ってああいう車でキャンプとかしてみたい。おお、IH式なんだ。ほうほう、船にもなるのか……海の上でキャンプ……酔いそうだけどそこんとこどうなんだろう。ちゃんと対策が……してあるけど、まだまだ実験中みたい。俺がプロヒーローになった頃には販売されているだろうか? 

 

「お、ホテルにカフェあるみたいだな。ちょっと休憩しようぜ。ホテルのチェックインもあるし」

 

「だね。壱、行くよ」

 

「はーい」

 

 ホテルのカフェって、おしゃれなコーヒーとか軽食が置かれているイメージがあるけど、ここのホテルはどんな感じなんだろう? ちょっと楽しみだ。

 

 

 

 

 

 ────────────────────────────────────────────────────

 

 

 

 

 

 うーん、ベッドが凄まじい柔らかさだ。これはぐっすり眠れる予感がする……ところで、どうしてベッドが二つしか無いんですかね? 三人部屋のはずですよね? …………………………………………よし。

 

「人ちゃんと俺で一つ、響ちゃんで一つだね」

 

「デカいし二人で寝てもまだ広いな」

 

「三人の可能性……!!」

 

「だが壱、てめぇは響香と一緒だ」

 

「何故」

 

「俺はこのデカいベッドを一人で堪能させてもらうぜ……! とりあえずベッドダイブだオラァ!」

 

 あ、それはちょっと羨ましい! というわけで俺もベッドダイブ行きます! 

 

「とうっ……!」

 

 ぼふんっ、と全身を包み込む羽毛の感触。しかし本物の羽毛ではなく人工的に作られた羽毛だそう……これが? マジで? めっちゃ柔らかいんですけど? 

 ちょっと肌寒いくらいに冷やされている部屋にこの羽毛布団とベッド……最高の贅沢というやつなのでは…………そう思った矢先。俺の上に程よい重さが降ってきた。この柔らかくて軽い感触……間違いなく響ちゃん……!! 

 

「やっぱり胸ちょっと大きくなってるよね」

 

「首絞められたい?」

 

「んぎゅっ……♡♡♡!?」

 

 言った時にはもう行動が終わってる響ちゃん、素敵♡……!! 

 

「こいつ首に性感帯が……!? すっげぇ変態だぜこいつ」

 

「いつの間にか性感帯になってたよ♡」

 

「変態が加速してる……」

 

「日頃から二人が調教してくれるお蔭だよ♡♡最高♡♡」

 

「「最悪だよ」」

 

 そう言いながらも響ちゃんは俺の体から離れることはしないんだね。口では罵倒しながらも体は正直だね♡柔らかくて、温かくて、気持ちいいのでもっと密着してくれてもいいよ♡あ、響ちゃんの声とか吐息が耳元で聞えるから耳が幸せ♡ビクンビクンって体が感じちゃう♡

 

「カフェメニュー見れるじゃん。何飲む? 届けてくれるらしいぜ」

 

「アイスコーヒー」

 

「ホットコーヒー」

 

「んじゃ俺はコーヒーっと……軽食とかは?」

 

 それはいいかな。そう伝えると、人ちゃんがタブレットで注文してくれた。ここのコーヒーはサイフォンで淹れているらしい。アイスコーヒーは氷から淹れていると聞くが、どれだけ時間をかけているんだ……

 大体十分後くらいに届いた絶品コーヒーに舌鼓を打ちながら────名残惜しいけど響ちゃんと離れた────外を見てみると、岩山ゾーンみたいなところで催し物が行われていることに気付く。近くを通るドローンが投影している映像には何と、見覚えのあるバチンウニヘッドが。そういえばあのバチンウニヘッドの戦闘員A、最近現れないな……焼きウニ軍艦にしてやろうと思ってるんだけど、逃げたか? フン、雑魚カ。マァ、コンナモノダロウ。(殿下並感)

 

「あ、爆豪じゃん」

 

「切島もいるじゃんか」

 

 へー、ヴィランアタック……ヒーロー向けのヴィラン退治タイムアタックかぁ……爆豪君のクリアタイムは12秒でトップ。相変わらずの実力。感度7900倍でビクビクしていた人だとは思えないね! 

 

「テレビでも見れるみたいだね。────お、緑谷もいるじゃん」

 

「皆来てるのかな?」

 

「多分来てるんじゃない? ヤオモモとかからチケット譲ってもらった人とか」

 

 女子の皆はレセプションパーティーに合流するんだって。ドレスコードがあるみたいだけど、皆ドレスを買ってきたのかな? レンタルできるものなの? 一応俺と人ちゃんと響ちゃんは買ってきたけど……今は結構安く手に入るんだね、スーツとかも。ところで服屋さん、俺にドレスを勧めてきた時は思わず泣きそうになったよ……

 

「髪、切ろうかな……」

 

「いいんじゃね────いや、俺は何も言うまい」

 

「却下。もうちょい伸ばしてもいい」

 

「何故」(サンブレイク並感)

 

「そっちの方が可愛いから」

 

「響ちゃんにはカッコいいって思われたい人生だった……」

 

 緑谷君の記録は12秒。ヘイヘイ緑谷君、30%到達したって聞いたけど? もうちょっと行けるでしょ? ほらほら、プルスウルトラだろ? しろよ、ULTRA。しないなら感度7900倍行ってみようぜ……新しい世界を見ることができると思うよ。

 

「……緑谷が青ざめたな」

 

「壱の念が届いたか」

 

「これが以心伝心……!!」

 

 あ、全域が凍った。……轟君も来てるんだ……これもしかしてA組全員合流できるのでは……?

 

 

 

 




適当に描いた煉武の頭装備と悪竜の刃(アジ・ダハーカ)の首です。首、もうちょっとスマートに描きたかった。実際はもうちょっと首の部分が細いです。誰か後は頼んだ。(他力本願寺)

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